未経験で事務へのキャリアチェンジはできる?
事務職の種類や仕事内容、必要なスキルを解説

更新日:2025年5月20日

制作:パソナ編集部

人気の職種のひとつである「事務職」へ、未経験からチャレンジしたいと考えている方もいるのではないでしょうか。

「パソコンが苦手だけど大丈夫?」「30代からの再スタートに不安がある」「未経験OKの求人ってあるの?」など、はじめてだからこそ抱くお悩みや疑問もきっとあるはずです。

そこで、未経験から事務へのキャリアチェンジを考えている方向けに、事務職の種類や仕事内容、雇用形態別の働き方、必要なスキルや資格など、事務職で働くうえで知っておきたい情報を詳しくご紹介します。

未経験で事務職に挑戦できる?

事務職は未経験OKのお仕事情報も比較的多く、はじめての方でも挑戦しやすい職種です。「未経験だから」と諦める必要はなく、事務としての新たなキャリアの可能性を開拓できます。

一方で、事務職にはさまざまな種類があり、専門性が高くなるほど未経験からチャレンジするハードルも高くなります。それぞれの事務職の特徴や必要なスキル・資格を知り、どんなキャリアステップを歩むのか、具体的にイメージしておくことが大切です。

事務職にチャレンジする3つのメリット

事務職は、未経験からのチャレンジを希望する人も多い人気の職種 のひとつです。その理由は、次のような事務職ならではのお仕事の魅力にあります。

1.ワークライフバランスを整えやすい

事務職は、プライベートとの両立がしやすい職種のひとつです。就業時間が規則的であり、「残業なし・少なめ」「在宅あり」など、働きやすさを重視したお仕事情報が多くあります。土日祝休みが多い勤務スタイルであるため、家族や友人との予定、趣味の時間を確保しやすいのも魅力です。

仕事内容は定型業務が多く、1日のスケジュールを立てやすいのが特徴です。たとえば、午前中はデータ入力や書類整理、午後は電話応対や来客対応など、業務の予測がしやすいでしょう。

2.将来的なキャリア設計の見通しが立てやすい

事務職で身につくPCスキルやビジネスマナーは、他の業界や職種でも活かせる「ポータブルスキル」になるため、将来的にさまざまなキャリアに進める可能性を選択できます。

たとえば、一般事務からキャリアをスタートし、英語など外国語のスキルアップや資格を取得するなどして専門性を高め、外資系企業での事務職や貿易事務などの専門事務にキャリアアップする道があります。そのほか、事務スキルやビジネスマナーを磨いて、秘書にキャリアチェンジすることも可能です。

どの方向のキャリアに進んでも、事務職で働いた経験や学びを活かすことができます。

3.未経験から挑戦しやすい

事務職の中でも一般事務やアシスタントポジションの事務職は、未経験からでも比較的チャレンジしやすいお仕事です。マニュアルや研修制度を用意するなど、未経験でも安心して就業しやすい環境を整えている企業も多くあります。

働きながら着実にスキルを身につけていけるのは、事務職ならではの大きなメリットといえます。

【職種別】事務職の仕事内容

事務職にはさまざまな種類があり、仕事内容も全く異なります。

それぞれの特徴を知り、自分に合う事務職を選びましょう。

一般事務

一般事務は、特定の部署に限らず、会社全体の事務作業を幅広くサポートするお仕事です。「縁の下の力持ち」として、社員がスムーズに業務を進められるよう支えます。

主な仕事内容は、ExcelやWord、PowerPointなどを使った書類作成、データ入力や集計・チェック、電話やメール対応、来客対応、備品管理、郵便物の仕分けや発送など、多岐に渡ります。 特別な資格は不要なケースが多く、WordやExcelの操作を中心としたパソコンの基本スキルと基本的なビジネスマナーがあれば、比較的スムーズに業務に取り組めます。

