DXコラム

ChatGPTのコア技術「GPT」とは?日本語対応のAIチャットサービスと言語モデルも紹介

#AI導入  #AI活用  #ChatGPT 

2023.9.1
AI/IoT

ChatGPTのコア技術「GPT」とは?日本語対応のAIチャットサービスと言語モデルも紹介

はじめに

近年、GPTと呼ばれる技術が多くのメディアで話題となっていますが、その具体的な内容を理解している人はまだ少ないかもしれません。皆さんの中には、「GPTとは一体何なのか」「日本語で利用できるAIチャットサービスはどんなものがあるのか」といった疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。そこで、この記事では、GPTという技術の基本的な仕組みを解説し、日本語で利用可能なAIチャットサービスや関連する言語モデルについて深掘りしていきます。この記事を読み終える頃には、GPTやAIチャットサービスについての理解が深まり、新たな技術への関心や活用のアイデアが膨らんでいることでしょう。

GPTとは

GPTは、Generative Pre-trained Transformerの略称であり、OpenAI社が開発した自然言語処理(NLP)における革新技術のひとつです。この言語モデルは、インターネット上の膨大なテキストデータを用いて事前に学習され、文脈を理解した上で言語生成が可能な点が特筆されます。GPTの強みは、その事前学習により、多様なタスクに対して迅速に対応する能力を持っていることです。

特に注目すべきは、GPTの基盤技術を用いつつ、特に対話型の応用に特化されたChatGPTで、これはユーザーとの対話をより自然で人間らしいものにするために最適に調整されています。この調整により、ChatGPTは質問応答や雑談など、さまざまなコミュニケーションの場面で有効に活用されることが可能となっています。

また、GPTの魅力はその多言語対応にあり、日本語を含む多くの言語での会話をスムーズに行える点も注目です。これにより、グローバルな市場でも多様なニーズに応えることが期待されています。GPTは人工知能の進化において重要な位置を占めており、今後ますますその可能性が広がっていくでしょう。
GPTはTransformersという機械学習アーキテクチャを基盤にしており、大量のテキストデータを用いたトレーニングにより、その応答力と生成力が著しく向上しています。これにより、GPTは文章生成、翻訳、質問応答など多岐にわたるタスクに対応可能です。OpenAI社の取り組みは、AIの倫理的利用を促進するためのガイドラインの策定や、研究成果の公開といった形でも進められ、GPTの応用範囲を広げています。このように、OpenAI社が提供する言語モデルは、AIの進化を象徴する技術として注目されています。

GPTができること・活用事例

GPTは、自然言語処理の分野で大きな飛躍を遂げた技術として注目を集めています。GPTが持つ自然言語処理能力には、文脈を理解し、それに応じた適切な返答を生成できる力が含まれています。これにより、ユーザーとの対話がよりスムーズになり、まるで人間と会話しているかのような体験を提供します。
ビジネスシーンにおいても、GPTはさまざまな活用がされています。特にカスタマーサポートの分野では、チャットボットにGPTを搭載することで、24時間体制での問い合わせ対応が可能となります。これにより企業は、顧客満足度の向上やコスト削減を実現しています。また、マーケティングでは、商品の紹介文や広告コピーを自動生成することで、効率的なコンテンツ作成ができるようになりました。特に多言語対応が求められるグローバル企業にとっては、GPTを活用することで迅速かつ効果的に市場戦略を展開することが可能です。
さらに、データ分析の面においても、GPTは情報の整理や要約をするための強力なツールとなっています。複雑な報告書や大量のデータから重要なポイントを抽出し、理解しやすい形で提示することができるため、ビジネス上の意思決定を迅速に行う助けとなるでしょう。これらの活用事例を通じて、GPTはさまざまな分野でその潜在能力を発揮し、今後もさらなる進化が期待されています。

パソナでは社内にエンジニアがいないお客様も安心して依頼できるよう、AI導入支援サービスを提供しております。

日本語にも対応したAIチャットサービスの例

日本語にも対応したAIチャットサービスの例を3つご紹介します。

「ChatGPT」

OpenAIが提供するこのサービスは、自然言語処理技術を活用し、日本語を含む多言語での対話が可能です。ChatGPTは、ユーザーが入力したテキストに対して、より人間に近い自然な応答を生成することに優れています。膨大なデータによる学習を経て、次第に複雑な質問にも対応できるようになっているため、日本語を話すユーザーにとっても、文化的背景や文脈を考慮に入れた応答を受け取ることができ、よりシームレスなコミュニケーションが可能になります。

