企業ご担当者様向け 最新の雇用・経済指標(2022年12月)
月次雇用指標 -2022年11月結果
●完全失業率…2.5%【前月比 0.1ポイント改善】
男性…2.8%【前月比 横ばい】
女性…2.2%【前月比 0.1ポイント改善】
- 年齢階級別失業率
15~24歳 | 25~34歳 | 35~44歳 | 45~54歳 | 55~64歳 | |
男女計 | 5.3% | 3.1% | 2.3% | 1.9% | 2.4% |
男性 | 6.9% | 2.9% | 2.6% | 2.3% | 2.4% |
女性 | 3.6% | 3.2% | 2.0% | 1.5% | 2.4% |
●有効求人倍率…1.35倍【前月比 横ばい、前年同月比 0.18ポイント改善】
新規求人倍率…2.42倍【前月比 0.09ポイント改善、前年同月比 0.34ポイント改善】
正社員の有効求人倍率…1.04倍【前月比 0.01ポイント改善、前年同月比 0.14ポイント改善】
- 「正社員の有効求人倍率」は、分母となる求職者数に派遣労働者や契約社員を希望する者も含まれるため、厳密な意味での正社員求人倍率より低くなる
就業状態
《すべて実数》
★労働力人口比率=62.4%
★就業率=60.9%
( )内は前年同月増減比
- 失業者数は17か月連続の減少。うち「自己都合」は68万人と前年同月に比べ5万人減少、「勤め先や事業の都合」は25万人と6万人減少
- 失業者のうち男性は前年同月に比べ10万人減の102万人、女性は9万人減の63万人
- 産業別の就業者数は、「宿泊業、飲食サービス業」「製造業」「学術研究、専門・技術サービス業」などが増加
(以上、注意書きの無い増減の比較は全て前年同月対比)
職業紹介状況
《前月比は季節調整値、前年同月比は実数》…公共職業安定所(ハローワーク)における統計
- 新規求人数【前月比 3.0%増、前年同月比 8.7%増(うち正社員 6.7%増)】
- 月間有効求人数【前月比 1.3%減、前年同月比 10.0%増 (うち正社員 7.6%増)】
-
月間有効求職者数【前月比 1.5%減、前年同月比5.1%減】
●都道府県別の有効求人倍率(受理地別)は、最低が神奈川県の0.91倍、最高は福井県の1.91倍
●新規求人を産業別にみると、前年同月と比べて「宿泊業、飲食サービス業(21.2%増)」「サービス業(他に分類されないもの)(13.2%増)」「卸売業、小売業(13.0%増)」などで増加、 「教育、学習支援業(9.4%減)」で減少
★出所:総務省「労働力調査」、厚生労働省「一般職業紹介状況」(2022年12月27日公表)
政府発表の雇用指標
地域別失業率
<2022年7~9月期平均>
北海道 |
3.1% (- 0.2) |
---|---|
東北 |
3.1% (+ 0.6) |
南関東 |
2.6% (- 0.5) |
北関東・甲信 |
2.4% (+ 0.1) |
北陸 |
2.2% (+ 0.1) |
東海 |
2.1% (- 0.2) |
近畿 |
2.8% (- 0.3) |
中国 |
2.1% (- 0.2) |
四国 |
2.3% (- 0.2) |
九州 |
2.7% (± 0) |
沖縄 |
3.6% (- 0.2) |
- ( )内は前年同期比
★出所:総務省「労働力調査」 (2022年10月28日公表)
雇用情勢 - 2022年7~9月期平均
●非正規の職員・従業員の割合…37.2%【前年同期比 0.6ポイント増加】
男女それぞれの「役員を除く雇用者」数に占める非正規社員の割合
男性…22.4%【前年同期比 0.8ポイント増加】
女性…53.6%【前年同期比 0.2ポイント増加】
派遣社員のうち男性が61万人、女性が92万人、前年同期比では男性は20%増加、女性は2%増加。
●失業者の失業する前の雇用形態
雇用形態別の失業者数のうち、「会社倒産・事業所閉鎖」または「人員整理・勧奨退職」による失業の割合(契約満了を除く)
失業者の仕事につけない理由は、「希望する種類・内容の仕事がない」が57万人、「勤務時間・休日などが希望とあわない」が24万人、「求人の年齢と自分の年齢とがあわない」が18万人、この他、「賃金・給料が希望とあわない」「自分の技術や技能が求人要件に満たない」「条件にこだわらないが仕事がない」などとなっている。
●就職を希望する非労働力人口
「適当な仕事がありそうにない」ために求職活動をしていない人の理由は、「勤務時間・賃金などが希望にあう仕事がありそうにない」「自分の知識・能力にあう仕事がありそうにない」「近くに仕事がありそうにない」「今の景気や季節では仕事がありそうにない」などとなっている。
