コラム
2022/02/28

ホワイト500への最短経路。意外と知らない保健師活用のメリット

令和4年度健康経営度調査でホワイト500を目指す法人が押さえておくべき3つのポイントを前回コラムでお伝えしました。おさらいとして、こちらに再掲しておきたいと思います。

令和4年度調査では、昨年に引き続き、ますます以下の3つの傾向が強まると言えます。
①「経営理念・方針」、「組織体制」の重要性がさらに高まる、②評価方法はより成果主義へ、③情報開示がホワイト500入りの鍵となる。

なぜ、このような調査方針の傾向が強まるかについては、前回コラムで詳しく説明しています。ホワイト500入りを目指すすべての健康経営担当者が知っておくべき内容です。是非ご一読下さい。

本稿では、①~③の傾向が強まる中、ホワイト500を目指す法人にとって、保健師の活用が極めて有効であることをお伝えしたいと思います。「保健師にはお金がかかるから…」と後回しになっているのであれば、その考えはあまりにも不利と言えます。なぜなら、保健師を活用するだけで、実のある健康経営が進み、ホワイト500入りへの条件が一気に整うからです。どういうことか、説明しましょう。

1. ホワイト500を目指す法人が保健師を活用すべきこれだけの理由

前回コラムで示したように、健康経営度調査はますます成果主義へと移っています。アウトプット指標を高めることは、もはや当たり前で、結果としてどれほど従業員の健康行動(パフォーマンス指標)が変わったか、そしてどれほど高い健康成果(アウトカム指標)が出せたかが、ハッキリと問われるようになりました。

そこで、成果導出のため、経産省が提唱する健康経営のフレームワークに改めて立ち返ることを、前回コラムで強くお勧めしました。今一度、問い直すべき“問い”を以下のようにまとめています。

成果指標(アウトカム指標)を確実にあげていくために、まず問い直すべきは、「1.経営理念・方針」です。健康経営を通じて、目指すべき姿(ビジョン)がしっかりと明文化され、追うべき指標が適切であるか、振り返ってみましょう。また、これらを経営層と共有し、追うべき成果指標を握れていることも重要でした。

しかし、ビジョンや追うべき成果指標が設定されていても、実行に移す組織が整っていなければ、絵に描いた餅となります。次に大切なことは、「2.組織体制」を作ることです。これまで健康経営を進める中で、組織的に足りない人材やポスト(役割)はなかったでしょうか?兼任ばかりで、本業務に追われ、結局できなかったことは何でしょうか?健康経営のための組織づくりを、改めて見直していきましょう。

そこで、組織づくりにおいて、大きな貢献を果たしてくれるのが保健師の存在です。これには2つの理由があります。1つは、保健師がいる法人は、健康経営度調査の半分以上の設問で、高い評価を得られる回答ができるようになっています。つまり、ホワイト500入り対策として、保健師がいるだけで、圧倒的に有利になります。そして2つめは、実際に保健師がいることで、健康経営のあらゆる場面でサポート役となってくれる本来的なメリットがたくさんあることです。

2. 保健師不在で42もの調査票設問で差がつく

事実、ホワイト500法人では、従業員1,000人あたり、1.7人の保健師をフルタイムで活用しているというデータがあります。保健師がいるだけで、ホワイト500入りにどれほど有利となるか、具体的に見ていきましょう。

以下は、令和3年度健康経営度調査の設問一覧です。これは同年度フィードバックシートの結果概要資料で公開されているものです。ここで、保健師がいれば加点につながる設問に「●」印を付けました。ご覧のとおり、全67設問のうち、42問が該当しており、そもそも保健師がいなければ、良い回答ができない設問がとても多いことがわかります。もちろん、この中には、保健師なしで、自力で加点を狙える設問もありますが、兼務が多い人事・健康経営担当者には、厳しい部分が残ります。

また、「●」印の色分けは、その設問に対して、保健師がどう貢献でき、本来的に役立てるかを示したものです。大きく6つに分類することができます。

ここでは、文字量の関係で、該当の42設問すべてを見ていくことはできませんが、とくに重要な設問について、4つほど述べていきます。どれも「」印が付いた設問です。「従業員への直接的介入施策の量・質が上がる」ことで、良い評価へとつながる回答ができるようになります。

