コラム
2023/01/30 更新

健康経営の次なる一歩!女性社員向け健康施策の始め方

女性社員に向けた健康施策の実施が、健康経営度調査において、年々重要度を増していることは周知の事実です。しかしながら、男性社員の割合が高く、管理職や経営陣にも女性がいない企業では、女性の健康づくりになかなか理解が得られません。「なぜ女性だけに?」という声があがる一方で、女性社員からは「上長や管理職にわかってほしい」という切実な悩みが聞かれます。

本稿では、女性社員の健康づくりを始めたいと願うすべての健康経営担当者に向けて、女性の健康施策を社内で実現していくための事前準備と方法を、わかりやすく解説致します。これらはすべて弊社パソナが健康経営コンサルティングで支援するクライアント社内において、成果を上げた効果実証済みのやり方です。

女性の健康づくりは、健康経営度調査でも強く求められており、事実、企業の生産性を向上させる大変意義のある取り組みです。どのように社内を巻き込み、女性の健康施策を実現させていくか、早速そのやり方を解説していきましょう。

 

 

 

1. 女性社員向け社内アンケートのとり方

女性の健康施策を実施するために、まず必要な事前準備は「なぜ、それをやるべきなのか?」という目的を明確にすることです。つまり、現状の課題を把握することです。施策の実施が目的になってはいけません。課題の解決こそが目的であり、そのための施策だということに留意しましょう。

そこで、女性社員向けに社内アンケートをとることが、第一歩となります。アンケートではどんな質問をすればいいでしょうか?会社によって様々ですが、基本的なアンケート設計は、以下の4項目、7つのポイントを押さえることで、課題を把握しやすくなります。

悩みの把握

  1. 不調・病気の発生状況
    具体的な不調や病気の種類を提示し、該当するものにチェックを入れてもらう。選択肢に女性特有の不調・病名も加える。
  2. 不調を原因とした仕事への影響の有無
    影響の有無で答えてもらう。あるいは、影響度を数値で答えてもらう。なお、昇進や昇格への影響の有無を答える質問も設ける。

対策状況の把握

  1. 不調や病気に対する理解度
    会社として社員に理解を促したい不調や病気について、理解度を答えてもらう。
  2. 自身の不調の相談状況
    かかりつけ医や専門機関などへの受診・相談経験の有無を答えてもらい、今後の相談ニーズを把握する。

要望の把握

  1. 会社に対して期待すること
    どんな健康経営施策や女性活躍施策にニーズがあるか把握する質問を設ける。

実績の把握

  1. 参加した施策
    すでに実施した施策への参加状況を確認する質問を設ける。
  2. 施策参加後の健康意識の変化
    既存の施策に対する結果参加してどんな変化があったかを確認する質問を設ける。

以上がアンケートの基本設計となります。アンケートにより現状の課題が把握できれば、実際にやるべき施策を立てていくことができます。なお、施策の立案や選定方法については、本稿の主旨から外れるため、ここでは割愛させていただきます。

 

さて、課題とそれに対する健康施策が決まれば、これをどう社内で実現していくかです。ここからは、社内を上手に巻き込むための2つの方法を紹介したいと思います。

2. 社内を巻き込むにはまず経営層から

「なぜ女性だけ?」という意見が的外れな理由

これまでのコラムでもしばしばお伝えしてきた通り、健康経営の推進には、経営層の協力が不可欠です。今回も例外ではなく、女性の健康施策の実現には経営層の協力が欠かせません。しかし、冒頭でも触れたように、女性向け健康施策を提案すると、「なぜ女性だけ?」という声が、必ずと言っていいほどあがってきます。しかし、これは全く的外れな意見で、明らかな誤解です。

そもそも日本企業の健康管理は、2007年の特定健診・特定保健指導の法令化により、一定の成果を上げてきた経緯があります。しかし、これは厚生労働省が言うように、メタボリックシンドロームに着目した対策です。そして、以下のグラフでもわかるように、メタボは男性特有の健康課題と言えます。

