企業ご担当者様向け 最新の雇用・経済指標(2020年7月)
月次雇用指標 -2020年6月結果
●完全失業率…2.8%【前月比 0.1ポイント改善】
男性…3.1%【前月比 0.1ポイント改善】
女性…2.5%【前月比 横ばい】
- 年齢階級別失業率
15~24歳 | 25~34歳 | 35~44歳 | 45~54歳 | 55~64歳 | |
男女計 | 4.0% | 4.0% | 2.8% | 2.5% | 2.4% |
男性 | 5.1% | 4.3% | 2.9% | 2.4% | 3.0% |
女性 | 3.3% | 3.8% | 2.8% | 2.5% | 1.8% |
●有効求人倍率…1.11倍【前月比 0.09ポイント悪化、前年同月比 0.5ポイント悪化】
新規求人倍率…1.72倍【前月比 0.16ポイント悪化、前年同月比 0.66ポイント悪化】
正社員の有効求人倍率…0.84倍【前月比 0.06ポイント悪化、前年同月比 0.31ポイント悪化】
- 「正社員の有効求人倍率」は、分母となる求職者数に派遣労働者や契約社員を希望する者も含まれるため、厳密な意味での正社員求人倍率より低くなる
就業状態
《すべて実数》
★労働力人口比率=61.9%
★就業率=60.2%
( )内は前年同月増減比
- 失業者数は5か月連続の増加。うち「自己都合」は72万人と前年同月に比べ6万人増加、「勤め先都合」は41万人と19万人増加
- 失業者のうち男性は前年同月に比べ20万人増の117万人、女性は13万人増の78万人
- 産業別の就業者数は、「建設業」が増加、「生活関連サービス業,娯楽業」、「製造業」、「宿泊業,飲食サービス業」、「卸売業,小売業」、「運輸業、郵便業」などが減少
(以上、注意書きの無い増減の比較は全て前年同月対比)
職業紹介状況
《前月比は季節調整値、前年同月比は実数》…公共職業安定所(ハローワーク)における統計
- 新規求人数【前月比 8.2%増、前年同月比 18.3%減(うち正社員 14.2%減)】
- 月間有効求人数【前月比 1.9%減、前年同月比 28.1%減 (うち正社員 22.8%減)】
-
月間有効求職者数【前月比 5.4%増、前年同月比 3.5%増】
●都道府県別の有効求人倍率(受理地別)は、最低が沖縄県の0.68倍、最高は福井県の1.53倍
●新規求人を産業別にみると、前年同月と比べて、「建設業(2.6%増)」、「生活関連サービス業, 娯楽業(34.8%減)」、「製造業(34.2%減)」、「宿泊業,飲食サービス業(29.4%減)」、「卸売業,小売業(26.9%減)」、「運輸業,郵便業(26.8%減)」などで減少
★出所:総務省「労働力調査」、厚生労働省「一般職業紹介状況」(2020年7月31日公表)
政府発表の雇用指標
地域別失業率
<2020年4~6月期平均>
北海道 |
3.3% (+ 0.3) |
---|---|
東北 |
2.9% (+ 0.7) |
南関東 |
3.2% (+ 0.8) |
北関東・甲信 |
2.4% (- 0.3) |
北陸 |
2.2% (+ 0.1) |
東海 |
2.1% (+ 0.2) |
近畿 |
3.0% (+ 0.2) |
中国 |
2.2% (- 0.2) |
四国 |
2.7% (+ 0.2) |
九州 |
3.0% (+ 0.5) |
沖縄 |
3.5% (+ 0.8) |
- ( )内は前年同期比
★出所:総務省「労働力調査」(2020年7月31日公表)
雇用情勢 - 2020年1~3月期平均
●非正規の職員・従業員の割合…38.0%【前年同期比 0.5ポイント減少】
男女それぞれの「役員を除く雇用者」数に占める非正規社員の割合
男性…22.3%【前年同期比 0.1ポイント減少】
女性…56.0%【前年同期比 1.1ポイント減少】
派遣社員のうち男性が54万人、女性が89万人、前年同期比では男性は4%増加、女性は2%減少。
●失業者の失業する前の雇用形態
雇用形態別の失業者数のうち、「会社倒産・事業所閉鎖」または「人員整理・勧奨退職」による失業の割合(契約満了を除く)
失業者の仕事につけない理由をみると、「希望する種類・内容の仕事がない」が47万人、「条件にこだわらないが仕事がない」が10万人、この他、「求人の年齢と自分の年齢があわない」「賃金・給料が希望とあわない」「勤務時間・休日などが希望とあわない」「自分の技術や技能が求人要件に満たない」など。
●就職を希望する非労働力人口
「適当な仕事がありそうにない」ために求職活動をしていない人の理由は、「近くに仕事がありそうにない」「自分の知識・能力にあう仕事がありそうにない」「勤務時間・賃金などが希望にあう仕事がありそうにない」「今の景気や季節では仕事がありそうにない」「その他適当な仕事がありそうにない」などとなっている。
