企業ご担当者様向け 最新の雇用・経済指標（2021年7月）
月次雇用指標 -2021年6月結果
●完全失業率…2.9%【前月比 0.1ポイント改善】
男性…3.1%【前月比 0.1ポイント改善】
女性…2.7%【前月比 横ばい】
- 年齢階級別失業率
| 15～24歳 | 25～34歳 | 35～44歳 | 45～54歳 | 55～64歳 | |
| 男女計 | 4.5％ | 4.1％ | 2.4％ | 2.6％ | 3.0％ |
| 男性 | 4.7％ | 4.8％ | 2.4％ | 2.3％ | 3.2％ |
| 女性 | 4.1％ | 3.2％ | 2.6％ | 2.8％ | 2.7％ |
●有効求人倍率…1.13倍【前月比 0.04ポイント改善、前年同月比 0.01ポイント改善】
新規求人倍率…2.08倍【前月比 0.01ポイント悪化、前年同月比 0.37ポイント改善】
正社員の有効求人倍率…0.94倍【前月比 0.04ポイント改善、前年同月比 0.06ポイント改善】
- 「正社員の有効求人倍率」は、分母となる求職者数に派遣労働者や契約社員を希望する者も含まれるため、厳密な意味での正社員求人倍率より低くなる
就業状態
《すべて実数》
★労働力人口比率＝62.4%
★就業率＝60.6%
（ ）内は前年同月増減比
- 失業者数は17か月連続の増加。うち「自己都合」は77万人と前年同月に比べ5万人増加、「勤め先都合」は39万人と2万人減少
- 失業者のうち男性は前年同月に比べ3万人増の120万人、女性は8万人増の86万人
- 産業別の就業者数は、｢卸売業，小売業｣，「情報通信業」，｢宿泊業，飲食サービス業｣などが増加
（以上、注意書きの無い増減の比較は全て前年同月対比）
職業紹介状況
《前月比は季節調整値、前年同月比は実数》…公共職業安定所（ハローワーク）における統計
- 新規求人数【前月比 4.9％増、前年同月比 5.4％増（うち正社員 8.2％増）】
- 月間有効求人数【前月比 横ばい、前年同月比 9.8％増 （うち正社員 10.9％増）】
-
月間有効求職者数【前月比 3.6％減、前年同月比 8.8％増】
●都道府県別の有効求人倍率（受理地別）は、最低が沖縄県の0.80倍、最高は福井県の1.79倍
●新規求人を産業別にみると、前年同月と比べて「製造業（39.3％増）」、「サービス業（他に分類されないもの）（15.6％増）」、「教育、学習支援業（13.1％増）」などで増加、「宿泊業、飲食サービス業（10.6％減）」で減少。
★出所：総務省「労働力調査」、厚生労働省「一般職業紹介状況」（2021年7月30日公表）
政府発表の雇用指標
地域別失業率
<2021年4～6月期平均>
| 北海道 |
2.9％ （- 0.4） |
|---|---|
| 東北 |
2.9％ （± 0） |
| 南関東 |
3.3％ （+ 0.1） |
| 北関東･甲信 |
3.1％ （+ 0.7） |
| 北陸 |
2.0％ （- 0.2） |
| 東海 |
2.6％ （+ 0.5） |
| 近畿 |
3.3％ （+ 0.3） |
| 中国 |
2.5％ （+ 0.3） |
| 四国 |
2.8％ （+ 0.1） |
| 九州 |
3.1％ （+ 0.1） |
| 沖縄 |
3.7％ （+ 0.2） |
- （ ）内は前年同期比
★出所：総務省「労働力調査」（2021年7月30日公表）
雇用情勢 - 2021年1～3月期平均
●非正規の職員・従業員の割合…36.7%【前年同期比 1.3ポイント減少】
男女それぞれの「役員を除く雇用者」数に占める非正規社員の割合
男性…21.8%【前年同期比 0.5ポイント減少】
女性…53.5%【前年同期比 2.5ポイント減少】
派遣社員のうち男性が53万人、女性が81万人、前年同期比では男性は2％減少、女性は9％減少。
●失業者の失業する前の雇用形態
雇用形態別の失業者数のうち、「会社倒産・事業所閉鎖」または「人員整理・勧奨退職」による失業の割合（契約満了を除く）
失業者の仕事につけない理由は、「希望する種類・内容の仕事がない」が64万人、「求人の年齢と自分の年齢があわない」が25万人、この他、「条件にこだわらないが仕事がない」「賃金・給料が希望とあわない」「勤務時間・休日などが希望とあわない」「自分の技術や技能が求人要件に満たない」などとなっている。
●就職を希望する非労働力人口
「適当な仕事がありそうにない」ために求職活動をしていない人の理由は、「近くに仕事がありそうにない」「自分の知識・能力にあう仕事がありそうにない」「勤務時間・賃金などが希望にあう仕事がありそうにない」「今の景気や季節では仕事がありそうにない」などとなっている。
●転職者 277万人【前年同期比 38万人減】
