導入事例インタビュー

ニチモウ株式会社様

男性比率の多い職場で、女性の働きやすさ整備を目指し
男女双方の健康について共通理解を育む

 

 

日本一の漁網会社を目指して、ニチモウ株式会社は1910年に創業。「浜から食卓までを網羅し繋ぐ」を経営理念とし、海洋から食品、機械、資材と幅広い事業展開の上、水産業の発展に貢献されています。人的資本・人材戦略の観点では[強い個]を[強い組織]へつなげるべく、古い歴史がある会社の中で多様な働き方や女性活躍を模索しながら、働きやすい環境整備の一つとして女性の健康課題に関する支援をスタートされました。

今回は、女性の健康課題への取り組みを推進されているキーパーソン3名にインタビューを実施しました。男性社員が多い職場で、どのように女性の健康施策を進めたのか、同社の思いや取り組みについてご紹介します。

ニチモウ株式会社 総務部 人事チーム 健康管理室 植草様(写真中央左)・人事チーム 山本様(写真中央)・人事チーム 立川様(写真中央右)

一人ひとりの社員に寄り添った健康サポート
健康診断受診率100%、特定保健指導実施率95.7%を実現
今後は社員が主体的に取り組みできる環境づくりへ

御社の事業内容について教えていただけますか。

(立川)当社は、下関を発祥の地として、漁業者へ提供する漁網や漁具の製造にはじまり、現在では海洋、食品、機械、資材と4つの事業を幅広く展開している会社です。創業以来続く「浜から食卓までを網羅し繋ぐ」という経営理念に基づき、水産原料の漁獲から生産・加工・流通プロセスに携わり、皆様の食卓に届くまでの各フローにおいて連携することができるのがニチモウの強みとなっています。 幅広い事業展開を行いながら、一人一人の裁量に任せる風土があり、その環境が働きがいにも繋がっています。

社員の健康に関する取り組みについて教えてください。

(植草)健康に対する意識には個人差があり、問題のない方ほど、積極的に相談がありますが、リスクの高い方ほど、健康管理室や人事の働きかけを遠ざけてしまう傾向があります。人事課長による健康講座が実施され、会社として社員の健康を守るためにも自己保全義務がある、ということが周知されたことで、社員の健康に対する意識の変化を感じはじめています。

今後は、これまで以上に社員ひとり一人が主体的に(自分事として)、健康づくりへの関心を高め、自分に合った取り組みできるような環境をつくっていくことが課題です。

(立川)従業員の健康管理、安全衛生への取り組みについては、産業医、看護師の植草と連携しながら、丁寧なフォローをしています。社員個々人に寄り添ったサポートを行ってきたことが、今日の健康診断受診率100%、ストレスチェック実施率100%に繋がっていると考えています。

社員対応については、特に植草のサポートは本当に心強く、ニチモウの健康管理においてなくてはならない存在です。本来の健康管理面だけではなく、社員の心の拠り所になっており、たくさんの相談事が日々植草のところにきています。逆に負担は大きくなってしまっているとは思いますが、個々人への丁寧な傾聴と寄り添ってくれる気持ちに助けられている社員が本当に多いと思っています。

特定保健指導も95.7%で推移しており、特定保健指導の対象とならない若年層で健診結果が心配な社員には、植草が個別に声をかけ、健康を考える機会を設けています。 このように以前から社員の健康管理には手厚くフォローをしてきましたが、健康経営に対する機運が高まってきたことを受けて、現在では健康経営優良法人の取得を目指して、体制強化や施策推進を進めています。

なぜ女性の健康サポートを注力することになったのでしょうか。

(立川)「女性活躍推進法」への対応ということに起因して、女性の採用比率を上げられるように取り組んでおり、若干ですが社員で働く女性社員の割合が増えてきています。

その中で、社員との面談などを通じて、女性として働く上での働き方やモチベーションに対する考えや意見は百人百通りであると感じました。一律に支援策をまとめることの難しさを感じる一方で、個人差はあるものの、生理や更年期など、女性が働く上で共通した課題があることも感じました。個人的にも、結婚、出産を経て、働き続ける中で、身体的な面で大変さを感じたり、苦労したりする経験があったため、まずは女性の働き方に言及していくことが必要だと考え、女性の健康サポートに取り組むことにしました。

