パソナ宇宙プロジェクト主催 『ビジネスセミナー(第三弾) 』 開催

日本と世界のテクノロジー・宇宙ビジネス最前線を知ろう!

AI、IoT、ロボット、宇宙などのキーワード・・・最近よく耳にするという方は多いと思います。
このようなテクノロジーの進化は、どんなビジネスに応用できるのでしょうか?
また、これからの働き方はどう変わり、実際の私たちの生活にはどう影響するのでしょうか?
第三回パソナ宇宙ビジネスセミナーでは、テクノロジー全般に関する著書も数多く出版されているITジャーナリストの湯川鶴章さんと、各種メディアで宇宙ビジネスの潮流について寄稿をされ、内閣府 宇宙政策委員会の委員も務める石田真康さんのお二人にご登壇いただき、日本と世界のテクノロジー最前線について講演いただきました。

講師紹介

今回のビジネスセミナーにご登壇頂きました講師の方々をご紹介させて頂きます。

第一部 湯川 鶴章(ゆかわ・つるあき)氏

ITジャーナリスト 米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。

▼イベントに登壇して
日曜日だというのに多くの方にお集まりいただき、ありがとうございました。前向きで明るい参加者が多く、懇親会も楽しかったです。またどこかでお会いしましょう!

第二部 石田 真康(いしだ まさやす)氏

A.T. カーニー株式会社 プリンシパルとしてハイテク、自動車、宇宙業界などを中心に、10年超のコンサルティング経験。一般社団法人SPACETIDE代表理事として日本初の民間による宇宙ビジネスカンファレンスを主催。内閣府 宇宙政策委員会 宇宙民生利用部会および宇宙産業振興小委員会 委員。ITmediaビジネスオンラインにて「宇宙ビジネスの新潮流」を連載中。

▼イベントに登壇して
花見シーズンの休日にも関わらず、とても多くの方々が参加されていて、改めて宇宙ビジネスの盛り上がりを感じました。色々な方々とお話することができてとても楽しかったです!

第三部ファシリテーター 粟生 万琴(あおう・まこと)氏

エンジニアとしてソフトウェア開発に従事した後、株式会社パソナテックに入社。2012年同社初の女性役員として就任、新規事業、および産官学連携プロジェクト責任者として従事。2016年からDeNA前会長の春田真氏と関西発のAI ベンチャー「エクサインテリジェンス」を設立し取締役就任。人とAIが融合する「ミライの新しい働き方」の実現を目指しパラレルワークをスタート。三重県出身、一児の母。

パソナ宇宙事業プロジェクト主催 『第三回 ビジネスセミナー』 概要

第一部 AIが変える未来

第一部では、最新のAIテクノロジーの動向と、AIが各業界に及ぼす影響についてお話しいただきました。

▼講演概論

 AIは<子供のAI><大人のAI>に大別され(※1)、それぞれ急速にテクノロジーが進歩しています。
子供が発達過程において形成する「認識」や「言語理解」は、従来再現が難しいとされていましたが、コンピュータ処理能力の向上とDeepLearningによって、コンピュータが「概念」を獲得できるようになりました。
現在、画像認識の分野ではAIが既に人間を超え、読唇術でも応用技術が躍進しているため、今後は読唇術と合わせることで音声認識の精度も大幅に向上する見込みです。日々進歩するAIは、各業界にも影響を及ぼしています。
 例えば、自動車業界では、AIの実装により自動走行運転の実現が早期化し、TESLA・BMW・UBER・トヨタ等、自動車メーカーでの実装競争が激化しています。自動走行運転が実現できたら、車内での過ごし方に関するサービスが今後拡大する見込みです。また、AIは今後の小売業界には大きな脅威になる可能性も秘めています。Amazonは、倉庫をロボット化するとともに、 AIを完備したレジ精算不要のAmazon Goも既に試験運用を行っており、低価格に拍車がかかっています。
 一方で、データから総合的な判断を行う<大人のAI>分野でも、DataRobotのような新たな製品により、従来データサイエンティストが行っていた複雑なモデル分析などが自動で簡単にできるようになってきました。会計士・医師・弁護士といった知識と論理的な判断が必要な仕事でも、将来的にはAIで代替されると予想されています。
 記憶・分析・計画策定などの合理的思考はAIに負けたとしても、志を持ち、想定外の事項に対応したり、リスクを取るといった部分においては人間に強みがあります。未来に向けて仕事やキャリアを考える際、合理的思考以外の人間らしさが重要になってくるのではないかと考えます。

