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1on1で「話すことがない」にもう困らない!テーマ一覧と失敗例から学ぶポイント

1on1は「1on1ミーティング」とも呼ばれ、上司と部下が1対1でおこなう対話型の面談です。今や日本の多くの企業に定着している一方で、「1on1で話すことがない」「1on1が苦痛」といった声が管理職側からも部下側からも上がるようになりました。

週1回のペースで30分程のミーティングを続ければ話題が尽きることもあるでしょう。1on1ミーティングは自由度が高いため何を話してよいかかえって迷う方も多いかもしれません。そこでこの記事では1on1ミーティングのテーマ一覧と、1on1ミーティングの失敗例から学べるポイントを解説します。

効果を生み出す1on1ミーティングを行うための注意点

より効果的な1on1ミーティングを実施するため、実施の目的・事前の準備から振り返りまで、正しい手順と内容を紹介します。

  • 1on1ミーティングの進め方
  • 管理職に必要なスキル
  • 1on1ミーティング継続と成功のコツ

部下の悩みや課題、希望を聞くことで、理解の促進や信頼関係の構築が進み、組織へ好影響が期待できる1on1ミーティング。効果的に取り入れて、上司の部下への理解を深める一助にしてください。

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1on1ミーティングの目的

1on1ミーティングを有意義なものにするためには、本来の目的をしっかり認識することが重要です。1on1ミーティングの目的は大きく以下の2つです。

  • 部下の成長をサポートする
  • 部下と信頼関係を作る

この目的を常に念頭に置いて1on1ミーティングに取り組むことで、結果的にチームワークの醸成や生産性向上などにつながっていきます。ただし、いずれも成果が目に見えてあらわれるまで時間がかかるため長期戦で臨む必要があります。初期の1on1ミーティングは「部下を理解するための時間」と位置づけるくらいでよいでしょう。

部下は一人ひとり個性や強み、弱み、表現力が異なります。1on1ミーティングのような時間がないと相性のよい部下や積極的にコミュニケーションをとってくる部下との対話が多くなり、よく理解できる部下・あまり理解できない部下が出てきます。各メンバーと1on1ミーティングの機会を設けることによって公平性も担保され、一人ひとりと信頼関係を作りやすくなります。

なぜ「話すことがない」といわれるのか?

最近は「1on1の場で話すことがない」と1on1ミーティングを避けたがる社員も増えています。そのような意見が出るケースでは、多くの場合上司に部下の話を聴く姿勢がないことや、部下が本音をいえるような信頼関係を築けていないことが影響しています。

例えば、1on1ミーティングの場で日頃の業務のように「簡潔に速やかに報告する」ことを求めていないでしょうか?そのような場合、部下にとって1on1ミーティングは「一対一で詰められる場」になっているかもしれず、むしろプレッシャーを感じるでしょう。1on1ミーティングは部下の成長のための時間なので、上司が部下をサポートするソフトな姿勢を見せることが前提です。

上司に聴くスキルがないことも考えられます。1on1ミーティングの場では部下の話が長くても遮らずに聴き、部下が沈黙して考えているときは話始めるまで待つことも大切です。相槌のバリエーションも使い分けられたほうがよいでしょう。また、部下が話した相談は口外しないことがルールです。秘密がもれる1on1ミーティングでは部下も本音を話すことができません。

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1on1ミーティング テーマ一覧

1on1ミーティングは業務管理の一環ではありません。あくまで部下を理解し成長を支援するための場なので、仕事の話だけでなく雑談を含めても問題ありません。ただし、政治や宗教などのセンシティブな話題は当然避けたほうがよいでしょう。

一般的な社会での対話やビジネスシーンでの顧客との対話と同じように、1on1ミーティングもそれなりに適した話題があります。以下のテーマ一覧から相手のタイプによって話題を選び、組み合わせて活用するとよいでしょう。

プライベートや時事ニュースなど雑談

例えば「週末はどうだった?」「今日は暑いね」といった挨拶のような話題は、1on1ミーティングの始まりにも適しています。相手も受け答えしやすいですし、仮に「いつも通りです」「そうですね」という回答であっても、自然に次の話題に入れます。

対話の流れで、時事ニュースや好きな食べ物やペットについて質問してもよいでしょう。雑談は緊張した雰囲気をほぐすアイスブレイクになります。

例:

  • 天気、週末のイベント
  • 趣味や好きなこと
  • ニュース

体調の確認、業務時間や業務量のチェック

業務量が過剰になっていないか?心身に負荷がかかっていないか?などを質問します。気軽に問いかけるトーンでかまいませんが、実際に顔色や雰囲気などにも注意を払い部下の心身の健康をチェックしましょう。メンタル疾患も病気も、初期のうちは自分では気づかないことがよくあるからです。

例:

  • 最近暑い(寒い)が体調は大丈夫?
  • よく眠れている?食事はちゃんととれている?
  • プライベートと仕事のバランスはとれている?

業務や組織上の悩み

業務上で抱えている課題・悩みについてのテーマです。悩みであれば本人が気持ちを整理できるように傾聴に徹したうえで、上司として必要なアドバイスをします。業務フローや会社への意見については真摯に耳を傾けるとともに、よい提案であれば上司として協力する姿勢を見せることが大切です。

例:

  • 何か困ったことやトラブルはない?
  • 今の業務を難しいと感じる?物足りない?
  • 組織として改善すべきと思うことはある?
  • 業務の流れで改善したいところはある?