●転職者 313万人【前年同期比 26万人増】
- 転職者とは過去1年間に離職を経験した就業者
男性…148万人【前年同期比 19万人増】<4.0%>
女性…165万人【前年同期比 7万人増】<5.4%>
<転職者比率>就業者に占める割合
就業者数に占める転職者の割合(転職者比率)は全体で4.6%となり前年同期比0.3ポイント増。 年齢階級ごとの転職者数では25~34歳が最も多く84万人。 転職者比率では15~24歳が9.6%で引き続き最も高い。
●都道府県別失業率(推計)
ワースト:沖縄県 3.6%
ベスト :鳥取県 1.3%
前年同期比で最も改善したのは高知県の1.1ポイント減、悪化したのは島根県の0.8ポイント増。
★出所:総務省「労働力調査」(2022年11月8日、11月29日公表)
政府発表の雇用・経済指標
大学卒業者の就職状況 - 2022年度
2022年10月1日現在
●大学生の就職内定率 74.1%【前年同期比 2.9ポイント増】
(2023年3月卒業者)
男子…72.7%【前年同期比 2.0ポイント増】
女子…75.7%【前年同期比 4.0ポイント増】
【参考】
就職希望率 | 就職内定率 | |
大学 | 77.1% 【前年同期比-1.1】 | 74.1% 【前年同期比+2.9】 |
短大(女子のみ) | 84.6% 【前年同期比-0.4】 | 45.9% 【前年同期比+12.4】 |
高専(男子のみ) | 58.8% 【前年同期比+4.5】 | 93.2% 【前年同期比+6.1】 |
専修学校 | 91.4% 【前年同期比+0.7】 | 55.3% 【前年同期比+0.6】 |
★出所:厚生労働省(文部科学省共同調査)「令和4年3月大学等卒業予定者の就職内定状況」(2022年11月18日公表)
高校卒業者の求人・求職状況 - 2022年度
2022年9月末日現在
●高校の求人倍率 3.29倍 【前年同期比 0.63ポイント増】
【参考】
求職者数 | 求人数 | 求人倍率 | 内定開始日 | |
高校 | 12.9万人 【前年同期比 △6.7%】 |
42.5万人 【前年同期比 +15.4%】 |
3.29倍 【前年同期比 +0.63】 |
2022年09月16日以降 |
中学 | 686人 【前年同期比 △6.7%】 |
759人 【前年同期比 △7.4%】 |
1.11倍 【前年同期比 △0.01】 |
2023年01月01日以降 |
- 学校・公共職業安定所の紹介を希望する生徒の状況をとりまとめたもの。
★出所:厚生労働省「令和4年度 高校・中学新卒者のハローワーク求人における求人・求職状況」(2022年11月11日公表)
人口推計 - 2022年12月
2022年12月1日現在
●総人口(在留外国人を含む概算値) 1億2,484万人【前年同月比54万人減】
男性…6,069万人【前年同月比26万人減】
女性…6,415万人【前年同月比28万人減】
- 年齢階級別人口割合
0~14歳 11.6%
15~64歳 59.4%…うち 15~24歳 9.4%
25~34歳 10.3%
35~44歳 12.1%
45~54歳 15.1%
55~64歳 12.5%
65歳以上 29.0%…うち 75歳以上 15.6%
- 75歳以上人口の割合の推移…1950年1.3% → 1991年5.0% → 2007年10.0%
【参考】
2015年の国勢調査を基にした国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口(2017年4月)によれば、日本の総人口は、2053年に1億人を割り込む。2065年には現在の約7割にまで減少し、年齢構成の内訳も、0~14歳の「年少人口」は10.2%に、15~64歳の「生産年齢人口」は51.4%に、65歳以上の「老年人口」は38.4%と、大きく変動する。
★出所:総務省「人口推計月報」(2022年12月20日公表)
GDP(国内総生産)
国内総生産(GDP)成長率~実質
●2022年第3四半期(7~9月) 前期比0.2%減、年率換算0.8%減 <2次速報値>
- 実質成長率のうちの寄与度でみると、国内需要(内需)が0.4%増、財貨・サービスの純輸出(輸出-輸入)が0.6%減
- 米国の7-9月確定値は、年率換算で前期比3.2%増(米商務省:12月22日)
- ユーロ圏の7-9月期確報値は、前期比0.3%増、前年同期比2.3%増(EU統計局:12月7日)
- 中国の7-9月期は前年比で3.9%増(中国国家統計局:10月24日)
★出所:内閣府「GDP(国内総生産)」(2022年12月8日公表)、他
新しく発表された調査結果・統計データの概要
(前回配信後発表分)