事務職がはじめての方にとっても挑戦しやすいお仕事です。

営業事務

営業事務は、企業の営業担当が提案など営業活動に専念できるよう、事務面を支えるサポート職です。主に、見積書・請求書・契約書などの各種書類作成、注文データの入力、在庫や納期の管理などの業務を行います。

営業事務のお仕事は、お客さまからの電話やメール対応を任されることも多く、一般事務よりも外部とのやり取りが多いのが特徴です。そのため、正確でスピーディーな事務処理スキルに加え、営業担当やお客さまとの円滑なコミュニケーション力も重要です。

チームで支え合いながら働きたい方にぴったりのお仕事といえます。

経理事務

経理事務は、会社の「お金」を管理する専門性の高い事務職です。主な業務は、入出金管理、伝票の仕訳、会計ソフトへの入力、経費精算、請求書発行、支払い処理などです。売掛金や買掛金の管理を担当することもあります。

数字を正確に扱う必要があるため、責任感や注意力が必要となるお仕事です。そのため、コツコツと丁寧に作業するのが得意な方に向いています。

未経験可能なお仕事もありますが、専門職であるため知識や経験が重視される傾向にあります。未経験から挑戦したい方は、日商簿記の資格取得を目指すと良いでしょう。3級程度の知識があると基本的な理解ができ、2級を取得するとより難易度の高い業務にも対応できるようになります。対応可能な業務範囲が広がれば、お給料アップにもつながり、着実にステップアップできます。

医療事務

病院やクリニックで、患者さんが安心して診療を受けられるよう医療現場を支えるのが医療事務のお仕事です。主な業務は、来院時の受付対応、保険証の確認、カルテ準備、診療後の会計処理などです。加えて、診療内容をもとに医療費を請求する「レセプト作成」も行います。

患者さんと接する機会が多い医療事務のお仕事には、丁寧かつ思いやりのある対応ができる人、個人情報や要配慮個人情報(病歴や健康診断結果、医療記録など)を適切に取り扱うことができる人に向いています。

貿易事務

貿易事務は、海外との輸出入取引に関わる専門的な事務を担当するお仕事です。主な業務は、インボイスやパッキングリスト、船荷証券といった英文書類の作成・確認、輸送手配、通関業者との連絡、倉庫の手配などです。海外とのやり取りがあり、英語をはじめとする外国語でのメールや電話対応を行うため、特に読み書きの語学スキルが重視されます。

貿易事務では、正確な事務処理能力や調整力に加えて、貿易用語や国際ルールの知識も必要となるため、グローバルな環境で働きたい方や、英語力を活かしたい方におすすめのお仕事です。

未経験からチャレンジする場合は、貿易実務検定®の取得やTOEICを受験するなど、貿易事務のお仕事に必要となる知識・スキルの習得を目指すと良いでしょう。

総務事務

総務事務は、会社全体の運営を支える幅広い業務を担当するお仕事です。具体的には、オフィスの備品管理や発注、会議室の予約、設備のメンテナンス手配などの、社員が快適に働ける環境づくりのほか、株主総会準備・運営や社内規程の策定管理、福利厚生手続きの案内、社内イベントの企画・運営サポートなど、対応業務は多岐に渡ります。

総務事務のお仕事では、組織全体を見渡し、社内外との調整役としての視点が必要となるのが特徴です。幅広い業務に柔軟に対応でき、会社を縁の下から支えることにやりがいを感じる方に向いています。

その他の事務職

事務職には、これまで紹介した種類以外にも、特定の業務に特化した専門性の高いお仕事があります。たとえば、パソコン操作に特化した業務を行うOA事務や、銀行や証券会社、クレジット会社などの金融機関で事務職に携わる金融事務などです。

事務職にはさまざまな種類があり、キャリアの可能性も幅広いのが魅力です。自分の強みや興味関心に合わせた選択をしましょう。

【雇用形態別】事務職の働き方

事務職で働くにあたっては、選択する雇用形態によっても、就業環境や働き方が異なります。

自分に合う理想の働き方が実現できる雇用形態を選ぶことが大切です。

正社員

正社員は企業と期間の定めのない契約を結ぶ働き方で、毎月の収入が安定しており、賞与や退職金制度がある企業も多いのが魅力です。社会保険の完備はもちろん、住宅手当や資格取得支援など、福利厚生が整っている場合が多い点も安心材料となります。安定した環境で働きたい方にぴったりです。