- 転職者とは過去1年間に離職を経験した就業者
男性…131万人【前年同期比 13万人減】<3.6%>
女性…147万人【前年同期比 24万人減】<5.0%>
<転職者比率>就業者に占める割合
就業者数に占める転職者の割合（転職者比率）は全体で4.2％となり前年同期比0.5ポイント減。 年齢階級ごとの転職者数では25～34歳が最も多く67万人。 転職者比率では15～24歳が8.5％で引き続き最も高い。
●都道府県別失業率（推計）
ワースト：大阪府 3.9％
ベスト：佐賀県 1.4％
前年同期比で最も改善したのは佐賀県の0.6ポイント減、悪化したのは大阪府の1.0ポイント増。
★出所：総務省「労働力調査」（2021年5月14日、5月28日公表）
政府発表の雇用・経済指標
大学卒業予定者の就職内定状況 - 2020年度
2021年4月1日現在
●大学の就職率 96.0%【前年同期比 2.0ポイント低下】
（2021年3月卒業者）
男子…95.0%【前年同期比 2.5ポイント減】
女子…97.2%【前年同期比 1.3ポイント減】
【参考】
| 就職希望率 | 就職内定率 | |
| 大学 | 76.0％ 【前年同期比-1.0】 | 96.0％ 【前年同期比-2.0】 |
| 短大（女子のみ） | 78.7％ 【前年同期比-5.0】 | 96.3％ 【前年同期比-0.7】 |
| 高専（男子のみ） | 60.3％ 【前年同期比+2.3】 | 100.0％ 【前年同期比±0.0】 |
| 専修学校 | 87.1％ 【前年同期比-1.3】 | 91.2％ 【前年同期比-5.6】 |
★出所：厚生労働省（文部科学省共同調査）「令和2年度大学等卒業者の就職内定状況調査」（2021年5月18日公表）
高校卒業予定者の求人・求職状況 - 2020年度
2021年3月末日現在
●高校の内定率 99.1％【前年同期比 0.2ポイント減】
【参考】
| 求職者数 | 求人数 | 求人倍率 | 内定開始日 | |
| 高校 | 14.6万人 【前年同期比 △12.7％】 |
38.6万人 【前年同期比 △20.2％】 |
2.64倍 【前年同期比 △0.25】 |
2020年10月16日以降 |
| 中学 | 405人 【前年同期比 △24.6％】 |
1,150人 【前年同期比 △32.2％】 |
2.84倍 【前年同期比△0.32】 |
2021年1月1日以降 |
- 学校・公共職業安定所の紹介を希望する生徒の状況をとりまとめたもの。
★出所：厚生労働省「令和元年度高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況」（2021年5月18日公表）
人口推計 - 2021年7月
2021年7月1日現在
●総人口（在留外国人を含む概算値） 1億2,536万人【前年同月比47万人減】
男性…6,096万人【前年同月比27万人減】
女性…6,440万人【前年同月比21万人減】
- 年齢階級別人口割合
0～14歳 11.9％
15～64歳 59.1％…うち 15～24歳 9.5％
25～34歳 10.2％
35～44歳 12.3％
45～54歳 14.9％
55～64歳 12.1％
65歳以上 29.0％…うち 75歳以上 14.9％
- 75歳以上人口の割合の推移…1950年1.3％ → 1991年5.0％ → 2007年10.0％
【参考】
2015年の国勢調査を基にした国立社会保障･人口問題研究所の将来推計人口（2017年4月）によれば、日本の総人口は、2053年に1億人を割り込む。2065年には現在の約7割にまで減少し、年齢構成の内訳も、0～14歳の「年少人口」は10.2％に、15～64歳の「生産年齢人口」は51.4％に、65歳以上の「老年人口」は38.4％と、大きく変動する。
★出所：総務省「人口推計月報」（2021年7月20日公表）
GDP（国内総生産）
国内総生産（GDP）成長率～実質
●2021年第1四半期（1～3月） 前期比1.0％減、年率換算3.9％減 <2次速報値>
- 実質成長率のうちの寄与度でみると、国内需要（内需）が0.8％減、財貨・サービスの純輸出（輸出－輸入）が0.2％減
- 米国の1-3月確報値は、年率換算で前期比6.4％増（米商務省：6月24日）
- ユーロ圏の1-3月期確定値は、前期比０.3％減、前年比1.3％減（EU統計局：6月8日）
- 中国の1-3月期は前年同期比で18.3％増（国家統計局：4月16日）
★出所：内閣府「ＧＤＰ（国内総生産）」（2021年6月8日公表）、他
新しく発表された調査結果・統計データの概要
（前回配信後発表分）
令和3年度地域別最低賃金額改定の目安について
