契約終了時の重要な仕事「引継ぎ」のポイント

ご契約終了時のよくあるご質問


豊田
2020年2月26日

契約満了が決まった際、重要なお仕事のになるのが後任への「引継ぎ」業務です。

業務の引継ぎでは、自分が職場を去ったあとも後任者がそのお仕事をスムーズにできるよう、業務フローをしっかりと伝えることが大切です。もしも、業務に必要な情報が十分に引継がれていなければ、トラブルの発生につながるだけでなく、誰もその業務を実施できないという最悪の事態に陥ることもあります。

そこで今回は、契約満了が近づいてきた際の「派遣の引継ぎ」に関する疑問にお答えします。お仕事の締めくくりに欠かせない引継ぎ作業のポイントを押さえて、気持ち良く次のお仕事へ進みましょう。

  • 本記事は弊社運営の『みんなの仕事Lab-シゴ・ラボ-』に掲載されている以下の記事と同内容です

もくじ

STEP1 引継ぎ事項や引継ぎ方法を整理する

まず取り組むべきは、「何の業務を引継ぐか」という洗い出しと、整理です。基本的には引継ぎ書やマニュアルを用意し、後任者へ口頭でも引継ぐことを想定して、準備を進めます。

自分の業務(タスク)の洗い出しや引継ぎ事項の確認

担当業務を細かく説明することはもちろん、月間・年間スケジュールなどを用いて仕事の全体像を説明したり、これまでの業務の履歴をまとめたりして伝えると親切です。

伝達方法の仕分けをする

伝える情報の種類によって、伝え方を工夫することも大切。引継ぎ事項が洗い出せたら、口頭で伝えるものと資料やデータで伝えるものを仕分けましょう。

対面で引継げない場合は?

対面で引継ぎができる場合は、引継ぎ書(マニュアル)をもとに口頭での説明や実際に自分が見本をみせることができますが、後任者と就業期間が重ならず、対面での引き継ぎができないケースもあります。

そのときは、書面だけで引継ぎとなる為、さらに詳細な記述を加える必要があります。

また就業先企業の代理の方に引継ぐ場合もありますので、就業先の上司に事前に引継ぎ方法をしっかり確認しておきましょう。

STEP2 引継ぎスケジュールの確認

最終出社日から逆算して引継ぎスケジュールを組みます。通常業務を行いながら引継ぎ準備を進めるため、余裕を持ったスケジュールにしましょう。

通常、引継ぎ期間は1週間~長くても1ヶ月程度であることがほとんどですが、なかには数日で引継ぎをしなければならないこともあります。就業先の上司や同僚、関係者にも確認を取りながら、引継ぎのスケジュールを組むことが大切です。

そのスケジュールに応じて、引継ぎ書を完成させる必要がありますが、基本的には、最終出社日の5日前までには完成させることを目標にしましょう。

STEP3 引継ぎ書(マニュアル)の作成

引継ぎ書(マニュアル)作成にあたっては、初めてその業務を行う人の視点に立ち、丁寧な説明を心がけましょう。手順を細かく説明することはもちろん、自分がこれまでに苦労した点や問題点、その解決ポイントなども振り返って盛り込むと良いでしょう。

マニュアルに必要な3つの要素

  1. 業務の目的
    「なぜ、その仕事が必要なのか」「誰のために行うのか」「他の業務とどのように関わっているのか」など、業務の目的を説明します。相手に目的意識を持って仕事を進めてもらうためにも、必ず盛り込みましょう。
  2. 業務のゴール
    その作業の頻度や回数に加えて、「どこまでやるのか」「いつまでにやるのか」といった、業務のゴールを説明します。
  3. 業務のフロー(作業手順)
    上の2つの項目をふまえ、詳しい手順を説明しましょう。特に初心者が間違えやすい点をカバーし、不明点やトラブルがあったときに、どう対処すれば良いかが明示されていれば、後任の担当者も安心して業務を進められます。

引継ぎマニュアルを作る際に一番大切なことは、読み手である後任の担当者にとってわかりやすい内容にすること。「自分目線」ではなく、「相手目線」に立って、初めて読む人でも理解できるような「引継ぎマニュアル」を目指しましょう。

業務の全体像から細かな業務までを「点」ではなく「線」でつながるような説明をイメージすると、相手も理解しやすくなりますよ。

後任者の立場に寄り添った、気持ちの良い「引継ぎ」を心がけよう!

引継ぎの際は、細かい部分までイメージを膨らませ、後任の方に十分に配慮することが大切です。もしも自分が引継ぎを受ける立場だったら…と想像して、後任者に寄り添った内容の引継ぎを心掛けましょう。今回ご紹介した3つのステップをおさらいすると、次の通り。

  1. 引継ぎ内容の整理と確認
  2. スケジュールの確認
  3. 引継ぎ書(マニュアル)の作成

スケジュールに余裕を持ち、ヌケ・モレがないか何度も確認しながら、精度の高い引継ぎを心がけましょう。

引継ぎは、次にお仕事をする後任者のために必要な作業ですが、実は自分にとってプラスになる側面もあります。
ひとつは、業務を整理することによって、これまでの自分のお仕事を振り返り、スキルの棚卸しができるということ。そして、引継ぎ書の作成を通じて、情報を整理してまとめる資料作成スキルや、相手にわかりやすく伝えるコミュニケーション能力も磨かれることでしょう。

引継ぎ業務は、あなたのスキルを高めるきっかけにもなるはずですよ。また、しっかりと業務を引き継ぐことで、就業先の信頼感を得ることができ、きっと次のお仕事にも良い影響を与えるでしょう。