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派遣先の派遣労働者への社員募集情報提供義務とは?
派遣労働者の派遣先の社員化推進と雇用安定措置のために、派遣先は一定の派遣労働者に社員募集情報を提供する義務が定められています。
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派遣先での正社員化推進のための正社員募集情報提供義務(派遣法第40条の5第1項)
(1) 情報提供の対象となる派遣労働者
派遣先の同一の事業所等において、1年以上の期間継続して就労している派遣労働者です。
- ※
- 有期雇用派遣労働者に限らず、無期雇用派遣労働者も情報提供の対象となります。
- ※
- 同一の事業所等において1年以上の継続勤務があれば対象となり、これには途中で派遣先事業所内の「組織単位」を異動した場合も含まれます。
(2) 提供(周知)すべき情報
上記 (1) に該当する情報提供の対象となる派遣労働者が就業している派遣先事業所において派遣先が募集する、正社員に関する募集情報(有期雇用の募集情報は含まれません)。
- ※
- 正社員に関する募集でも、新卒の学生を対象とした全国転勤の総合職の求人情報など情報提供の対象となる派遣労働者に応募資格がないことが明白である場合は周知する必要はないとされています。(厚生労働省「労働者派遣事業関係業務取扱要領」)
(3) 情報提供(周知)の方法
- 派遣先事業所の掲示板に求人票を貼り出す
- 対象となる有期派遣労働者に直接メール等で通知する
- 派遣先から派遣元会社に募集情報を提供し、当該派遣会社を通じて対象となる派遣労働者に提供(周知)する
- 派遣元を通じずに募集情報を提供した際には、提供したことを派遣元にも情報提供することが望ましい。
- 周知した事項の内容については、派遣先において記録及び保存をすることが望ましい。
(厚生労働省「労働者派遣事業関係業務取扱要領」)
雇用安定措置としての社員募集情報提供義務(派遣法第40条の5第2項)
(1) 情報提供の対象となる派遣労働者
次のいずれにも該当する派遣労働者です。
- 派遣先の同一の組織単位の業務について継続して3年間派遣就労する見込みのある有期派遣労働者
- ※
- 派遣元の無期雇用派遣労働者を受け入れている場合は、該当しません。
「無期雇用派遣労働者」であるか否かは、派遣法第35条に基づき派遣元が派遣先に通知することになっています。
「継続して3年間派遣就労する見込み」とは?
個人単位の期間制限の上限まで就業することが予定されていることを指し、例えば、1年単位で契約期間が更新されている労働者派遣契約について、2回目の更新をして通算契約期間が3年になった時点において、当該派遣労働者が最初の派遣契約に基づく派遣就業の開始時点から同一の組織単位で継続して就業している場合には、3年間派遣就業に従事する見込みがあると判断すること。つまり、派遣元事業主の主観的な意思ではなく、契約期間という客観的な指標により判断すること。
- 当該特定有期雇用派遣労働者について派遣元事業主から法に定める雇用安定措置の一つとして直接雇用の依頼があったこと(直接雇用については、派遣先の努力義務)
(2) 提供(周知)すべき情報
上記 (1) に該当する有期雇用派遣労働者が就業している派遣先事業所において、派遣先が募集する、正社員に関するものだけなく、パートタイム労働者、契約社員など当該派遣先事業所の全ての直接雇用労働者に関する募集情報。
- ※
- 特殊な資格を必要とするなど、情報提供の対象となる派遣労働者が募集条件に該当しないことが明らかな募集情報は含まれません。(厚生労働省「労働者派遣事業関係業務取扱要領」)
- ※
- 派遣期間の制限がかからない派遣労働者(派遣元が無期雇用・60歳以上)、業務に該当する場合は、この派遣先の義務が発生しません。
(3) 情報提供(周知)の方法
派遣先での正社員化推進のための正社員募集情報提供義務の(3)と同様です。
- 派遣先事業所の掲示板に求人票を貼り出す
- 対象となる有期派遣労働者に直接メール等で通知する
- 派遣先から派遣元会社に募集情報を提供し、当該派遣会社を通じて対象となる派遣労働者に提供(周知)する
- ※
- 派遣元を通じずに募集情報を提供した際には、提供したことを派遣元にも情報提供することが望ましい。
- ※
- 周知した事項の内容については、派遣先において記録及び保存をすることが望ましい。
(厚生労働省「労働者派遣事業関係業務取扱要領」)
派遣法ルール一覧
- CHAPTER 24
- 「事業所単位の派遣期間制限」とは?
- CHAPTER 25
- いわゆる「クーリング期間」とは?
- CHAPTER 26
- 「事業所単位の派遣期間制限」を延長する場合に必要な手続きとは?
- CHAPTER 27
- 派遣先の雇用努力義務とは?
- CHAPTER 28
- 派遣先の派遣労働者への社員募集情報提供義務とは?
- CHAPTER 32
- 『労使協定方式』の待遇確保の措置とは?
- CHAPTER 33
- 均衡待遇の確保と適正な就業環境の確保のための措置とは?
- CHAPTER 01
- 派遣先企業、派遣労働者、及び派遣元の関係は?
- CHAPTER 02
- 「派遣」と「請負」・「業務委託」との違いは?
- CHAPTER 03
- 派遣禁止業務とは?
- CHAPTER 04
- 「派遣契約」で定める事項は?
- CHAPTER 05
- 労働者派遣契約書には印紙が必要か?
- CHAPTER 06
- 派遣期間制限とは?
- CHAPTER 07
- 「個別派遣契約」で派遣労働者の氏名を特定することは可能か?
- CHAPTER 08
- 派遣先が受け入れる派遣労働者を選考することは?
- CHAPTER 09
- 「派遣先責任者」の資格や選任方法は?
- CHAPTER 10
- 「派遣先管理台帳」の作成・記載・保管は?
- CHAPTER 11
- 派遣先の「労働基準法」・「労働安全衛生法」等の責任とは?
- CHAPTER 12
- 時間外労働、休日労働の取扱いと36協定の適用は?
- CHAPTER 13
- 「個別派遣契約」以外の業務を命じたり、契約内容の変更は可能?
- CHAPTER 14
- 「個別派遣契約」を更新又は終了する場合に注意することは?
- CHAPTER 15
- 派遣労働者からセクシュアルハラスメントの相談があった場合は?
- CHAPTER 16
- 派遣労働者の妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止とは?
- CHAPTER 17
- 労災の適用と業務上災害・通勤災害が発生した場合の手続きは?
- CHAPTER 18
- 「個別派遣契約」を中途解除する場合は?
- CHAPTER 19
- 労働契約申込みみなし制度とは?
- CHAPTER 20
- 離職した労働者を派遣労働者として受け入れる場合は?
- CHAPTER 21
- 「個人単位の派遣期間制限」「事業所単位の派遣期間制限」とは?
- CHAPTER 22
- 派遣期間制限の対象外となる派遣労働者と派遣業務は?
- CHAPTER 23
- 「個人単位の派遣期間制限」とは?
- CHAPTER 29
- 「育児介護休業法」の特例により派遣先に求められる対応とは?
- CHAPTER 30
- 改正派遣法による、派遣労働者の待遇確保のための措置とは?
- CHAPTER 31
- 『派遣先均等・均衡方式』の待遇確保の措置とは?
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