MYPAGEコミュニティ『WeShare Beauty』vol.83

平成の振り返り~メイク編~

間もなく終わる平成。今回から2回にわたり、平成のヘアとメイクのトレンドを振り返りながら、ヘアとメイクの「いま」を見つめてみたいと思います。メイクの変遷は女性像の変遷。30年を駆け足で見ていきましょう!

色よりライン

昭和後半から平成中頃まで、「メイクの中心はアイメイク」といっても過言ではない時代が続きました。色あざやかなアイシャドウが数多く登場し、目もとに立体感を与えるために2~3色、なかには5色使ってグラデーションで仕上げるテクニックも浸透しました。これは、西洋人のような彫りが深く立体的な、大人っぽい顔立ちに仕上げるための王道テクニックです。
しかし、平成後半になると韓流ブームが到来し、事態は一転。アイラインで目を大きくぱっちりとみせ、涙袋を強調し、潤んだような幼くかわいい顔立ちを強調するテクニックが流行しました。
現在では、そうした過度なかわいいブームは落ち着き、自然な立体感をつくる程度のアイシャドウが主流となっています。色もナチュラルなベージュやブラウン系が人気です。

まつ毛

かつてない平成のまつ毛ブームは、マスカラとともに始まりました。太く長いまつ毛が注目され出してから、ブラシの形状の改良、コームタイプの登場から繊維の長さから太さまで、美容雑誌でも数多くのマスカラが取り上げられ、様々なタイプのものが登場しました。
しかし、次第にマスカラで盛ることに疲れた人々は「まつ毛ケア」へと傾倒。まつ毛を育むべく、まつ毛用美容液や、まつ毛用の育毛剤まで登場しました。
一方、まつ毛自体の本数を増やしながら長くするという新しい発想のまつ毛エクステも、平成後半には市民権を得て、一般的なものになりました。
現在ではマスカラもまつ毛エクステも、ナチュラルな仕上がりが主流です。

リップ

平成前半のバブル期は、赤リップが流行。なかでも、ローズ系の色の広がりが多くみられました。バリバリと働き始めた社会人の女性がメイクでも流行の中心だった時代です。
しばらくすると「アムラー」や「コギャル」といった言葉が流行し、トレンドの中心は10代の高校生へと移行していきます。「ガングロ」の女子高生たちが渋谷に集まっていたのも、この時代です。肌の黒さを強調するような、色味のないベージュやピンクなどは、次第に大人の女性たちにもヌーディカラーとして浸透していきます。
その後、グロスを重ねたふっくらとした女性らしい唇が大流行し、グロス時代へと突入。
現在では、グロスのようなツヤと保湿効果を兼ね備えたリップと、ツヤのないマットな質感のリップが流行を担っています。

ファンデーション

この30年、ファンデーションほど進化したアイテムはなかったのではないでしょうか。パウダーからはじまり、リキッド、ウォータリー、クリーム、クッションと、その変化には目を見張るものがあります。なかでも、日本メーカーのファンデーションは、いずれも皮脂に強く、かつ乾燥に対応するファンデーションとして、世界でも高く評価されています。さらに、毛穴やシミをカバーしながらも透明感を演出するために、専用のブラシやスポンジを使うようになるなど、商品だけではなくテクニックの進化も大きな特徴といえるでしょう。
いまや、自分の肌質に合ったファンデーションのセレクト+テクニックによって、誰でも自然なツヤと透明感のある肌を手に入れられる時代になったのです。

メイクの情報源も進化

メイクの情報源に大きな変化があったのも平成です。広告やテレビで人気の女優が流行の発信源だった平成前半、テレビは絶大な影響力を持ち、女性の憧れの対象は、主に女優や歌手でした。
しかし、のちに雑誌が台頭し、見本となる女性像は次第にファッション雑誌で活躍するモデルへと変化していきます。そして、女優やモデルでもない、一般人である読者モデルが登場。身近で手に届きそうな存在が憧れの的になり始めたのが、平成の中頃です。
その後、インターネットの爆発的な流行と浸透とともに、インターネット上で影響力をもつインフルエンサーが注目され始めたのもつかの間、いまでは個人がブログやインスタグラムなどで、自分にとってよいもの、好きなものを自由に発信する時代となりました。美容情報はあらゆる場所、かたちで発信され続けています。

メイクの振り返り、いかがでしたか?懐かしいワードや思い出がよみがえってきたのではないでしょうか?次回は平成のヘアトレンドを振り返ります。お楽しみに!

プロフィール

ヘアメイクアップアーティスト・髙木大輔さん

美容師を経験後、ヘアメイクアップアーティストとして(株)資生堂入社。撮影、宣伝広報活動、ファッションショー等のアーティスト活動を経て独立されました。現在は横浜元町のヘア&メイクアップサロン『Atelier Salon DD』でトータルコーディネーションの視点に立ったオリジナルの美容メソッドをもとに、ヘアおよびメイクアップを提供。サロンワークのほかに、日本のみならず上海、香港など海外でのデモンストレーション、美容技術教育、撮影と多岐にわたり活動中です。

  • 髙木大輔さんは、パソナグループのグループ会社『プロフェリエ』に所属するプロの方です。