更新日:2025年5月29日

医療事務と一般事務とでは、仕事内容に違いがあります。

一般事務は、文書や資料の作成、データ入力などのPCを使った業務や、電話・メール対応などが一般的です。一方、医療事務は、来院した患者さんの受付や会計の対応、医師や看護師をサポートするための事務作業などを行うのが主な仕事内容です。

医療事務は勤務先が医療機関に限定されていることから、業界に特化した業務を行うのが特徴といえます。

医療事務の勤務先となる医療機関は、大きく「病院」と「クリニック」に分かれます。

「病院」とは、複数の診療科と、入院可能なベッドが20床以上ある医療機関のことと定義づけられています。そこからさらに、先進的な医療を行う大規模病院（国立病院や大学病院など）と、地域医療を支える中規模以下の病院に分類されます。

一方、「クリニック」とは、入院可能なベッドの数が1～19床の「有床診療所」、あるいは入院用ベッドがない「無床診療所」のことを指します。病院とクリニックは施設の規模が違うため、勤務先によって仕事内容や業務範囲も異なります。

病院やクリニックでの勤務のほかにも、歯科医院や健診センター、健康保険組合、調剤薬局などで働く場合もあります。医療事務の活躍できる勤務先は幅広く、需要も高いため、常に人材が求められるお仕事です。

医療機関の受付窓口で、来院した患者さんの対応をします。診察券や保険証を預かり、予約の確認や簡単な症状の聞き取りも行います。初診の患者さんに対しては、診察券を発行するほか、氏名・住所などの基本情報を記載したカルテを作成するのも受付のお仕事です。

また、電話への対応、予約の受付・管理なども担い、患者さんの一次対応に関わるさまざまな業務を行います。

診察が終わった後、カルテに記入された診療内容をもとに医療費を計算し、明細書を作成します。近年は電子カルテをもとにコンピューターで自動計算するシステムの導入が進んでいますが、その場合も、間違いがないかを目視でチェックします。そして、患者さんからの診療費の受け取り、預かった診察券・保険証の返却、領収書や薬の処方箋の手渡しまで、会計時の一連の対応を行います。

レセプトとは「診療報酬明細書」のことです。医療機関が保険診療を行う場合、患者さんが費用の一部を支払い、残りの費用は患者さんが加入している公的な医療保険が負担します。レセプトは、医療機関が保険組合などに診療費用を請求するために、費用の内訳を示す明細書のことを指しています。

医療機関は患者さんごとに１ヶ月に1度レセプトを作成し、審査支払機関へ提出する必要があり、医療事務の重要な業務のひとつです。患者さんの個人情報、加入している公的医療保険の種類、傷病名、行った処置、使用した薬剤、診療報酬計算に必要な診療報酬点数などの必要事項を記載し、期限である毎月10日までに提出するため、レセプト業務は月初に集中する特徴があります。

近年はレセプト作成もデジタル化が進んでいますが、電子カルテと同様、誤りがないかのチェックをする作業も欠かせない業務です。

患者さんは、病状に対する何らかの不安を抱いて来院します。医療事務が受付業務を担当する場合は、「病院の顔」として最初に対応することになるため、患者さんに安心感を与えられるようなマナーとホスピタリティを持ってコミュニケーションをとることが大切です。患者さんの話に耳を傾け、気持ちに寄り添う姿勢で接するよう意識しましょう。

医療事務のお仕事では、電子カルテなどへのデータ入力、レセプト業務で使用する専用ソフトの操作など、デジタルツールを使う場面が多くあります。高度なPCスキルは必要とされないものの、ミスなく業務を行うには、PCやデジタルツールの操作に苦手意識がない人に向いているでしょう。

医療事務は、診療報酬点数や診療費を計算するなど、数字を扱うお仕事です。複雑な計算というわけではありませんが、数字に強い人に向いています。

また、レセプト提出期限を守る必要があること、個人情報を厳重に管理しなければならないことから、正確で緻密な作業が得意な人は強みを活かせるでしょう。

医療事務は専門性の高いお仕事であるため、「取得必須の資格があるのでは？」と思う方もいるかもしれませんが、医療事務に国家資格はなく、必ず取得しなければならない資格はありません。

一方で、医療事務には民間資格が多数あり、はじめて医療事務にチャレンジする際や転職の時にも、基礎知識を持っていることを明示できるため、資格取得をしておくのがおすすめです。

例えば、医療保険制度や診療報酬請求の幅広い知識と基礎力があることを証明できる資格「医療事務技能認定試験」や、医療・医療保険の知識とレセプト業務に関するより専門的な知識を身に付けていることを証明する資格「医科医療事務管理士(R)技能認定試験」、受付から会計、レセプト作成までの医療事務職として求められる能力を証明する資格「医療事務技能審査試験（メディカルクラーク(R)）」などがあります。

他にも、医療事務のお仕事に特化した資格がいくつもあり、身に付く知識も異なります。それぞれの資格の難易度や特徴を比較し、現状の自分のレベルに合った資格の取得を目指しましょう。

医療事務には独自性はあるものの、取得必須の資格などはなく、未経験からでも挑戦できるお仕事です。一方で、医療事務にはレセプトのような専門業務があるため、知識やスキルを持っている人が歓迎される傾向にあります。

未経験からチャレンジする場合は、医療分野における基礎知識の習得もかねて、積極的に資格の取得を目指すと良いでしょう。

派遣は「未経験OK」のお仕事情報も多く取り扱っており、医療事務がはじめてでもチャレンジしやすい働き方です。派遣会社のサポートを受けながらご希望に合ったお仕事探しができ、就業中もフォローしてもらえるので安心です。

また、それぞれの派遣会社ごとに、さまざまなスキルアップ講座が用意されています。講座をうまく活用することで、医療事務に必要な知識・スキルの習得はもちろん、将来のキャリアアップにもつなげることができるでしょう。

2025年2月度の派遣スタッフの医療事務の平均時給は1,402円です。（ジョブズリサーチセンター「派遣スタッフ募集時平均 時給調査」より）

時給設定は、仕事内容や経験によって変動します。医療事務も他の職種のように、実務経験を積み習熟度を上げることで、時給アップやキャリアアップにつながります。

パソナは医療事務がはじめての方でも安心してご就業いただけるよう、お仕事探しから就業中まで、伴走型でのサポート体制をご用意しています。

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医療事務のほか、未経験でも挑戦しやすいお仕事として「医師事務作業補助者」も人気です。パソナでは医師事務作業補助者のことを「メディカルセクレタリー」と呼称しています。

メディカルセクレタリーは、OA事務、営業事務、秘書や受付といったこれまでの経験を活かすことができ、未経験からでもチャレンジしやすいお仕事です。隔月で「メディカルセクレタリー養成講座」も開催しており、お仕事に必要な知識を実践に即して学ぶことができます。

医療事務は、患者さんをはじめとする多くの人の助けになるお仕事です。大きなやりがいを感じるとともに、専門的な知識が身に付き、自身の成長にもつながります。

医療事務のお仕事が気になる方はぜひ、お仕事情報をチェックしてみてください。

そして、医療業界に関わるお仕事は、医療事務、医師事務作業補助者だけでなく、そのほかにもさまざまな種類があります。

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