一般事務とは?
お仕事内容、給与、一日の流れについて解説!
更新日:2025年1月15日

「経験がないけど、事務の仕事に就きたい」「販売の仕事をしているけど、事務の仕事に興味がある」という方もいるでしょう。事務職へのキャリアチェンジを目指すなら、未経験OKの求人も多い「一般事務」からスタートするのがおすすめです。
ここでは、一般事務の業務内容や一日の流れ、給与相場、必要とされるスキル、働くメリット、さらに向いている人の特徴について詳しく解説します。
目次
一般事務とは?
事務職には専門的な知識が必要なものから、定型作業中心のものまで、さまざまな種類があります。
その中で「一般事務」は、主に定型作業を担当することが多い職種になります。
具体的には、PCを使った定型書類の作成や、データの入力、ファイリングや電話・メールの対応、来客対応や備品管理など、所属先で幅広いサポート業務を担います。
企業や組織によっては、「庶務」や「アシスタント」、「OA事務」と同じ職種を指すこともあります。
OAとは「Office Automation」の略で、以前は、PCを使用した事務業務を主に「OA事務」と呼んでいましたが、現在の「一般事務」と大きな区別はありません。
一方、営業部門で働く事務は「営業事務」と呼ばれています。基本的な事務業務に加えて、製品・サービスの受発注、見積書や納品・請求書などの書類作成、売掛・買掛金の管理、顧客からの問い合わせ対応など、営業活動全般をサポートする役割を担います。
このように、事務の業務範囲は幅広く、担当する内容や業務レベルは企業や所属先によって大きく異なります。
一般事務のお仕事内容

ここでは、一般事務の具体的な業務内容について紹介していきます。
書類や資料の作成・管理
文書や資料の作成・管理を行います。Word・Excel・PowerPointなどのOfficeソフトを使用することが多いですが、独自の端末や専用ソフトなどを使っている企業もあります。
また作成にあたって、会社独自の書式やテンプレートを利用する場合や、自身で一から作成する必要がある場合など、ケースはさまざまです。取り扱う書類の例として、以下のようなものがあります。
・稟議書
・見積書
・契約書
・請求書
・プレゼンテーション資料
・会議の議事録
・各種届出書類
・集計データ
データ入力
PCを使用して、数字や文字データなどの情報を入力します。取り扱うデータの内容は所属部門によって異なりますが、主に以下のようなものが含まれます。
・売上高
・生産量
・顧客情報
・契約内容
・受発注伝票
・調査やアンケートの結果
・入手した紙の資料の情報(名刺やハガキなど)
・会議やセミナーなどの音声データ
伝票処理・整理
「売上伝票」「入金伝票」「出金伝票」など、会計に関する伝票を、定められたルールに従って処理・整理します。
会計伝票のほかにも、納品書や領収書など、さまざまな種類の伝票を扱います。
郵便物の発送・仕分け
郵便物の発送手続きや、届いた郵便物を部門や担当ごとに仕分けします。特に部門数が多い企業の場合、誤配や紛失などが起きないように注意して作業をする必要があります。
備品管理
円滑に業務を行えるように、備品を管理します。文具、封筒、コピー用紙、プリンターのトナーなど、業務で使用する消耗品の在庫を管理し、不足があれば発注や調達を行います。
また、パソコンやプリンターなどのメンテナンス依頼や、不具合が発生した際の修理手配も行います。
電話・メール対応
社内外からの電話やメールに対応し、内容に応じて適切な担当者に引き継ぎます。いずれの場合も、ビジネスシーンにふさわしい言葉遣いが求められます。
特にメールでは、用件や送信先に応じて「TO」「CC」「BCC」を適切に使い分けるとともに、情報リテラシーを意識した対応が重要です。機密情報の取り扱いや送信ミスを防ぐため、慎重に行います。
来客応対
来客時の対応も一般事務の業務とする企業も多く、応接室や会議室へのご案内、お茶出しなどを行います。来客対応は会社のイメージを左右することもあるため、丁寧な言葉遣いと好印象を与える接遇が求められます。
また、応接室やエレベーターでの適切な席次や配置に配慮することも大切です。
一般事務の1日のスケジュール