雇用動向 ~ 2022年上半期
[入職率・離職率]
・入職率 9.3%(前年同期8.6%、0.7ポイント上昇)
・離職率 8.7%(同8.1%、0.6ポイント上昇)
=30万人、0.6ポイントの入職超過(11年連続)
[新規学卒者(※1)]
・入職者のうち新規学卒者は119.6万人(同122.4万人、2.8万人減少)
⇒就業形態別にみると、
一般労働者 85.2万人(同90.3万人、5.1万人減少)
パートタイム労働者 34.4万人(同32.1万人、2.3万人増加)
- 1) 「新規学卒者」・・・未就業入職者のうち2021年新卒の者。進学、就職等の別を問わず、入職者のうち調査年に卒業の者(進学した者であっても学業とは別に常用労働者として働いている場合を含む)
[未充足求人数(※2)]
・未充足求人数は133.0万人(同92.9万人、40.1万人増加)
⇒産業別にみると、「医療、福祉」が10.7万人、「運輸業、郵便業」が5.9万人、前年同期比で増加などとなっている
- 2)「未充足求人」・・・2022年6月末日現在、事務所における欠員であり、仕事があるにもかかわらずに従事する人がいない状態を補充するために行っている求人
★出所:厚生労働省「2022年(令和4年)上半期雇用動向調査結果」(2022年12月20日公表)
障害者雇用状況 - 2022年
~6月1日現在の民間企業や公的機関などにおける、身体障害者・知的障害者・精神障害者の雇用状況~
1.民間企業 (法定雇用率2.3%)
・雇用障害者数は 61万3,958人(前年比+2.7%)
・実雇用率は 2.25%(前年比+0.05ポイント)
・法定雇用率達成企業の割合は 48.3%(前年比+1.3ポイント)
- 雇用障害者数、実雇用率ともに過去最高
2.公的機関 (法定雇用率2.6%、都道府県などの教育委員会は2.5%)
・国 雇用障害者数 9,703人 実雇用率 2.85%(前年比+0.02ポイント)
・都道府県 雇用障害者数 1万409人 実雇用率 2.86%(前年比+0.05ポイント)
・市町村 雇用障害者数 3万4,536人 実雇用率 2.57%(前年比+0.06ポイント)
・教育委員会 雇用障害者数 1万6,501人 実雇用率 2.27%(前年比+0.06ポイント)
★出所:厚生労働省「令和4年 障害者雇用状況の集計結果」(2022年12月23日公表)
勤労統計調査 - 令和4年10月
- 現金給与総額は275,195円(前年同月1.4%増)となった。うち一般労働者が357,120円(同1.9%増)、パートタイム労働者が99,996円(同1.9%増)となり、パートタイム労働者比率が31.92%(0.33ポイント上昇)となった
- 所定内給与は249,306円(1.0%増)となった。うち一般労働者が320,747円(1.3%増)、パートタイム労働者が96,528円(1.5%増)となった
- パートタイム労働者の時間当たり給与は1,246円(1.4%増)となった
- 共通事業所による現金給与総額は1.5%増となった。うち一般労働者が1.8%増、パートタイム労働者が0.7%増となった
- 就業形態計の所定外労働時間は10.5時間(6.9%増)となった
★出所:厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和4年10月分結果速報」(2022年12月21日公表)
企業の働き方改革への取組状況
長時間労働の是正や多様で柔軟な働き方の実現への取組(上位5項目:複数回答)
- 業務効率化(業務の削減、仕事の分担・進め方の見直し等)の推進(66%)
- 時間外労働の事前申告制(59%)
- 長時間労働抑制に関する数値目標の設定(45%)
- 省力化投資(機械化・自動化、IT化)(43%)
- 「テレワーク制度」の導入・採用(32%)
★出所:厚生労働省「労働経済動向調査(令和4年11月)の概況」(2022年12月20日公表)
政府発表の人材派遣市場
2020年度の労働者派遣事業の状況
◇2020年度中に事業年度が終了し報告書を提出した派遣元事業所の事業運営状況◇
年間売上高 総額8兆6,209億円【前年度比9.6%増】
-
派遣元事業所数 42,065所【前年度比10.6%増】
※派遣実績のあった事業所は75.6%:31,821所 - 派遣先件数 750,959件【前年度比7.6%増】
- 派遣料金(全体平均、8時間換算) 24,203円【前年度比2.4%増】(時給換算3,025円)
- 賃金(全体平均、8時間換算) 15,590円【前年度比2.3%増】(時給換算1,949円)
- 派遣契約期間
1日以下 | 1日超 7日以下 |
