英文事務 (オフィスクラーク)のお仕事インタビュー

スタッフインタビュー

スタッフ:水谷 さん

外資系企業の参入が増え、ますます注目を集める英文事務(オフィスクラーク)。憧れるけれど実際に働くには、まず確かな英語力が必要では……? 人気の外資系企業に勤務している派遣スタッフの水谷さんは言います。「私は、英語力以外の部分で、採用されました」。紆余曲折しながらも、彼女が適職を見つけたプロセスとは? 水谷さんのお話をご紹介します。

仕事探しは、条件や環境だけでなくさまざまな要素を加味するため、迷いがちです。

パソナからお仕事をご案内いただいたときに、どうしようか迷っている私を見て、営業担当者が「選択肢はたくさんありますよ。この仕事を受けないからと言って、パソナからの仕事の案内が終わりという訳ではないので、よく考えて下さい」とアドバイスしてくださったのです。その言葉に励まされました。

確かに、最初に仕事をする時は、ちょっと断りにくいものです。

わがままですが希望が叶うまで、私は何回も断りました。ただ逆に、他の派遣会社からの話ですが、4年間働いていないことを理由に、お仕事の案内が難しいと言われたこともありました。そのためパソナの方には、事前に私のハンデをすべて相手に伝え、それでも良いと言ってくださるところを受けたいと、お願いしたのです。

仕事を休んでいたブランクのこと、ですね。

ブランクの他にもあります。英語は好きで英会話学校に通った経験はありますが、ビジネスシーンで英語を使った経験がないこと。MOTの試験を目指して勉強中ですが、仕事上で最新のエクセルやアクセスを使いこなせるかわからないことなどです。でも、現在勤務している会社は「それでもいいから来てください」と言って下さいました。

企業はどういうスキルを求めていたのでしょうか。

外資系なので英語力はある程度は求められましたが、それよりもこれまでどういう気持ちでアシスタントワークを行ってきたか、秘書として以前はどのように上司に接していたかを重視されたようです。

つまり英語よりヒューマンスキルの部分が重視されたのですね。

外資系企業への勤務を希望される方は、仕事への意欲が高く、やる気も充分なのですが、ややもすると周りとのコミュニケーションが上手くいかないケースもあると聞きます。私の場合は、秘書やサポート業務の経験で培ったコミュニケーション力とパソコンの基礎知識があるという、英語力以外の能力が求められたのだと思います。

英文オフィスクラークは人気の職種ですが、実際に勤務しての感想は?

外資系と聞くとかっこいい仕事と思われる方も多いみたいですが、業務内容は日本企業と変わりません。私の場合は、ファイリングや上司のスケジュール管理のほか、頼まれれば掃除だって行います。求められたものができないと駄目だと思っているので、基本的には仕事は何でもするようにしています。

英語力だけで通用する仕事では、ない。

むしろ前職でサービス業や秘書、アシスタントワークをやっていたことがプラスになっています。英語が使えるから外資系企業で働きたいと思われる方も多いかも知れませんが、それだけでは少し難しいかも知れません。秘書的な仕事から掃除などの雑用まで、なんでもやるという、積極的な気持ちも大切なのではないかと思います。

守備範囲の広さが、むしろ重要?

秘書業務もできてデータ入力もできるなど、複数の経験を持っている人材は少ないのだそうです。派遣で登録する方はスキルについてとてもよく考えます。目標もとても高い。複数の業務経験があるほうが、いろんな仕事に就くチャンスが広がるのではないでしょうか。だから英語だけじゃなく、他にスキルを持った方がいいと思います。

ところで英語はどのように勉強しましたか。

学び方は人それぞれですが、私は楽しみながら。テレビや映画を二重音声で聞き学びました。アメリカ人の友達を作るのもいいかも知れませんね。在日外国人用のフリーマガジンに目を通すと、「ランゲージエクスチェンジ」や「お友達ウォンテッド」など、ネットワークを広げる案内もたくさん出ています。

襟を正し、会話のテキストを買ったのに、意気込みすぎて3日坊主になることは多いですね。遊び感覚ならば長続きするかも。

大切なのは、人に尋ねたり恥をかくことを恐れないこと。私もよく人に単語を聞いています。ネイティブ・スピーカーに負けまいと肩肘張らなくたって、いいのですから。自分のレベルを恥じることなく公言してしまえば楽になり、コミュニケーションもずっととりやすくなりますよ。

つまり自分を良く知ることが、ステップアップへの近道なのですね。最後に、英文事務(オフィスクラーク)を目指している方へのアドバイスを。

何よりも、出会った人を大事にすることだと思います。派遣に登録する前に出会った人々、ボランティア活動での知人、先生、クラスメートたち……。人が、財産になるからです。

いい出会いは、誰にでもある?

出会いは、自分でつくるものだと思います。そして出会う人を大事にすれば、どんどん道は開けていくと思います。特にアドバイスをしてくれる方は大切にして。きっと将来のプラスになると思います。

さまざまな出会いを重ねながら、適切な道を自身で選び、ステップアップされたのですね。
とても参考になるお話を、ありがとうございました。