一般事務は、どのようなスケジュールで1日を過ごすのでしょうか。会社や部門、業務内容によっても異なりますが、1日の流れについて紹介します。
1日のスケジュール例
一般事務のお仕事は、伝票処理、郵便物の仕分け・発送、備品の管理や発注といった、定型作業が中心です。
それに加えて、依頼された文書作成や電話・メール対応、来客対応なども並行して行います。
そのため、業務の繁閑に沿って計画・調整ができるため、プライベートとの両立や、未経験からのチャレンジもしやすい職種と言えます。
一般事務の給与

一般事務の給与は、経験年数やスキルに応じて変動します。2025年に適用される一般事務の賃金基準値をもとに、それぞれの経験年数に応じた時給目安を紹介します。
一般事務の平均時給 (フルタイム・無期雇用の場合)
一般事務の給与は、経験年数やスキルに応じて変動します。2025年に適用される一般事務の賃金基準値をもとに、それぞれの経験年数に応じた時給目安を紹介します。
未経験 (0年) | 1,082円 |
---|---|
1年 | 1,255円 |
2年 | 1,345円 |
3年 | 1,374円 |
5年 | 1,439円 |
10年 | 1,617円 |
20年 | 1,940円 |
※「基準値(0年)」の数値は、令和5年度にハローワークで受理した無期雇用かつフルタイムの求人に係る求人賃金(月給)の下限額の平均を、一定の計算方法(月額×12÷52÷40)で時給換算し、賃金構造基本統計調査から計算した賞与指数「1.02」を乗じて作成したもの
※参考資料:職業安定業務統計の求人賃金を基準値とした一般基本給・賞与等の額(時給換算)|厚生労働省
一般事務の平均時給 (派遣の場合)
派遣の一般事務の平均時給は、経済状況や雇用市場の影響を受けて少しずつ上がってきています。特に、首都圏や大都市エリアでは時給が高めに設定されることが多く、経験やスキルがある方や、専門的な知識を持つ方はさらに高い時給でお仕事をするケースも増えています。
2023年10月 | 2024年10月 | 増減率 | |
---|---|---|---|
一般事務 | 1,581円 | 1,602円 | 1.3% |
※2024年10月度 三大都市圏(東京・大阪・名古屋)職種別平均時給
※参考資料:『エン派遣』三大都市圏 募集時平均時給レポート(10月度派遣時給)
一般事務に必要なスキル

一般事務で働くためには、どのようなスキルが必要とされるのでしょうか。会社や担当業務によっても異なりますが、一般的に以下のスキルが求められます。
PCスキル
さまざまな文書の作成やデータの入力・管理など、PCを使用する業務が多いため、基本的なパソコン操作スキルが欠かせません。必要とされる具体的なスキルについて紹介します。
タッチタイピング
キーボードを見ずに文字を入力する技術です。手元を確認せずにキーの位置を把握し、効率的に入力できるため、作業スピードや精度が向上します。練習を重ねることで身につけられるスキルです。
ショートカットキー
ショートカットキーとは、コピー[Ctrl+C]、ペースト[Ctrl+V]など、キーボードで特定のキーを組み合わせて押すことで、操作を素早く実行できる機能です。マウスを使わずに効率的に作業を進められるため、時間短縮や生産性向上に役立ちます。
Officeソフト(Word・Excel・PowerPoint・Access)の操作スキル
ビジネスシーンや日常の作業効率を高めるために欠かせないのが、Officeソフトの操作スキルです。
Wordを使用した文書作成、Excelでのデータ分析、PowerPointによるプレゼン資料作成、そしてAccessを用いたデータベース管理は、それぞれの分野で生産性を向上させる強力なツールとなります。
定型作業でよく使われる操作内容を紹介します。
Word
・表紙や目次の機能を利用した複数ページにわたる文書作成
・表作成や図の挿入
・書式設定や印刷設定の調整・変更
Excel
・セルにデータ(数値・文字)を入力
・基本的な関数(SUM・AVERAGE・IFなど)を使用した表計算
・簡単な集計表やグラフの作成
PowerPoint
・スライドマスター機能を使ったプレゼンテーション資料の作成
・図表の挿入やアニメーションの設定
・書式設定や印刷設定の調整・変更
Access
・テーブルの作成・保存・設計
・フィールドプロパティの設定・変更
・クエリの作成、データの並び替え・抽出・加工
Officeソフトの操作スキルに自信のない方や、事務職がはじめての方におすすめの学べる講座をパソナではご用意しております。
ビジネスメールスキル
ビジネスメールスキルとは、目的に応じた適切な言葉遣いや形式でメールを作成・送信するスキルです。
また、TO・CC・BCCの送付先の使い分けなど、メールマナーや情報リテラシーも必要とされます。
ビジネスマナースキル
ビジネスマナースキルとは、職場やお客様と良い関係を築くために必要なマナーやコミュニケーションのことを言います。
たとえば、気持ちの良い挨拶や丁寧な言葉遣い、身だしなみ、電話やメールの対応、時間を守ることなどが含まれます。
コミュニケーションスキル
一般事務は、業務のサポートを行うことも多く、関係各所との円滑なコミュニケーションが重要です。
たとえば、文書作成の依頼を受けた場合には、まず目的や概要をしっかり把握したうえで作成に取り組みます。依頼者と目的や認識を共有することで、業務の精度や質を向上させることができます。
一般事務のメリット

