冒頭にもお話ししました通り、一般事務職で働いている方においては、DX化・AI化などの技術革新によって一般事務を取り巻く環境は大きく変わってきています。まずは一般事務職の現状についてしっかりと理解を深めましょう。

コロナをきっかけにITの進化が加速したと言われています。特に、AI（人工知能）やRPA（ロボティック・プロセス・オートメーション）は、事務職での単純作業やデータ入力などを自動化することができるようになりました。その結果、将来的には事務職の数が大幅に減少すると予測されています。
実際に、2015年に発表された株式会社野村総合研究所のレポートでも、日本の労働人口の約49％がAIやロボットなどで代替可能になると予測されています。また、その中でも一般事務の仕事は特に代替可能性が高いとされています。
以上のことから、一般事務職のAI化による影響は「非常に大きい」と考えることができるでしょう。

一般事務職は希望する人が多く離職率も低いので、採用においても狭き門となっているのが現状です。
厚生労働省が公表している職種別有効求人・求職状況のレポートによると、事務職の有効求人倍率は他職種と比べると非常に低く、未経験者を正社員として採用するケースはほとんどありません。たとえば、2023年12月の愛知県有効求人倍率(※)は1.33倍ですが、一般事務員の有効求人倍率(※)はなんと0.39倍であり、事務求人を取り巻く現状は厳しいです。

AI化によって一部の事務業務が自動化される可能性があることは確かですが、近い将来「一般事務がゼロになる」ということは現段階ではないと考えられます。
AIは非常に有能で便利ではありますが、相手の意図を汲んだ臨機応変な対応や新たな発想・ひらめきなどはまだ対応ができません。また、AIを導入するにはコストがかかるため「すぐに」という点でも「一般事務がゼロ」になることはないでしょう。

AI化が進む時代において、社会から必要とされ続ける人財になるには、AIでは対応できないスキルを身に付ける『スキルアップ』と、一般事務以外の職種へ『キャリアチェンジ』する方法があります。

今後も一般事務職で働き続けたいのであれば、AIが苦手とする人間の特性を活かすスキルを高めることが不可欠です。以下に、事務職において特に重要なスキルを3つご紹介します。これらのスキルを磨くことで、あなたの仕事における存在感を高め、AI時代においても求められる人材となるでしょう。

AIが最も苦手とするのは、人間の複雑な感情を前提とした【コミュニケーション能力・協調性】です。AIは情報処理やデータ解析に長けていますが、人々のニュアンスや意図を理解することはできません。そのため、一般事務職で活躍し続けるためには、【コミュニケーション能力・協調性】を高めることが重要なステップとなります。
コミュニケーション能力の向上には、相手の意図を汲み取る力や適切な表現力が求められます。言葉の裏にある真意を読み取り、適切なタイミングで適切な言葉を使うことが大切です。また、協調性を持ち、他の人と円滑に協力し合える能力も不可欠です。

AI時代においても事務職で活躍するためには、相手のニーズを的確に理解し、それを具体的な形にするスキルが大切になります。
相手のニーズを汲み取り、日々のやり取りの中でも問題解決や業務改善に向けた提案を行うことは非常に評価されます。また、気配りのできる対応力も重要です。周囲の人々のニーズや状況を敏感に察知し、柔軟に対応して適切なサポートや配慮を行うことで、円滑な業務遂行が可能となります。あなたが柔軟に対応し、かゆいところに手が届く能力を持つ人材であれば、AI時代においても事務職での活躍し続ける可能性が高まります。自分のアイデアや提案によって業務の効率化や改善を実現し、周囲のニーズに敏感に対応することで、求められる人材となることができるでしょう。

事務作業の一部はAIによって自動化されていきますが、AIが全てに対応できるわけではありません。例えばAIをはじめとしたIT技術では単純作業やデータの集計・整理は得意としますが、データの意味や背景を解説したり、ビジュアル化して分かりやすく伝えることは人間が対応することになります。つまりAIが担当する領域と人間の力が必要な領域を切り分け、AIを効果的に活用できるようになることが重要です。
AIを活用するスキルを身に付けるには、高度なPCスキルの習得と最新の技術やツールに対する理解・学習が必要です。AIがどのように機能し、どのようにタスクを遂行するのかを把握し、それを活かす方法を考えることが重要です。また、AIとの協働において、人間の判断や洞察力を活かすことも大切です。AIが提供する結果や予測を検証し、適切な判断を下す能力を養いましょう。

一般事務だけにこだわるのではなく、別の職種にキャリアチェンジするのも事務職として生き残るための有効な方法のひとつです。
一般事務職は前述の通り働きやすさ・ワークライフバランスといったメリットが多くありますが、人気の職種であるため転職市場では倍率が高すぎるなど転職成功率が低いです。また、長く働いても年収アップの可能性が他の職種に比べて低い、などのデメリットもあります。また一般事務職は、事務仕事で身に付けたOAスキルや正確な事務処理能力、スケジュール管理能力などはどんな職種にも必要なスキルなので、それらを活かしたキャリアチェンジも理想のキャリアを築く方法のひとつです。

そこでお勧めしたいのが、キャリアチェンジに「派遣」という働き方を選択すること。昨今の転職市場では即戦力を求められる傾向にあり、資格を取るだけではなかなかキャリアチェンジが実現できません。一方派遣の求人には未経験からチャレンジできる案件も多くあり、ステップアップする上で有益な実務経験を積むことができます。

ここでは一般事務のスキルを活かせば、キャリアチェンジしやすい職種を紹介します。キャリアステップとして参考にしていただければと思います。

これからご登録をご検討の方はぜひMYPAGEをご作成ください。
パソナは様々な職種でのお仕事が豊富にございます。また、専門的な知識習得ための研修メニューも豊富です。
一緒にステップアップしましょう♪