派遣スタッフから正社員になる4つの方法を紹介!
メリットや難しいと言われる理由も解説
更新日:2025年7月16日

派遣スタッフとして働く中で「このままでいいのかな」と将来への不安を感じていませんか?
正社員になりたいけれど、紹介予定派遣や直接登用など、どの方法を選べばよいかわからず悩んでいる方もいるでしょう。
この記事では、派遣スタッフから正社員を目指す4つの方法や正社員になるメリット、難しいと言われる理由について詳しく解説します。
目次
派遣から正社員になる4つの方法

派遣から正社員になる方法は主に4つあります。
紹介予定派遣や正社員登用制度の活用といった具体的な方法について詳しく解説します。
1. 紹介予定派遣を活用する
紹介予定派遣は、直接雇用を前提に、一定期間派遣スタッフとして働きながら職場の雰囲気や仕事内容を確認できる制度です。派遣期間は最長6ヶ月で、期間終了後に本人と企業の合意があれば、直接雇用へと切り替わります。
紹介予定派遣では、派遣スタッフと企業が日々の業務を通じて、お互いのスキルや働き方が職場に合っているかどうかを見極められるのが特徴です。ただし、直接雇用後の雇用形態や待遇があらかじめ明確になっていないケースもあるため、事前に契約内容をしっかり確認しておくことが大切です。
派遣期間中は、目の前の仕事に丁寧に取り組むと同時に、派遣会社を通じて条件面についても確認・整理しておくとよいでしょう。
パソナでは紹介予定派遣のお仕事を多数掲載しています。職種やスキル、経験、その他希望条件での絞り込みもできるため、自分にあった派遣先を見つけられるでしょう。紹介予定派遣を活用して正社員を目指す方は、ぜひお仕事情報を確認してみてください。
2. 正社員登用制度を活用する
正社員登用制度とは、一定の条件を満たした契約社員や派遣スタッフなどを、企業が正社員として採用する制度です。
派遣先で日頃の働きぶりが評価されていれば、正社員登用制度を活用して直接雇用につながる可能性があります。
企業側も、すでにスキルや仕事ぶりを把握している人材であれば、新たに採用するよりも安心して登用を検討できます。
まずは、派遣会社の担当者に正社員登用制度の有無や、これまでの登用実績について確認してみましょう。
そのうえで、日々の業務にまじめに取り組み、面談などを通じて「正社員として働きたい」という意志を派遣会社の担当者に伝えることが大切です。
3. 派遣会社の正社員(無期雇用派遣)になる
無期雇用派遣とは、派遣会社と期間の定めがない雇用契約を結び、長期的に安定して働けるのが特徴です。
派遣先との契約が終了しても、次の派遣先が決まるまでの待機期間も、派遣会社との雇用契約は継続されます。
派遣スタッフは、労働者派遣法の定めにより、同じ職場での勤務は3年間が目安となりますが、無期雇用派遣は対象とならないため、同じ職場で長期的に働きたい方にも向いています。(※派遣会社との契約状況によっては職場が変わることもあります)
ただし、無期雇用派遣では、雇用契約は派遣先企業ではなく派遣会社と結ぶため、派遣先の正社員とは給与や昇給の仕組みが異なる場合もあります。あらかじめ処遇や福利厚生などの条件について、派遣会社に確認しておくことが大切です。
4. 正社員に転職する
派遣で経験を積んだあと、正社員として働きたいと感じたら、転職という選択肢もあります。派遣で培った実務スキルや対応力は、転職活動でもしっかり評価されるポイントになるでしょう。
正社員を目指して転職を考えるなら、転職エージェントを活用するとよいでしょう。希望に合ったお仕事を案内してもらえるほか、履歴書の添削や面接対策などのサポートも受けられます。
まずは、登録後に転職エージェントの担当者と自分のキャリアについて相談しながら、方向性を整理することから始めてみましょう。
派遣から正社員になるメリット