 

Kira+sup(キラサポ)の「男女の健康編」により、男性社員も研修を自分ごと化できる

パソナの健康経営支援サービスを利用された経緯について教えていただけますか。

(植草)実際に利用したのは、2024年ですが、2023年から情報を集め始め、社内で検討を進めてきました。人事や看護師で女性社員の悩みやキャリアについて相談を受ける機会を設けていましたが、相談を受ける中で女性社員へのサポートだけではなく、男性社員を含めた組織の理解が必要ではないかと考えていました。
そうした中で、高尾先生が登壇するパソナさんのセミナーに参加させていただき、男女双方がお互いの健康課題を理解する重要性を訴える熱いメッセージに感動し、高尾先生であれば社員の心を動かすことができるのではないかと感じました。

(立川)他社サービスも検討をしましたが、植草や前任者からの推薦があったこと、他社事例が当社の課題感と一致しており、実施後の効果イメージが湧き、導入を決めました。 導入を決めたポイントは、

①働く男女双方の理解促進につながる研修であったこと
②動画配信形式のため、都合の良いタイミングで見てもらえること
③講師が高尾美穂先生であったこと

まず、①については、当社は従業員の比率がおおよそ男性7割、女性3割という圧倒的に男性比率の多い会社となります。そうした中で、女性の健康課題にのみの研修を実施すると、男性社員からの抵抗感が強いのではないかと危惧しました。そのため、女性の健康だけにフォーカスするのではなく、男女それぞれの健康課題を考える研修として実施することで抵抗感を和らげられるのではないかと考えました。

次に、②については、当社は営業社員が主体のため、社員を一同に集めた集合研修は効果や社員の反応としては見えやすいものの、開催までの準備に工数が掛かり、参加ができなかった社員へのフォローが難しいといった面があります。その点、動画配信形式であれば、社員自身が都合の良い場所や時間を選択して参加でき、また、人事としては準備が比較的しやすく研修参加の促進がしやすいという利便性があります。

最後に、③については、高尾先生はメディアの出演が多く、先生の物腰の柔らかいお人柄、適切な言葉選び、など、高尾先生であれば間違いないだろうと思いました。

Kira+supの研修動画を6本導入いただきましたが、社員に見てもらうためにどのような工夫をされましたか。

(立川)パソナさんにもアドバイスをいただきながら、次のような工夫をしました。

①コンテンツ毎に視聴対象者を設定し、必須受講/任意受講を切り分けた
②視聴頻度を1ヶ月に2本ずつとし、3か月で6本視聴してもらうようにした
③社員の家族にも視聴を積極的にアナウンスした

①については、特に見てもらいたい男女の健康編、管理職編、女性に多い病気編、男性の健康編は必須受講とし、研修に対する意識と効果を高めることを目指しました。一方、他コンテンツ(月経編、更年期編)も社員の興味を惹く内容でしたので、任意受講としました。

※社内向けに周知したチラシ例

②については、①とも連携する部分ですが、一定程度の期間を設けた方が社員側の視聴が進み、管理側の受講状況の確認もスムーズかと思い、1カ月2本ずつ配信することにしました。

③については、[働く男女]というのが今回キーワードとしてありながらも、日々共に生活をするご家族にも関係がある内容であることを周知することで、社員に情報が入りやすいのではないかと考えました。ご家族に関する相談が以前より植草に多く寄せられていたため、「ご家族の皆さんもご視聴ください」という社内アナウンスを積極的に行いました。

Kira+supをご利用いただいたご感想について教えていただけますか。
併せて社員の方からのアンケート結果から感じられたことについても教えてください。

(立川)研修を実施したことで、効果を感じた部分もあれば、難しさを感じる部分もありました。

研修の効果としては、「このようなリテラシー教育を大人になってから受ける機会がなく、非常に勉強になった」というコメントがあり、実施した意義を感じました。特に、この研修を実施したことを受けて、チームや社内において社員の体調を気にかけて対応していきたいという声が多く、大変嬉しく思いました。

