4年に一度!『国際航空宇宙展』 トークイベント登壇

2016年10月12日~15日に開催された『国際航空宇宙展』。
4万人を超える方が来場され、出展企業も過去最大規模となった今回、パソナ宇宙事業プロジェクトがイベント内で登壇しました。
テーマは『未来の宇宙のお仕事』です。
プロジェクトリーダーの小野が講演した内容について、特別版WEBレポートとしてお届けします。

『やってみたい!未来の宇宙のお仕事』

「やってみたい!未来の宇宙のお仕事」と題し、これから生まれる新しい宇宙のお仕事について皆さんと一緒に考えました。

今回はWebアンケートを実施し、483名の方にご回答していただいた結果を発表しました。回答者は、主に20~40代の働く世代が中心です。80%以上の方が「宇宙に興味がある」と答えたものの、現在宇宙とはあまり触れることの無いお仕事に従事している方が約95%でした。

既に実現しはじめているお仕事がランクイン!

未知なるお仕事も多くありますが、実際に企業が開発し始めているお仕事もあります。
まず、29位の宇宙3Dプリンティングです。新たに宇宙で必要なモノが生じた際、今までは次のミッションでロケットに積んでISS(国際宇宙ステーション)まで運ばなければならず、到着までに何カ月もかかっていました。そこで、「必要なモノは宇宙でつくってしまえ!」という発想が出てきました。カリフォルニアにあるMade In Space社では、地上でパーツを設計し、そのデータをNASA(アメリカ航空宇宙局)経由でISSに送り、宇宙飛行士が3Dプリンタから出力するということを2年前に成功させています。更に研究・開発が進歩すれば、設計のお仕事をしている人のもとに宇宙から発注が来るようになるかもしれません。

続いて、回答者の関心が高いところにある職が27位にランクインしました。宇宙機器設計・製造・開発はいわゆる衛星やロケットの開発を行うお仕事です。昨今アメリカの宇宙ベンチャー企業の成長がめざましいですが、日本のベンチャー企業も着々と開発を進めています。例えば、超小型衛星の開発を行い、JAXAからも業務を受託している「株式会社アクセルスペース」、堀江貴文氏がスポンサーを務める「インターステラテクノロジズ株式会社」、航空宇宙産業が有名な名古屋で、新しい形のロケットを開発する「PDエアロスペース株式会社」といった企業が上げられます。これからの動きに目が離せませんね。

14位の宇宙データマップ製作は、衛星により取得した地上のデータを活用して、農業や漁業の効率化や、地図・位置情報のアプリに活用するお仕事です。衛星データ以外のビッグデータと組み合わせることで、さらなる用途の拡大が期待されます。

トップ10にはエンターテインメントや暮らしに近いお仕事がランクイン!

9位には宇宙警察官がランクインしました。今、宇宙の環境問題として、宇宙空間で制御不能になった人工物「スペースデブリ(宇宙ゴミ)」の問題が叫ばれています。漫画『プラネテス』でもスペースデブリの回収を行う主人公たちのストーリーが描かれていますが、地上でデブリや宇宙船の動きを監視したり、宇宙空間でレスキュー活動を行ったりする「宇宙警察官」が、今後活躍するかもしれません。

5位の宇宙農業も、これからの拡大が楽しみなお仕事です。宇宙で農産物を育てることは、食料品の運輸費を削減するだけでなく、新鮮な野菜を食べられることや、閉鎖的な宇宙空間に緑が身近にあることで得られるリラックス効果にも繋がるメリットがあります。昨年8月には、宇宙で2回目の野菜の栽培が行われました。宇宙で育てられた野菜を宇宙飛行士が口にしたのは、このときが初めてです。ちなみに、パソナの社内にも同じように養分や光で育てる植物工場があります。

宇宙への夢が広がるTOP3

気になるトップ3は、3位:宇宙エンターテイナー、2位:宇宙旅行、1位:宇宙食開発、という順になりました。
実は宇宙食も様々な種類が展開されており、肉じゃが、さけの南部焼き、菜の花ピリ辛あえ天ぷらそば、焼き鳥などの日本食は、海外の宇宙飛行士にも人気ということです。
今回は少し違う特色の新しい宇宙食をご紹介しました。アメリカのベンチャー企業であるビーヘックス社が宇宙空間で使える3Dフードプリンターを開発しました。なんと、このプリンタで可食インクをセットするとパン生地、ソース、チーズを作成することができ、組み合わせると宇宙でピザが完成します。

また、宇宙でも食べられますよという認定を得た新製品が地上で販売されているケースもあります。宇宙空間は特殊環境なので、宇宙食の認証を取るためには、いくつかの条件を満たす必要があります。その中でも「1年半以上常温で保存できること」という条件から、日本の伝統的な保存食と宇宙食は意外に相性が良いという知見から、JAXAから2007年に『宇宙日本食認証制度』をスタートしました。これまでに30品目以上が宇宙日本食として認証されており、実際に北海道の大樹町ではみそ漬けチーズをフリーズドライにした「スペースチーズ」が発売されています。

ランキング上位は、エンタメや暮らしに近いお仕事となりました。これからますます、天文学や工学のフィールドだった「宇宙」が様々な分野と結びつき、新しいビジネス、新しいお仕事が生まれてくることが期待されます。

▲パソナ宇宙事業プロジェクト 講演の様子
(提供 日本ロケット協会・宙女(そらじょ))

 
アンケートにご協力下さった皆様、当日ご来場下さった皆様、誠にありがとうございました。

パソナ宇宙事業プロジェクトでは、今後も宇宙産業の発展を目指したサポートや、「宇宙産業に関わりたい!」と考える方々への情報やお仕事の機会提供に努めて参ります。

注目団体インタビュー

トークショー登壇後、同じく国際航空宇宙展でご登壇された大貫美鈴様のご紹介で、
宇宙に取り組む注目の学生団体にインタビューさせていただきました!あわせてぜひご覧下さい。

今後のイベント情報

宇宙講座、および今後のイベント開催に関するご意見・ご要望がございましたら、
下記宇宙事業プロジェクトまでご連絡ください。

space@pasona.co.jp

主催

株式会社パソナ 宇宙事業プロジェクト

2015年7月より若手社員を中心に発足。ロケット打ち上げパブリックビューイングやセミナーを開催。
宇宙ビジネスの拡大、および宇宙ビジネスに関わる人材の育成を目指したプロジェクトを推進している。