「COTOHA Chat & FAQ」

このサービスは、NTTコミュニケーションズが開発したAIチャットボットで、日本語に特化したサービスが特徴的です。日本語の特性やニュアンスを深く理解する能力があり、特に企業のカスタマーサポートに導入され、問い合わせ対応の効率化に寄与しています。COTOHAは、質問の要点を汲み取り、適切な情報を迅速に提供することで、顧客満足度の向上に努めています。また、FAQ機能と連携することにより、過去のデータをもとに応答を改善する継続的な学習が可能である点も魅力です。

「AmiVoice Communication Suite」

この音声認識AIは、特に専門用語を活用する場面やビジネス会議での用途が広がっています。AmiVoiceは、会話をリアルタイムでテキスト化する機能に優れており、日本語の音声を正確に文字に変換する技術を持っています。また、専門用語を単語登録することで精度を向上させることができ、例えば医療現場などで医師が診療中に発する指示をその場で電子カルテに入力することや、会議内容を自動で議事録として保存することが可能になります。日本語の音声認識精度の高さと、実用性の高い機能によって、多くのプロフェッショナルに支持されています。これらのツールは、日本語に対応した生成AIとしてだけでなく、実際のビジネスや日常のシーンで幅広く活用されています。

日本語の自然言語処理(NLP)が難しい理由

形態素解析の複雑さ

日本語の自然言語処理が難しい理由の一つとして、形態素解析の複雑さが挙げられます。形態素解析とは、アルゴリズムを有する自然言語で書かれている文を、言語において意味を持つ最小の単位(=形態素)に細分化し、ひとつひとつの品詞・変化などを判別していく作業のことを指します。
日本語では動詞や形容詞が変化しやすく単語の境界が明確でないため、単語を正確に分割し意味を理解するには高度な解析が必要であり、それに対応することは外国語と比べて非常に手間がかかります。

文法構造が多様で、曖昧さが存在

日本語の文法構造は多様で、曖昧さが存在します。同じ単語やフレーズが異なる文脈で異なる意味を持ち得るため、AIが文脈を理解するのが困難になります。例えば、述語が文の最後に来ることが多い日本語は、文の終わりまで文意が確定しない場合が多く、これがNLP技術の開発を一層難しくしています。

漢字、ひらがな、カタカナが混在して使用される

日本語では漢字、ひらがな、カタカナが混在して使用されることが多く、その使い分けが文章の意味に影響を与えることもあります。漢字は同音異義語の区別に役立ち、ひらがなやカタカナは特定のニュアンスやアクセントを伝えるのに使われます。これらの文字の使い分けを正確に理解するには、AIに高度な判断能力が求められます。

敬語や多様な方言といった文化的要素

日本語には敬語や多様な方言といった文化的要素があります。敬語は話し手と聞き手の関係性を反映するもので、その使い分けは特に外国人には難解に映ります。また、日本各地で話されている方言も、標準語とは異なる単語や文法を持ち、それを理解するのはAIにとって難しい側面があります。

このように、日本語の自然言語処理にはさまざまな複雑さと多様性が絡み合います。形態素解析の難しさ、文法構造の曖昧さ、漢字と仮名の使い分け、敬語や方言の存在が、NLP技術を開発する上で大きな課題となっているのです。

日本語に特化した言語モデルを紹介

tsuzumi

NTTが開発した「tsuzumi」は、日本語と英語の処理に特化したLLMで、軽量でありながら高い日本語処理能力を持つことが特徴です。「tsuzumi」のパラメータサイズは6~70億と軽量であるため、他の大規模言語モデルの課題である、学習やチューニングに必要となるコストを低減します。

cotomi

「cotomi(コトミ)」はNECが開発した日本語に特化したLLMです。2024年12月から順次提供開始される性能強化されたバージョンは、日本語のLLMベンチマーク「Japanese MT-Bench」において、GPT-4などの世界トップレベルのLLMに匹敵する精度を達成しており、高速性を維持しつつ精度の高い生成AIを活用することが可能となっております。

AIによる日本語処理の今後に注目を

AIによる日本語処理の分野は、今後ますます注目が集まるでしょう。特に、GPTのような高度な言語モデルの発展により、日本語の自然言語処理も格段に進化しています。AIチャットサービスの日本語対応が進むことで、ビジネスや教育、医療など、さまざまな分野での活用が期待されています。これからも日本語特有の複雑な語彙や文法をより精度高く処理できる技術が求められ、それに応じたイノベーションが進むことでしょう。

