保険事務とは?
生保・損保の仕事内容、向いている人などを紹介

更新日:2025年10月10日

制作:パソナ編集部

保険事務のお仕事について、「生保・損保の仕事内容の違いは?」「資格は必要?」など、疑問をお持ちの方もいるでしょう。保険事務は専門的で難しそうというイメージを持たれがちですが、未経験の方でもチャレンジできる環境もあります。

今回は、保険事務の仕事内容や求められるスキル、やりがいや向いている人について、紹介します。

保険事務とは

保険事務とは、保険会社や保険代理店で行われる、生命保険や損害保険に関する事務全般のことを指します。
営業部門をサポートし、顧客が安心して保険を利用できるようにするための重要なお仕事です。

生保・損保の違い

保険には、生命保険(生保)と損害保険(損保)の2種類があります。
それぞれ特徴も異なるため、違いを理解しておくことが大切です。

生命保険

人の生死や病気に備える保険。死亡や入院などの際に、契約内容に応じた金額を給付する「定額給付」が基本です。長期的な契約が多く、契約期間は10年~終身まで幅広くあります。

損害保険

事故や災害などによる損害を補償する保険。自動車保険や火災保険などがあり、損害額に応じて保険金を支払う「実損てん補」が基本です。1年ごとの更新契約が多く、中には旅行保険のような一時的なものもあります。

保険事務の仕事内容

保険事務の具体的な業務内容について、生保事務と損保事務に分けて紹介していきます。

生保事務の仕事内容

生保事務の仕事内容は部門によって異なりますが、主な業務内容には以下のようなものがあります。

  • 新規契約の手続き
  • 契約内容の変更手続き
  • 保険金請求に関する書類送付
  • 保険金支払額の算出と支払い手続き
  • 顧客からの問い合わせ対応、不備確認
  • データ入力、ファイリング

生命保険会社では担当部門が分かれていることが多く、新規契約に関する部署なら申込書類のチェック、契約保全に関する部署なら名義変更・住所変更の手続きといったように、所属部署によってお仕事内容が異なります。

損保事務の仕事内容

損害保険会社での勤務の場合、仕事内容は部門によって異なります。ここでは、営業部門、損害サービス部門、コールセンター部門の業務内容をそれぞれ紹介します。

営業部門では、主に以下のような業務があります。

  • 申込書などの書類チェック
  • 契約者や代理店からの問い合わせ対応
  • 自賠責保険の契約手続き
  • データ入力、ファイリング、各種書類の発送や受付

損害サービス部門では、主に以下のような業務があります。

  • 事故受付、事故情報の登録
  • 契約者や事故の相手先、関係各所との連絡・調整
  • 保険金請求に関する書類送付
  • 保険金請求書や診断書などの確認
  • 保険金支払額の算出と支払い手続き

コールセンター部門では、主に以下のような業務があります。

  • 保険商品や契約に関する問い合わせ対応
  • 担当部門への引継ぎ
  • 代理店からの問い合わせ対応、ヘルプデスク対応

代理店での勤務の場合は、保険の書類作成から計上、各種契約関連の手続き、電話を含む顧客対応などを行うことがあります。

保険事務の仕事のやりがい・魅力

保険事務として働くことには、どのようなメリットがあるのでしょうか。やりがい・魅力をご紹介します。

専門知識が身につく

保険の商品内容や専門用語など、日々の業務を通じて多くの知識を身につけることができます。契約内容や保険金の手続きなど、実務の中で制度や法律の理解も深まり、幅広い知識の習得が可能です。
会社によっては資格取得の支援を行っている場合もあり、未経験からでも学びながら資格を取得できる環境が整っています。
専門的な知識や資格を取得することで、将来のキャリアアップにもつながります。

人の役に立てる

保険事務は、病気や事故など、お客さまの万が一のときを支える大切な仕事です。お客さまが不安に感じているときに寄り添い、迅速な対応をすることで、お客さまの安心にもつながります。給付金や保険金の手続きを通じて感謝される場面も多く、人の役に立つ実感を得られるやりがいのある仕事です。

保険事務の仕事で大変なこと

保険事務はやりがいのある仕事ですが、業務の特性上、大変だと感じる場面もあります。
ここでは、よく挙げられる2つの理由をご紹介します。

勉強をし続ける必要がある

保険事務では商品知識や関連する法律など、幅広い知識の習得が必要です。入社時は研修などを通して身につけていきますが、慣れるまでは時間がかかる人もいるかもしれません。また、保険商品は改定されることも多く、業務に慣れてからも情報をアップデートしていく必要があります。

突発的に忙しくなることがある

部門によっては、突発的に忙しくなることがあります。事故や災害が発生した際には、問い合わせや保険金請求が急増し、対応に追われることがあります。通常は落ち着いた業務でも、突発的な対応が必要になる場面ではスピーディーな対応が求められます。

保険事務に必要なスキルと資格

保険事務は、未経験の方でもチャレンジできるお仕事ですが、次のようなスキルや資格があると業務に活かすことができるでしょう。これから保険事務をはじめてみたいという方はぜひ参考にしてみてください。

