おすすめ特集・コラムキャリア採用とは?中途採用との違いや失敗の原因を徹底解明!
公開日:2025.01.09 更新日:2025.01.15
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即戦力を求めるなら、キャリア採用の導入が有効です。しかし、キャリア採用は導入すればすぐに効果を発揮するものではありません。実際にキャリア採用をしているのに成果が出ないケースや、採用後のミスマッチが続いてしまい、人事担当者が疲弊してしまうことがあります。
本記事では、キャリア採用のメリットやデメリット、成功させるためのポイントについて解説していきます。成果が出るキャリア採用を目指している方は、ぜひ参考にしてください。
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キャリア採用とは
キャリア採用とは、業務に必要なスキルをすでに持っている人材を採用することをいいます。中途採用と混同されやすいキャリア採用ですが、両者は異なる特徴を持つ採用手法です。
キャリア採用は、アルムナイ採用などの数ある中途採用手法の1つであり、企業が募集する職種に関するスキルや経験がある人材を対象とします。一方で、中途採用というと、経験やスキルの浅い第二新卒や、ほかの職種からのキャリアチェンジなども含みます。
具体的には、アプリケーションの開発ができるIT人材を採用する場合は、すでに知識や経験のある人材を採用します。その場合はキャリア採用といいます。反対に、前職でシステムエンジニアをしていた方を、営業として雇う場合には中途採用と表現します。
関連記事:アルムナイ採用を成功させるには?メリットや注意点を解説
なぜ、キャリア採用の重要性が高まっているのか
キャリア採用では、自社の求めるスキルを持つ人材の獲得を目指すため、キャリア採用を実施することで、即戦力となる人材を効率よく確保できることから、企業の人材不足を解決する手段として重要性が高まっています。
リクルートワークス研究所による「中途採用実態調査(2023年度実績、正規社員)」で中途採用の目的を複数回答で尋ねたところ、70.7%の企業が「離職への対応」と回答。また、「即戦力人材の獲得」が69.5%、「採用未充足への対応」が64.0%という結果になりました。これらの結果から、慢性的な人材不足への対応として、即戦力の採用ができる中途採用を導入する企業が増えてきていると考えられます。
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優秀な人材を獲得するための特徴を捉えた採用活動のために、データを用いて、具体的にどのように採用プロセスを改善したら良いのか、採用成功している企業が実践しているポイントをまとめています。
キャリア採用のメリット
中途採用において即戦力を求める企業が多いということは、つまり専門的な知識を持つ人材を求めているということです。ここからは、そんなキャリア採用のメリットについて解説していきます。
● 育成にかかるコストが少ない
● スピード感のある事業成長が可能性
● スキル・ノウハウの共有
関連記事:採用活動を成功させる各フェーズのポイントとスケジュールを解説
育成にかかるコストが少ない
キャリア採用のメリット1つ目は、すでにスキルや知識を持っている人材を採用するため、育成にかかるコストを抑えることができる点です。労働人口の減少や離職による慢性的な人材不足に悩む企業にとって、新卒採用は育成に時間がかかり、教育コストがかかることになります。
具体的には、現場に出るまでに名刺交換などのビジネスマナーをはじめ、企業理念や会社の仕組みを理解する必要があります。また、配属後には上司や先輩によるサポートも必須です。キャリア採用で獲得した人材も、企業理念や仕事の流れを学ぶ必要がある点では新卒採用と同じですが、専門的な知識を学ぶ必要はありません。
基本的な仕事の流れを理解することで、配属後にスムーズな活躍が期待できるため、新卒採用と比較して、早いタイミングで現場で活躍できるのは、キャリア採用のメリットです。
スピード感のある事業成長が可能
キャリア採用の2つ目のメリットは、事業成長のスピードを上げることができる点です。キャリア採用では、企業が必要としているスキルや経験を重視して人材を獲得します。事業成長において重要な役割を果たすマネージャークラスの人材を自社で育成するには、従業員のキャリアを考慮したスキル開発を行うなど、時間や手間をかける必要があります。
一方で、すでにマネージャー経験のある人材をキャリア採用で獲得すれば、入社後すぐに能力を発揮し、スピード感を持って事業を成功へ導いてくれることが期待できます。キャリア採用によって即戦力となる人材を獲得することで、事業の成長を促すことができるでしょう。
スキル・ノウハウの共有
キャリア採用の3つ目のメリットは、自社にはないスキルやノウハウを取り入れられることです。新たな人材を採用するということは、企業に新たな血を入れるということでもあります。
