翻訳のお仕事解説

翻訳の仕事とは?

翻訳は、英語を使った専門職のひとつです。グローバル化や変化の波を受けて、その仕事域は拡大しています。またこれまで以上に、高い技術とスピードが要求されるようになっているそうです。翻訳という仕事に欠かせない資質、学習方法、将来性などについて、パソナのワーキングアドバイザーがお答えします。

翻訳は、英語を使った仕事の代表格です。希望者は多いのでは?

そうですね。英語を使ったお仕事を希望される方は多いですね。
でも英語はあくまでもコミュニケーションの手段にすぎません。大切なのは、英語を使って何がしたいのかということ。
また翻訳とひと言で言っても、映画の字幕や小説の翻訳をはじめ、論文やレポート、企業内での翻訳など、仕事のジャンルは幅広くあります。

派遣では、社内資料の翻訳が中心業務と聞きましたが。

加えて昨今は、英語の資料をざっと斜め読みして、そこから必要な情報だけを引き出すという仕事も増えています。
それぞれの仕事内容によって、勉強法は異なりますが、まずは自分に向いていること、関心のあることから始めるのが、ファーストステップだと思います。

通訳と翻訳で、求められる資質の違いは?

通訳は、瞬間、瞬間の判断が求められます。それに対して翻訳は、じっくりと行間を読み、作者または書き手の意図をくんでふさわしい表現を追求していく仕事です。仕事の結果が活字となり後に残るので、より精緻な理解と表現が求められるといえるでしょう。

それには英語力はもちろん、表現力が必須ですね。

母国語以上の表現力や思考力を、外国語で実現するのは不可能です。
それは視点を変えると、自身の母国語が深まれば深まるほど、外国語においての表現力も比例して、深めていけるということだと思うのです。

グローバル化の進む現在、翻訳業務は増えていますね。

そうですね。派遣のご要望は多くいただきますね。特徴としては、今は、スピードが要求されること。
先ほど翻訳は「じっくり」と区分しましたが、派遣の翻訳は企業のスピードに合わせて、高い作業効率が求められています。

短時間で、原文を読みとり的確に表現するだけではなく、
それをまとめあげてプレゼンしなくてはならないのですから・・・。

業務内容に応じて、具体的に落とし込んでいける力が必要です。
さらに最近では英文をサマライズし、日本語で資料を作成する仕事も増えています。
翻訳力にプラスして、資料作成能力も求められているのです。

翻訳とは、まさに匠の世界。日々の鍛錬が欠かせませんね。

どのような分野の知識と経験を持ち、日々どんな勉強をしているかが、その人の読解力・翻訳力を左右します。
そして適宜、実力をチェックすること。
パソナでは、翻訳スタッフのスキルを希望に応じて確認する「トライアル」を、月に1度ほど実施しています。
実務に就いている人でも、1年前と比較してどれくらい成長したか、チェックする事ができます。

出発点として、専門学校で学ぶ方がよいでしょうか。

やはり翻訳専門のスクールで学ぶことをお奨めしたいですね。
基本を身につけると、5年後、10年後に大きな差が出てくるからです。
学校では、スキルやリサーチ方法などのノウハウだけでなく、勉強法やヒントも学べます。

土台作りはしっかりと。
これから翻訳者をめざす人へのアドバイスとして、今後期待される業界をあげるなら?

今は変化のスピードがとても速く、その時々でニーズも変わるため、今後期待される業界の特定は困難です。
でもひとつ言えることは、経済は全ての基本になっているということ。
特にビジネス、ファイナンス分野は、時代を問わず、必要な分野です。
それにプラスして、自身の興味と時代の趨勢から判断し、1~2分野を選ぶのが良いのでは。

新聞を読むなどし、意欲的に経済にふれるべき、と。

あわせて、常に自分のパフォーマンスについての客観的な評価を得るようにすることも、大切です。
その方が着実に、ステップアップに繋がります。周囲から、クオリティやスピードについての評価をフィードバックしてもらううちに、自分の市場価値を見極められるようになるからです。

評価を怖がっていては、自己満足に終わる危険性もあるということですね。

時代の流れと共に、求められる内容・レベルは変わっていきます。また近年はより高いクオリティが求められています。
でも、積極的に学ぶ姿勢を持っていれば、1年でより高いレベルに到達できると思います。

ところで、最近は翻訳ソフトも高レベルになっています。
いつか、翻訳者は不要になるのでしょうか。

文学的な表現はともかく、産業翻訳や簡単な内容ならば、あり得るかもしれません。
最近は、何段階か作業を経て、最後に人の手を借りて完成させるソフトもあるようです。
やがては、その翻訳ソフトを使いこなすスキルが求められるかもしれません。

将来は、より高次の仕事をこなす人と、ソフトを使って訳していく人と、翻訳者の職種も二分化されるのかもしれません。
いずれにしてもより幅広い視野で、綿密な将来設計を立て、ステップアップしていくことが必要だということですね。

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