派遣から正社員になることで、安定して働けるようになり、スキルアップやキャリアの幅も広がります。
さらに紹介予定派遣なら、入社前に職場の雰囲気や仕事内容を知ることができるので「自分に合う職場かどうか」を見極めやすいのも魅力です。
こうしたメリットについて詳しく解説します。
入社する前に職場の雰囲気を知れる
紹介予定派遣として一定期間派遣スタッフとして働き、派遣期間中に仕事内容はもちろん、チームの雰囲気や上司・同僚との関係、職場のルールなどを把握できるため、入社後の働き方をイメージしやすくなります。また、自分に合う職場かどうかを見極めるきっかけにもなるでしょう。
雇用の安定につながる
正社員として働くメリットの一つは、雇用の安定です。派遣の場合、契約によって就業期間が定められていますが、正社員は雇用期間の定めがないため、契約満了ごとに仕事を探す必要がありません。安心して一つの職場で長く働き続けられるのは、大きな魅力です。
働き方が安定することで、収入や生活リズムも整いやすくなり、将来の計画も立てやすくなります。たとえば、結婚や出産、住宅購入といったライフイベントも前向きに考えやすくなるでしょう。
「この職場でこれからも働いていける」という見通しが持てることは、日々の仕事に対する安心感やモチベーションにもつながります。
給与や待遇が安定する
正社員は、基本的に月給制のため、毎月の収入が安定しやすくなります。
さらに、多くの企業では年に1~2回、賞与(ボーナス)が支給される制度があり、年間を通じた収入アップも期待できます。こうした安定した収入は、将来の計画を立てやすくするだけでなく、生活全体に安心感をもたらしてくれるでしょう。
また、正社員には交通費の支給や住宅手当、福利厚生など、会社独自の支援制度が用意されていることも多く、手当を活用することで日々の生活費の負担が軽くなり、貯蓄を行う余裕が生まれる場合もあります。
とはいえ、「いきなり正社員として働くのはハードルが高い」と感じる方もいるでしょう。
そんな方には、「月給制の派遣」という働き方も選択肢の一つです。派遣のお仕事の中でも月給制を導入している就業先であれば、毎月安定した収入を得ながら、自分に合った職場や働き方を見つけることができます。
スキルや経験を積みやすくなる
正社員として働くことは、キャリアの土台を築きながら、業務の幅を少しずつ広げていけることが大きな特徴です。
はじめは補助的な業務からスタートすることが多いですが、経験を積む中でチーム内の役割を担うようになり、業務の一部を任される場面も増えていきます。
たとえば、業務の改善提案を求められたり、小規模なプロジェクトの進行管理を任されたりと、判断力や調整力が求められる仕事にも関わるようになります。
また、多くの企業では、社内研修や資格取得支援制度が用意されており、こうした制度を活用することで、自分の強みをさらに伸ばすことも可能です。少しずつ責任のある仕事を任され、自分の成長を実感できるのは、正社員として働く大きな魅力のひとつといえるでしょう。
一方、派遣スタッフの場合は、あらかじめ担当業務が明確に決められていることが多く、専門スキルを活かしながら一定の範囲で力を発揮できます。また、派遣会社によってはお仕事に役立つスキルアップ講座や研修も用意しています。
派遣から正社員になるのが難しいと言われる理由

派遣スタッフから正社員への道がなぜ難しいと言われるのか、具体的な理由について解説します。
正社員登用の前提がない派遣先もある
派遣から正社員を目指す場合は、事前に登用制度の有無を確認しておくことが重要です。企業によっては、派遣スタッフの正社員登用を設けていないケースもあり、すべての職場でチャンスがあるわけではありません。
たとえば、正社員が中核業務を担当し、派遣スタッフは補助業務に特化している体制の職場では、登用の機会が設けられていない場合もあります。そのため、正社員としてのキャリアを視野に入れている方は、派遣先が正社員登用に前向きかどうか、あらかじめ派遣会社の担当者に確認しておくと安心です。
スキルや経験の壁がある
派遣から正社員を目指すうえでは、業務の内容や職場で期待される役割の違いを知っておくことが大切です。
派遣スタッフは、あらかじめ決められた業務を正確かつ効率的にこなすことが重視されますが、正社員になると、自ら考えて仕事を進めたり、後輩をサポートしたりといった、自発的な行動が重視されるようになります。
また、チームや組織全体の目標を意識しながら動く姿勢も求められ、将来的にはマネジメントや育成といった役割を担うことも想定されます。こうした変化に対応していくためには、日々の業務に加えて、スキルアップにも意識的に取り組むことが重要です。派遣会社が実施する研修やセミナーを活用しながら、少しずつステップアップを目指していきましょう。
派遣から正社員を目指す具体的なステップ