研修制度や評価制度が整っている会社であれば、経験を積むことで管理職などへのステップアップもできるため、長期的なキャリアプランも立てやすいでしょう。

一方で、勤務地や勤務時間は会社の規定に従うことが多く、異動や転勤の可能性もあります。希望する働き方ができるかどうか、労働条件を確認することが大切です。

派遣

派遣とは、派遣会社と雇用契約を結び、派遣先企業で就業する働き方です。勤務地や勤務時間、仕事内容、期間など、自分が希望する条件でお仕事を探しやすいのが特徴で、ライフスタイルに合わせて働きたい方におすすめです。

派遣会社ごとにPCスキル研修やキャリア相談などのサポート体制が整っており、正社員と同様に有給休暇や社会保険などの福利厚生も完備されています。

派遣では、企業が即戦力だけでなく育成も視野に入れて人材を募集することが多く、未経験OKの求人も豊富です。これまでの経験にとらわれず、新しい仕事にチャレンジしやすいのが魅力といえます。

一方で、時給制が主流であるため、時期によって収入にバラつきがあります。お給料の不安定性が気になる方は、月給制を導入している派遣会社を選びましょう。

パート

パートタイム(アルバイト含む)の事務職は、働く時間や曜日を柔軟に調整しやすく、家庭や学業と両立したい方におすすめの働き方です。たとえば、「16時までに退勤したい」「週3日だけ働きたい」「扶養内で働きたい」といった希望も叶いやすいでしょう。

募集している事務職の主な業務は、データ入力や書類整理、電話の取次ぎなど補助的な内容が多く、未経験からでも始めやすいのが特徴です。一方で、単純作業が多いため時給が比較的低い傾向にあります。また、社会保険や福利厚生も勤務条件によって限定される場合があるため、ライフスタイルに合わせて短時間から事務のお仕事を始めたい方に向いています。

事務職に必要な基本スキル

事務職で活躍するためには、次の3つのスキルを身につけていくと良いでしょう。

1.PCスキル

事務職の中でどのお仕事を選んでも、ExcelやWord、ビジネスメールをはじめとするPCスキルが必要です。

たとえばExcelなら、データ入力、かんたんな計算(SUM関数など)や書式設定など、Wordであれば、文字入力や文字サイズの調整、箇条書きといった基本操作ができれば問題ありません。ビジネスメールでは、件名や宛名、署名の記載などの基本的なビジネスマナーを押さえておきましょう。

2.コミュニケーション能力

事務職は、社内外の人と連携しながら業務を進めることが多く、円滑なコミュニケーションをとることが重要です。特に必要となるのが、相手の話を正しく理解する「傾聴力」と、情報を丁寧かつわかりやすく伝える「伝達力」です。電話やメールのやり取りにおいて、このスキルは欠かせません。

接客や販売などの経験があるという方は、お客さま対応で培ったスキルが事務職でも活かせるでしょう。

3.作業の丁寧さとスピードのバランス

事務職は、作業のスピードと正確さの両立が重要となるお仕事です。たとえば、データ入力や書類作成のミスは、業務全体に影響を与えることもあります。内容の確認や誤字脱字のチェックなど、慎重に作業する姿勢が大切です。

一方で、複数の業務を同時に進める場面も多く、時間内にミスなく効率的に仕上げる工夫も必要です。ショートカットキーを活用して業務効率を上げたり、仕事の優先順位を意識すると良いでしょう。

未経験からスタートする場合は、まずは「正確さ」を重視し、落ち着いて仕事に取り組むことが信頼につながります。慣れてきたら、徐々に効率も意識しながらバランスの取れた進め方を目指しましょう。