●転職者 315万人【前年同期比 15万人減】
- 転職者とは過去1年間に離職を経験した就業者
男性…144万人【前年同期比 6万人減】<3.9%>
女性…171万人【前年同期比 9万人減】<5.7%>
<転職者比率>就業者に占める割合
就業者数に占める転職者の割合(転職者比率)は全体で4.7%となり前年同期比0.3ポイント減。 年齢階級ごとの転職者数では25~34歳が最も多く69万人。 転職者比率では15~24歳が10.0%で引き続き最も高い。
●都道府県別失業率(推計)
ワースト:秋田県 3.3%
ベスト:三重県 1.1%
前年同期比で最も改善したのは山梨県・島根県・岡山県の0.5ポイント減、悪化したのは奈良県・宮崎県の0.7ポイント増。
★出所:総務省「労働力調査」(2020年5月15日、5月29日公表)
政府発表の雇用・経済指標
大学卒業予定者の就職内定状況 - 2019年度
2020年4月1日現在
●大学の就職内定率 98.0%【前年同期比 0.4ポイント上昇】
(2020年3月卒業者)
男子…97.5%【前年同期比 0.2ポイント増】
女子…98.5%【前年同期比 0.7ポイント増】
【参考】
就職希望率 | 就職内定率 | |
大学 | 77.0% 【前年同期比+1.0】 | 98.0% 【前年同期比+0.4】 |
短大(女子のみ) | 83.7% 【前年同期比+0.8】 | 97.0% 【前年同期比-1.6】 |
高専(男子のみ) | 58.0% 【前年同期比-4.0】 | 100.0% 【前年同期比+0.4】 |
専修学校 | 88.4% 【前年同期比-1.1】 | 96.8% 【前年同期比+0.2】 |
★出所:厚生労働省(文部科学省共同調査)「令和元年度大学等卒業者の就職内定状況調査」(2020年6月11日公表)
高校卒業予定者の求人・求職状況 - 2019年度
2020年3月末日現在
●高校の就職内定率 99.3%【前年同期比 0.1ポイント減】
【参考】
求職者数 | 求人数 | 求人倍率 | 内定開始日 | |
高校 | 16.8万人 【前年同期比 △2.1%】 |
48.4万人 【前年同期比 +1.5%】 |
2.89倍 【前年同期比+0.11】 |
2019年9月16日以降 |
中学 | 537人 【前年同期比 △9.1%】 |
1,696人 【前年同期比 △13.1%】 |
3.16倍 【前年同期比△0.14】 |
2020年1月1日以降 |
- 学校・公共職業安定所の紹介を希望する生徒の状況をとりまとめたもの。
★出所:厚生労働省「令和元年度高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況」(2020年6月11日公表)
人口推計 - 2020年7月
2020年7月1日現在
●総人口(在留外国人を含む概算値) 1億2,596万人【前年同月比30万人減】
男性…6,130万人【前年同月比14万人減】
女性…6,466万人【前年同月比16万人減】
- 年齢階級別人口割合
0~14歳 12.0%
15~64歳 59.3%…うち 15~24歳 9.7%
25~34歳 10.3%
35~44歳 12.6%
45~54歳 14.7%
55~64歳 12.1%
65歳以上 28.7%…うち 75歳以上 14.8%
- 75歳以上人口の割合の推移…1950年1.3% → 1991年5.0% → 2007年10.0%
【参考】
2015年の国勢調査を基にした国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口(2017年4月)によれば、日本の総人口は、2053年に1億人を割り込む。2065年には現在の約7割にまで減少し、年齢構成の内訳も、0~14歳の「年少人口」は10.2%に、15~64歳の「生産年齢人口」は51.4%に、65歳以上の「老年人口」は38.4%と、大きく変動する。
★出所:総務省「人口推計月報」(2020年7月20日公表)
GDP(国内総生産)
国内総生産(GDP)成長率~実質
●2020年第1四半期(1~3月) 前期比0.6%減、年率換算2.2%減 <2次速報値>
- 実質成長率のうちの寄与度でみると、国内需要(内需)が0.4%減、財貨・サービスの純輸出(輸出-輸入)が0.2%減
- 米国の1-3月確報値は、年率換算で前期比5.0%減(商務省:6月25日)
- ユーロ圏の1-3月期改定値は、前期比3.6%減、前年比3.1%減(EU統計局:6月9日)
- 中国の1-3月期は前年同期比で6.8%減(国家統計局:4月17日)