派遣スタッフから正社員を目指すための具体的なステップを、5つに分けて解説します。
1. 仕事に対する優先順位を決める
正社員を目指す際には、まず「自分はどのような働き方をしたいか」を具体的に考えることが大切です。
たとえば、安定した収入を優先したいのか、通勤のしやすさを重視したいのか、それともスキルを活かせる仕事がしたいのかなど、働き方に対する希望や価値観は人それぞれ異なります。
すべての条件を満たす職場を見つけるのは難しいからこそ、あらかじめ希望に優先順位をつけておくことで、お仕事選びの軸がぶれにくくなります。「これだけは譲れない」と思うポイントを明確にしておくことで、自分に合った就業先が見つかりやすくなるでしょう。
2. キャリアプランを明確にする
働き方の希望が整理できたら、次に将来的にどのようなキャリアを描きたいのかを考えてみましょう。
たとえば「人と関わる仕事で経験を積みたい」「数年後にはIT系の資格を取得して専門職に就きたい」など、自分なりのキャリアイメージを具体化しておくことが大切です。
目指す方向性が明確になることで、今の仕事にも前向きに取り組みやすくなり、日々の業務が将来につながっているという実感も得られます。目標を立てるときは、「いつまでに」「何を」「どのように達成するか」を明確にできるSMARTの法則を活用するのがおすすめです。
SMARTの法則を活用した目標設定の例は以下のとおりです。
- S(具体的):経理の専門性を高めたい
- M(測定可能): 日商簿記2級に合格する
- A(達成可能):平日は1日1時間学習時間を確保
- R(関連性):経理部での正社員登用を目指しており、業務にもつながっている
- T(期限):◯月◯日の試験に合格する
SMARTの法則を活用して、目標を日々の行動にまで落とし込むことで、派遣から正社員になるまでにやるべきことが明確になります。
3. 派遣会社の担当者に相談する
自分自身で描いたキャリアプランは、派遣会社の担当者に共有しておくことで、希望に沿った仕事を案内してもらいやすくなります。たとえば「将来的には経理職で正社員として働きたい」といった具体的な目標がある場合、その意向に合った紹介予定派遣の求人などを提案してもらえる可能性も高まります。
派遣会社の担当者は、企業ごとの採用方針や過去の正社員登用実績を把握しているため、目標に向けた働き方を一緒に考え、適切なサポートをしてくれるでしょう。
4. 面接や試験を受ける
紹介予定派遣や直接雇用制度を利用する場合、企業によっては面接が行われることがあります。その際には、これまでの業務経験だけでなく、転職理由や今後のキャリアに対する考え方についても質問されることが多いでしょう。
「安定した働き方を目指したい」といった気持ちに加えて、「これまでの経験を活かしながら業務の幅を広げていきたい」「長期的にチームの一員として貢献したい」といった前向きな姿勢を伝えることが大切です。
たとえば、「過去に〇〇の業務に挑戦し、課題を乗り越えたことで大きなやりがいを感じた」といった具体的な経験を交えて話すことで、企業側にも意欲が伝わりやすくなります。
5. 紹介予定派遣で働く
紹介予定派遣では、将来的に直接雇用を前提に就業するため、業務内容や職場の雰囲気、自分の適性を客観的に見極めることが大切です。日々の業務では、担当者や派遣先の上長と積極的にコミュニケーションを取り、気になることや不明点は早めに確認するよう心がけましょう。
派遣期間の終了が近づいたら、「このまま続けたい」と感じる点や、「気になる点・不安に感じること」などを整理したうえで、派遣会社の担当者へ率直に伝えましょう。自分の意思を明確に伝えることで、企業とのミスマッチを防ぎ、納得のいく選択につながります。
派遣から正社員を目指す際に心がけておくこと

