CADオペレーターとは?
仕事内容や働くメリット、向いている人の特徴を解説

更新日:2025年9月4日

制作:パソナ編集部

「CADオペレーターってどんなお仕事なのかな?」
「未経験だけどチャレンジできるのかな?」

CADオペレーターに興味があるものの、はじめてで不安があるという方もいるのではないでしょうか?

この記事では、CADオペレーターの具体的な仕事内容や活躍できる業界、必要なスキル、お給料事情などを詳しく解説します。

CADとは?

CADとは、Computer-Aided Designの略称のことで、「コンピューター支援設計」という意味です。建築や機械、電気製品などの図面をパソコンで作成・編集するシステムの総称を指します。

建設業や製造業では欠かせないシステムであり、手書き製図からデジタルへと移行したことで、正確で美しい図面を効率的に作れるようになりました。

CADには平面図を描く「2D CAD」と立体的な図面を描く「3D CAD」があり、2D CADは平面での設計表現に、3D CADは3次元での確認やシミュレーションに活用されています。

CADオペレーターの仕事内容

CADオペレーターは、CADソフトを使って設計図を作成・修正・管理するお仕事です。設計者のアイデアをもとに正確な図面を仕上げ、ものづくりの現場を支えます。

日々の業務は、主に以下の3つに分かれます。

・設計図面の作成
・設計図面の修正
・図面やデータの管理

それぞれの詳しい仕事内容を紹介していきます。

設計図面の作成

図面作成は、設計者が手書きで描いたスケッチやアイデアを、CADソフトを使ってデジタル図面に仕上げる作業です。

たとえば、建築分野ではAutoCADを用いて建物の間取り図や外観図を作成し、製造業ではSOLIDWORKSやCATIAを活用して部品図や組立図を設計します。

はじめは簡単な修正作業から始まりますが、経験を積むことでゼロから図面を作成できるようになります。完成した図面が実際の建物や製品になる瞬間は、大きなやりがいを感じられるでしょう。

設計図面の修正

プロジェクトが進む中で、お客様からの要望や現場での問題により、図面の修正が頻繁に発生します。設計者からの「この部分を変更してください」という指示に基づき、CADで図面データを調整するのが図面修正の業務です。

「部屋の大きさを変更する」「材料を別のものに変える」など、具体的な指示に従って、正確かつ迅速に作業を進めます。

図面やデータの管理

データの管理は、作成・修正した図面ファイルを、決められたルールに従って整理・保管する作業です。1つのプロジェクトで何百枚もの図面が作成されるため、きちんと管理しないと「どれが最新の図面かわからない」という問題が起こります。

ファイル名をわかりやすく付けたり、修正履歴を記録したりして、チーム全体が効率良く仕事を進められるようサポートします。

CADオペレーターが活躍できる業界と仕事内容

CADのスキルはさまざまな業界で求められており、活躍の場は多種多様です。

業界別の特徴や具体的な仕事内容について詳しく解説します。

建築業

建築業は、住宅やオフィスビル、商業施設といった、私たちの暮らしに身近な建物の設計全般に関わる、CADオペレーターが活躍する代表的な業界です。設計事務所から大手ゼネコンまで、多くの企業でCADスキルが求められています。

具体的には、建築士の指示のもと、建物の平面図、立面図、断面図といった基本設計図や、詳細な情報を示す実施設計図の作成・修正などの業務を行います。

建築分野では、AutoCADやRevitといったソフトの使用が代表的です。

メーカー(家電、自動車など)

メーカーは、自動車や家電、スマートフォンといった製品から、それらを構成する電子機器、半導体製品に至るまで、私たちの身の回りにあるあらゆるモノを開発・製造する業界です。立体的な3D図面のスキルが重視される傾向にあり、製品のデザインや品質に直接関わります。

主な業務は、デザイナーやエンジニアの指示に従い、SOLIDWORKSやCATIAなどの3D CADソフトを使って製品の部品や、組み合わせたモデルを作成することです。

電子・半導体分野では、微細な配線や回路レイアウトを扱うため、OrCADやAllegroといった専用のソフトが利用されることもあります。

機械業(工作機械、装置系など)

機械業は、工場の産業用ロボットや精密な工作機械など、機械そのものを設計する業界です。

機械は何万点もの精密な部品がミリ単位の精度で組み合わさって動作しており、 SOLIDWORKSやCATIAなどの3D CADソフトを使い、部品同士がぶつからないか、設計通りの性能を発揮できるかをパソコン上で確認する業務を行います。

設備業

設備業は、建物の中の空調、電気、給排水、消防設備といった、人々が快適かつ安全に過ごすために必要な設備を設計する業界です。

具体的には、限られたスペースに空調ダクトや水道管、電気配線などを効率的に配置する設計図を作成する業務を行います。

設備設計では、AutoCADや設備専用のRebroといったソフトが現場で活用されています。

土木業

土木業は、道路、橋、ダム、トンネルといった、人々の生活に不可欠な社会基盤(インフラ)の設計・施工に関わる業界です。CADオペレーターは、造成計画や道路設計など、ダイナミックなプロジェクトに携わります。

具体的には、AutoCAD Civil 3DやJw_cadといった土木向けソフトを利用して、広大な土地の測量データをもとに、地形図や構造物の詳細図を作成する業務を行います。

CADオペレーターとして働く3つのメリット

1.幅広い業界で活躍できる

CADのスキルは建築、製造、土木など、ものづくりに関わる幅広い業界で必要とされています。複数の業界で経験を積むことももちろん可能です。

たとえば、建築業界で基礎を学んだ後、より高度な知識が求められる製造業界にチャレンジしたり、大規模プロジェクトに関わるために土木業界に挑戦したりと、キャリアの選択肢が豊富です。