～第61回中央最低賃金審議会で、今年度の地域別最低賃金額改定の目安について答申が取りまとめられました～
【答申のポイント】
（ランク注ごとの目安）
各都道府県の引上げ額の目安については、A～Dランク全てにおいて28円。
注：都道府県の経済実態に応じ、全都道府県をABCDの4ランクに分けて、引上げ額の目安を提示している。現在、Aランクで6都府県、Bランクで11府県、Cランクで14道県、Dランクで16県となっている。（参考参照）
＜参考＞各都道府県に適用される目安のランク
| ランク |
都道府県 |
|---|---|
| A |
埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪 |
| B |
茨城、栃木、富山、山梨、長野、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、広島 |
| C |
北海道、宮城、群馬、新潟、石川、福井、岐阜、奈良、和歌山、岡山、山口、徳島、香川、福岡 |
| D |
青森、岩手、秋田、山形、福島、鳥取、島根、愛媛、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄 |
今後は、各地方最低賃金審議会で、この答申を参考にしつつ、地域における賃金実態調査や参考人の意見等も踏まえた調査審議の上、答申を行い、各都道府県労働局長が地域別最低賃金額を決定することとなります。
今年度の目安が示した引上げ額の全国加重平均は28円となり、昭和53年度に目安制度が始まって以降で最高額となります。また、引上げ率に換算すると3.1％となっています。
★出所：厚生労働省：報道発表資料 （2021年7月16日公表）
新型コロナウイルス感染症に起因する雇用への影響に関する情報について
厚生労働省では、都道府県労働局の聞き取り情報や公共職業安定所に寄せられた相談・報告等を基に、新型コロナウイルス感染症の影響による「雇用調整の可能性がある事業所数（※1）」と「解雇等見込み労働者数（※2）」の動向を集計しています。
7月21日現在、新型コロナウイルスに係る雇用調整の可能性がある事業所数（※1）は全国で197事業所、解雇等見込み労働者数（※2）は765人となりました。
また、解雇等見込み労働者数のうち非正規雇用労働者数（※3）は665人。
（※1）「雇用調整の可能性がある事業所」は、都道府県労働局及びハローワークに対して休業に関する相談のあった事業所（当面休業を念頭に置きつつも、不透明な経済情勢が続けば解雇等も検討する意向の事業所も含む。）
（※2）「解雇等見込み労働者数」は、都道府県労働局及びハローワークに対して相談のあった事業所等において解雇・雇止め等の予定がある労働者で、一部既に解雇・雇止めされたものも含まれている。
（※3）非正規雇用労働者(正規雇用労働者以外の、パート、アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託等)の解雇等見込み労働者数
【業種別の動向】※以下全て降順
■増加数の大きな業種（上位10業種）
-
雇用調整の可能性がある事業所数：
「建設業」「宿泊業」「製造業」「飲食業」「運輸業」「小売業」「サービス業」「卸売業」「医療、福祉」「娯楽業」 -
解雇等見込み労働者数：
「宿泊業」「娯楽業」「製造業」「医療、福祉」「労働者派遣業」「建設業」「飲食業」「運輸業」「サービス業」「小売業」
■累積数の大きな業種（上位10業種）
-
雇用調整の可能性がある事業所数：
「製造業」「飲食業」「小売業」「サービス業」「建設業」「卸売業」「医療、福祉」「専門サービス業」「宿泊業」「理容業」 -
解雇等見込み労働者数：
「製造業」「小売業」「飲食業」「宿泊業」「卸売業」「サービス業」「労働者派遣業」「道路旅客運送業」「娯楽業」「運輸業」
★出所：厚生労働省：雇用分野トピックス （2021年7月27日公表）
政府発表の人材派遣市場
2019年度の労働者派遣事業の状況
◇2019年度中に事業年度が終了し報告書を提出した派遣元事業所の事業運営状況◇
年間売上高 総額7兆8,689億円【前年度比23.3％増】
-
派遣元事業所数 38,040所【前年度比0.2％減】
※派遣実績のあった事業所は74.2％：28,209所 - 派遣先件数 697,832件【前年度比1.2％増】
- 派遣料金（全体平均、8時間換算） 23,629円【前年度比2.5％増】（時給換算2,954円）
- 賃金（全体平均、8時間換算） 15,234円【前年度比2.3％増】（時給換算1,904円）
- 派遣契約期間
| 1日以下 | 1日超 7日以下 |
7日超 1か月以下 |
1か月超 2か月以下 |