(※1)東京大学松尾豊特任准教授資料より

第二部 宇宙ビジネスの新潮流

第二部では、最新の宇宙ビジネスについて、海外の状況も含めてお話しいただきました。

▼講演概論

 従来、宇宙開発といえば国家プロジェクトという構造が主流でしたが、アメリカでは、シリコンバレーのITやAI分野のテクノロジーとエンジニアが数多く流入することで、民間主導型の宇宙開発に構造が変化し、「民間宇宙ビジネス・ビックバン」とも呼べる大きな変革が起きています。様々な宇宙ビジネス・ドメインが生まれることで、世界の宇宙市場は35兆円に達し、過去10年間で倍に成長を遂げました。
 宇宙ビジネスの領域は、月や火星といった深宇宙でのビジネスと、地上400~600Kmといった近傍宇宙でのビジネスに大別できます。深宇宙の領域では、将来的に宇宙空間で消費する目的で、レアメタル・金属・水といった資源探査を行うベンチャー企業が増えています。一方の近傍宇宙の領域では、衛星打ち上げ、国際宇宙ステーション内でのビジネス、宇宙ホテルなど、多様なサービスのアイディアが生まれています。特に衛星に関しては、衛星から取得できるビッグデータ関連のビジネスが活況です。
 どちらのビジネス領域においても、宇宙へ容易にアクセスできることを前提としているため、宇宙ベンチャー起業家として有名なイーロンマスクの他、AmazonのCEOであるジェフ・ベゾスも既に2000年から「Blue Origin」という宇宙ベンチャーを起業し、宇宙へのアクセスに革命を起こそうとしています。
 日本の宇宙産業の現状としては、宇宙ビジネスのベンチャー企業が徐々に増えており、宇宙と関連のない企業でも、投資先として宇宙ビジネスに興味を持ちはじめている状況です。ビジネスで関わっていなくても、もともと宇宙に興味のある方が多いため、今後さらに民間の力を強化し、宇宙ビジネスの新たなエコシステムを構築していくことが重要です。

第三部 トークセッション

第三部では、ファシリテーターに粟生万琴さんを迎え、日米の違いや注目の企業、さらには新しい働き方まで多岐にわたる話題に触れた、ここでしか聞くことのできないセッションとなりました。

▼トークセッション抜粋

Q.テクノロジーベンチャーは米国が先行している印象ですが、日米における違いは何だと思いますか?(粟生)
【湯川氏】
技術力で日本が負けているとは思いませんが、アメリカでは宇宙安全保障・軍事需要がもともと起爆剤となり、シリコンバレーにエコシステムが形成され、さらに開発が加速する仕組みができている点に違いがあります。
【石田氏】
日本は、「宇宙」と聞くと日食や小惑星探査機「はやぶさ」といった学術的な内容を思い浮かべますが、
アメリカでは、ビジネスや安全保障をイメージする方が多く、投資や起業に直結している点が大きな違いになっているように思います。

Q.本日の参加者は非エンジニアの方がほとんどです。エンジニア以外の職種の方でも、テクノロジー企業と関わるにはどうしたら良いでしょうか?注目のベンチャーなどがあれば教えて下さい。(粟生)
【湯川氏】
日本のAIベンチャーは、エンジニアのニーズが高い状況がしばらく続くと予想されます。
外資系のAIベンチャーであれば会社規模も大きくなり、非エンジニアでもチャンスは多いのではないでしょうか。
【石田氏】
日本の宇宙ベンチャーでは、ispaceやアクセルスペースなどが存在感を示しています。
転職という選択肢以外に、まずはプロボノ(スキルを生かしたボランティア)として関わりを持ち、複数の仕事を掛け持ちしながら協業する働き方も今後増えると思います。

懇親会の様子

多彩なバックグラウンドの参加者交流会

▲参加者全体が輪になり乾杯!            ▲熱気あふれるディスカッション

▲講師陣および参加者の皆様

今後のイベント情報

宇宙講座、および今後のイベント開催に関するご意見・ご要望がございましたら、
下記宇宙事業プロジェクトまでご連絡ください。

space@pasona.co.jp

主催

株式会社パソナ 宇宙事業プロジェクト

2015年7月より若手社員を中心に発足。ロケット打ち上げパブリックビューイングやセミナーを開催。
宇宙ビジネスの拡大、および宇宙ビジネスに関わる人材の育成を目指したプロジェクトを推進している。