2.専門スキルが身につく

CADのスキルは、一度身につければ大きな武器になる専門技術なので、市場価値の高い人材として活躍できます。「手に職をつけたい」と考える方にぴったりの職種です。

また、経験を積むほど高度なお仕事を任されるようになり、大きなやりがいを感じるともに、収入も着実に上がっていきます。

業界ごとにAutoCAD、SolidWorks、CATIAなど専用のソフトがあるため、複数のソフトが扱えるようになれば、応募できるお仕事の幅も広がるでしょう。

3.在宅や柔軟な働き方も可能

CADオペレーターのお仕事は、基本的にパソコン1台で完結するため、在宅ワークやフレックス勤務など、柔軟な働き方を実現しやすい職種です。

近年はクラウド技術の発達により、自宅からでも会社のデータにアクセスして作業できる環境が整ってきています。

結婚や出産、介護などのライフイベントに合わせて働き方を調整しやすい点は、大きなメリットといえます。

CADオペレーターに向いている人の特徴

地道で細かい作業をコツコツ続けられる

CADオペレーターのお仕事は、パソコン画面で細かい線を引いたり、数値を正確に入力したりする作業が中心です。緻密な業務も多いですが、地道な作業の積み重ねが、美しく正確な図面となります。

プラモデル作りや手芸、パズルなど、細やかな作業に集中して取り組むのが好きな方に向いているでしょう。

図面やものづくりへの興味関心が高い

CADオペレーターは、図面を通じてさまざまな構造や仕組みを学べるため、ものづくりの知識が自然と身につくお仕事です。

「この建物はどうやって建てられているんだろう?」「この製品はどんな仕組みなんだろう?」といった、ものづくりへの好奇心がある方に向いています。

また、わからないことを調べたり、新しい知識を覚えたりすることが楽しいと感じる方にとっても、やりがいを感じられるお仕事でしょう。

高い集中力と正確性を維持できる

図面は、建設や製造の現場で使用される重要な資料であるため、正確性が求められます。

「一つひとつの業務が丁寧」「ミスが少ない」と言われることが多い方は、CADオペレーターのお仕事で力を発揮できるでしょう。

設計者と連携するコミュニケーション力がある

一人でパソコンに向かうイメージが強いCADオペレーターですが、実際には設計者やチームメンバーと円滑に連携するためのコミュニケーション能力が重要となります。

具体的には、設計者の指示を正しく理解すること、不明点があれば「ここはこういう意図でよろしいでしょうか?」と質問・確認することなど、対話が大切です。

CADオペレーターは、チームワークを大切にし、周囲と協力してお仕事を進めることにやりがいを感じる方におすすめです。

CADオペレーターに必要なスキル

CADオペレーターとして働くために必要なスキルは、実はそれほど多くありません。

基本的なパソコン操作に加えて、実務に通用する専門知識を学んでいくことが大切です。

CADの知識・技術

CADの操作スキルは、設計者のアイデアを誰もが理解できる図面にするうえで必要なスキルです。

CADオペレーターは資格取得が必須というわけではありませんが、次の資格を取得することでCADの知識が深まり、より幅広いお仕事にも携われるでしょう。

・CAD利用技術者試験
・建築CAD検定試験
・3次元CAD利用技術者試験
・AutoCAD認定資格

業界の知識

業界のルールや常識を理解することで、より正確な図面作成が可能となります。

具体的には、建築業界なら建築に関する知識、機械業界なら材料や加工法の知識、電気設備業界なら電気回路図の読み方などの知識があると良いでしょう。

事務スキル

CADの専門スキルに加えて、書類作成やメールでのやり取りなどの事務スキルが必要です。

具体的には、作成した図面に添付する送付状や報告書を作成したり、表計算ソフトを使って修正履歴や部品表を管理したりします。

一般的なオフィスワークで必要とされる、基本的なパソコン操作が習得できていると安心です。

CADオペレーターのお給料事情

厚生労働省の職業情報提供サイトに掲載されている2024年度のハローワークの求人統計データによると、CADオペレーターの平均月収(月額の求人賃金)は28.1万円です。

経験年数に応じて、平均月収も高くなっていきます。

経験年数 平均月収(万円)
0年 23.22万円
1~4年 25.95万円
5~9年 27.29万円
10~14年 29.46万円
15年以上 34.34万円

派遣でCADオペレーターとして働こう

CADオペレーターは、未経験からでも比較的挑戦しやすく、経験やスキルを身につければ長く活躍できる職種です。細かい作業が好きで、ものづくりに興味がある方にはとくに向いています。

一方で、未経験からのチャレンジに「不安がある」という方もいるでしょう。そうした方には、派遣がおすすめです。

派遣は、お仕事の紹介はもちろん、就業開始後のサポートも手厚いのが特徴です。お悩みがある時は都度相談できる体制が整った派遣会社も多いため、安心してキャリアを積んでいけます。

パソナでは、あなたに合ったお仕事探し、就業サポートを通じて、新しいキャリアのスタートを応援します。

まずは、派遣のCADオペレーターのお仕事情報をチェックしてみてください。

CADオペレーターの求人一覧

この記事の監修者

パソナキャリアコーチ

派遣営業や登録担当などを経験した後、国家資格2級キャリアコンサルティング技能士を取得し、現在はキャリアコーチ統括室に所属。 これまで20年以上にわたり、スタッフの方々の就労に向けた多様な働き方の提案や、キャリア形成のサポートをしています。
また、パソナ「ワークライフファシリテーター資格」も取得し、一人ひとりの自律的なキャリア構築やライフプラン設計の支援もしています。

派遣コラム おすすめ記事