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アプリ開発に必要な費用とは?相場やコストを抑える方法について

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2023.6.20
 アプリ開発

アプリ開発に必要な費用とは?相場やコストを抑える方法について

はじめに

スマートフォンやタブレットの普及を受け、アプリ開発をしたいと考えている企業も多いのではないでしょうか。
アプリ開発の費用は、開発に関わるさまざまな要素が組み合わさって決まります。そのため、一概に「いくらあればアプリ開発ができる」と断言することはできません。
この記事では、アプリ開発の費用がどのように決まるのかについて詳しく解説します。費用の相場や費用を抑える方法についても触れるので、アプリ開発を検討している企業の方はぜひ参考にしてください。

アプリ開発の費用は人件費×開発期間で決まる

アプリ開発では、開発期間や開発工数、人件費によっておおよその費用が決まります。また、サービスを維持するための固定費なども必要になるため、事前にどの程度の予算が必要になるのかをしっかり把握しておくことが重要です。
まずは、アプリ開発のおもな費用について見ていきましょう。

費用の大枠は「エンジニアの人件費」と「開発期間・開発工数」で決まる

アプリの開発費用にはさまざまな要素が関係しますが、その大枠は「人件費×開発工数」です。
アプリの開発費用の大部分は、人件費が占めています。人件費は「月額単価(月収)×人数」で算出するため、多くのエンジニアが関わるアプリ開発ほど費用は高くなります。
開発現場では、プログラマーをはじめシステムエンジニア、プロジェクトマネージャー、その他専門性の高いエンジニアなどがチームでシステム開発を進めることが一般的です。
役割や専門分野で人件費は異なりますが、一般的にプログラマーの月額単価は40万円以上となります。さらに、上級システムエンジニアであれば月額単価100万円以上ともいわれています。
また、アプリに実装する機能が多いほど、開発にかかる期間や工数は増えていきます。そのため、機能が充実したアプリ開発ほど費用が大きくなります。また、開発期間が長引くことで人件費もさらに増加する点も覚えておきましょう。
このように、開発期間や工数は費用に大きく影響するため、アプリ開発を計画する際はしっかりと把握しておくことが大切です。

アプリを維持するには「固定費」が必要

アプリは一度開発をすれば終わりではなく、リリース後もシステムを維持・管理するための固定費が必要です。おもな固定費には、ドメイン取得料金・SSL証明書費用・サーバーの維持管理・機材や設備の管理費用・アプリストアへの登録料などが挙げられます。
アプリ開発後も固定費は継続して発生するため、一定の予算を確保しておきましょう。

デザインを外注する場合は「デザイン費用」もかかる

アプリのデザインを制作会社に依頼する場合は、デザイン費用もかかります。デザイン費用は、システム開発と同じく人件費と制作期間によって決まるのが一般的です。
アプリのデザインは、ユーザーの満足度にも影響する重要な部分です。UI/UXに配慮したデザインを考え、システムに落とし込む作業を委託した場合は、月に80万円~100万円ほどの費用が必要です。

アプリ開発費用の相場は50万円~1000万円と幅がある

アプリ開発費用の大部分は「人件費×開発工数」で決まります。そのため、開発するアプリによって費用は大きく異なります。
以下で解説する費用相場はあくまで目安であり、実際に開発を依頼する場合の見積もりの参考としてください。

アプリ開発費用の目安は250万円

アプリ開発にかかる費用の目安は、250万円前後といわれています。
しかし、アプリ開発の費用は開発期間や携わるエンジニアの人数、アプリの種類、搭載機能などの影響を受けます。そのため、費用が250万円を大きく上回ることもあるでしょう。

開発費用の相場はアプリの種類によって異なる

アプリにはさまざまな種類があり、開発費用を外注する際の相場もアプリの種類によって異なります。
【アプリの種類別の開発費用例】
● EC系アプリ:100万円~300万円
● カタログ・フリーペーパー系アプリ:50万円~100万円
● コミュニケーションツール系アプリ:100万円~500万円
● ゲーム系アプリ:300万円~1,000万円
● チャットボット系アプリ:50万円~100万円
● 管理ツール系アプリ:50万円~300万円
開発するアプリによって搭載する基本機能は異なり、機能を増やすほど費用が大きくなるため、多機能なアプリの開発費は高額になりやすいです。また、依頼する制作会社やプロジェクトの規模によっても費用は変動します。
アプリに最低限必要な機能や、利便性を向上させるために必要な機能などを洗い出し、開発コストと機能が見合っているか事前によく検討しておきましょう。

アプリの維持コスト一覧

アプリをリリースしたあとのおもな維持・運用コストについて、具体的に見ていきましょう。

サーバー保守

サーバー保守とは、サーバーが安定して稼働するための監視や、トラブル発生時の復旧・修理作業などのサーバーメンテナンス業務全般です。
アプリを安定稼働させるためには、アプリのリリース後もサーバーの保守が欠かせません。予算を組む際は初期費用に加え、サーバーの維持費用やメンテナンス費用などのランニングコストも加味する必要があります。

OSのアップデート対応

AndroidやiOSのOSは、定期的にアップデートされます。アプリ運営者はOSのアップデートでアプリがどのような影響を受けたのかを把握し、適切に対応しなければなりません。
アップデート内容によってはアプリそのものを修正する必要があり、新たに修正開発費がかかる場合もあります。

