導入事例インタビュー

ネグロス電工株式会社様

保健師の活用で潜在的な従業員の健康リスクを軽減!
ホワイト500 2年連続認定企業の取組みとは

 

 

1947年に個人経営の電気工事店からスタートしたネグロス電工株式会社(以下、ネグロス電工)は、1953年設立。碍子固定金具「アングラック」を始め、電気工事の省力化・省人化を可能とする商品1万8千点以上を有しています。まもなく、創業80年を迎えるネグロス電工は、現在従業員数1,506名(2024年4月時点)営業所は39拠点あり、北は北海道から南は沖縄まで全国に網羅されています。
ネグロス電工は2018年10月に健康経営の方針を宣言され、従業員、ならびに従業員のご家族が豊かで健康的な生活を送れるよう、健康経営に力を入れています。従業員の健康管理・健康づくりに向け積極的な活動を続けてきた結果、4年連続で健康経営優良法人(大規模法人部門)に認定され、更にその中の上位500社である、ホワイト500に2年連続認定されました。
今回は、健康経営の推進の中心にいらっしゃるキーパーソンの2名に具体的な取り組みについてインタビューを実施しました。

ネグロス電工株式会社様
人材支援室 税田 亜紀恵 様(写真左)、人材支援室 室長 藤田 雄一 様(写真右)

 

 

創業時から根付く「利他主義」の社風が社員を大切にする風土を醸成し、健康経営推進の原動力となる

まず貴社の特徴や事業について教えていただけますか。

当社は、まもなく創業80年を迎える老舗の電気設備資材系のモノづくりカンパニーです。創業以来一貫して黒字経営を続けており、お客様に愛される製品づくりと物流、販売までトータルで提供する製販一体の体制を構築しています。商業施設やオフィスビル、工場などに幅広く導入されており、意外と皆さんにとって身近な所に当社の製品はあると思います。
創業より「利他主義」の精神を大切にして事業を推進して参りました。それはお客様に対してだけではなく、働く従業員やそのご家族のことを考え、様々な取り組みを行って参りました。

貴社の健康経営を取り組むきっかけについて教えてください。

2019年に従業員の健康増進を図り、生産性の向上や組織の活性化を目指すことを目的に、経営層と数名のメンバーで、健康経営を推進するプロジェクトチームを発足しました。社是「企業は人にあり」を体現するために健康経営の推進が必要だと考えました。
とはいえ、発足当初は、正直何から手を付ければ良いのか分からず、手探りで色々と施策を推進していました。最初は、健康管理システムもなく、従業員の健康に関するデータが活用できる状態になかったため、システムを導入し、管理する所からスタートしました。

また、プロジェクトをスタートした際には、従業員の関心は高くありませんでしたが、外部評価である、「健康経営優良法人」認定を受けた頃から周囲の関心度も変わり始めました。ここ1年は取引先との勉強会や取材対応など社外発信にも力を入れており、社内外問わず、当社の取組みへの認知度が、高まってきているように感じます
その中での効果として、採用活動に良い影響が表れています。新卒・中途採用の面接時に候補者から「御社の健康経営の取組みについて教えて欲しい」という質問をされることが年々増えています。こういった社外からの関心度から、採用に関わる当社の管理職層の、“当社の健康経営への実感”にも繋がっていて、今では主体的にプロジェクトメンバーに参加したり、施策に協力的な従業員が増えてきています。

現在の健康経営の取組みについて教えてください。

当社の組織体制は、以下の図の通りです。
責任者の取締役を中心に推進組織と関係組織があり、「受動喫煙の防止」「運動機会の提供」「女性の健康」の3つのテーマ毎にプロジェクトチームを組成し、PDCAサイクルを回しています。一番下に「従業員」と記載していますが、最終的に行動するのは従業員であって私達ではありませんので、従業員の皆さんが楽しく主体的に取り組める環境を作ることを目指しています。

 

「受動喫煙の防止」では、男性従業員の割合は、8割程度と高く、喫煙率も30%を超えていたため、多くの従業員が喫煙している状況でした。

受動喫煙を防止するため、屋内禁煙にし、屋外の喫煙場所についても新たに制限を設けました。こうした環境面の整備だけではなく、各事業所の責任者が受動喫煙について正しい知識を身に付けるために、全国の管理者向けに医科大学の専門教授の方をお招きして、受動喫煙防止セミナーを開催しています。
その他「禁煙川柳コンテスト」「なぞかけコンテスト」などを開催し、喫煙者自身が気楽に卒煙に取り組めることはもちろん、周囲もそれを応援することを楽しめる雰囲気づくりも大切にしています。

 

※ネグロスなぞかけコンテストの様子

こうした継続的な取り組みにより、成果として、喫煙率は28.6%まで下がってきました。

受動喫煙の防止や卒煙対策に悩んでいる同業種企業は多いと聞きます。他社の成功事例を学びながら、当社からも成功事例を発信することで、1社でも多くの「受動喫煙の防止」に貢献できればと考えています。

次に「女性の健康」についてお話させていただきます。当社の女性従業員は全体の2割と少ない状況です。何らかの不調を感じながらも、婦人科系の病院への受診率が低いという課題がありました。女性の健康セミナーを実施すると、各セミナーの参加率も非常に高く、e-ラーニングの学習意欲への積極性もあることが分かりました。

