DXコラム

BPRとはなにか?導入のメリットや進め方を紹介

#人材育成  #DX推進  #業務効率化 

2021.2.15
 ローコード  システム開発

BPRとはなにか?導入のメリットや進め方を紹介

はじめに

変化が激しく先が見通しにくい時代において、企業には変革が求められています。政府による『働き方改革』の推進やAIの活用、新型コロナウイルスによる社会の激変は、代表的な要因の一つといえるでしょう。
こうした背景の中、業務改革という意味の『BPR』という用語が注目されています。
BPRを企業の成長に活用するためには、正しく理解し実践することが欠かせません。本記事ではBPRについて解説するとともに、活用するメリットや正しい進め方を紹介します。

BPR(業務改革)とは?業務改善とはどう違う?

BPRは『Business Process Re-engineering(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)』の略で、『業務改革』と訳されます。1993年に刊行されたマイケル・ハマーとジェームス・チャンピーによる書籍『リエンジニアリング革命』により、有名となった用語です。
BPRは、業務の進め方を全社的な観点で最適化します。現在の事業内容やルールにとらわれることなく、目標を達成するために必要な項目をゼロベースで見直し、最終的にビジネスの成功に向けた体制を再構築することが目的です。

BPR(業務改革)と業務改善の違い

業務改革と関連する用語に、『業務改善』があります。この2つの用語は混同されがちですが、意味は大きく異なります。それぞれの違いを確認し、理解しておきましょう。

業務改善

業務改善は既存の仕組みやプロセスを残したまま、業務を効率的に進める取り組みです。多くは部署ごと、あるいはチームや個人で行われる場合が多いもの。業務の無理や無駄、偏りを省き、効率化を目指します。業務のマニュアルを作成し仕組み化することは、代表的な業務改善の一つです。
業務改善は、日々の業務の中で継続的に取り組まれます。そのため、変化は徐々に現れるものといえます。

業務改革

業務改革は、業務の仕組みやプロセスを根本的に見直す取り組みです。このため既存業務との整合性や継続性を前提としません。ときには大きな方向転換を辞さないことも、特徴といえるでしょう。組織や事業戦略が大きく変わる場合もあります。
経営陣直轄の特命チームを動かすなど、全社的な取り組みとなることも少なくありません。ITを積極的に活用するケースが多いことも、特徴に挙げられます。

BPRを導入する3つのメリット

今注目されているBPRを導入することには、3つのメリットがあります。それぞれどのようなメリットが得られるか、詳しく解説していきましょう。

業務を可視化でき、効率化や生産性の向上が飛躍的に進む

BPRでは業務そのものを『見える化』し、必要性の有無を含めて徹底的に見直すステップが含まれます。業務をゼロベースで見直すことで既存のルールに縛られず、抜本的な見直しが行われます。ときには「その業務は本当に必要か」という議論もあるかもしれません。
加えて全社を挙げて取り組まれることも、特徴に挙げられます。部門をまたいだ課題を解決できることも、BPRならではのメリットといえるでしょう。
この結果、今までと異なる業務の進め方が採用される場合も少なくありません。業務の効率化や生産性の向上が飛躍的に進むことは、メリットの一つに挙げられます。

進むべき方向にあわせた組織づくりが行え、業績目標も達成できる

BPRで検討される項目には、今後業績を上げるために必要な組織がどうあるべきかという点も含まれます。この点は「今の組織でどう改善し、業績をアップするか」という業務改善の視点と、大きく異なるポイントです。
組織間の課題が、業績アップの妨げになっているケースは少なくありません。組織の縦割りといったものは、弊害として挙げられる代表的な例です。BPRは組織を変えることが目的ではないものの、結果として今の組織を壊し、新しい組織を構築し直すケースも少なくありません。
この結果、企業が進むべき方向にあわせ、新しい業務にあわせた組織づくりを行えます。目標を達成できるなど、業績アップにも結びつきやすくなるでしょう。

顧客満足度や社員のスキルが向上し、働きやすさにもつながる

BPRの出発点の一つに「どうすれば顧客満足度を上げられるか?」という観点があります。顧客満足度や顧客ロイヤルティを高めることで売上や利益が向上し、企業の成長につながるためです。高品質な製品やサービスを提供し正しい方針・方法でBPRを進めることは、顧客満足度を高める有効な手段に挙げられます。
BPRの実施により、配置転換の対象となる社員がでる可能性もあり、新しい業務に対応するためのスキル習得が求められることは、負担となります。しかし各自のスキルアップと市場価値の向上につながることは、見逃せないメリットの一つです。
またBPRでは、しばしば働き方改革の導入や新しいIT技術の採用が行われます。業務効率化により、手間を大きく減らせる場合も少なくありません。事務作業が減ることは、社員の働きやすさにもつながります。

BPRを進める、基本的な5つのステップを紹介

それでは、どのような手順でBPRを進めれば良いのでしょうか。BPRは、以下に挙げる5つのステップで進めることが基本です。
1. 検討
2. 分析
3. 設計
4. 実施
5. モニタリング・評価
各ステップについて、順に解説していきましょう。

