MYPAGEコミュニティ『WeShare Beauty』vol.127

歴史と伝統の街ロンドンのファッション事情

皆さん、こんにちは。イメージコンサルタントの工藤亮子です。実は最近、夫が転勤でロンドンに移住したため、ロンドンと東京を往復する生活が始まりました。イギリスの首都であるロンドンについて、皆さんはどんなイメージを持っていますか?
ロンドンの魅力と言えば、歴史と伝統を大事にしながらも、新しいエネルギーを取り入れているところではないでしょうか。そして、ロンドンのファッションと言えば、伝統的なアイテムやヴィンテージのものと、トレンドアイテムをミックスさせた着こなしが特徴です。「無理なく、自分らしいスタイルを持つ」というロンドンの人たちの意志が伝わってくるようです。
ロンドン在住歴はまだ浅い私ですが、実際に見たり感じたりしたことを踏まえて、ロンドンのファッション事情をお届けします!

英国でも英国調チェックが人気!?

イギリスを代表するブランドのひとつと言えば、トーマス・バーバリー(THOMAS BURBERRY)氏によって1856年に設立された「バーバリー(BERBERRY)」。初めてトレンチコートを作ったブランドでもあり、「バーバリーチェック」は日本でも有名ですよね。

1920年代にレインウェアの裏地として初めて採用されたという「バーバリーチェック」は、茶色をベースに、黒と白の太めの線と赤の細めのラインで構成されています。

今年もトレンドのチェック柄は、東京はもちろん、ロンドンでも、コート、ジャケット、スカート、パンツなど、様々なアイテムに取り入れられています。

スコットランドのグレン(谷間)で折られたことに由来する「グレンチェック」や、英国の狩猟クラブ「gun club」のメンバーが好んで着ていたことから名付けられたと言われる「ガンクラブチェック(千鳥格子の“千鳥”を多色にしたチェックのこと)」は、日英問わず、私たちのコーディネートに変化をつけるのに役立ちそうです。

「サヴィル・ロウ」を知っていますか?

紳士服に携わる者なら、誰もが一度は訪れたい!と憧れの存在でもある「通り」をご存知でしょうか?それは、ロンドン中心部にある「サヴィル・ロウ(Savile Row)」。オーダーメイドの名門高級紳士服店が集中している通りで、日本語の「背広」という言葉の由来になったという説もあります。

王室や歴代首相、俳優など多くの著名人が顧客リストに名を連ねていて、英国王室御用達で「サヴィル・ロウ」の重鎮とも言えるブランドのひとつが「ギーヴズ&ホークス(Gieves & Hawkes)」です。実際に訪れてみると、シャツや色鮮やかなレジメンタルタイなど、普段使いできるものもたくさんありました。

そして、「サヴィル・ロウ」最古のテーラーである「ヘンリー・プール(Henry Poole & Co)」は、政治家・吉田茂氏の側近を務めた白洲次郎氏が顧客だったことでも知られています。地下に工房スペースがあり、外からでもずっと覗き込んでいたくなるほどです。

昨今、ブランド出店に関して、古き良き伝統や景観を重んじるのか、それとも新しいものを取り入れるのか、という議論もあるようですが、今後どうなっていくのかも、とても興味深いです。

フードで雨をしのぐ英国の人々

ロンドンは、1日のうちに天気が変化することが多く、年間を通して、急に雨が降りはじめることがあります。ただ、長く降り続くことはなく、しばらく降ると止んでしまいます。だからなのか、現地の人々はフード付きのパーカーを着ている人、ブーツを履いている人が多いと感じました。ビジネス街の女性も、パンプスよりブーツが主流ですし、冷たい雨で体が冷えないように、マフラーを巻いている人もよく見かけます。雨が降ったらさっとフードを被って雨をしのぎ、そのまま雨の中を平気で歩く・・・日本ではあまり見かけない光景が広がっていました。

また、ロンドン市内はレンタル自転車網が発達しているため、移動に自転車を使う人が多いのも特徴です。雨や自転車のせいなのかわかりませんが、アウターはほとんど黒一色で、色もののコートはほとんど見かけませんでした。

雨の日や寒い日だからこそ、明るい色や鮮やかな色を取り入れて、明るい気分で過ごしたい私としては、これから明るい色、もしくは鮮やかな色のフード付きアウターを探そうと思っています。

ヴィンテージショップ&マーケット

由緒あるデザイナーが数多く存在し、若手ブランドが注目される一方で、ヴィンテージショップも多いのが、ロンドンのファッションの特徴。

ヴィンテージショップの店内は、雑多に商品が並べられている場合もありますが、ディスプレイの美しさもロンドンならではと言えるでしょう。

また、各地で行われているマーケットも見どころのひとつ。屋台や食品が主体のマーケットから、アンティークやデザイン性の高いファッションアイテムが並ぶマーケットまで、実に様々です。曜日や時間帯によって商品ラインナップが異なる場合もあります。

掘り出し物を探す楽しみも味わえるヴィンテージショップやマーケット巡り。私もまだ、「グリニッジ・マーケット(Greenwich Market)」と「デプトフォード・マーケット(Deptford Market)」の2つのマーケットを訪れただけですが、普段忘れかけている子ども心を呼び起こしてくれます。

赤いポピーの花飾り

渡英してから、胸元にポピーの赤い花のバッジを身につけている人を何人も見かけました。 「何だろう?人気のブランドなのかしら?」と思い、調べてみると 「ポピーアピール(Poppy Appeal)」と呼ばれる、毎年11月に行われるキャンペーンだとわかりました。

「ポピーアピール」は、第一次世界大戦の戦没者すべての人達を追悼し、退役軍人を支援するために始まった募金活動の名称です。寄付をすると、ポピーのバッジを受け取ることができ、その寄付金は、現役の軍隊や過去の兵役経験者と家族を支援するために使われているそうです。

そもそもなぜポピーの花なのかというと、戦争ですべての植物が泥に埋もれてしまった後、唯一そこに咲いたのがポピーの花だったことから、赤いポピーの花がシンボルとして使われているそうです。

バッジを身につけるかどうかは、もちろん個人の自由ですが、おしゃれに身につけることができ、歴史を考えるきっかけにもなりますね。

ファッションから身だしなみまで

さて、今回はイギリス特有の気候・伝統・文化を織り交ぜながら、ロンドンのファッション事情をお伝えしましたがいかがでしたか?

今回は触れていませんが、ロンドンは理髪店の数が多く、特に土曜日の店内が混み合っていることも、個人的に気になっています。

ファッションをはじめ、男性も女性も身だしなみを整えることが当たり前のロンドン。私自身も無理なく自分らしいファッションスタイルを、これからロンドンで探してみようと思います。またロンドンのファッション事情についてお伝えしたいと思いますので、どうぞお楽しみに!

今回の記事以外のことでも、聞いてみたいことなどありましたら、遠慮なく「WeShare Beauty」のコミュニティにコメントくださいね。

プロフィール

イメージコンサルタント・工藤亮子さん

パーソナルカラー診断や骨格分析、ショッピングの同行などを行っている工藤さん。これまでに9000人を超える方々と接してきた経験をベースに、経営者、起業家、政治家、芸能人、文化人、男女エグゼクティブのイメージ戦略、自分らしく生きたい女性の魅せ方まで、幅広く支援。また、協会、NPO法人などのブランディング、省庁、行政のHPコーディネート、スタイリスト向けの教材開発なども手がけています。

  • 工藤亮子さんは、パソナグループのグループ会社『プロフェリエ』に所属するプロの方です。