接客業のお仕事内容とは?
主な職種、向いている人の特徴などを紹介

接客業に興味はあるけれど、「どんな職種があるのかわからない」「自分に向いているのかわからない」と感じている方も多いのではないでしょうか。この記事では、接客業のさまざまな職種やその特徴、歓迎されるスキル、役立つ資格、向いている人のタイプなどを、わかりやすくご紹介します。

接客業とは?

接客業とは、「お客様と接する」お仕事全般のことです。来店・来場したお客様をお迎えし、ご案内やおもてなしをするほか、商品の提案や販売、サービスの提供なども含まれます。

接客業にはさまざまな職種があり、職場によってお仕事内容や働き方も異なります。自分に合った仕事を見つけるためにも、どんなお仕事があるのかを知っておくと安心です。

接客業の主な職種とそれぞれの特徴

接客業の主な職種と、職場の一例、仕事内容の特徴を紹介します。

販売員・ショップスタッフ

アパレル、雑貨、家電、携帯電話などを扱うショップや、スーパーなどの小売店で接客を行うお仕事です。お客様のニーズを伺い、商品の説明や提案を行うほか、ショップによっては陳列・在庫管理・レジ業務なども担当します。
携帯ショップでは、新規契約・契約内容の変更・他キャリアからの乗り換え契約などの手続きも担当するため、プランや契約内容を案内します。

取り扱う商品についての知識はもちろん、お客様の表情から気持ちを汲み取ること、ヒアリングを通じてお客様が求めているものを引き出すことが大切です。

受付・フロントスタッフ

会社や団体の受付窓口、病院の総合受付、ホテルやフィットネスジム、各種ショールームのフロントなどで、来訪されたお客様に対応するお仕事です。
担当者への取次・ご案内のほか、予約確認、入館証の発行、会議室の予約管理など、職場によって業務はさまざまです。

お客様にとっては最初に接する存在となるため、その印象が会社や施設全体のイメージにつながることもあります。相手に安心感を与える、丁寧な接客とマナーが大切なお仕事です。

また、ホテルや観光地のフロントでは、チェックイン・チェックアウトの対応、観光案内などを行う場合もあります。インバウンド需要の高まりにより、外国語を使った接客が求められる場面も増えてきています。

各種イベント・施設のフロント・アテンダントスタッフ

イベント会場や展示会、ショールーム、商業施設などで、お客様をお迎えし、ご案内や受付業務を行うお仕事です。
なかでも、万国博覧会などの国際的なイベントにおけるフロントスタッフ・アテンダントスタッフは、国内外からの来場者に対応するポジションとなるため、ホスピタリティや語学力が求められる場面もあります。

英語などの語学スキルを活かしたい方や、人と関わることが好きな方にとって、やりがいの大きい仕事といえるでしょう。

また、イベントや施設の現場では、チケットの受け渡しや会場内の案内、グッズ販売など、さまざまな役割を担うこともあります。
「人を楽しませたい」「笑顔を引き出したい」という気持ちを活かせる点もこのお仕事の魅力の一つです。

飲食店などのホールスタッフ

レストラン、居酒屋、ファストフード、カフェなど、さまざまな飲食店で接客を担当するお仕事です。主な仕事内容は、テーブルへの案内、注文の受付、料理やドリンクの提供、テーブルの片付け、レジでの精算などがあります。近年、席への案内や注文をタッチパネルやスマートフォンを使ってセルフ対応の店舗も増えていますが、スタッフによる気配りのある接客は、お客様の満足度を高める大切なポイントです。また、ランチタイムやディナータイムなどの混雑時には、スピーディな対応が求められることもあります。

なお、店舗によっては、簡単な調理や盛り付けなど、キッチン業務の一部を担当することもあります。

接客業で役立つスキル

接客業で役立つ代表的なスキルをご紹介します。すでに持っているスキルがあれば、活躍できるチャンスが広がります。まだ自信がない方でも、お仕事を通じてこれらのスキルを少しずつ身につけていくことができるでしょう。

コミュニケーション能力

接客業で特に大切なのが、お客様との円滑なコミュニケーションです。お客様の話をじっくり聴く「傾聴力」、お客様の表情やしぐさから感情の動きを読み取る「観察力」、「洞察力」などが活かせます。相手が何を伝えたいのか、何を望んでいるのかを想像しながら聴くことが大切です。

そして、話を聴きながらあいづちを打つ、良いタイミングで相手の言葉を繰り返すといった意識を持って接することで、「話をしっかり聴いてくれている」「共感してくれている」と感じてもらえれば、お客様に安心感や信頼感を与えられるでしょう。

このほか、販売系のお仕事では、お客様のニーズをとらえて提案する力も役立ちます。チームで働く職場では、同僚とのスムーズなコミュニケーションも大切です。

柔軟性

お客様からはさまざまな要望や相談が寄せられるため、状況に応じて柔軟に対応する姿勢が大切です。マニュアルが整備されていても、ときにはそれだけに縛られず、お客様のためになる対応を意識したいものです。
特に、老若男女問わず幅広いお客様に接する職場では、同じご案内でも伝え方を変えるといった柔軟性が大切です。

臨機応変に対応できる力

お客様と接したり案内をしたりする場面では、決まったとおりに物事が進まなかったり、予期せぬ要望を受けたりと、イレギュラーな事態やアクシデントが発生することもあるでしょう。そんな場面でも冷静に、状況を見ながら臨機応変に対処する力も大切です。

接客業で役立つ資格

資格がなくても接客業に就くことはできますが、接客の基礎知識やスキルを証明する資格があると、採用時にプラス評価につながることがあります。希望するお仕事の選択肢が広がるきっかけにもなるでしょう。資格取得に向けて学んだ知識は、もちろん実務でも役立ちます。代表的な資格をご紹介します。