また、「男性の更年期障害について知らなかった」という声も多くありました。「働く男女の」というキーワードの通り、双方に違いを認識し、知識としてもっておくことで、男女双方にとって働きやすい環境となる連鎖が生まれるとよいなと感じました。

一方、課題点としては前述の通り、外出などが多い営業社員を配慮して、視聴形式を動画配信にしましたが、視聴場所・時間を選択できる自由度があるが故に、逆に社員自ら時間を作り出してもらうということがなかなかハードでした。

山本に受講状況をウォッチしてもらい、受講率が低い部署の責任者や未受講の動画が残っている社員に対してはかなりしつこく督促し、電話やメールで研修の意義を繰り返し伝えました。何度も集計をお願いし山本にはかなり手間をとらせましたが、スムーズに適切にデータを連携してくれるので、とても助かりました。

(植草)ちょうど、巡回健診の時期でしたので、受付窓口でQRコードのある動画視聴のチラシを配布し、直接声掛けしました。健康上の性差について、会社も取り組みをしていることを知っていただくことが大きな一歩という思いでした。その中で、予想していなかった批判的な反応もありましたが、率直な反応を知ることで、改めて、今後の課題も見えてきました。

コロナ渦の影響もあり、集合研修ができない状況がありましたので、今回久しぶりのポピュレーションアプローチとして、すべての社員、年齢や性別や職種などを超えて共通のテーマであるパソナさんの研修を選ぶことができたのは、大変良かったと思っています。

今後パソナに期待することがあれば教えていただけますか。

(立川)今回のような研修は継続的な実施が重要だと考えています。今後も、社員の健康課題に即した多様なテーマの研修をご提案いただけたら嬉しいです。

また、当社のように男性比率が多い会社における女性活躍、女性がより働きやすい職場にしていくためにどのような視点で取り組んでいくのが良いか、現場の理解をどう促進していくかなど、パソナさんと一緒に考えてながら進めていけたらと思っています。




女性の健康サポートプログラム 『Kira+sup(キラサポ)』とは?

働く女性がいきいきと活躍出来る社会を目指して、女性の健康づくりに関する研修や産婦人科医等によるオンライン相談を提供するサービスです。 多くのメディアで明るくわかりやすい解説が人気の高尾美穂先生の研修動画のサンプルをご覧いただけます。

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働く男女の健康について共通理解を育み 女性活躍が進む風土づくりをサポート

・産婦人科医・産業医の高尾美穂先生による研修動画にアドバンス編(短編集)を追加。 男性・女性それぞれに多い病気やメンタルケア、不妊治療、両立支援など、46のテーマについて1分から学べます。
・動画研修の後は、男女が自分の家族も含め相談できるオンライン相談でセルフケアや周囲へのサポートを実践できます。

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「ホワイト500」を7年連続で取得し、「健康経営銘柄2023」に認定されたパソナグループのノウハウを活かし、「産業保健の法令対応・基盤固め」から「健康経営の推進・カルチャー醸成」に至るまで伴走サポートいたします。 まずはお気軽にお問い合わせください。

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パソナからコメント

メディカル健康経営本部 マネージャー 齋藤 史織

「Kira+Sup」の導入支援および今回のインタビューを通じて、社員の皆様一人一人が自分ごととして健康づくりに対する意識を高めるための風土や環境を、丁寧に整備されてきた様子が強く伝わってきました。男性比率が高い中で初めて取り組まれたテーマということもあり、さまざまな反響や効果があった一方で、難しさも感じられたと伺っております。しかしながら、「皆様にも参考になれば」とのお言葉をいただき、インタビューにご協力いただきましたこと、心より感謝申し上げます。今後も貴社の状況や未来像に応じて、女性活躍や健康経営といった広い文脈で、より一層のご支援をさせていただけることを願っております。

 

企業プロフィール

下関を発祥の地として、漁業者へ提供する漁網や漁具の製造にはじまり、現在では様々な事業展開を行う水産専門商社です。創業1910年、創立が1919年となり100年以上続く老舗の企業です。

会社名
ニチモウ株式会社
所在地
東京都品川区東品川2-2-20 天王洲オーシャンスクウェア
創業
1919年8月17日(創業1910年)
代表者
代表取締役社長 青木 信也
従業員数
229名(連結1,060名)