7日超 1か月以下 |
1か月超 2か月以下 |
2か月超 3か月以下 |
3か月超 6か月以下 |
6か月超 1年以下 |
1年超 3年以下 |
3年超 |
28.2% | 3.2% | 8.9% | 20.5% | 26.5% | 9.3% | 2.6% | 0.7% | 0.2% |
-
紹介予定派遣
実施事業所 2,358所【前年度比2.9%増】
職業紹介され直接雇用された労働者数 15,333人【前年度比6.1%減】 - 登録者数 6,853,094人【前年度比10.8%増】
<2021年6月1日現在の状況>
●派遣労働者数 1,686,697人【前年度比8.0%減】
(1)無期雇用派遣労働者 676,861人【前年度比 10.8%増】
(2)有期雇用派遣労働者 1,009,836人【前年度比 6.1%減】
-
製造業務に従事した派遣労働者数 361,123人【前年度比15.9%減】全体に占める割合:20.0%
(1)無期雇用派遣労働者 137,334人【前年度比18.7%増】
(2)有期雇用派遣労働者 223,789人【前年度比14.2%減】 - 日雇派遣労働者数 30,259人【前年度比23.0%増】
★出所:厚生労働省「労働者派遣事業令和2年度事業報告」「労働者派遣事業の令和3年6月1日現在の状況」(2022年3月31日)
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主な用語の解説
労働力調査 |
全国全世帯の中から、無作為に選定した約4万世帯の15歳以上の者(約10万人)を対象として、毎月末日現在で、月末1週間における就業・不就業の状態を調査する |
---|---|
労働力人口 |
15歳以上人口のうち、「就業者」と「完全失業者」の合計。 |
就業者 |
「従業者」と「休業者」を合わせたもので、雇われている人(雇用者)や自営業者など、働いている人全体をあらわす。就業「率」は15歳以上人口に占める就業者の割合。 |
従業者 |
調査期間中に賃金、給料、諸手当、内職収入などの収入をともなう仕事を1時間以上した者。尚、家族従業者の場合は、無給であっても仕事をしたとする。 |
休業者 |
仕事を持ちながら、調査期間中少しも仕事をしなかった者のうち、 |
完全失業者 |
次の3つの条件を満たす者。 |
完全失業率 |
労働力人口に占める完全失業者の割合=(完全失業者÷労働力人口)×100 |
雇用者 |
会社、団体、官公庁又は自営業主や個人の家庭に雇われて、給料・賃金を得ている者、及び会社、団体の役員。 |
常雇(常用雇用者) |
雇用者のうち、「臨時雇」、「日雇」以外の者。 |
臨時雇 |
1ヶ月以上1年以内の期間を定めて雇われている者。 |
日雇 |
日々又は1ヶ月未満の契約で雇われている者。 |
季節調整値 |
季節的要因(稼動日数の相違、正月や年度末の決算などの社会習慣、制度等の影響などによる月々の変動の癖)を除去したことを推計した数値。原数値÷季節指数=×100 |
有効求人倍率 |
公共職業安定所で扱う求職者数及び求人数のデータから、1人の求職者に対してどれだけの求人があるかを示す指標で、その月に受け付けた求人である「新規求人」と、前月から未充足のまま繰り越された求人との合計を「有効求人」という。 |
国内総生産 GDP (Gross Domestic Product) |
国内で一定期間に生産された財・サービスの総額。 |
フリーター |
15~34歳の卒業者(女性は卒業者且つ未婚者)で、雇用者のうち「アルバイト・パート」の者、及び無業者については家事も通学もしておらず「アルバイト・パート」の仕事を希望する者。 |
ニート(NEET) |
Not in Education, Employment or Trainingの頭文字をとった略称で、「学校に通っておらず、働いてもおらず、職業訓練を行っていない若者」として英国政府が使ったのが語源。 |
労働者派遣事業 |
平成27年9月30日より、従来の「一般労働者派遣事業(許可制)」、「特定労働者派遣事業(届出制)」の区分が廃止となり、許可制の「労働者派遣事業」に一本化されている。 |
(旧)特定労働者派遣事業 |
改正前派遣法における、派遣労働者が常用雇用労働者のみである事業(届出制)。平成27年9月30日法改正の経過措置により平成30年9月29日までは従来通りに継続可能(それ以降の継続は労働者派遣事業の許可が必要)。 |
派遣労働者数 |
労働者派遣事業での「無期雇用派遣労働者」と「有期雇用派遣労働者」に、(旧)特定労働者派遣事業での「無期雇用派遣労働者」と「有期雇用派遣労働者」を合計した人数の合計。 |