不具合の修正

テストを重ねたアプリでも、リリース後にバグや不具合が発生することは珍しくありません。
なかには、大規模な修正が必要なケースも存在します。そのような場合は、見積もり時点で想定していない高額な費用が必要となることもあるでしょう。

アプリ開発費用を抑える方法

アプリ開発では、数百万円規模の費用がかかることも少なくありません。「できるだけ開発費用を抑えたい」と感じている方も多いのではないでしょうか。
ここでは、アプリ開発の費用を抑える方法についての具体的なポイントを説明します。

アプリの要件・機能を具体的に設定する

アプリの開発費用は「人件費×開発期間」によって大枠が決まります。そのため、費用を抑えるには、いかに開発をスムーズに進められるかという点が重要です。
開発中に内容を変更したり、新たな機能の追加を依頼したりすると開発期間が延びて費用も膨らんでしまいます。また、多くの機能を搭載しても、ユーザーが不要と感じれば「使いにくさ」につながってしまう。
このような事態を避けるためには、要件定義に十分な時間をかけることが大切です。最低限必要となる機能の洗い出し、それに機能を追加していくことで優先順位をつけることが重要といえます。
アプリに搭載する機能をしっかり精査できれば、開発もスムーズに進められるでしょう。

自社で対応できる部分を洗い出す

アプリ開発を制作会社に依頼する場合、すべてを任せるのではなく、自社でできる部分は社内で対応する方法もあります。社内で対応可能な工程があれば、外注する作業量が減り開発コストを抑えられます。
例えば、アプリのデザインは自社で対応しやすい作業の一つです。アプリ制作ツールの活用でデザイン制作をしたり、アイコンデザインを自社で制作したりと、社内で対応することで外注コストを削減していきましょう。
ただし、アプリ開発の工程を自社で引き受けると、社内業務の負担が増える点には注意してください。
自社で工程の一部を引き受ける際には、事前にメリットとデメリットについてよく検討する必要があるでしょう。

レベニューシェアを検討する

レベニューシェアとは「依頼者側と制作会社がアプリ開発費用を分担し、リリース後の利益を分配する」という開発手法です。
レベニューシェアの大きなメリットは、初期費用を大幅に抑えられるという点にあります。制作費用を依頼者側と制作会社で分担するため、大規模なアプリ開発でも費用を抑えることができるのです。
レベニューシェアでは、アプリの成功が制作会社の収益にも直結します。そのため、制作会社に提案する際「このアプリが確実に利益につながる」ことを論理的に説明し、納得させられるだけの企画力と交渉力が求められます。
レベニューシェアでは、アプリのリリース後に売上が伸びなかった場合も、赤字リスクを通常より抑えられるという利点もあります。その反面、アプリが成功した場合の利益も2社で分配するため、小さくなるという点は覚えておきましょう。

アプリ開発で失敗しないためのポイント

アプリ開発で失敗する要因はさまざまです。その一つに「予算の見積もりが不十分」が挙げられます。開発費用はもちろん、維持費用、突発的に必要な費用など、あらゆることを加味して予算を確保しておくことが大切です。
ここでは、アプリ開発で失敗しないための具体的なポイントを2つ紹介します。

開発以外の費用も考慮する

アプリ開発では、特に初期費用が話題になりがちです。アプリを開発したあとの費用にも目を向ける必要があります。
アプリの運営者は、ドメイン・サーバーの維持・管理費、SSL証明書費用、アプリ配布用のアカウント登録費用、ストア登録料、セキュリティシステムの維持・管理費用など、開発後にも細かい費用がかかります。
これらの費用は固定費として発生し、月単位や年単位で継続して支払わなくてはなりません。アプリ開発を検討する際は、初期費用以外にもこれらの費用も考慮した開発計画を立てることが求められます。

アプリ運用後のリスクへの対応予算を確保する

アプリの開発・運用では、不測の事態が発生することがあります。
特に、アプリのリリース後にバグや不具合が発見されることは珍しくありません。修正が必要な可能性もあり、不具合の規模によっては最悪再開発となることもあります。
これらのリスクを想定せずに開発を進めると、万が一大規模な改修・再開発が必要な時に費用を賄えない事態になりかねません。
トラブルが起こった際も焦らず迅速に対応できるよう、リスクに対応した予算も確保しておくことが大切です。

まとめ

アプリ開発の費用は、開発期間や開発工数、人件費によって大枠が決まります。そのため、開発期間が長引くほど費用が膨らむ特徴があります。
アプリ開発の費用を抑えるには、要件定義にしっかり時間を割き、必要な機能の洗い出しが大切です。開発前に時間をかけて検討を重ねることで、その分無駄なコストが生じるのを防げるでしょう。要件定義では、ビジネスフレームワークを活用することで、より具体的な戦略立案や状況把握ができます。
自社で対応できる部分を外注内容から省き、その分の費用を抑える方法もあります。しかし、その分の社内業務は増えるため、通常業務に支障が出るおそれがあります。どこまで制作会社に依頼するか、さまざまな角度から検討することをおすすめします。
パソナでは、アプリ開発や運用アプリ改善など、幅広いサポートに対応した「アプリ/システム企画開発支援サービス」を提供しています。サービスについて詳しく知りたい方、導入についての相談をご希望の方は、以下お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

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