そこでパソナさんには、保健師の紹介サービスだけではなく、女性の健康サポートプログラムKira+sup(キラサポ)についてもご提供いただきました。
Kira+sup(キラサポ)の婦人科・小児科オンライン(相談窓口)では気軽に24時間相談できますので、出勤前や就業後に相談することで病気の早期発見につながった事例なども生まれ、相談窓口をきっかけとして病院への受診率が高まっています。

また、管理職に男性が多く、女性の健康課題への認識が乏しいため、女性従業員へのケアができるように、管理職向けのリテラシー教育の必要性も感じていました。Kira+supの動画研修を通じて女性の多くが抱えやすい病気やトラブルを男女ともに学んでいます。受講率・実施後のアンケート回答の満足度も非常に高かったです。

続いて、パソナへ保健師紹介サービスを依頼されたきっかけや背景を教えてください。

もともと業務委託している保健師が1名おり、活躍いただいていました。本来であれば約1,500名全員の健康管理をサポートしていきたいのですが、マンパワーが足らず、健康診断を受診されていない方への対応や、健康診断後の二次検査・対応などの優先順位をつけ、ハイリスク者寄りの対応になっていました。
また、安全衛生活動についても、限定的な施策に留まっていました。そのような状況を改善し、当社の健康経営をより前に進めるために保健師を増員することに決めました。

パソナさんを含めて、いくつかの会社様に相談した際に、パソナさんが丁寧に迅速に対応してくださり、なかなか採用が難しかった中で、候補者を的確に人選してくださり、今2人目の保健師として活躍していただいています。

パソナの保健師紹介サービスを活用しての効果についてはいかがでしょうか。

産業保健の経験は未経験でしたが、学ぶ意欲が高く、積極的に社員とコミュニケーションをしてくださっており、想像以上にご活躍いただいています。

たとえば、保健指導の対応数は、パソナさんの保健師さんにご就業いただいた前後で2倍以上になっており、高リスク者だけではなく、ミドルリスク、ローリスク者への対応もできるようになりました。日頃は、管理職が従業員に健康診断の受診などのフォローをしていますが、それだけですとなかなか効果としては弱く、保健師による具体的なアドバイスが効果的だというのが分かりました。
また、保健指導を行う中で、喫煙者にはタバコのリスクを専門的な視点から具体的にアドバイスいただくので、それをきっかけに卒煙した従業員も出てくるようになりました。
保健指導だけでなく、先ほどお伝えしたような施策を複合的に行っている中で、醸成されたと考えていますが、保健師の方が入っていただいたことで、今までの仕組みがより効果的になっている実感があります。

今後、健康経営推進に向けて、チャレンジしたいこと・挑戦したいことがあれば教えてください。

私達はあくまで発信者・促進者であって、大切なのは従業員ひとり一人が主体的に取り組んでいき「自分ごと」として実感していくことです。そこに気づいている方もいますが、まだ気づけていない方に向けて認知させていく活動を行っていきたいと考えています。

パソナさんにはこれから色々と健康経営に関する情報提供やサービス開発をしていただき、当社にとって必要なモノを取り入れ、お互いが切磋琢磨することで、健康経営の底上げにつながればと考えています。




産業保健師の活用で健康診断・ストレスチェック対応もスムーズに!

産業保健師とは従業員と産業医、人事、上長間のハブ的役割を果たし、きめ細かいサポートを行う存在です。産業保健師を活用することで、健康診断からメンタル対応、健康経営の見直し・改善まで、産業保健のレベルアップが期待できます。

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働く男女の健康について共通理解を育み 女性活躍が進む風土づくりをサポート

・産婦人科医・産業医の高尾美穂先生による研修動画にアドバンス編(短編集)を追加。 男性・女性それぞれに多い病気やメンタルケア、不妊治療、両立支援など、46のテーマについて1分から学べます。
・動画研修の後は、男女が自分の家族も含め相談できるオンライン相談でセルフケアや周囲へのサポートを実践できます。

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「ホワイト500」を8年連続で取得し、「健康経営銘柄2023」に認定されたパソナグループのノウハウを活かし、「産業保健の法令対応・基盤固め」から「健康経営の推進・カルチャー醸成」に至るまで伴走サポートいたします。 まずはお気軽にお問い合わせください。

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パソナからコメント

メディカル健康経営本部 健康経営ソリューションチーム 石垣 江梨

このような取材をきっかけとして、貴社の健康経営に対する想いを深く知る機会があり、私自身、改めて知ることも多く非常に貴重な機会でした。また、弊社スタッフの方も未経験ながら貴社に入り活躍されていることで安心しております。日頃何か問題などが発生した場合も早期に貴社は対応いただけ、また柔軟性のあるご判断があり、大変心強く感じています。
今後も健康経営を推進される貴社に於いてパートナーとして最大限ご支援出来ればと思いますので、引き続き、宜しくお願い致します。

 

企業プロフィール

数年後に創業80年を迎える同社は、電気・空衛設備資材の製品開発・製造・販売(卸)を主軸事業として取り組み業界トップクラスのシェアを獲得し、創業以来黒字経営を続ける安定企業です。創業の精神である「利他主義」を大切にお客様と社員を大切にする。4年連続で健康経営優良法人(大規模法人部門)に認定され、更にその中の上位500社である、ホワイト500に2年連続認定。

会社名
ネグロス電工株式会社
所在地
〒136-0071 東京都江東区亀戸2-40-1
創業
1947年6月
代表者
代表取締役社長 菅谷 三樹生
従業員数
1,503名(2024年4月末時点)