DXコラム

Salesforceとは?有効活用するための方法やポイントを解説

#DX推進  #Salesforce 

2022.7.18
 ローコード

Salesforceとは?有効活用するための方法やポイントを解説

はじめに

業務に貢献するサービスとして、多くの企業がSalesforceを活用していますが、どのようなサービスかご存じでしょうか。
Salesforceは、企業の営業活動に大きく貢献し、あらゆる課題に応えるサービスです。導入を検討する際は、既存の自社システムとの違いや、どのように貢献するのかに理解を深める必要があるでしょう。
この記事では、Salesforceの機能や、導入に際して理解しておくべきことについて解説します。導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

Salesforceとは何か?利用目的や特徴について解説

まず、Salesforceについて、どのようなサービスなのかを解説します。Salesforceへの理解を深め、導入する際の参考にしてください。

Salesforceはビジネス向けのクラウド型アプリケーション

Salesforceは「セールスフォース・ドットコム社」のサービスで、ビジネス向けのクラウド型アプリケーションです。企業の目的に適したあらゆるサービスを提供するプラットフォームの総称で、おもな製品としてSFAやCRMなどが挙げられます。
Salesforceは世界中の企業で導入されており、世界で第1位、日本でも第1位のシェアを誇るサービスです。Salesforceを導入すれば、顧客情報の管理と並行して営業プロセスの可視化が可能となり、効率的な営業活動を実現します。

Salesforceの特徴

これまでのソフトウェアサービスは、パッケージ製品のソフトウェアをパソコンにインストールする必要がありました。そのため、機能が選別できないことや、パソコンの台数によるコスト増大という課題を解消しなければなりません。
Salesforceは「SaaS(Software as a Service)」という種類の製品であり、インターネット環境さえあれば、あらゆるデバイスからの利用が可能です。部署や事業規模に適した活用を実現し、処理能力や操作性の向上が期待されます。

Salesforceが提供しているサービスを紹介

Salesforceのサービスは、マーケティングや営業など、あらゆるシチュエーションで活用されていますが、具体的にどのようなサービスを提供しているのかをご存じでしょうか。
Salesforceのおもなサービスや、それぞれの役割について解説しますので、自社業務に活用できるよう、理解を深めましょう。

Marketing Cloud

「Marketing Cloud」は、マーケティングを自動化することに特化したシステムで、顧客一人ひとりに適したマーケティング(One to Oneマーケティング)を実現します。
顧客の行動を分析することで、予算や効果などの最適化が可能となり、顧客に関連性の高いコンテンツの配信や、必要と思われるタイミングでの送信が可能です。そのため、あらゆる顧客へのマーケティングが可能となるでしょう。
コンテンツ作成は画面上で簡単に行なえるため、コンテンツ作成に必要な労力も最小限に抑えられるのが特徴です。

Sales Cloud

「Sales Cloud」は、顧客管理ツール(CRM)と営業効率化ツール(SFA)をパッケージ化した製品で、商談内容や顧客情報などの管理を行ない、効率的な業務を実現します。
商談内容や進捗などを一人ひとりに直接確認する必要がなくなり、業務効率の改善に効果を発揮するでしょう。
Sales Cloudは、SNSとの紐づけにより情報を取り込めるため、選択肢や視点を広げるのに効果的です。また、社内SNSツール「Chatter」を利用すれば、紐づけにより得た情報の共有を可能にします。

Salesforce Platform

「Salesforce Platform」は、アプリケーションの開発が行なえる開発プラットフォームです。あらゆる業務に活用できるアプリケーションを作成し、業務効率に役立てられます。
「SAP」や「Oracle」など、外部システムとの連携により、あらゆるデータの統合および顧客情報などの一元管理が可能です。
また、ローコードによる構築が可能で、作成したアプリケーションをモバイルでもパソコンでも使用できるという利便性を兼ね備えています。

Pardot

「Pardot」とは、B to B向けに提供されている「マーケティングオートメーションツール」です。発掘した見込み客への育成を行ない、マーケティング部門から営業部門への円滑な連携により営業を支援します。
Pardotには、見込み客の行動を可視化する機能が備わっているため、見込み客のニーズを捉えたアプローチが可能です。見込み客を育成し、受注確度が高まった段階で営業部門に引き継ぐことで、効率的な営業活動を実現します。