メタボは、内臓脂肪の蓄積による肥満が原因で、様々な健康障害を引き起こしますが、女性特有の健康課題には、肥満は見られません。むしろ痩せが原因で、貧血や月経異常など、健康上の問題を抱えることが多いとさえ言えます。つまり、これまで法令対応をベースに健康管理を進めてきた会社であれば、知らず知らずのうちに、男性社員に特化した対策をやってきたことになるのです。経営層にはこの事実を説明し、性差による健康管理の違いが生まれてしまっていることを認識してもらう必要があります。

また、日本の生産年齢人口の減少が、企業の中長期的な経営に大きな影響を与えることは知られています。安定した働き手の確保のためにも、女性活躍の推進は社会全体の共通目標であり、女性の健康づくりは早急に取り組むべきテーマであることは間違いありません。

男性の理解こそ女性の健康づくりの鍵となる

これまで男性に合わせた健康管理が進められてきたことから、今、ほとんどの企業で、社内のヘルスリテラシーは、経営層も含め、男女ともに男性の健康課題に偏ってしまっています。女性の健康課題に対する知識や理解が乏しいのです。特に男性における女性の健康課題への理解は、著しく進んでいないことがほとんどです。理解がなければ、適切な施策対応も配慮もできません。つまり、女性の健康づくりには、女性自身のリテラシーを高めることはもちろん、男性社員の理解を広め、深めることも大変重要なのです。

そこで、女性の健康づくりとして行う施策には、男性社員向けの女性の健康教育も入れます。互いの性差について理解が進むことで、はじめて、男女ともに働きやすい環境を作ることができます。結果として、企業の生産性やエンゲージメントが高まることを、経営層には示していく必要があります。

3. 女性活躍を進める部署や担当者との連携

女性活躍を推進する部署や担当者との連携も、女性の健康施策に取り組む手立てとなります。

女性活躍を推進する部署では、女性管理職を増やすための評価制度の見直しや、出産・育児を支援する制度づくりなど、主に制度面の改善を軸に、人事施策が進められています。そして、それに適合したキャリア教育も同時に進められています。出産や更年期など、女性特有の健康課題は、女性のキャリア教育と密接に関わります。女性活躍の推進には、健康教育は欠かせないのです。

具体的な方法として、当該部署や担当者が企画する女性社員向けのキャリア研修に、一部時間をとって健康教育をするよう働きかけましょう。なお、そういった部署や担当者が不在で、社内プロジェクトベースで動いている場合は、健康経営担当者もプロジェクトに加わることを強くお勧めします。

4. 女性の健康づくりはじめの一歩にキラサポが活用される理由

さて、女性向け健康施策を始めるにあたり、どのような事前準備をし、どう社内を巻き込み、実現させていくか、述べてきました。冒頭で申し上げた通り、これらは弊社パソナがクライアントの女性の健康づくりにおいて、コンサルティング支援を行う中で成果を上げてきた効果立証済みの方法です。昨年9月より、女性の健康づくりに特化したサポートプログラム「Kira+sup(キラサポ)」の提供を通して、女性の健康づくりに初めて取り組むという企業様の支援を行ってきました。

キラサポが選ばれる理由は2つです。一つめは、社内アンケート作成のための設問フォーマットから、具体的な健康施策としての動画コンテンツの配信、オンライン健康相談窓口の提供など、女性の健康づくりを始めるにあたり、必要なものすべてがワンパッケージとなっていること。二つめは、男女の性差の理解を促すコンテンツや仕組みが整備されていることです。本稿でも述べた通り、女性社員の健康づくりの第一歩は、男性社員の理解に強く依拠します。このポイントを押さえたプログラムであるからこそ、キラサポはこれまで目覚ましい成果を上げきました。

以下より、「Kira+sup(キラサポ)」で実際に配信されている研修動画サンプルをご覧いただくことができます。ご興味のある方は今すぐご視聴下さい。

 

※ご視聴ページでは必要事項の入力がございます。

 

 

 

著者名:パソナ・健康経営コラム編集部

健康経営・産業保健の推進パートナーとして健康経営の「着実な一歩」を伴走サポートするパソナが運営しています。
企業のご支援経験だけでなく、パソナ自身が健康経営銘柄に初選出、ホワイト500を7年連続取得する過程で得たノウハウを踏まえ、皆様にお役に立つ情報を発信しています。
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