契約社員と派遣、どちらを選ぶ?
違い・メリット・デメリット、選び方などを解説!

更新日:2025年10月17日

制作:パソナ編集部

「契約社員」と「派遣」は、どちらも契約に基づき、担当する業務や勤務条件、雇用期間があらかじめ決まっている働き方です。

そのため、得意分野に集中してスキルを高めたい方や、ワークライフバランスを大切にしたい方にとって、メリットを感じやすい働き方といえるでしょう。

この記事では、契約社員と派遣の違いを分かりやすく整理し、それぞれのメリット・デメリットや選ぶ際のポイントを紹介します。どちらを選ぶか迷っている方は、参考にしてみてください。

契約社員と派遣の主な違い

「契約社員」と「派遣」の大きな違いは、「誰と雇用契約を結ぶか」という点にあります。

契約社員は、勤務先の企業と直接雇用契約を結び、お給料の支払いや社会保険の手続きもその企業が行います。
一方、派遣スタッフの場合は、派遣会社(派遣元)と雇用契約を結びます。実際に働くのは派遣先企業ですが、お給料の支払いや社会保険の手続きなどは派遣元が行います。

同じように働いていても、雇用関係を結んでいる企業が異なることが、契約社員と派遣の大きな違いです。

契約社員と派遣の違いを比較

契約社員と派遣を比較すると、以下のような違いがあります。

派遣の場合は、お給料の支払いや社会保険手続きの他、福利厚生や有給休暇など派遣会社の制度やサービスを利用する場面が多いのが特徴です。

11行3列テーブル
契約社員
派遣社員
雇用主 就業先の会社(直接雇用主) 派遣元(派遣会社)
雇用期間 有期(例:6ヶ月、1年などが多い)
更新あり/なしは雇用契約で明記
有期が中心(3ヶ月~半年更新などが多い)
派遣会社によっては、無期雇用派遣制度もあり
業務内容 会社内での配置転換・業務内容の変更の可能性あり 基本的に固定
(契約時に明示された業務範囲内)
給与 主に月給制
年棒制・時給制の場合もあり
主に時給制
月給制の場合もあり
給与の支払い 直接雇用主から支給 派遣元から支給
通勤交通費 雇用先の就業規定によって支給 派遣元から支給
社会保険 加入要件を満たせば雇用主の制度に加入 加入要件を満たせば派遣元の制度に加入
福利厚生 雇用主の福利厚生制度を利用
(範囲は規程による)
派遣元の福利厚生制度を利用
有給休暇 雇用主が管理・付与 派遣元が管理・付与
契約終了後 自分で就職活動をする必要がある 派遣元(派遣会社)から新たなお仕事の案内を受けられることもある

契約社員のメリット・デメリット

契約社員として働く場合のメリット・デメリットをあらかじめ理解しておきましょう。

人によって、何をメリット・デメリットと感じるかは異なりますので「自分にとってどうなのか」という観点で、働き方を選ぶことが大切です。

契約社員のメリット

スキルアップを目指せる

派遣と比べると、契約社員は業務内容や働く条件について、企業に直接相談・調整しやすい点が特徴です。
契約内容によって違いはありますが、直接雇用となるため、幅広い業務を担当することもあります。企業によっては、正社員と同じように、ある程度裁量のあるお仕事を任されるケースもあるでしょう。

「さまざまな業務を経験してスキルアップし、将来のキャリアにつなげたい」といった志向を持つ方にとっては、メリットのある働き方だと言えるでしょう。

正社員雇用の可能性がある

契約社員として働き、仕事ぶり・スキル・社風への適性などが一定の評価を得られると、正社員に登用されるケースもあります。「まずは契約社員として経験を積み、いずれは正社員を目指したい」という方にとって、契約社員は正社員への第一歩になることもあります。