Service Cloud

「Service Cloud」は、顧客対応の効率化を図り、顧客それぞれに適した問題解決を支援するツールです。Einsteinボットと連携しているAIチャットを活用し、顧客からのFAQに対応します。
AIチャットによる対応が難しい質問を受けたとしても、これまでのプロセスをオペレーターに引き継げるため、顧客も安心して利用できるでしょう。また、知識データベースの構築機能が備わっているため、顧客からのコンタクトの減少や、オペレーターへの負担軽減にも貢献します。

Tableau CRM

「Tableau CRM」を利用すれば、外部からインポートしたデータを含め、Salesforce全体にあるデータの分析や可視化が可能です。自社目的に適した分析のカスタマイズにより、ビジネスチャンスの検出や、成果につながる分析を実現します。
目標達成に最適と考えられる提案や、成果にフォーカスしたレコメンデーションを可能にし、顧客に適した個別ガイダンスなどに活かせるでしょう。さらに、データを共有することで、成果につながる行動を迅速に行なえます。

Experience Cloud

「Experience Cloud」は、代理店やパートナー、顧客、従業員らをつなげるコミュニティを構築するツールです。
顧客同士が交流を通じて情報を共有でき、さらに製品の購入も行なえます。従業員同士で利用する際は、担当者が情報を伝達する場として利用したり、生産性を高めるために必要な情報や知識を共有したりと、あらゆる用途での活用が可能です。
また、代理店やパートナーが利用する場合は、取引先の管理や獲得した新規リードの登録に利用するなど、スピーディな成約に向け活用し、売り上げに大きく貢献します。

Salesforce導入で得られるメリット

ここでは、Salesforceのツールがどのような場面において貢献するのかを解説します。導入を検討する際の参考にしてください。

データの可視化やノウハウ共有で高品質な営業活動を実現

Salesforceの導入により、営業スタッフと顧客の商談内容や進捗などをデータとして残せます。また、受注履歴や失注履歴の可視化により、それぞれのパターンを分析し、改善策を見出すことも可能です。
データを一目で確認できることで、社員同士で確認する工数を削減できるだけでなく、ノウハウの共有も行なえます。そのため、社員の育成に必要だった営業資料の作成や、研修時間を設ける必要もなくなり、育成コストの大幅な削減を実現するでしょう。

レポート機能でリアルタイム分析による経営

Salesforceでは、グラフで表示する機能や一覧表示するレポーティング機能により、リアルタイムでの分析が実現します。そのため、一目でリアルタイムに分析したデータを確認でき、現状の売り上げや営業活動の把握が可能です。
また、Salesforceによるレポーティング機能は、デバイスを問わず確認できるため、迅速な意志決定を可能にし、滞りのない経営判断につながるでしょう。

高度なセキュリティ対策で安心して業務に注力できる

Salesforceでは、高度なセキュリティを維持する目的で、第三者機関のセキュリティ評価を取り入れています。データが消失しないように、バックアップデータの二重保護など、さまざまな対策が行なわれているのが特徴です。
なお、世界中に配置されたデータセンターは10ヵ所におよびます。
また、Salesforce Shieldという拡張機能を導入することで、Salesforceアプリケーションに含まれる重要なデータを暗号化します。外部と内部のデータコンプライアンスポリシーに対応し、機密性の担保を実現するでしょう。

あらゆる側面から見込めるコスト削減

Salesforceを導入する際は、ハードウェアやサーバーを構築する必要がありません。使用した分の料金を支払う従量課金制であり、初期費用も抑えられます。
また、前述したように、営業活動におけるデータを残せるため、必要なノウハウをいつでも確認することが可能です。そのため、新人教育などに利用する資料を準備する手間が省けます。
さまざまな要素を踏まえると、Salesforceはあらゆるコスト削減に貢献しているサービスといえるでしょう。

Salesforceの導入で想定されるデメリット

Salesforceは非常に利便性の高い製品ですが、導入する状況によっては問題が生じる可能性もあります。どのようなケースが想定されるのかを解説しますので、導入の際にお役立てください。

