はじめに
テクノロジーの発展に伴い、時代は急速に変化しています。このような時代のなかで、企業が競争優位性を確立するためには、DXの実現が不可欠です。
DX推進や業務効率化に課題を抱える企業が多くあるなか、近年特に「ローコード開発」が注目を集めています。ローコード開発とは、“高速開発”と呼ばれていて、世界的なトレンドとして急速な広がりを見せている開発手法の一つです。
本資料では、なぜローコード開発がそこまで注目を集めているのか? 業務効率化やDX推進にどのように効果があるのか? ローコード開発のメリットやデメリットについて説明をさせていただきます。
DX時代に業務効率化が進まない理由
DX推進を必要とする背景
近年、あらゆる業界・企業でもDXの実現と推進が経営課題となっています。DXとはデジタル技術を活用することで、経営やビジネスモデルに変革をもたらし、市場における競争優位性を確立することです。
なぜ経営課題になっているのか?それは技術の進歩や新型コロナウイルスによる市場の変化や「働き方の変化・多様化」、また「2025年の崖」が社会的背景として考えられています。
働き方の変化・多様化
2020年の新型コロナウイルスの感染拡大によってテレワークの導入が一気に進行しました。テレワークの環境において、オフィス勤務と同等の成果を上げていくためには、デジタル技術の導入による業務効率化が不可欠です。すでに取り組みを始めている企業も多数ありますが、ペーパーレスなど業務のデジタル化や、ルーティン作業の自動化が必須となっています。また、業界や企業によっては企業経営のあり方そのものに対する変革が必要な場合もあります。
2025年の崖
「2025年の崖」とは、2018年に経済産業省が発表したDXレポートのなかで使用され、大きな注目を集めた問題です。
DXレポートではさまざまなITの問題について触れていますが、特にレガシーシステムの老朽化や複雑化について対処が必要であると記載されています。
最新のテクノロジーを利用するためにはそのためのITインフラが必要となり、老朽化したレガシーシステムでは、対応が困難です。
また、ブラックボックス化されたシステムは適切な運用や保守が困難になるため、情報セキュリティの面でもリスクを伴います。
このような社会的な背景があり、近年特にDXの実現が急を要する経営課題になっています。
ではどのようにDX推進や業務効率化を進めていくべきなのか、次のページからご説明をさせていただきます。
ビジネスを加速させる「ローコード開発」
注目されているローコード開発とは?
DX推進や業務効率化に課題を抱える企業が多くいるなか、ひとつの手段として「ローコード開発」が注目を集めています。
ローコード開発とはどのようなものなのか?ビジネス上でどう活かせるのか?など、ご紹介します。
ローコード開発とは?
ローコード開発とは、できる限りプログラミング作業を減らし、より簡単にアプリケーションやシステムを開発する手法です。
ITベンダーに委託して開発をする形態と比べると、ユーザー自身が開発するためコスト削減を実現できます。
ノーコード開発との違い
ノーコード開発は、名前の通りプログラミングせずにアプリケーションやシステムを開発する方法です。ノーコード開発は、基本的に特定のプラットフォーム上で行います。
機能は、基本的にプラットフォームに用意されたものの中から選択することになります。
ローコード開発が注目されている理由
かつてないほど変化の激しい現在、業界を問わずDX推進が求められています。
DXが指すものは“ビジネス変革”だけでなく“業務効率化”も含まれています。これまで以上に、一人ひとりの業務を迅速かつ柔軟に対応していかなくてはなりません。
こうした流れは、アプリケーションやシステムの開発手法に対しても例外ではなく、開発速度や安定性、品質などさまざまな面で変革が必要とされています。そのようななかで「ローコード開発」が注目されているのです。
ローコード開発のメリット・デメリット
ローコード開発のメリット
生産性と品質の向上
ローコード開発の最大のメリットは「開発時間の短縮ができる」点です。また、プログラマーの工数を減少させ、開発にかかる人件費を削減できるのも利点として挙げられます。
複雑なプログラミングを行う必要もなくなるため、ミスが減少して品質の向上にもつながります。
セキュリティ対策もできて安心
ローコード開発は、基本的にはITベンダーが用意したツールを活用することになります。一般的にはそのツール自体、セキュリティ対策が施されたかたちで納品される為、ゼロからセキュリティを考える必要がなくなります。
これまでより導入準備の時間も短縮でき、安心度も高くなります。
開発人員が増える
これまでは高い技術力を持ったエンジニアが必要でした。人員の確保も困難だったかと思います。
ローコード開発では、これまで必要だったデータベースの構築やプログラミング言語を習得しなくても、ツール機能を利用することでシステム開発が可能です。
日々新しい技術を使うことができる
ローコード開発は日々進化しています。
必要に合わせて機能の拡張や外部ツールとの連携もできるため、常に新しい技術を取り入れていくことができます。また、エンジニアの工数を減らすことによって、より付加価値の高い業務に専念させることが可能になります。
ローコード開発のデメリット
細かい要望には応えられない
フルスクラッチ開発では、顧客の細かい要望にも柔軟に対応することができます。ローコード開発の場合は、プラットフォームのデザインや機能を変更することができない場合があり、細かいオーダーに応えられないこともあります。
最低限の知識は必要
技術的なハードルが低いことはこれまでも説明してきましたが、最低限の知識やツールの特性は理解できていないといけません。品質の高いシステムを構築するためには、ツールの習熟が必要になります。
まとめ
DX推進の取り組みの一つとして、既存システムや導入予定のシステムをローコード開発ツールで構築することをおすすめします。上記で触れているメリットが多いということだけでなく「2025年の崖」を回避することにもつながるからです。
DX推進・業務効率化を成功させる「ローコード開発」のポイント
‐市場の変化に応じて、ビジネスモデルを柔軟に、迅速に適応させることができるようになる
‐保守や管理も容易になり、これまでよりコストが削減できる
‐レガシーシステムを刷新することによって、これまでより開発が簡単になる
‐常に新しいIT技術を活用でき、DXも進みやすくなる
‐これまで開発にかかっていた予算や人員を、より付加価値の高い業務に展開できる
このように、レガシーシステムでは実現できなかったことが実現できるようになり、求められているDX・業務効率化に一歩近づくことができます。
今後はより一層各企業のDXが進み、アプリケーションやシステムの開発の効率化によってビジネスが加速していくことが予想されます。いちはやくローコード開発を取り入れて業務効率化を図りDXを推進して、企業の差別化や競争優位性を確立する必要があります。
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