ただし、正社員登用の制度や仕組みはすべての企業にあるわけではありません。正社員登用の有無や基準は企業ごとに異なるため、応募や入社前に確認しておく必要があります。

契約社員のデメリット

雇用期間が決められている

契約社員は、雇用期間があらかじめ決まっています。契約期間が満了となると、雇用契約も終了となるため、長期的な安定を求める方は不安を抱くかもしれません。契約更新や正社員登用の可能性もありますが、「働ける期間が限られる」という点は注意が必要であり、先々のキャリアプランを考えておく必要があるでしょう。

契約終了後のお仕事探しは自分で行う必要がある

契約終了後、働き続けたい場合は、転職活動をすることになります。正社員の転職活動と同様に、求人情報の収集・企業研究・応募書類の作成・面接日程の調整・面接などの一連の流れを自身で行います。

転職エージェントに登録してサポートを受ける方法もありますが、採用決定までは一定の選考期間と労力がかかるでしょう。希望に合ったお仕事がなかなか見つからないと、転職活動が長引く可能性もあります。

サポートが受けられない

契約期間が終了するとき、そのまま退職するか契約更新するかは企業の状況や自分の意思によります。
更新を希望する場合、第三者からのサポートはなく、条件交渉を自分で行うことになります。特に昇給を希望する場合は、これまでの実績や貢献を具体的に示して交渉する必要があるでしょう。

派遣のメリット・デメリット

派遣で働く場合のメリット・デメリットを紹介します。

派遣のメリット

希望のお仕事が見つかりやすい

派遣は、希望やスキル・経験に合ったお仕事を案内してもらえる点が大きなメリットです。
自分の希望条件やこれまでのキャリアをもとに、派遣会社がお仕事を案内してくれるため、「どんな仕事が自分に向いているのかわからない」という方でも安心してスタートしやすい働き方です。

また、勤務地や勤務時間など、ライフスタイルに合わせてお仕事を選びやすく、プライベートとのバランスをとりながら働きたい方にもおすすめです。

未経験のお仕事も始めやすい

正社員や契約社員の採用では経験者を求められることが多い職種でも、派遣であれば「未経験OK」のお仕事もあります。経験はないものの興味があるお仕事にチャレンジしたいときは、「アシスタント」などのポジションからスタートできることもあり、実務を通じてスキルを身につけていくこともできます。

派遣のお仕事では、これまでのキャリアだけでなく、仕事への意欲やポテンシャルを重視されることも多いため、「挑戦してみたい」という気持ちがお仕事にもつながりやすくなります。

研修など派遣会社のサポートを受けられる

派遣では、派遣会社からさまざまなサポートやサービスを受けることができます。「いつでも相談できる」という安心感も持てるでしょう。具体的には、次のようなサポートがあります。

お仕事探しのサポート

自分の強みを生かせる仕事や、希望条件に合ったお仕事を案内してもらえる

就業中のサポート

派遣先で悩みが生じたときは、担当者に相談でき、改善に向けて対応してもらえる

キャリアプラン・スキルアップのサポート

研修プログラムやキャリアコンサルティングを通して、スキルアップを支援している

ライフサポート

健康診断・健康相談、育児・介護、家事代行などの福利厚生を用意している派遣会社もある

派遣のデメリット

業務内容が限られていることが多い

派遣の場合、担当する業務範囲は契約によってあらかじめ決められています。契約で定められた範囲以外のお仕事にチャレンジしてみたいときは、派遣先企業と派遣元の調整が必要になるため、スムーズに実現するのは難しいケースもあります。

また、裁量の幅が限られているため、リーダーやマネジャーとしての活躍やキャリアアップを目指す方にとっては少し物足りなさを感じるかもしれません。とはいえ、「自分が得意な仕事だけに集中したい」「責任ある仕事にはプレッシャーを感じてしまう」というタイプの方にとっては、業務範囲が限られていることは大きなメリットと言えるでしょう。