事務職に必要な資格

事務職で働くうえで取得必須の資格はありませんが、自信を持って転職活動に臨むために、事務職のお仕事に役立つ資格を取得しておくのがおすすめです。

事務職で必要なスキルが身につく、下記の2つ資格を押さえておきましょう。

MOS(Microsoft Office Specialist)

MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)は、Microsoft Officeの操作スキルを証明できる国際資格です。Microsoft Officeは企業で広く導入されているソフトであり、事務職のお仕事に必要となることが多いPCスキルのひとつです。

MOSにはWordやExcel、PowerPointなどがあり、それぞれ一般(スペシャリスト)と上級(エキスパート)レベルがあります。事務職を目指す方は、まずWord・Excelのスペシャリストの取得を目指しましょう。

日商簿記3級

事務職のなかでも特に経理や総務など、お金に関わるお仕事を目指す方には「日商簿記検定3級」の取得がおすすめです。仕訳のルールや財務諸表(貸借対照表・損益計算書)の基本を学べるため、会社のお金の流れを記録・整理するための基礎知識が身につき、業務への理解が深まります。

請求書対応や経費処理に役立つ知識であるため、経理事務だけでなくどの事務職の業務にも応用的に活かせる資格です。未経験から事務職を目指す方にとって、キャリアの幅を広げる資格といえます。

未経験で事務職を目指すなら派遣がおすすめ

未経験からのチャレンジは、わからないことや不安に思うことも多いはず。しっかりとしたサポートを受けながらキャリアチェンジしたい方には、派遣がおすすめです。

派遣には未経験OKのお仕事が多い

派遣には未経験OKのお仕事が豊富にあり、はじめてであっても臆せず挑戦できます。派遣会社によってパソコン研修やビジネスマナー研修、キャリア相談などのサポート体制も整っているため、未経験の方でも安心です。

PCスキルやビジネスマナーが身につけば、事務職として着実にステップアップすることができるでしょう。

理想の働き方を実現しやすい

派遣は、希望の条件に合わせた働き方を実現しやすいのが魅力です。勤務地や勤務時間、働く期間を自分のライフスタイルに合わせて選べるため、家庭やプライベートとの両立がしやすいのが特徴です。たとえば「時短勤務」「残業なし」のお仕事も多く、柔軟な働き方ができます。

正社員を目指すなら「紹介予定派遣」という選択も

正社員を目指したい方には、「紹介予定派遣」という働き方の選択肢もあります。紹介予定派遣は最長6ヶ月間、派遣スタッフとして働いた後、企業と本人の双方が合意すれば、正社員または契約社員として直接雇用される制度です。

実際に働きながら職場の雰囲気や業務内容を知ることができるため、入社後のミスマッチを減らせるのがメリットです。また、派遣期間中に必要なスキルや知識を身につけられるため、未経験の方でも無理なく正社員を目指せます。

未経験OKの派遣事務を探すならパソナ

未経験から派遣事務に挑戦したい方は、パソナでお仕事探しをしてみませんか?

パソナでは、一般事務はもちろん、経理事務や貿易事務といった専門事務のお仕事も豊富なのが特徴です。PCスキルアップ、ビジネスマナーを学べる講座や、専門スキルが身につく講座も数多くご用意しており、事務職として着実にステップアップすることができます。

未経験からのチャレンジを考えている方の多くが、不安やお悩みを抱えているはずです。パソナでは、そうした方が安心してお仕事探しができるよう、伴走型のサポート体制を整えています。ぜひご検討ください。

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この記事の監修者

パソナキャリアコーチ

派遣営業や登録担当などを経験した後、国家資格2級キャリアコンサルティング技能士を取得し、現在はキャリアコーチ統括室に所属。 これまで20年以上にわたり、スタッフの方々の就労に向けた多様な働き方の提案や、キャリア形成のサポートをしています。
また、パソナ「ワークライフファシリテーター資格」も取得し、一人ひとりの自律的なキャリア構築やライフプラン設計の支援もしています。

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