MYPAGEコミュニティ『WeShare Beauty』vol.82

花粉症・季節の変わり目に活用できるハーブ

みなさん、こんにちは。今回、編集部からお届けするのは、4回目となるハーブにまつわるお話です。前回に引き続き、ハーバリスト兼ブランドプロデューサーのフローレンスめぐみさんをお迎えして、花粉症や季節の変わり目に活用できるハーブについてご紹介します。

ハーブってそもそも何?

こんにちは、フローレンスめぐみです。以前の記事でもご紹介させていただきましたが、実は、ハーブには種類など細かく定めた規定はなく、一般的に「生活に役立つ植物」とだけ定義されています。具体的には、私たちの健康をサポートする薬効成分や栄養成分などをたくさん含んでいる植物のことを言います。ピンポイントで症状を治す薬とは違い、様々な成分がそのまま体に入ることで、体や心に総合的に働きかけていくのがハーブです。
最近では、西洋医学と併用しながら不調を改善していくことを目指す「ハーブ外来」なども増えています。私が今拠点を置くシンガポールのトムソン病院では、生活習慣改善のひとつとして、また、出産後の体のサポートや授乳量アップサポートなどにも使用され、医師がハーブを取り入れることを勧めています。

花粉症対策にハーブを

春は嬉しい季節だけど、花粉症のことを考えるだけで気分が憂鬱になるという方も多いですよね。花粉症は、スギやヒノキなど植物の花粉が、目や鼻などの粘膜に付着することで引き起こされる症候群です。みなさんもご存知のように、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、充血などの症状があり、のどや皮膚のかゆみ、下痢や熱っぽさを感じる方もいます。日本人の約25%が花粉症だと言われていて、今後もさらに増加傾向だと予想されています。
花粉症の方にもオススメしたいのが、ハーブを使ったケアです。ハーブには、花粉症対策をはじめ、心を落ち着かせるリラックス効果や、心身のリフレッシュ効果なども期待できます。また、花粉が飛散する前から対策することで、花粉症の症状を緩和することもできます。

自然治癒力に働きかける「ネトル」

毎日の生活に簡単に取り入れられて、安心、安全で、花粉症対策に効果が期待できるハーブを紹介していきましょう!
まずは、「ネトル」です。「ネトル」の葉や茎にある細かいトゲには、鼻づまりや目のかゆみといったアレルギー症状を引き起こすヒスタミンという成分が含まれています。こう聞くと、かえって逆効果のような気がしますが、「ネトル」に含まれる微量のヒスタミンを摂取することで、アレルギー反応が和らいでくるという、人の自然治癒力に働きかける治療法の一例なのです。
また、鉄分を含んでいることから、貧血予防にも効果的と言われるハーブです。鉄分はビタミンCといっしょに摂ると吸収されやすくなるので、ビタミンCを豊富に含むローブヒップなどのハーブと組み合わせるのもオススメです。サプリメントも販売しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。

万能薬といわれる「エキナセア」

続いてご紹介するのは、「エキナセア」です。2000年以上の歴史があり、北米のネイティブ・インディアンにとっては、万能薬として重宝されたハーブで、古来から風邪の薬や、毒蛇に噛まれた時の対処に使われたと伝えられています。免疫力を高める働きが優れていて、花粉症にも効くと言われています。また、抗ウイルス作用や抗感染作用があるため、風邪やインフルエンザの予防、ヘルペスなどのあらゆる感染症予防に効果的と言われ、治りにくい傷には外用としても使用できます。
エキナセアティーは味にクセがないので、単体でも美味しいのですが、他のハーブとのブレンドもオススメです。お好きな香りのハーブや、ミント、レモングラスなどとブレンドすると、味も香りも引き立ちます。