おすすめコラム

2023.10.3
新規事業における
マーケティングの役割と効果とは

2021.11.24
ERPとは?導入、長期運用を実現するポイントおよび注意点について解説

2022.10.25
ゼロから始めるDX人材育成方法
~企業の組織と体制確立について~

2025.4.1
DXを加速するシステム内製化―事例で見る、内製開発を成功に導く鍵―

2024.7.8
エンジニアが「AI Challenge Day」に参加

2024.12.17
DX事例5選:3つの業界別に紹介~有名企業はどんなDXをやっている?~【2024年最新版】

2025.3.25
RPA導入でDXを実現~RPAの効率的な運用方法やDX成功のためのポイントを解説~

2024.10.8
ビジネスプロセス改善に革命を!
非エンジニアでも分かるPower Platform実践活用事例

2023.9.11
ビジネスに浸透するAI!活用例と今後の課題について知ろう

2023.10.20
DXにおけるビジネスモデル変革とは?種類や成功のポイントについて

2022.12.8
DX人材ってどういう人?
~パソナが考える企業内のDX人材とは~

2025.4.22
人事DX(HRDX)とは?具体的な進め方や起こりがちな課題を解説

2022.12.1
会社内で部門間連携が取れない状態
「サイロ化」がもたらす弊害と解消方法

2023.3.27
今話題の「ChatGPT」とは?
その機能とビジネス活用シーンについて

2024.11.19
デジタル変革を成功に導く鍵:イノベーションを促進する組織文化とは

2023.8.3
クラウド化とは?必要な理由や種類・メリットについて解説

2023.10.12
アプリアイコンデザインの重要性とCVR向上への影響

2025.4.18
自動化ツールとは何か?業務効率化につなげる5つのポイントをメリット・特徴と共に徹底解説【2025年最新版】

2025.3.11
DX推進は組織改革である
~成功企業の事例を紹介&解説~

2023.2.16
オンプレミスからクラウドへ切り替えるメリットとその方法

2025.1.7
DX時代を勝ち抜くための、新規事業の立ち上げ方

2023.8.15
「ChatGPT」でできること、仕事に使う際の注意点とAzure OpenAI Service活用のメリット

2024.9.17
ローコードツールで実現するビジネスプロセス改善

2022.11.15
~スマートシティの過去と今~
社会が求めるウェルビーイング前提の都市づくり

2023.6.7
ICTとは?IT・IoTとの違い・ツールを導入するメリットについて

2021.2.10
デジタルシフトが企業に求められる理由と活用のポイントとは?

2023.10.18
アプリのプライバシーポリシーを詳しく解説!記載内容や注意点は?

2025.3.3
【2025年最新版】DX支援とは?種類やメリット・サービスの選定ポイント

2024.5.20
人事業務に携わる方必見
社員の成長意欲を高めるデータ活用戦略

2025.2.21
BPRとはなにか?導入のメリットや進め方を紹介

2023.9.1
ChatGPTのコア技術「GPT」とは?日本語対応のAIチャットサービスと言語モデルも紹介

2023.10.11
DX推進でシステムの内製化が求められる理由と今後の課題とは?

2022.10.31
いまさら聞けない!メタバースの基礎
―メタバースが注目される理由とは―

2021.12.20
CRMとは何か?担っている役割や機能をわかりやすく解説

2025.3.21
バックオフィスから経営を強くする
~支援ツールで実現できること~

2023.9.8
AIが注目される理由とは?開発の流れとエンジニアに求められるスキルも解説

2023.5.26
DXに終わりはない。業務全体を再考し、新たなビジネスを創出するために
〜損保ジャパンDX推進部長 村上氏×パソナ DXテクノロジー本部長 大江~

2024.12.3
既存サービスのアップデートで売上を最大化!新規サービス開発との違いと成功の秘訣

2021.1.5
DXの推進における課題とは?成功させるポイントなどを解説

2025.1.28
【展示会レポート】「Cybozu Days 2024」にパソナが出展

2023.8.29
リスキリングとは?メリットや導入手順・成功のポイントについて解説

2023.4.6
防災DXとは?
~なぜ防災対策にデジタル技術の活用が必要なのか~

2022.1.18
企業に欠かせない情報セキュリティ対策!おもな脅威と具体的な対策方法

2023.8.18
DXとAIの関係性とは?DX実現のためのAI活用のメリットについて

2023.8.14
業務改善が失敗する原因とは?失敗しないためのポイントについて

2024.9.24
人的資本経営とは?
人材を資本と捉えて企業価値の向上につなげる経営手法を解説

2021.2.24
なぜデータマネジメントが必要なのか?ビジネスの成長とデータ活用の関係性

2024.7.10
企業のAI内製化戦略 人手不足を解決し他社との競争でリードする方法 (AI活用ステップ2)

