MYPAGEコミュニティ『WeShare Beauty』vol.124

気軽に楽しもう!からだが喜ぶ「五彩薬膳」<前編>

皆さん、こんにちは。だんだんと寒くなり、温かい物を食べたくなる季節になりましたね。食事は健康の基本。健康志向の高まりもあり、「食」についての情報が溢れていますが、皆さんは普段の食事にどれくらい気をつかっていますか?
そこで今回お話を伺ったのは、パソナグループのグループ会社「株式会社プロフェリエ」登録プロフェッショナルである、五彩薬膳料理研究家 薬膳料理クリエイターの阿部ららさん。寒い冬を健康に乗り切るために、五彩薬膳の魅力や簡単に薬膳を取り入れられる方法などを伺いました。今回は2本立ての前編となります。まずは、「五彩薬膳」の基本を知ることから始めましょう!

五彩薬膳(ごさいやくぜん)とは?

皆さんは、薬膳についてどんなイメージをお持ちでしょうか?「健康には良さそうだけど、調理の手間がかかりそう」「食材が高そう」といったイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
今回、ご紹介する「五彩薬膳」は、「彩りが良い・美味しい・分かりやすい」の嬉しい3拍子が揃い、誰でも身近な食材で簡単に作ることができるそうです。阿部ららさんが立案・提唱する「五彩薬膳 = 五つの考え方で食卓を彩る薬膳メソッド」について詳しく伺いました。

阿部さん「薬膳とは、体の調子を整え、健康を維持するための料理です。中国医学の理論を土台にして、4000年の歴史の中で培われた「食」の経験と知識の結晶です。敷居が高いイメージの薬膳を、誰でも手軽に取り入れるように私が考案したのが「五彩薬膳」です。難しい薬膳の理論を「五色、五季、五臓、五性、五味」という5つの基本的な考え方に集約した新しい薬膳メソッドです。食材の色を切り口にしているため、誰でもすぐに取り入れることができます。中国料理の枠にとらわれず、和食も洋食も創作料理も、「五彩薬膳」メソッドに適った料理であれば、すべて薬膳料理となります」

自分の体質をチェックしよう

阿部さん「まず、自分の体調に合わせた五彩薬膳を知るために、自分の体質を知ることから始めましょう。各項目にチェックを入れて、チェックが一番多かった項目が、自分の体質のタイプとなります」

【気虚】
□ 無気力感がある
□ 体が疲れやすい
□ 手足が冷える
□ 息切れ、下痢になりやすい
□ 風邪を引くことが多い

【気滞】
□ 怒りっぽい
□ ため息、ゲップ、おならが多い
□ 喉や胸がつかえる
□ 不規則な生活
□ 月経前に体調が悪い

【血虚】
□ 顔色が悪い、色白
□ 立ちくらみをよくする
□ 眠りが浅い
□ 生理の量が少ない
□ 目が疲れやすい

【瘀血】
□ 顔と唇の色が暗い
□ 頭痛がする
□ 肩こりに悩んでいる
□ アザができやすい
□ 生理の異常がある

【陰虚】
□ 口や喉が乾く
□ 便がコロコロ
□ 皮膚が乾燥気味
□ のぼせやすい
□ 空咳がよく出る

【水滞】
□ 全身が重くてだるい
□ お酒、揚げ物を好む
□ ニキビができやすい
□ 太り気味で、舌苔が厚い
□ 甘い物が好き

ここでチェックした体質別のオススメ食材は、後編でご紹介しますので、お楽しみに!

五色の食材とは・・・

阿部さん「五彩薬膳の要素のひとつである「五色」は、緑(青)、赤、黄、白、黒という五つの色をあらわしています。この五色をバランス良く食事に取り入れることで、体内のバランスが整い、季節による不調にも対応できると言われています」

<代表的な食材>

■緑の食材
青菜(春菊、ゴーヤ、ほうれんそう、小松菜、ニラ、クレソン)、ブロッコリー、キャベツ、レタス、アスパラガス

■赤の食材
肉(牛肉、豚肉、鶏肉、鴨肉)、赤身魚(カツオ、マグロ)、トマト、ミョウガ、パプリカ、紫芋、イチゴ、スイカ

■黄の食材
生姜、とうもろこし、菊の花、かぼちゃ、じゃがいも、卵、大豆製品(納豆、湯葉、油揚げ)、柑橘類(レモン、ゆず、金柑)

■白の食材
大根、かぶ、れんこん、白菜、ニンニク、梨、牛乳、白身魚(鯛、たら、ヒラメ、スズキ、鮭、キス)、白ご飯、うどん

■黒の食材
貝類(あさり、ハマグリ)、海藻(昆布、わかめ)、玄米、そば、こんにゃく、きのこ(椎茸、舞茸)、黒豆、黒ゴマ

五彩薬膳は難しくない!

阿部さん「1日の食事を考えるときに、五色が入るように心がけてみましょう。朝食に赤と黄の食材を食べれば、昼食と夕食に残りの3色が入るようにするなどして、メニューを考えてみます。全ての色を1食で摂取するのは、なかなかハードルが高いですが、1日3食で考えると思ったほど難しくないですよ」

薬膳は、カロリーを意識することよりも、この五色を意識する方が大切であると考えているそうです。
※但し、カロリー制限のある方や病気のある方は、医師の指示に従ってください。

五色は季節とも対応しています。春は緑、夏は赤・黄、秋は白、冬は黒。それぞれの季節の旬の食材を見てみると、五色と対応していることが多いことに気づくでしょう。旬な食材を取り入れて、彩豊かな食卓を楽しんでくださいね。『気軽に楽しもう!からだが喜ぶ「五彩薬膳」<後編>』では、食物が持つ特性「五性」や、体に働きかける「五味」、時短でできる薬膳スープなどを紹介します!ぜひチェックしてくださいね。

プロフィール

五彩薬膳料理研究家 薬膳料理クリエイター 阿部ららさん

三代続く中国医学の家庭に生まれ、母の薬膳スープを飲みながら育つ。1999年留学で来日してから、大手企業で海外向け貿易戦略を担当した後、自ら薬膳で体質改善した経験から、薬膳を日本で広めようと決意。北京中医学大学で学び直し、2010年に国際中医薬膳師の資格を取得し、薬膳料理研究家へ転身。忙しい現代社会において、誰でも気軽に薬膳を楽しめるように、普段の食材で作れる「彩りよい・美味しい・分かりやすい」‟五彩薬膳”を立案・提唱。(‟五彩薬膳”は商標登録済)都内で料理教室、薬膳サロンを始め、企業・雑誌へのレシピ提供、特産物の薬膳アレンジ商品の開発、薬膳に関連した小説の企画協力・薬膳監修など、幅広く活動。

  • 阿部ららさんは、パソナグループのグループ会社『プロフェリエ』に所属するプロの方です。