2か月超 3か月以下 |
3か月超 6か月以下 |
6か月超 1年以下 |
1年超 3年以下 |
3年超 |
| 28.4% | 3.2% | 8.1% | 20.6% | 27.8% | 8.9% | 2.4% | 0.5% | 0.2% |
-
紹介予定派遣
実施事業所 2,292所【前年度比3.4％減】
職業紹介され直接雇用された労働者数 16,323人【前年度比15.0％減】 - 登録者数 6,187,007人【前年度比29.0％増】
＜2020年6月1日現在の状況＞
●派遣労働者数 1,562,090人【前年度比0.2％減】
（１）無期雇用派遣労働者 610,683人【前年度比 10.9％増】
（２）有期雇用派遣労働者 951,407人【前年度比 6.3％減】
-
製造業務に従事した派遣労働者数 311,660人【前年度比4.4％減】全体に占める割合：20.0％
（１）無期雇用派遣労働者 115,730人【前年度比 19.1％増】
（２）有期雇用派遣労働者 195,930人【前年度比 14.4％減】 - 日雇派遣労働者数 32,502人【前年度比4.8％増】
★出所：厚生労働省「労働者派遣事業令和元年度事業報告」「労働者派遣事業の令和2年6月1日現在の状況」（2021年3月31日）
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主な用語の解説
| 労働力調査 |
全国全世帯の中から、無作為に選定した約4万世帯の15歳以上の者（約10万人）を対象として、毎月末日現在で、月末1週間における就業・不就業の状態を調査する |
|---|---|
| 労働力人口 |
15歳以上人口のうち、｢就業者｣と｢完全失業者｣の合計。 |
| 就業者 |
｢従業者｣と｢休業者｣を合わせたもので、雇われている人（雇用者）や自営業者など、働いている人全体をあらわす。就業「率」は15歳以上人口に占める就業者の割合。 |
| 従業者 |
調査期間中に賃金、給料、諸手当、内職収入などの収入をともなう仕事を1時間以上した者。尚、家族従業者の場合は、無給であっても仕事をしたとする。 |
| 休業者 |
仕事を持ちながら、調査期間中少しも仕事をしなかった者のうち、 |
| 完全失業者 |
次の３つの条件を満たす者。 |
| 完全失業率 |
労働力人口に占める完全失業者の割合＝（完全失業者÷労働力人口）×100 |
| 雇用者 |
会社、団体、官公庁又は自営業主や個人の家庭に雇われて、給料・賃金を得ている者、及び会社、団体の役員。 |
| 常雇（常用雇用者） |
雇用者のうち、｢臨時雇｣、｢日雇｣以外の者。 |
| 臨時雇 |
1ヶ月以上１年以内の期間を定めて雇われている者。 |
| 日雇 |
日々又は1ヶ月未満の契約で雇われている者。 |
| 季節調整値 |
季節的要因（稼動日数の相違、正月や年度末の決算などの社会習慣、制度等の影響などによる月々の変動の癖）を除去したことを推計した数値。原数値÷季節指数＝×100 |
| 有効求人倍率 |
公共職業安定所で扱う求職者数及び求人数のデータから、1人の求職者に対してどれだけの求人があるかを示す指標で、その月に受け付けた求人である「新規求人」と、前月から未充足のまま繰り越された求人との合計を「有効求人」という。 |
|
国内総生産 GDP （Gross Domestic Product） |
国内で一定期間に生産された財・サービスの総額。 |
| フリーター |
15～34歳の卒業者（女性は卒業者且つ未婚者）で、雇用者のうち「アルバイト・パート」の者、及び無業者については家事も通学もしておらず「アルバイト・パート」の仕事を希望する者。 |
| ニート（NEET） |
Not in Education, Employment or Trainingの頭文字をとった略称で、「学校に通っておらず、働いてもおらず、職業訓練を行っていない若者」として英国政府が使ったのが語源。 |
| 労働者派遣事業 |
平成27年9月30日より、従来の「一般労働者派遣事業（許可制）」、「特定労働者派遣事業（届出制）」の区分が廃止となり、許可制の「労働者派遣事業」に一本化されている。 |
| （旧）特定労働者派遣事業 |
改正前派遣法における、派遣労働者が常用雇用労働者のみである事業（届出制）。平成27年9月30日法改正の経過措置により平成30年9月29日までは従来通りに継続可能（それ以降の継続は労働者派遣事業の許可が必要）。 |
| 派遣労働者数 |
労働者派遣事業での「無期雇用派遣労働者」と「有期雇用派遣労働者」に、（旧）特定労働者派遣事業での「無期雇用派遣労働者」と「有期雇用派遣労働者」を合計した人数の合計。 |