外出時もハーブを使った花粉症対策

最後に、外出の際、簡単にできる花粉症対策をご紹介します。ペパーミントやティートリー、ユーカリなど清涼感を感じられるアロマオイルをハンカチに少量染みこませて携帯するだけ。鼻がムズムズした時に嗅いでみると、スーッとして不快感が和らぎます。また、着用するマスクに吹きかけたい時は、100円ショップで売っている100mlのスプレーボトルを使いましょう。アロマスプレーの作り方は、

  1. 沸騰したお湯にアロマオイルを垂らす
  2. 1を冷まして、スプレーボトルに入れる。最後に無水エタノールを入れる。

自分で作ったスプレーボトルは、冷蔵庫で保管し、2~3日中に使い切りましょう。花粉症は一度発症したら治らないとも言われますが、症状を軽く抑える対策をして、かしこく乗り切りましょう。

自然に触れるハーブ摘み体験

いかがでしたでしょうか?ここで、今回、ハーブの効果を教えてくださった、フローレンスめぐみさんの活動についてご紹介します。めぐみさんが立ちあげたハーブティーブランド「ホワイトツリー オーガニックハーブティー」は、人工香料や砂糖、カフェインは一切不使用の100%自然素材で作るハーバルティーです。大地の恵みを守り、持続可能な地域社会を築く循環型商品を掲げるほか、使用原料やティーバッグにもこだわり、自然へと還る自然由来の素材を使用。環境負荷を少しでも軽減することを目指しています。
このような取り組みからご縁が生まれ、現在、埼玉県小川町の農家・高橋知宏さんのサポートのもと、休耕地を再利用した無農薬ハーブ栽培「ホワイトツリー自社農園作りプロジェクト」もスタートしました。環境省保全活動の一環として、イベントも多数開催される小川町。2019年5月初旬には、ホワイトツリー主催のカモミール摘みツアーも実施予定です!親子での参加も可能ですよ。
また、2019年4月4日(木)~10日(水)まで、渋谷ヒカリエB2イベントエリアにて、期間限定でホワイトツリーのショップを出店!オーナーであるめぐみさんもシンガポールから来日し、お客さまにカウンセリングをしてくれます。ハーブをご自身のライフスタイルに取り入れてみたいと考えていらっしゃる方は、ぜひ足を運んでみてくださいね。

まとめ

ハーブは、穏やかな作用で心と体をサポートし、視覚、嗅覚、味覚などで癒し効果が期待できることが魅力です。食品の一種なので、手軽に毎日の生活に取り入れることもできます。基礎知識さえ身につければ、自由に料理やコスメなどに使って楽しめますので、ぜひ一度ハーブに触れてみてくださいね。

  • 効果には個人差があります。体に合わないと感じた場合は、中止してください。また、妊娠中や持病がある方は、かかりつけの医師に相談のうえ、お試しください。
  • ハーブは作用が穏やかで、比較的安心してお使いいただけるものです。しかし、体調や体質によっては合わない種類があり、注意が必要です。特に妊娠中の方、授乳中の方、疾患のある方、アレルギーのある方、薬を服用している方は、使用できないハーブがあります。心配な症状のある方は、あらかじめ医師に相談しましょう。

プロフィール

フローレンスめぐみさん

美容健康ブランドWHITETREE HEALTH AND BEAUTY 代表取締役。『幸せの循環を作る』をビジョンに掲げ、世界中の生産者から消費者まで関わる人が笑顔になるブランド作りを実施。女性のライフスタイルに合わせた高品質有機ハーバルティーは世界5カ国でグローバル展開。個人執筆やコラム連載、監修等で活躍する傍ら、様々なブランドのコンサルティング、日本各地の農地活用を掲げ、ハーブ園及びツーリズムも計画中。2018年11月内閣府主催アジア太平洋輝く女性の交流事業「つなぐ、架け橋」—アジア・太平洋で活躍する女性起業家たちーにて、シンガポール代表のアドバイザーとして招致される。著書『ココロとカラダを癒す ハーブを楽しむ暮らしのレシピ』(朝日新聞出版)を出版。