★出所:内閣府「GDP(国内総生産)」(2020年6月8日公表)、他
新しく発表された調査結果・統計データの概要
(前回配信後発表分)
国民生活基礎調査 2019年
【世帯の状況】
- 「高齢者世帯(※)」は全世帯の28.7%(前年比+1.1ポイント)と増加
- 児童のいる世帯は全体の21.7%(前年比△0.4ポイント)。児童数別に見ると、児童が1人いる世帯が10.1%、2人いる世帯が8.7%、3人以上いる世帯が2.8%。児童のいる世帯における母の仕事の有無は、「仕事あり」が72.4%(前年比+0.2ポイント)と増加傾向
- 平均世帯人員は2.39人で、年次推移をみると減少傾向となっている
【所得等の状況】
- 2018年の1世帯当たり平均所得金額は、全世帯では552.3万円(前年比0.1%増加)。また、「高齢者世帯(※)」では312.6万円(前年比6.7%減少)、「児童のいる世帯」では745.9万円(前年比0.3%増加)となっている
- 生活が「苦しい」と答えた世帯の割合は、全世帯では54.4%(前年比-2.1ポイント)。各種世帯別にみると、「高齢者世帯(※)」では51.7%、「児童のいる世帯」では60.4%が「苦しい」と答えている
- 65歳以上の者のみで構成するか、又はこれに18歳未満の未婚の者が加わった世帯のこと
★出所:厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況」(2020年7月17日公表)
令和2年度地域別最低賃金額改定の目安について
第57回中央最低賃金審議会で、今年度の地域別最低賃金額改定の目安について答申が取りまとめられました。
【答申のポイント】
令和2年度地域別最低賃金額については、新型コロナウイルス感染症拡大による現下の経済・雇用への影響等を踏まえ、引上げ額の目安を示すことは困難であり、現行水準を維持することが適当。
地方最低賃金審議会において、上記見解を十分に参酌しつつ、地域の経済・雇用の実態を見極め、地域間格差の縮小を求める意見も勘案しつつ、適切な審議が行われることを希望。
来年度の審議においては、新型コロナウイルス感染症等による様々な影響を踏まえながら、経済の好循環継続の鍵となる賃上げに向け、日本経済全体の生産性の底上げや、取引関係の適正化など、賃上げしやすい環境整備に不断に取り組みつつ、最低賃金については更なる引上げを目指すことが社会的に求められていることも踏まえ、議論を行うことが適当。
今後は、各地方最低賃金審議会で、この答申を参考にしつつ、地域における賃金実態調査や参考人の意見等も踏まえた調査審議の上、答申を行い、各都道府県労働局長が地域別最低賃金額を決定することとなります。
1円以上の有額の目安を示さなかったのは、平成21年度以来であり、目安が時間額に統一された平成14年度以降5回目となります。
★出所:厚生労働省:報道発表資料 (2020年7月22日公表)
新型コロナウイルス感染症に起因する雇用への影響に関する情報について
7月22日現在、雇用調整の可能性がある事業所数は70,385事業所、新型コロナウイルス感染症に起因する解雇等見込み労働者数は39,059人となりました。
また、解雇等見込み労働者数のうち非正規雇用労働者数は、15,059人。
- 雇用調整の可能性がある事業所数上位5業種:「製造業」「飲食業」「小売業」「サービス業」「建設業」
- 解雇等見込み労働者数上位5業種:「宿泊業」「製造業」「飲食業」「小売業」「労働者派遣業」
★出所:厚生労働省:雇用分野トピックス (2020年7月28日公表)
政府発表の人材派遣市場
2018年度の労働者派遣事業の状況
◇2018年度中に事業年度が終了し報告書を提出した派遣元事業所の事業運営状況◇
年間売上高 総額6兆3,816億円【前年度比1.8%減】(※)
上記のうち、(旧)特定労働者派遣事業を除く労働者派遣事業*17の前年度比:16.2%増
-
派遣元事業所数 38,128所【前年度比38.9%減】(※)
上記のうち、(旧)特定労働者派遣事業を除く労働者派遣事業の前年度比50.8%増
※派遣実績のあった事業所は64.0%:24,397所【前年度比37.1%増】 -
派遣先件数 689,720件【前年度比2.5%減】(※)
上記のうち、(旧)特定労働者派遣事業を除く労働者派遣事業の前年度比:7.6%増 - 派遣料金(全体平均、8時間換算) 23,044円【前年度比8.9%増】(時給換算2,881円)
- 賃金(全体平均、8時間換算) 14,888円【前年度比7.6%増】(時給換算1,861円)
- 派遣契約期間
1日以下 | 1日超 7日以下 |
7日超 1か月以下 |
1か月超 2か月以下 |