Q42.では? -従業員教育の質を高める

出所:経済産業省 令和3年度健康経営度調査 調査票【サンプル】

この設問に対しては、例えば、保健師がいることでこのような取り組みができるようになります。

階層別研修などの機会に、業務的な研修に加えて、保健師による健康管理・増進に関する研修も行います。やり方は講義形式で充分な成果があげられるでしょう。企画や準備なども保健師が担当します。研修では、健康診断・問診データから、各階層の生活習慣や健康状態を分析し、これを受講者に示します。細かなレベルで、具体的にどのような予防行動を取っていくべきか、保健師は丁寧な説明ができるため、階層ごとに適切なヘルスリテラシーを高めることができます。

Q39.では? -精密検査の受診勧奨に大きく貢献

出所:経済産業省 令和3年度健康経営度調査 調査票【サンプル】

健康診断の結果から、精密検査の必要があると判断された従業員に対して、保健師は個別に適切な働きかけをしてくれます。本人の数値、放置しておくことのリスクを説明し、精密検査の受診を勧奨し、受診結果の回収まで実施します。何度連絡しても受診しない従業員については、人事や所属上長にも働きかけ、リスクのある状態をそのままにしない対策を取り続けてくれます。

Q48.では? -細やかな保健指導の担当者として

出所:経済産業省 令和3年度健康経営度調査 調査票【サンプル】

産業医だけでは超ハイリスクの従業員にしか個別面談ができません。保健師がいれば、それ以外のリスクのある従業員など、カバーしきれない部分を担ってくれます。健康診断結果が一定の基準を超えて悪い従業員に対して、生活習慣の改善指導を兼ねて、面談を行います。このように従業員に個別に働きかけることができるため、結果として、組織全体の健康状態をボトムアップで改善していくことができます。

Q56.では? -メンタル不調者対応施策として

出所:経済産業省 令和3年度健康経営度調査 調査票【サンプル】

メンタル不調は、当事者にとって、非常にデリケートな問題です。所属上長や人事に対して、決して簡単に相談できるものではありません。産業医では敷居が高く相談しづらいため、ここで保健師が相談しやすい窓口として機能します。メンタル面だけでなく、必要に応じて、生活習慣改善のアドバイスを行い、本人同意のもとで、産業医や人事に連携してくれます。

なお、「うちは年1回のストレスチェック義務をちゃんと守っているから大丈夫。」と考える担当者も安心できません。ストレスチェックで出てきた高ストレス者のうち、希望する従業員に対しては医師面談を行うことが義務付けられていますが、実際のところ、面談を希望する割合は少なく、高ストレス者の多くはメンタル不調者予備群として、放置されてしまっているからです。

以上のように保健師がいると、いないとでは、調査票回答に大きな差が出ることがわかります。上記4つで示した設問以外でも、Q28やQ29のように、明らかに保健師を活用することで加点となる設問もあります。

出所:経済産業省 令和3年度健康経営度調査 調査票【サンプル】

出所:経済産業省 令和3年度健康経営度調査 調査票【サンプル】

もちろん、健康経営の最終目的は、認定取得ではなく、それぞれが目指す健康経営理念の達成にあります。調査上の加点目的だけで、保健師を採用することは決しておススメしません。実際は、保健師がいることで、実のある健康経営が進み、それが調査上でも高い評価を得ることにつながり、結果として、ホワイト500入りの実現可能性が高まるという順序であることは、心にとめておきましょう。

3. 理念の再確認と保健師活用の両輪で健康経営をアップグレード

保健師の存在は、必ずあなたの会社の健康経営をアップグレードさせてくれます。「経営理念・方針」の再確認をし、それを推し進める体制づくりに、保健師は多大な貢献をしてくれます。令和4年度ホワイト500を目指す法人にとって、保健師を活用しない手はないと言えるでしょう。

以下のセミナー動画では、本稿で説明しきれなかった健康経営度調査と保健師活用の関係について、より詳しく解説しております。ホワイト500を目指す法人にとって、保健師活用のポイントを網羅したセミナー動画となっております。また、弊社パソナグループ自身の人事担当と保健師が登場し、保健師と二人三脚で進める健康経営のリアルについても、対談の模様を収録しております。保健師を本格検討されたい健康経営担当者の方は、ぜひご視聴下さい。

※ご視聴には必要項目の入力をお願いしております。

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著者名:パソナ・健康経営コラム編集部

健康経営・産業保健の推進パートナーとして健康経営の「着実な一歩」を伴走サポートするパソナが運営しています。
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