新たなスキルやノウハウを取り入れることで、自社の既存の考え方に新しい視点を取り入れることができ、業界の固定観念にとらわれない柔軟で自由な発想によって、これまでにない新たなアイデアを生み出すことも期待できます。また、新たなノウハウは周りの従業員にとっていい刺激になるでしょう。
キャリア採用のデメリット
キャリア採用による即戦力の獲得は、企業に様々な面でメリットを与えます。しかし、必ずしもいいことだけではありません。ここからは、キャリア採用のデメリットについて解説していきます。
● 採用コストが高い
● 離職率が高い
● 採用難易度が高い
採用コストが高い
キャリア採用のデメリット1つ目は、採用にかかるコストが高いことです。採用コストには、採用活動に費やす人件費などの社内で発生する内部コストと、求人媒体やエージェントを利用する際にかかる外部コストの2つがあります。
多くの企業が高いレベルのスキルを持つ人材を求める一方、ハイレベルな求職者の数は十分ではありません。そのため、自社にマッチするスキルや経験を持つ人材を探すことに時間がかかり、内部コストが高くなる傾向にあります。また、優秀な人材は年収が高い分、人材紹介やエージェントに支払う手数料が増えることも、コストがかかる原因の1つです。
離職率が高い
キャリア採用のデメリット2つ目は、離職率が高いことです。転職者が企業とのミスマッチによって入社後2年以内に離職する割合は約30%にもなります。転職が当たり前の時代においては、企業に対する不満が転職理由につながるため、注意が必要です。
出典:厚生労働省「令和5年雇用動向調査結果の概況」15ページ「転職入職者が前職を辞めた理由別割合」のグラフをもとに作成
厚生労働省が令和5年に実施した「雇用動向調査」によると、「職場の人間関係が好ましくなかった」ことを理由とした転職は男性で9.1%、女性で13%になります。また「仕事の内容に興味が持てなかった」ことを理由とした離職は男性7.4%、女性5%と、仕事内容や人間関係への不満が目立ちます。
企業としては、採用時に配属先の上司との面談の場や仕事内容に関する不安について話し合う場を設けることで、採用後の早期離職のリスクを下げることができるでしょう。
関連記事:1on1で「話すことがない」にもう困らない!テーマ一覧と失敗例から学ぶポイント
採用難易度が高い
キャリア採用の3つ目のデメリットは、多くの企業がキャリア採用で優秀な人材を取り合うため、すぐに結果が出ないことです。デロイト トーマツによるコーポレート部門の調査では、人材不足は単純に人不足ではなく、専門スキルを持つ人材の不足という報告がされています。
実際に、キャリア採用を活用しても、なかなか求めるスキルを持った人材を見つけることができないケースが多くあります。専門的なスキルを持った人材を獲得しようとしても、その母数が少ないがために、採用難易度が高くなってしまう点はキャリア採用のデメリットです。
キャリア採用が失敗する原因と対策
キャリア採用は、即戦力の獲得ができる一方で、入社後のミスマッチもあり、課題が残ります。ここからは、キャリア採用のよくある失敗について解説していきます。失敗を学ぶことで、同じ過ちを犯さないようにしましょう。
● お互いの理解度が低い
● 過度な期待を寄せる
● 明確な採用基準がない
● 採用後の教育制度が整備されていない
お互いの理解度が低い
キャリア採用の失敗原因としてまず挙げられるのが、企業と求職者のそれぞれの理解度が低いことによるミスマッチです。採用後に発覚するミスマッチを避けるためには、求職者がどのような情報を求めているかを理解しておくことが大切でしょう。
具体的に求職者が求める情報は以下のとおりです。
● 具体的な仕事内容
● 採用条件
● 福利厚生
● 働く環境
企業としては、これらの情報をできる限り詳しく説明することを意識しましょう。
関連記事:「ミスマッチ」の意味とは?企業がとるべき対策を解説
過度な期待を寄せる
キャリア採用でよくあるのが、人材への過度な期待です。キャリア人材を過大評価することで、配属先の期待も高まり、着任後に期待していたスキルとのギャップが生じる可能性があります。
採用担当者としても、職務経歴書の記載や採用面接時に聞いていたよりもパフォーマンスが低く、期待外れというのは避けたいところです。一方で、求職者はよりよい条件で働きたいと望むことに加え、過去の成果を過大評価する傾向があります。求職者の実力を見抜くためには、自社の課題を説明したうえで、どのような解決策が考えられるかなど、より具体的な質問をしてみるのがおすすめです。
明確な採用基準がない
キャリア採用での失敗には、明確な採用基準がないという原因が考えられます。明確な採用基準を定めていない場合、採用担当者の主観で人材の質が大きく異なってしまいます。「人事は何もわかっていない」などといわれないためにも、採用基準はバラツキが出ないように明確にしましょう。
また、採用基準を定める際は、経営層をはじめ、各部門にヒアリングをして求める人材像を理解することが大切です。自社が求める人材を把握したうえで、採用時の評価項目を決めていくことで、ミスマッチを防止できます。