PCスキル

保険事務では、契約情報の入力や書類作成など、日常業務の多くがパソコンを使って行われるため、ExcelやWordなどの基本的なPC操作が必要とされます。特にExcelでのデータ管理や関数の活用ができると、業務効率の向上ができるでしょう。

正確性

契約内容や金額などの細かい情報を扱うため、ミスのない正確な処理が求められます。一つのミスが大きなトラブルにつながることもあるため、正確性は非常に重要な要素です。書類やデータに不備がないかの確認を丁寧に行う姿勢が大切です。

コミュニケーション能力

保険事務では、お客さまや代理店からの問い合わせ対応など、さまざまな境遇の幅広い年代の人と関わるため、信頼感を持ってもらえるような丁寧な対応が必要です。また、社内では他部署の人と関わる機会も多く、円滑に業務を進めるためにもコミュニケーション能力は大切です。

あると有利な資格

保険事務のお仕事に就くために必須とされる資格はありませんが、入社後に必要になる場合があります。
生保事務の場合は「生命保険募集人資格」、損保事務の場合は「損害保険募集人資格」を取得すると、業務理解が深まり、より専門性の高いお仕事に就くなどのキャリアアップにもつながります。
これらの資格は、入社後に会社の研修や業務を通して受験することも可能です。

保険事務に向いている人

保険事務に向いているのは、どのような人なのでしょうか。
保険事務に向いている人の特徴としては、以下の3つの点が挙げられます。

正確に・素早く業務を進められる人

保険事務では、契約や金銭に関する業務が多く、ミスや漏れがあると必要な補償が受けられない、あるいは給付金が支払われない事態になることもあるため、正確さが重要です。
また、お客様からのお問い合わせや保険金の支払いではスピードが必要なため、正確に素早く対応できる人に向いています。

コミュニケーション能力が高い人

保険事務は、お客様対応や社内外の関係者とのやり取りが多く、円滑なコミュニケーションが欠かせません。電話やメールでの問い合わせ対応、書類の不備確認など、丁寧でわかりやすい説明が求められる場面もあります。相手の立場に立って対応できる人や、周囲の人と協力して働くことができる人は向いていると言えるでしょう。

継続して学ぶことができる人

保険事務の仕事では、保険制度や商品内容が定期的に変更されるため、業務に慣れてからも新しい知識を身につけていく必要があります。そういった変化を前向きに受け止め、意欲的に学ぶことができる人にはとても向いており、長く活躍できる職種と言えます。

保険事務のキャリアパス

保険事務の仕事を通じて得られる経験やスキルは、将来のキャリアにも大いに役立ちます。保険事務の仕事を経験し、スキルアップしていくことで、将来的に以下のような 可能性が広がります。

専門性を高める

保険事務で得た専門的な知識や経験を活かして、長く活躍している方は多くいます。
経験必須で募集をしている求人も多数あるため、転職の際の強みにもなります。生保・損保募集人資格を取得することで、より専門的な業務へと幅を広げ、長期的にスキルを磨きながらキャリアアップをして働くことができます。

他の業界・職種への転職

保険事務の経験を活かして、銀行・証券・クレジットなど金融業界の中での就業・転職もしやすくなります。
また、保険事務での機密情報の取り扱い経験や、正確性重視の事務経験は、他の業界でも高く評価されるため、他業界への転職でもアピールできるでしょう 。

初めての保険事務のお仕事は派遣がおすすめ

保険事務のお仕事は難しそうと感じている人もいるかもしれませんが、未経験から挑戦でき、専門知識を身につけて長く活躍することができます。
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保険事務でよくある質問(FAQ)

保険事務とは具体的にどのような仕事をするのですか?

保険事務の仕事は、契約手続き、保険金の支払い処理、顧客対応、書類作成などがあります。
生命保険と損害保険で業務は異なりますが、どちらも顧客が安心して保険を利用できるようにするための重要なお仕事です。

保険事務の仕事に向いている人はどんな人ですか?

保険事務は、契約や金銭に関する業務が多く、お客様や社内外の人とやり取りすることもあるため、正確に業務ができる人、コミュニケーション能力が高い人が向いていると言えます。
また、保険商品や制度の変化にも対応し、意欲的に学ぶことができる人も向いています。

保険事務に必要なスキルや資格には何がありますか?

保険事務では、WordやExcelなどの基本的なPC操作スキルが必要とされます。
事務処理の正確性や円滑なコミュニケーションスキルも重要です。
必須の資格はありませんが、生命保険募集人資格や損害保険募集人資格を取得すると、業務の幅が広がり、キャリアアップにもつながります。

この記事の監修者

パソナキャリアコーチ

派遣営業や登録担当などを経験した後、国家資格2級キャリアコンサルティング技能士を取得し、現在はキャリアコーチ統括室に所属。 これまで20年以上にわたり、スタッフの方々の就労に向けた多様な働き方の提案や、キャリア形成のサポートをしています。
また、パソナ「ワークライフファシリテーター資格」も取得し、一人ひとりの自律的なキャリア構築やライフプラン設計の支援もしています。

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