目標や評価についての考え

仕事上の目標や自己評価について質問します。その際は、本人の自己評価に関係なく、前向きに取り組んでいる姿勢について褒めることが大切です。人は褒められると脳の「線条体」が反応し喜びを感じることが研究で証明されています。

仕事の成果は個人差が大きいので全員を褒めることはできません。しかし、取り組みの姿勢であれば多くの部下を褒めることができます。上司が自分の努力を見ていると感じることができれば、部下もモチベーションを保ちやすくなります。

今後のキャリアに関するイメージ

会社の仕事も含めたキャリアに関するテーマです。以下のような質問をきっかけに部下がキャリアデザインを描けるようになれば、現在の仕事の捉え方も変化し向上心やモチベーションが高まることが期待できます。ただし、明確なキャリアをすぐ描ける人ばかりではないので、カジュアルなトーンで問いかけることがコツです。

例:

  • 5年後、10年後の目標は何かある?
  • これから身につけたいスキルはある?
  • 将来、チャレンジしたいことは何かある?

関連記事:キャリアデザインとは?意味や重要性、企業の支援方法を解説

部下側の1on1ミーティングの準備

1on1ミーティングでは、部下側にも準備が必要です。業務上の課題・相談したいことなどは事前にメモしておくとよいでしょう。また、前回の1on1ミーティングで話したテーマのその後の進捗をまとめておくと有意義な1on1ミーティングになります。1on1ミーティングは、社員の成長のために会社が提供している時間なので、部下側も主体的にテーマを決める意識を持つことが望ましいといえます。

例:

  • 業務上の相談
  • 人間関係の悩み
  • 前回話したテーマの進捗
  • チームや会社についての意見

1on1ミーティングの失敗例

1on1ミーティングのダメな例として、代表的な5パターンを紹介します。1on1ミーティングは部下との信頼関係を作るためのコミュニケーションの場であり、部下が主役です。上司は部下が成長するためにサポートに徹するという意識を持つことが大切です。

しかし、業務時間の上司・部下の関係性の延長になってしまったり、雑談に終始してしまったりするケースは少なくありません。それどころか上司が主役になってしまうパターンもあります。

忙しい時に1on1ミーティングの時間をなくしてしまう

近年の管理職は業務量が非常に多くなっています。しかし、忙しいからといって1on1ミーティングを中止してしまうと、部下も1on1ミーティングの意義を感じられなくなります。忙しいのは部下も同じです。急な予定変更があればスケジュールを組みなおさなければなりませんし、その週の1on1ミーティングで話すべきことを準備した時間もムダになります。

やむをえない場合をのぞきキャンセルは避けましょう。上司が1on1ミーティングを優先しない=部下を大事に思っていない、と捉えられる可能性があります。

上司が主体になって話してしまう

1on1ミーティングの場で、上司が主体になって話す失敗もありがちです。1on1ミーティングでは部下が主役です。たとえ気をつかって部下が質問してきても自分の話は控えめにする必要があります。上司2割:部下8割のバランスを意識しましょう。

上司に聴く姿勢があれば部下は話しやすくなりますので、傾聴に徹しましょう。人は自分の話に耳を傾けてもらえると自己重要感が高まり相手に好感を持ちます。聴くことは部下との信頼関係を作る第一歩です。

業務の話で終わってしまう

1on1ミーティングは会議でもなければ評価面談の場でもなく、部下を理解してサポートするための場なので話題は業務の話に限定する必要はありません。むしろ、雑談を適度に交えたほうがカジュアルな雰囲気になるため部下も話しやすく、1on1ミーティングがスムーズに進みます。業務面談とは違うことも理解してもらえるでしょう。

仕事の話と雑談のバランスについてルールや黄金比はありませんが、部下の個性や状況を見ながら、適度に脱線することがポイントです。

雑談だけで終わってしまう

雑談中心の1on1ミーティングをしてもいいのですが、毎回雑談がメインだと1on1ミーティングの緊張感がなくなります。部下もその時点では楽しくても、次第に1on1ミーティングを無駄に感じるようになるかもしれません。

また、あまりプライベートな話題に踏み込みすぎると却って人間関係がギクシャクすることもあります。1on1ミーティングはあくまで部下の成長が目的なので、支える立場と当事者としての適切な距離感を保ちながら一人ひとりをサポートすることが大切です。

前回から話がつながっていない

1on1ミーティングの場で対話がはずんだものの、上司が次の1on1ミーティングの際に内容を記憶していないケースがあります。部下の立場からするとこれは本当にがっかりします。「聴く振りだけ、理解しようというポーズをとっているだけ」と思うでしょう。

上司は複数人の部下と1on1ミーティングを実施しているので、内容をすべて記憶することは不可能です。毎回、必ず要点だけでも記録をとりましょう。前回のメモを見ながら話してもまったく問題ありません。

まとめ

1on1ミーティングは部下の成長をサポートする場であり、上司が部下との信頼関係を築く場です。とはいえ、個人の成長にも信頼関係の構築にも時間がかかります。上司には一回一回の1on1ミーティングで部下に真摯に向き合っていく姿勢が求められます。また、適切なテーマ選びや傾聴など1on1ミーティングに役立つスキルを身につける必要もあるでしょう。

1on1ミーティングを現場任せにするのではなく、企業として効果的な1on1ミーティングを実施できるよう支援することで、組織の活性化や社員のキャリア自律支援を実現しましょう。

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