関連記事:採用活動で現場と面接官のギャップを埋めるためにするべき5つのこと
採用後の教育制度が整備されていない
キャリア採用で獲得する人材は即戦力だからといって、会社の仕組みやシステム、仕事の進め方などの研修が必要ないと考えていると、失敗に終わるケースがあります。
確かに、キャリア採用は特定の職種での経験値があり、活躍が期待できる人材ですが、異なる組織で働くことはそれほど簡単なものではありません。企業文化の理解がないまま現場に出て、部長や同僚との摩擦が生まれることもあります。経験者だからできて当たり前とは考えず、組織の一員として人材を定着させて戦力として活躍させるオンボーディングの考え方を取り入れてみるといいでしょう。
関連記事:キャリア研修とは?年代別の目的やプログラム・実施するメリットについて解説
キャリア採用に向いている職種
キャリア採用には、向いている職種とそうでないものがあります。効果的にキャリア採用を行うためにも、どんな職種でキャリア採用を実施すべきかは理解しておきましょう。以下にキャリア採用に向いている職種をまとめましたので、参考にしてください。
● エンジニア
● 営業
● マーケティング部門
● 営業企画
● 人事
● 財務
● 総務
● 法務
エンジニアや営業、マーケティング部門、営業企画などのノウハウやスキルが必要な職種に加え、人事や財務、総務、法務などの専門的な知識を要するものはキャリア採用が適しています。
逆に、スキルを問わない職種については、キャリア採用には向いていません。キャリア採用を効果的に行うためには、より専門性の高い職種で募集をかけることが重要です。
キャリア採用の応募者を増やす取り組み
キャリア採用を行ってもなかなか募集が集まらずに困っている場合、取り組み方が間違っている可能性があります。ここからは、キャリア採用で応募者を増やすためのポイントについて解説していきます。
● ターゲットを絞り、求人掲載媒体を見直す
● 求職者が求めている情報を掲載する
● 自社採用サイトを作成する
ターゲットを絞り、求人掲載媒体を見直す
キャリア採用を成功させるためには、まずターゲットを絞り、ターゲットに合った求人媒体を利用することが重要です。ターゲットを絞り込む際は、自社の経営層や各部門からヒアリングした内容をもとにペルソナを設定しましょう。
また、求人媒体だけでなく、エージェントへ依頼することも応募者を増やすうえで大切な取り組みです。エージェントへ具体的な自社のニーズを知らせることで、求人媒体では伝えきれない自社の魅力を求職者へ伝えることができます。
関連記事:人材紹介サービスの紹介手数料の相場は?算出方法や人材紹介会社/エージェントの活用ポイントを紹介
求職者が求めている情報を掲載する
失敗したくないのは企業だけでなく、求職者も同じです。求人票に自分が求める情報が記載されていないと、不安になり応募になかなか進めません。しかし、求人票に自社の魅力を全て記載することは困難です。そのため求人票では、求職者が求めている情報を中心に記載することが必要になります。
求人票で興味を引くためには、給与や採用条件、具体的な仕事内容や福利厚生などの情報を多く記載することがポイントです。特に仕事内容や福利厚生を充実させることで、求職者はより仕事と私生活のイメージを持ちやすくなり、応募しやすくなるでしょう。
関連記事:応募される求人票の書き方とは?魅力が伝わらない求人票の特徴と改善のヒント
自社採用サイトを作成する
応募者を増やすうえで、重要な役割を果たすのがキャリア採用に特化した採用サイトです。求職者は、より多くの情報を求めています。人生の岐路に立っている求職者には、福利厚生や詳細な仕事内容のほかにも、より多くの情報が必要です。
キャリア採用に特化した採用サイトを用意することで、求人票では紹介できないような情報を求職者へ与えることができます。例えば、働いている社員の仕事紹介や、取引先からの口コミを掲載することで、企業としてのブランディングが可能です。求人票で求職者の興味を惹きつけ、自社採用サイトへ誘導して自社の魅力を伝える仕組みを作ることで、キャリア採用の応募者は増えるでしょう。
関連記事:採用ブランディングとは?会社側のメリットや具体的な進め方を解説
採用成功する求人票の作り方
効果的な「求人票」を作成するための求人票作成マニュアルを作成しました。 「求人票作成」の基本的なルールから、具体的な事例紹介までをまとめています。
キャリア採用を活用して自社の人材課題を解決しよう
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関連記事:女性管理職の比率は?増やすための施策・育成方法を紹介
ハイキャリア採用支援のご提案
本資料では、そのノウハウを「ハイキャリア領域の市場や特徴、成功事例」としてまとめました。 また、パソナでは女性の活躍支援にも創業以来取り組んでおり、女性管理職の採用支援の取り組みについてもご紹介しています。