(1)検討

このフェーズでは、目的や目標の設定と、BPRの対象とする業務の範囲を特定することが行われます。目的や目標の設定では「今回のBPRによって、わが社をどのような方向に導くか」という点が決まります。できるだけ明確に設定すると戦略を決めやすく、評価もしやすいメリットがあります。
注意すべきポイントとして、事前に業務上・経営上の課題をヒアリングすることが挙げられます。現場で起きている課題を認識しないままBPRの方針を決めると、改革が効果を上げないかもしれません。事業運営における課題を踏まえたうえで、方針を決めることが重要です。
加えてBPRを実施する際には、対象となる業務の範囲を明確にすることも重要です。これにより、BPRの成功率がアップしやすくなる点はメリットに挙げられます。

(2)分析

BPRを進める方針と業務の範囲を明確にしたあとは、対象業務を分析してBPRを行う課題を把握します。この際は、ゼロベースでの見直しがお勧めです。以下に挙げる観点を考慮して実行しましょう。
● 現行業務の強みと弱みを把握する
● 不要な業務は廃止する。また重複する業務は整理する
● 必要以上に複雑化している業務は、改善すべき点としてピックアップする
課題の洗い出しには、分析ツールの活用が有効です。代表的な分析ツールに、ABC分析(重点分析)や、BSC(バランススコアカード)が挙げられます。

(3)設計

現状の分析結果、および課題をもとに、新しいビジネスプロセスの設計と進め方を決めるフェーズです。改革は頻繁にできるものではありません。十分な効果を上げるためにも、設計の段階で認識あわせを行い、できるだけ多くの協力を得ることが重要です。
加えて、可能な限り幅広い選択肢から選ぶことも成功のコツです。この段階で取れる選択肢の一例として、以下の手法が挙げられます。
● 業務の標準化を行い、誰でもできるようにする
● 自動化し、人が関わる時間を減らす
● 外部への委託(アウトソーシングなど)
策定後は優先度をつけ、高い効果が見込まれる分野から取り組むと良いでしょう。小規模な改革から始める『スモールスタート』もお勧めです。

(4)実施

いよいよ策定したBPRを実行するフェーズです。BPRが業務改善と異なる点は、変革の規模や影響が大きくなりがちなことが挙げられます。すべて完了するには、長い時間と多大な労力を要する場合も多いです。
このため途中にチェックポイントを設け、それまでの目標が達成されているか確認することが重要です。BPRはいざ実行してみると、以下の事情により想定外の方向に進む場合も少なくありません。
● 分析の時点で把握できなかった実態があった
● 現場の抵抗により、思いどおりに実行できない
早めに誤りに気付けば、軌道修正もしやすいもの。『BPRを行う目的』も踏まえて、こまめにチェックすることが良い結果につながります。

(5)モニタリング・評価

BPRに限らず、やりっ放しにしないことは重要です。BPRの実施中は、きちんと実行されているかモニタリングを行いましょう。主なポイントとして、以下の3点が挙げられます。
● 進捗を確認し、計画との相違をチェックする
● 問題・課題がないか確認する
● 想定されている効果が現れているか確認する

もし異常があれば速やかに原因を追究し、円滑に遂行できるよう努めましょう。
またBPRがひととおり終了したら評価し、以下の点をチェックしましょう。
● 目標は達成されているか
● 従来のビジネスプロセスと比較して、どの程度の効果があったか
● 新しいビジネスプロセスは職場で定着しているか
● 顧客への影響や、顧客から得た評価の内容

BPRの導入における2つの注意点

BPRを導入し企業の改革を成功させるためには、注意すべきポイントがあります。ここでは2つの注意点を取り上げ、その理由を詳しく考察していきましょう。

「とりあえず」「何となく」はハイリスク。事前の綿密な検討が必須

BPRを「とりあえず」や「何となく」といった姿勢で進めることは、リスクが高い行動です。業務改善と異なり、BPRは現行業務の継続を必ずしも保証しません。組織を大きく変革する場合もあります。現場からの反発を受ける可能性も考え、適切に対応しなければなりません。
加えてBPRを実行する前には、あるべき企業の将来像と方向性を明確に示す必要があります。実行する際は大規模なIT投資など、多額の出費を要する場合もあります。計画の段階で綿密に検討することが重要です。
もっとも変革を一度に行わず、一部の部門から試す場合も多いことでしょう。そのような場合でも、どのような結果がでたら中止するのかを事前に検討しておくことが求められます。

顧客の視点を忘れない

BPRを導入する際には、顧客の視点に立つことも重要です。BPRの成果は、売上や利益のアップが主な指標となります。そのためには顧客が求める価値を提供し、顧客満足度をアップしなければなりません。
改革の成功は、計画がきちんとできているか、方向性が正しいかという点が鍵を握ります。そのため計画する段階から、顧客にもメリットをもたらすよう検討を進めることが重要です。「顧客のため」という目的があれば、従業員の理解を得やすいこともメリットといえるでしょう。

BPRを上手に活用し、変化の激しい時代でも成長できる経営を

ここまで、BPRについて詳しく解説しました。BPRは業務改善と異なり、しっかりした準備と計画が必要です。正しく行うことで変化を乗り越え、企業の存続と発展につながります。
企業の経営においては、劇的な変化を求められる場面が必ず訪れます。この点でBPRは常に行う必要こそないものの、いざというときに備えて知っておくべき手法です。変化を迫られるときに備えて、BPRの正しい意味と実行する方法を認識しておきましょう。


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