MYPAGEコミュニティ『WeShare Beauty』vol.91

平成から令和へ ~ニッポンの芸術祭最前線~

今回ご紹介するのは、日本で開催される芸術祭についてです!日本におけるアートの存在は、平成という時代の中で大きく役割を変え、私たちにとってより身近な存在になっています。そこで今回は、平成と令和をまたいだ2019年に日本国内で開催される芸術祭についてご紹介します。実は、今年は、3年に一度開催される「瀬戸内国際芸術祭2019」や「あいちトリエンナーレ2019」をはじめとする芸術祭が全国各地で開催される「アートの年」でもあるのです。海外からも注目される日本の「地方発アート」の情報をまとめてご紹介します!

現代アートを堪能するなら「瀬戸内国際芸術祭2019」

草間彌生「赤かぼちゃ」2006年 直島・宮浦港緑地 写真:青地 大輔

今年で4回目の開催となり、日本を代表する芸術祭のひとつと言われる「瀬戸内国際芸術祭2019」。3年に1度、瀬戸内海の12の島(※)と高松港と宇野港の2つの港を舞台に開催される現代アートの祭典です(2019年はすでに4月26日から開幕しています)。2019年も前回に引き続き、春(4月26日〜5月26日)、夏(7月19日〜8月25日)、秋(9月28日〜11月4日)の3会期に分けて開催されます。回を重ねるごとに参加作品も増え、2016年には約104万人もの来場者を記録しています。海外からの旅行者はもちろん、島を訪れて気に入ったことで移住する方も増えているそうです。
今年は、瀬戸内の島々の「食」をアーティストが掘り起こすというプロジェクトが予定されています。地元の方にとっては当たり前の地元の食材や料理の魅力が、アーティストによって「食べるアート」に変身します。さらに、地域の歴史にインスピレーションを受けた合唱や演劇、ダンスなどのパフォーマンスにも注目です。『WeShare Beauty』編集部がオススメするイチオシのアート作品は、豊島の「豊島八百万ラボ」と犬島の「家プロジェクト」です。ぜひチェックしてみてくださいね。

  • 12の島は、直島、豊島、女木島、男木島、小豆島、大島、犬島、沙弥島(春)、本島(秋)、高見島(秋)、栗島(秋)、伊吹島(秋)

1泊2日で制覇できる「岡山芸術交流2019」

©Okayama Art Summit 2016, Courtesy of the artist and TARO NASU, Photo: Yasushi Ichikawa

2016年に初開催され、今年で2回目となる「岡山芸術交流 2019」。3年に1度岡山県で開催される現代アートの大型国際展覧会です。アーティスティックディレクターを務めるのは、フランス人アーティストとして世界各国で活動するピエール・ユイグ氏。2019年9月27日〜11月24日の2ヶ月間に渡り、岡山城・岡山後楽園周辺エリアのさまざまな歴史文化施設を会場に、世界的な最先端のコンセプチュアルアート作品を展示。芸術鑑賞と街歩きをともに楽しむことができます。
歴史的スポットが点在する岡山市内の徒歩移動が可能なコンパクトな地域を舞台に、世界各国からアーティストが参加します。会場は、教室や校庭に設置される作品を楽しめる旧内山下小学校や岡山県天神山文化プラザ、岡山市立オリエント美術館、林原美術館、岡山城などがあります。

「いのちのてざわり」をテーマに掲げた「Reborn-Art Festival 2019」

宮城県石巻市・牡鹿半島を舞台に開催される「アート」、「音楽」、「食」の総合芸術祭「Reborn-Art Festival(リボーンアート・フェスティバル)」が、2019年の夏に再び開催されます。2回目となる今回の本展のテーマは「いのちのてざわり」。実行委員長を務める音楽プロデューサーの小林武史氏は「暴走する経済や現代社会の状況は、人が生きることの本質からどんどん遠ざかりつつあるように見える。石巻でしか生まれ得ない『いのち』という我々の根源に深く触れることのできる作品を、そこで新たな<ポジティブ>をみつける未来に向けたダイナミズムを、ぜひ体感していただきたい」と語っています。
また、今回は新たな試みとしてマルチキュレーター制を採用し、各アートエリアを担当するキュレーターが発表され、エリアごとに、それぞれのキュレーターが選んだアーティストたちのアート作品が展示されます。7組のキュレーターとともに約40組のアーティストたちが作品を展開。会期は、2019年8月3日〜9月29日。

ジェンダー平等を掲げる「あいちトリエンナーレ2019」

ジャーナリストである津田大介氏が芸術監督を務めることで話題を集めているのが、「あいちトリエンナーレ2019」。今年で4回目の開催となり、国内外から80組以上のアーティストが集結し、8月1日から10月14日の75日間にわたり開催されます。「情の時代 Taming Y / Our Passion」をテーマにする今回は、愛知芸術文化センターを中心に、名古屋市美術館、名古屋市内のまちなか、豊田市美術館および豊田市駅周辺などが会場となります。
今回の注目すべき点は、参加アーティストの男女比率をほぼ均等にしたことです。津田監督は、「日本はジェンダーギャップ指数が低く、美術業界でも同様。この状況を変えていくために、参加作家数の男女平等を実現した。世界最古・最大の芸術祭『ヴェネチア・ビエンナーレ』も企画展示部門で参加アーティストのほぼ半数が女性であることが分かったが、今後の美術業界の国際潮流になるはず。1年以上かけてテーマに合う作家を選ぶことを大前提にして進めながら、作家に参加機会を与える上でジェンダーの平等を達成した」と話しています(※サカエ経済新聞2019年3月28日記事より引用)。
また今年は、愛知芸術文化センターを会場に、美術と音楽の垣根を越えた音楽プログラム「あいちトリエンナーレ2019 MUSIC&ARTS FESTIVAL」と、四間道・円頓寺でも音楽プログラムを開催。現時点では純烈、サカナクションの2組が参加決定しています。今後、新たな参加アーティストについては随時発表される予定です。

これからも『WeShare Beauty』をよろしくお願いします

いかがでしたか?今回が『WeShare Beauty』の平成最後の号になります。そして、いよいよ5月1日からは新元号「令和」がスタートします!これからも皆さんのお役に立てるよう、さらにブラッシュアップした『WeShare Beauty』をお届けしていきますので、ぜひ楽しみにしていてください!