2か月超 3か月以下 |
3か月超 6か月以下 |
6か月超 1年以下 |
1年超 3年以下 |
3年超 |
29.7% | 4.5% | 10.1% | 19.0% | 25.0% | 9.1% | 2.1% | 0.4% | 0.1% |
-
紹介予定派遣
実施事業所 2,373所【前年度比6.9%減】
職業紹介され直接雇用された労働者数 19,214人【前年度比0.5%増】 - 登録者数 4,794,355人【前年度比25.5%増】
(※)前年度比は、(旧)特定労働者派遣事業含む割合
<2019年6月1日現在の状況>
●派遣労働者数 1,565,799人【前年度比17.3%増】
(1)無期雇用派遣労働者 550,625人【前年度比 41.3%増】
(2)有期雇用派遣労働者 1,015,174人【前年度比 7.3%減】
-
製造業務に従事した派遣労働者数 325,941人【前年度比15.7%増】全体に占める割合:20.8%
(1)無期雇用派遣労働者 97,164人【前年度比 57.2%増】
(2)有期雇用派遣労働者 228,777人【前年度比4.1%増】 - 日雇派遣労働者数 31,000人【前年度比21.9%増】
★出所:厚生労働省「労働者派遣事業平成30年度事業報告」「労働者派遣事業の令和元年年6月1日現在の状況」(2020年3月31日)
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主な用語の解説
労働力調査 |
全国全世帯の中から、無作為に選定した約4万世帯の15歳以上の者(約10万人)を対象として、毎月末日現在で、月末1週間における就業・不就業の状態を調査する |
---|---|
労働力人口 |
15歳以上人口のうち、「就業者」と「完全失業者」の合計。 |
就業者 |
「従業者」と「休業者」を合わせたもので、雇われている人(雇用者)や自営業者など、働いている人全体をあらわす。就業「率」は15歳以上人口に占める就業者の割合。 |
従業者 |
調査期間中に賃金、給料、諸手当、内職収入などの収入をともなう仕事を1時間以上した者。尚、家族従業者の場合は、無給であっても仕事をしたとする。 |
休業者 |
仕事を持ちながら、調査期間中少しも仕事をしなかった者のうち、 |
完全失業者 |
次の3つの条件を満たす者。 |
完全失業率 |
労働力人口に占める完全失業者の割合=(完全失業者÷労働力人口)×100 |
雇用者 |
会社、団体、官公庁又は自営業主や個人の家庭に雇われて、給料・賃金を得ている者、及び会社、団体の役員。 |
常雇(常用雇用者) |
雇用者のうち、「臨時雇」、「日雇」以外の者。 |
臨時雇 |
1ヶ月以上1年以内の期間を定めて雇われている者。 |
日雇 |
日々又は1ヶ月未満の契約で雇われている者。 |
季節調整値 |
季節的要因(稼動日数の相違、正月や年度末の決算などの社会習慣、制度等の影響などによる月々の変動の癖)を除去したことを推計した数値。原数値÷季節指数=×100 |
有効求人倍率 |
公共職業安定所で扱う求職者数及び求人数のデータから、1人の求職者に対してどれだけの求人があるかを示す指標で、その月に受け付けた求人である「新規求人」と、前月から未充足のまま繰り越された求人との合計を「有効求人」という。 |
国内総生産 GDP (Gross Domestic Product) |
国内で一定期間に生産された財・サービスの総額。 |
フリーター |
15~34歳の卒業者(女性は卒業者且つ未婚者)で、雇用者のうち「アルバイト・パート」の者、及び無業者については家事も通学もしておらず「アルバイト・パート」の仕事を希望する者。 |
ニート(NEET) |
Not in Education, Employment or Trainingの頭文字をとった略称で、「学校に通っておらず、働いてもおらず、職業訓練を行っていない若者」として英国政府が使ったのが語源。 |
労働者派遣事業 |
平成27年9月30日より、従来の「一般労働者派遣事業(許可制)」、「特定労働者派遣事業(届出制)」の区分が廃止となり、許可制の「労働者派遣事業」に一本化されている。 |
(旧)特定労働者派遣事業 |
改正前派遣法における、派遣労働者が常用雇用労働者のみである事業(届出制)。平成27年9月30日法改正の経過措置により平成30年9月29日までは従来通りに継続可能(それ以降の継続は労働者派遣事業の許可が必要)。 |
派遣労働者数 |
労働者派遣事業での「無期雇用派遣労働者」と「有期雇用派遣労働者」に、(旧)特定労働者派遣事業での「無期雇用派遣労働者」と「有期雇用派遣労働者」を合計した人数の合計。 |