派遣スタッフから正社員へのキャリアアップを目指すうえで、日々の業務や意識の持ち方について心がけておくべきポイントを解説します。
正社員の業務内容や待遇を確認する
正社員としての働き方を検討するなら、事前に仕事内容や求められる役割、働き方の違いを理解しておくことが大切です。
たとえば、派遣スタッフには求められることの少ない、業務改善の提案や後輩の指導といった、チームの一員としての責任ある役割を担う場面が増えることがあります。また、残業や部署異動の有無など、勤務条件に関わるポイントも入社前に確認しておくと安心です。
企業の採用情報ページを確認したり、実際にその職場で働く正社員の声を聞いたりすることで、自分の希望と職場の実態がどの程度合っているかを見極めやすくなります。あらかじめ企業理解を深めておくことで、入社後のミスマッチを防ぐことにもつながります。
派遣先の担当業務で結果を出す
正社員を目指すうえでは、日々の業務を通じて信頼を積み重ねていくことが重要です。たとえば、マニュアルの整備や問い合わせ対応など、目の前の業務に対して一つひとつ丁寧に取り組むことで、周囲からの信頼や評価が高まります。
与えられた仕事をこなすだけでなく、「どうすればもっと円滑に進められるか」「チームの役に立てるか」といった視点で工夫や気配りを重ねる姿勢が、企業からの評価につながるポイントです。
まずは、自分の強みを活かせる場面を見つけ、できることから少しずつ行動に移してみましょう。
日々の勤務態度やコミュニケーションを意識する
正社員登用では、業務スキルだけでなく、職場での振る舞いや周囲との関わり方も大切な判断材料になります。たとえば、時間を守る、作業に丁寧に取り組む、チームメンバーと円滑に連携するといった基本的な行動の積み重ねが、職場での信頼につながります。
また、報告・連絡・相談をしっかり行い、チーム全体の状況を把握しながら柔軟に対応できる人は、「安心して任せられる存在」として評価されやすくなるでしょう。こうした日々の姿勢や取り組みが、正社員登用のきっかけにつながることもあります。
面接、履歴書、職務経歴書の準備や対策をする
正社員登用を目指す際には、履歴書や職務経歴書の準備も大切です。これまでの業務経験を振り返りながら、「どのような成果を上げたか」「どのような工夫をしてきたか」といったポイントを整理しておきましょう。
たとえば「作業手順を見直して業務時間を〇%短縮した」「自分の提案が採用され、業務改善につながった」といった具体的なエピソードは、数値や結果を交えて記載することで説得力が高まります。
また、紹介予定派遣では面接を実施する企業も多いため、自分の強みや経験を具体的に伝えられるよう、あらかじめ話す内容を準備しておくと安心です。
紹介予定派遣のお仕事にエントリーしよう

派遣から正社員を目指す方法には、紹介予定派遣の活用や正社員登用制度のある企業での就業などがあります。
まずは、自分がどのような働き方をしたいのか、希望や優先順位を整理し、将来のキャリアプランを明確にしておくことが大切です。
派遣会社の担当者と相談しながら、面接対策や応募書類の準備も少しずつ進めていきましょう。第三者視点を取り入れることで、自分では気づかなかった強みが見えてくることもあります。
パソナでは紹介予定派遣をはじめとした、多様な派遣求人をご紹介しています。お持ちのスキルや資格・ご経験に合わせてお仕事を検索できるため、自分に合った派遣先を見つけやすいのが特徴です。
まずは、派遣のお仕事情報をチェックしながら、自分に合った働き方を探してみましょう。