1つの職場で長く働くことができない

労働者派遣法では、同じ派遣先の同一組織単位で、同じ派遣スタッフが働ける期間は原則3年と定められています。
つまり、派遣先の職場が「自分に合っている」「居心地が良い」と思っていても、基本的には同じ職場で3年以上働き続けることはできないのです。一方、さまざまな職場で、幅広い経験を積みたい方にとっては、派遣という働き方は向いていると言えるでしょう。

契約社員か派遣か迷ったときの選び方

契約社員か派遣か、どちらの雇用形態で働くかを迷ったときには、次のポイントを考えてみましょう。

希望の働き方を明確にする

これまでお伝えしてきたように、契約社員と派遣では働き方の特徴が異なります。
たとえば「企業と直接相談しながら、幅広い業務にチャレンジしたい」「将来は正社員を目指したい」と考える方は、契約社員が希望に近いかもしれません。一方、「専門スキルを生かして柔軟に仕事を選びたい」「自分のライフスタイルにあわせて働きたい」という方は、派遣の方が働きやすいと言えるでしょう。

自分がどのような働き方を望んでいるのかを整理してみましょう。

サポートが必要かどうかを考える

契約社員と派遣の大きな違いは、「自分と企業の間にサポート役がいるかどうか」という点です。
派遣会社に登録すると、お仕事の案内から就業中のフォロー、キャリア相談まで、幅広いサポートを受けられます。
はじめての業界にチャレンジしたい方や、自分に合うお仕事を相談しながら探していきたい方にとっては心強いでしょう。

一方で、「自分のペースでお仕事を探して応募したい」「キャリアの方向性が明確に決まっている」という方には、契約社員として企業と直接関わっていく働き方が合っているかもしれません。

契約社員でよくある質問(FAQ)

契約社員はボーナスがありますか?

契約社員のボーナスの有無や金額は、契約内容や規定によって大きく異なります。企業によっては、契約社員でもボーナスが支給される場合があります。

契約社員は社会保険に入れますか?

契約社員は、一定の要件を満たせば社会保険に加入できます。働く時間や契約内容によって加入できるかどうかが変わるため、事前に企業の人事担当者に確認しておくと安心です。

契約社員は何年働けますか?

契約社員は「有期雇用」であるため、契約期間があらかじめ定められています。
原則として1回の契約期間の上限は「3年」です(一部の専門職や60歳以上の方などは除外)。
同じ企業で5年を超えて契約を繰り返した場合は、本人が希望すれば、無期労働契約へ転換できる制度(無期転換ルール)があります。

契約社員に向いている人の特徴は?

契約社員は企業と直接雇用契約を結び、職場により深く関わりながら働けるという特徴があります。
そのため「将来的に正社員を目指したい」「同じ職場で腰を据えて経験を積みたい」「幅広い業務にチャレンジして成長したい」といった志向の方に向いていると言えるでしょう。

派遣から契約社員・正社員を目指してみませんか

正社員登用を目指すなら、「派遣」と「契約社員」のいずれからでもチャレンジすることができます。
なかでも契約社員は企業との直接雇用であるため、正社員登用につながりやすい働き方と言えるでしょう。

一方で、まずは派遣でさまざまな職種や企業を経験し、自分に合った働き方やキャリアの方向性を見つけたうえで正社員を目指すというステップもおすすめです。派遣ならではの柔軟な働き方を活かしながら、将来のキャリアをじっくり考えることができます。

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この記事の監修者

パソナキャリアコーチ

派遣営業や登録担当などを経験した後、国家資格2級キャリアコンサルティング技能士を取得し、現在はキャリアコーチ統括室に所属。 これまで20年以上にわたり、スタッフの方々の就労に向けた多様な働き方の提案や、キャリア形成のサポートをしています。
また、パソナ「ワークライフファシリテーター資格」も取得し、一人ひとりの自律的なキャリア構築やライフプラン設計の支援もしています。

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