一般事務として働くことは、どのようなメリットがあるのか紹介します。
未経験からオフィスワークにチャレンジしやすい
一般事務は、専門的な知識や経験がなくても応募できるお仕事が多くあります。これまで販売職や接客業などで働いていた方も、未経験から挑戦しやすい職種です。
まずは一般事務として経験を積みその後、専門的な事務職種へキャリアを広げることもできます。
未経験から一般事務への転職を希望する方は多いため、基本的なビジネススキル、PCスキルを事前に身につけておくと、採用につながりやすくなるでしょう。
基本的なビジネススキルが身につく
一般事務のお仕事を通じて、ビジネスマナーやPCスキル、事務処理能力、コミュニケーションスキル、チームワークなど、幅広いビジネススキルをバランス良く身につけることができます。
また、業務を通じて自分が得意とする分野も見えてくるでしょう。得意分野を意識して磨いていけば、周りから頼られる存在になり、専門性の高い業務へのキャリアチェンジを目指すこともできます。
就業時間が規則的でプライベートと両立しやすい
一般的事務のお仕事は、「平日勤務・土日祝日休み」の勤務スタイルが多く、定型業務が中心となるため、スケジュールが立てやすいのが特徴です。
急な依頼やトラブル対応が必要になる場合もありますが、大幅な残業が発生することは比較的少ないでしょう。
また、「週3~4日勤務」や「16:00退社」など、自分のライフスタイルに合わせた働き方が選べる求人も多く、プライベートとの両立がしやすい職種といえます。
一般事務に向いている人の特徴

一般事務のお仕事は、さまざまなスキルや特性を活かせるポジションです。では、どんな人が向いているのでしょうか。ここでは、一般事務に向いている人の特徴について紹介します。
コツコツした作業が得意
一般事務は、決められたスケジュールやルールに沿って業務を進めていきます。正確かつ着実な対応が求められるため、コツコツした作業が得意な方は向いているでしょう。
文書作成で読みやすさを工夫したり、業務がスムーズに進むように先回りして準備をしたり、細やかな気配りができる方が重宝されます。
サポートをするのが好き
一般事務のお仕事は、直接営業利益に貢献するというよりも、営業や担当部門のメンバーのサポート業務が中心です。誰かを支えたり役に立ったりすることに喜びを感じられる方に向いているお仕事と言えるでしょう。
集中力が継続できる
一般事務が担当することの多いデータ入力作業では、わずかな入力ミスが後々大きなトラブルにつながる可能性があるため、正確さが求められます。
また、複数の業務を同時に進める場面も多いため、効率よく作業を進めるための集中力も重要です。
一般事務へのチャレンジには派遣がおすすめ
未経験から一般事務を目指すときには、派遣会社を活用するのがおすすめです。パソナでは、オフィスワーク未経験の方に向けた「ビジネスマナー&コミュニケーション講座」や「PCスキル講座」があり、安心してスタートできるサポートが充実しています。
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