サービスを盛り込みすぎて管理しきれない

Salesforceは、さまざまな機能を持ち合わせた利便性の高い製品です。それゆえ、自社業務にとって重要性の低い機能まで盛り込んでしまうこともあるかもしれません。
Salesforceはデータが蓄積されていくにつれて入力すべきデータ量は減りますが、それまでには時間を要します。また、操作に慣れないうちは、データ入力に時間を奪われ、営業活動に支障をきたす可能性もあり、本来得られるはずの成果が得られなくなる可能性も考えられるでしょう。
Salesforce導入の際は、このような状況にならないよう、適切な機能の選定を行なうことが重要です。

導入後のベネフィットとコストが見合っていない

Salesforceは、提供しているサービスや製品によって費用は異なります。そのため、すべての業務をSalesforceで管理する場合、自社が得るベネフィットに見合わないランニングコストになるかもしれません。
Salesforceを導入する際は、最小限の機能からスタートし、業務に適したサービスを導入するのがおすすめです。また、無料トライアルを活用し、自社業務に適したサービスを導入する方法も検討してみてはいかがでしょうか。
なお、Salesforceは導入後でもアップグレードが可能なため、状況に応じて機能を増やしていくことも導入方法の一つです。

運用担当者の負担が大きくなる

新たにシステムを導入する際は、データ構造や操作方法に理解を深める必要があります。また、システムを利用するのは担当者だけではないため、システムに関わる全スタッフに操作方法を教えなければなりません。
しかし、通常業務と兼任しながらシステム管理に携わる場合、担当者の負担が大きくなってしまい、状況によっては管理に支障をきたすかもしれません。このような状況を回避するには、専任のスタッフを配置するのが賢明ですが、人材コストが発生することも考慮する必要があるでしょう。

Salesforceの導入を成功させるポイントとは

Salesforceは、導入することがゴールではありません。導入後、どのように運用していけば営業活動に活かせるのかを解説しますので、Salesforceの運用に理解を深めましょう。

解決すべき課題と導入目的の明確化

Salesforceを導入する際は、解消したい問題は何なのかを明確にし、自社に適した対処法に理解を深めることが重要です。解消すべき問題を明確にできれば、すでに稼働している自社システムとの連携がスムーズに行なえるでしょう。
Salesforceは、あらゆる機能のなかから必要なものだけを選べるため、自社課題に応じた機能を導入できます。問題にフォーカスした機能を導入すれば、機能のミスマッチを防ぎ、期待される効果を十分に得られるでしょう。

データを活用できるように運用トレーニングを行なう

Salesforceでは、さまざまなデータの蓄積や分析が可能です。しかし、分析データを理解できていなければ、営業活動における効果や改善点がわからず、データを活かしきれません。Salesforceを導入する際に理解しておかなければならないのは、導入するだけでは問題の解消にはならないということです。
分析データを適切に活用するためには、導入前と導入後の運用トレーニングを行なうのが効果的です。また、分析データに対するフィードバックを行なうことで、営業活動の向上につながるでしょう。

Salesforceとは企業のあらゆる課題に向き合うソリューション

Salesforceを営業活動に活かすには、自社が抱える課題に適したサービスを導入する必要があり、そのためにはSalesforceのサービス内容に理解を深めることが重要です。
しかし、初めてSalesforceのサービスに触れる企業にとって、自社システムとの違いや既存システムとの連携など、導入までのプロセスに不安を感じることもあるでしょう。
適切な運用を実現するにあたり、セールスフォース・ドットコム社のパートナー企業への相談を検討してみてはいかがでしょうか。
パソナは、セールスフォース社のサービス・パートナーであり、Salesforceの支援サービスを行なっております。導入支援から導入後の運用支援まで、お客様それぞれに合わせた柔軟な支援を行なっておりますので、Salesforce導入をご検討の際は、お気軽にご相談ください。

パソナのSalesforc(セールスフォース)支援サービスはこちら


関連サービス

今回ご紹介した課題に対してパソナでは以下のサービスで解決させていただいています。


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