2022.10.11
2025年の崖 とは?企業が直面する課題や対策について紹介

2024.4.5
デジタル変革時代のセキュリティ対策とAI活用

2022.11.21
DXを推進させるための初期費用はいくらかかるのか?
~課題によって変化するソリューションと費用について~

2025.4.15
DX人材が企業競争力を高める方法~DX人材の役割と活動内容を分かりやすく解説~

2024.10.22
AI時代の経営戦略:ChatGPTが変えるビジネス

2022.9.27
今さら聞けない!DXの基礎 -企業におけるDXについて-

2024.4.15
DXを推進するための内製化の重要性とは?メリットと乗り越えるべき壁を徹底解説!

2022.12.14
全業界が取り組むべき
カーボンニュートラル
~取り組まないことへの企業デメリットとは~

2025.3.4
アジャイル開発導入でDX支援サービスの最適な活用を!課題や解決策を解説

2023.1.30
顧客のニーズに答える新規事業創出
~顧客の課題を明確にする~

2023.8.25
DX人材育成にスキルマップを導入するメリット・作成方法について

2023.2.8
新規事業を高速で進める
おすすめの「ローコード開発ツール」

2024.12.13
パソナのエンジニアが「AWS Japan 生成AI ハッカソン」で3位受賞

2023.2.6
2023年に注目すべきデジタル技術

2024.8.1
AIの可能性を探る -生成AI戦略-
(AI活用ステップ3)

2022.12.15
-今、スマートシティを考える-
都市の取り組みと企業ができること

2025.2.18
DX戦略:内製化かアウトソーシングか、判断ポイントを解説

2023.10.16
アプリの維持費はいくらかかる?相場や費用を抑えるポイントについて

2024.6.3
人事業務の最適化とは?Excel依存からの脱却と業務の属人化の解消

2023.3.31
DX戦略に欠かせないビジネスフレームワーク

2022.12.12
今注目のメタバース
-ビジネス活用事例を紹介-

2024.11.5
サプライチェーンのデジタル化がもたらす変革

2023.8.28
業務効率化の具体的な方法5選!具体的なツールと注意点も合わせて解説

2025.1.21
クラウド化で管理部門の業務効率化を実現!メリットと活用のポイントを解説

2023.1.6
進化するデータ活用!~取り組むメリット・注意点・最新事例をご紹介~

2023.8.14
業務プロセス改善とは?具体的な進め方・成功のポイントについて

2023.1.13
人材の育成を助ける仕組み、
助成金を解説

2025.2.4
ローコードツールで人事業務を一元管理!
人事なら押さえておきたいHR Tech事情

2023.8.23
新規事業開発とは?フレームワークや必要スキルについて

2024.6.14
AI導入の成功へ導く!企業が知るべき基礎知識(AI活用ステップ1)

2024.9.9
人的資本経営に必要なタレントマネジメントシステム
メリットや選定ポイントを解説

2023.10.10
業務アプリケーションとは?種類や選ぶ際のポイントを解説

2022.11.7
はじめてAI導入をする担当者の方が「知っておきたい進め方」 

2022.12.6
業務効率化を成功させるポイント
~DX時代に求められるローコード開発~

2023.3.10
知らないと失敗する、AI導入時の注意点

2021.1.5
DX認定制度とは?申請するメリットや有効な取り組みを紹介

2025.4.14
内製化とはなにか?5つのメリットと押さえておきたいポイントを解説

2022.1.13
SaaSとはなにか?特徴と業務に活かすポイントを解説

2023.6.20
アプリ開発に必要な費用とは?相場やコストを抑える方法について

2025.4.28
DX人材が押さえるべきデータサイエンスの領域~その価値と未来の展望~

2023.4.14
社会課題を解決する デジタルツイン
最近の動向と企業事例を紹介

2023.8.28
Webアプリとは?仕組み・メリットや開発の流れについて

2023.3.16
都市のさまざまな建物がアップデート
話題の「東京2030」とは?

2025.3.18
DX推進を成功に導くプロジェクトマネジメント~課題や解決策を解説~

2025.4.8
DX人材に求められるスキル・知識とは?DX人材の定義や必要なスキル・マインドを解説

2023.7.3
新規事業のアイデアの考え方とフレームワークについて

カテゴリー

タグ

close

CLOSE