接客サービスマナー検定

NPO法人 日本サービスマナー協会が実施する、接客サービスの能力を判定する検定試験です。立ち居振る舞いや接客サービスの基本、ビジネスマナーなどの知識・技能を習得し、ビジネスの世界でお客様に対して好印象を持ってもらえる人材の育成を目的としています。
サービスのレベルに応じて3級・2級・準1級・1級があり、オンラインで受検することも可能です。

リテールマーケティング(販売士)検定

日本商工会議所が主催する、流通・小売業界で唯一の公的資格です。3級では接客や販売に関する基礎的な知識・技能、2級ではマーケティング、マーチャンダイジング、仕入・在庫管理などの専門知識、1級では商品計画をはじめ経営に関わるレベルの問題が出題されます。近年はCBT方式(パソコンでの試験)により、全国のテストセンターで受験できるようになっています。

サービス接遇検定

公益財団法人 実務技能検定協会が主催する検定試験です。サービス業務に対する心構え、対人心理の理解、応対の技術、言葉遣い、態度・振る舞いなどが審査されます。3級・2級・準1級・1級と4つのグレードがあり、全国の主要都市で年3回実施されています。初めての資格取得としても人気があり、学生や未経験の方でも挑戦しやすい内容となっています。

接客業が向いている人の特徴

接客業が向いていると考えられる人の特徴として、以下が挙げられます。

人と関わることが好きな人

人と接したり、話をしたりすることを楽しいと感じる人は、接客業に向いているといえます。さまざまな人との対話を通じ、多様な考え方や価値観に触れられる面白さを味わえるでしょう。

人を喜ばせることが好きな人

人が笑ったり喜んだりする顔を見ることが好きな人、「ありがとう」と感謝されることに喜びを感じる人であれば、やりがいを持って働けるでしょう。「どうすれば喜んでもらえるか」を考えるため、気配りを自然にできる人や、楽しめる人が向いています。

柔軟性が高く、臨機応変に対応できる人

「必要なスキル」でも挙げたとおり、さまざまなお客様と接するなかでは想定外の要望を受けたり、イレギュラーな事態が発生したりすることもあります。お客様やその場の状況に応じて、柔軟に臨機応変に対応できる人が歓迎されます。

身体を動かすことが苦ではない人

仕事内容や職場によっても異なりますが、長時間立ったまま接客をしたり、店舗・施設内を歩き回ったりすることもあるため、身体を動かすことに抵抗がない人が向いているでしょう。

また、シフト勤務の職場であれば生活リズムが一定にならないこともあるため、それをストレスに感じにくい人の方が長く続けやすいかもしれません。

接客業のやりがいと知っておきたいこと

接客業は人と直接関わるお仕事だからこそ、やりがいや魅力を感じられる場面がたくさんあります。一方で、働く前に知っておくと安心なポイントもあります。ここでは、よく聞かれる声をもとに、接客業の「やりがい」と「知っておきたいこと」についてご紹介します。

やりがい

お客様から感謝される喜びを感じられる

直接お客様と接する仕事だからこそ、「ありがとう」「あなたのおかげで助かった」など、感謝や喜びの声を直接聞ける機会があります。「人の役に立てた」という充実感を得られるでしょう。

コミュニケーション力が磨ける

もともとコミュニケーションが得意な人も、人と話すのが苦手なタイプの人も、接客業を経験するなかでコミュニケーション力が磨かれます。接客業で培ったコミュニケーション力や気配りの力は、オフィスワークや営業職など、幅広い仕事で活かせます。さらには、プライベートの人間関係を円滑にするためにも役立つでしょう。

「マルチタスク」の力が身につく

接客業は、お客様と対話しながらも他のお客様や周囲の状況に目を配ったり、商品陳列・在庫チェックなどをしている途中でお客様からの質問に対応したりと、複数の業務を同時に行うことが多い仕事です。
また、職場によっては、売上管理や在庫の入力、POPづくり、レポート作成など、PCを使った簡単な事務作業を担当することもあります。

このような多様な業務を並行して進めるうちに、「マルチタスク」力も自然と身についてきます。

知っておきたいこと

体力的に負担を感じることがある

仕事内容や職場によって異なりますが、店舗・施設内を動き回る仕事の場合、体力的に負担を感じる人もいます。また、長時間の立ち仕事で、足腰がつらくなると感じる人もいます。

「体力には自信がないけれど接客業は好き」という方は、携帯ショップスタッフや会社受付など、カウンターで座ってお客様に対応する仕事を選ぶことも一つの方法です。

勤務時間・休日がライフスタイルとずれることも

長時間営業している店舗や施設などでは、シフト勤務の体制がとられており、「朝出勤」「夕方出勤」など日によって勤務時間が異なることがあります。そのため、生活リズムを一定に保ちたい方にとっては、少し気を配る必要があるかもしれません。

また、土日・祝日に勤務する職場も多く、家族や友人と予定を合わせにくいと感じる場面もあるようです。
一方で、平日にお休みが取れることで、「観光地が空いている」「宿泊料金が抑えられる」といった多くのメリットもあります。

勤務先や働き方によっては、固定シフトの職場や、自分のペースに合った勤務スタイルを選ぶこともできます。
ご自身のライフスタイルに合う働き方を選ぶことで、より心地よくお仕事を続けられるでしょう。

お客様から難しい要望や厳しい意見を受けることもある

お客様からの要望に応えることが難しかったり、厳しい意見やクレームを受けたりすると、ストレスを感じることもあるでしょう。一方で、それらを「良い勉強の機会」として受け止め、自分の成長につなげている人も少なくありません。

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