おすすめ特集・コラム【女性版骨太の方針2025】地域活性化と女性の経済的自立を推進
公開日:2025.07.04 更新日:2025.07.04
- キャリア自律支援
- 女性活躍
2025年6月10日に政府が決定した「女性版骨太の方針2025」。地域における魅力的な職場づくりを通じた「女性に選ばれる地方」の実現や、ライフステージに左右されず誰もが希望に応じて働ける環境づくりに取り組むことが明記されています。
この記事では、女性版骨太の方針2025に基づく女性活躍の指針や、企業が取り組むべき具体策についてわかりやすく解説します。
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女性が活躍する職場づくり3つのポイント
パソナグループの女性活躍推進への取り組みはえるぼし最高位認定をはじめ、多方面から評価を受けています。人材戦略の3つの柱にも組み込み、中長期的な目線で施策を行って数値に表れる効果をあげてきました。
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女性版骨太の方針2025とは
女性版骨太の方針とは、政府が毎年決定する「女性活躍と男女共同参画を加速させるための重点方針」です。2025年6月10日の会議で「女性版骨太の方針2025」が決定し、女性が活躍する社会の実現に向けた今年の重点方針が明らかになりました。
参考資料:女性活躍・男女共同参画の重点方針 2025 (女性版骨太の方針 2025)
女性版骨太の方針2025の目的は「いつでも・どこにいても、誰もが自分らしく生きがいを持って生きられる社会」の実現です。若者の地方離れが加速するなか「女性に選ばれる地方」の実現を急務とし、以下に挙げる5項目を重点事項として取りまとめています。
- 女性に選ばれ、女性が活躍できる地域づくり
- 全ての人が希望に応じて働くことができる環境づくり
- あらゆる分野の意思決定層における女性の参画拡大
- 個人の尊厳が守られ、安心・安全が確保される社会の実現
- 女性活躍・男女共同参画の取組の一層の加速化
1と2の重点事項は、企業が女性をはじめとした多様な人材の活躍を支えるための具体的な行動指針となっており、今後の企業活動において重要なテーマとなるため、具体的に解説します。
関連記事:「女性版骨太の方針2024」決定!企業視点からわかりやすく解説
地域における魅力的な職場づくり
内閣府の調査によると、若い女性が地元を離れる理由として「希望する進学先が少ない」「やりたい仕事や就職先が少ない」「地元から離れたかった」といった回答が多く挙げられています。こうした背景を踏まえ、女性版骨太の方針2025では主に内閣府、法務省、経済産業省により「地域における魅力的な職場づくり」を推進し、どこにいても安心して働き続けられる地域社会の実現を目指しています。
以下に、具体的な取り組みについて説明します。
女性の起業支援と学びの場の拡充
女性の起業を後押しする支援策として、地域の男女共同参画センターを活用した支援体制を強化し、女性のための起業セミナーやロールモデルとの出会いの場を提供します。
また、地域には依然として性別による固定的な役割分担意識や、無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)が残っており、女性活躍や起業支援に取り組むうえでは地域の意識改革も欠かせません。女性の起業や挑戦を阻む障壁を取り除くため、企業の広報や管理職、経営層の意識改革を促し、性別にとらわれない働き方の推進に向けた広報啓発に取り組みます。
関連記事:アンコンシャスバイアスとは?意味、職場でよくある具体例や対処法を解説
男女間賃金格差の是正と登用推進
女性活躍を進める企業への支援策として、男女間の賃金差を簡易に分析できるツールの活用を促し、男女間賃金格差の是正に取り組みます。特に賃金差異の大きい業界については、業種ごとの実態・分析・課題を踏まえたアクションプランに基づく取り組みを進めていきます。
また、地方や中小企業における女性の登用を推進するために、男女間賃金差異の要因分析や女性管理職登用への課題について、各企業の雇用状況に応じたコンサルティングを実施します。
関連記事:【2025年】ジェンダーギャップ指数の課題と日本の現状:改善に向けた取り組みを解説
関連記事:男女賃金格差の開示義務とは?女性活躍推進法改正により企業が対応すべきこと
人材確保・育成と体制づくり
地域の実情に応じた人材確保・育成に取り組み、女性活躍・男女共同参画の体制を強化します。具体的には、独立行政法人男女共同参画機構の設立準備を推進し、事業内容の高度化に必要な予算と人員の確保に取り組みます。また、自治体への支援として「地域女性活躍推進交付金」を活用し、女性デジタル人材や女性起業家の育成を後押しします。
地方における採用活動を強化するには「UIJターン採用」という方法も有効です。UIJターン採用の進め方や成功させるポイントをまとめた資料をご用意していますので、地方採用に課題を感じている企業様はぜひ参考にしてください。
地方採用を成功させる!UIJターン採用の進め方
Uターン採用、Iターン採用、Jターン採用の進め方と、成功させるポイントをおまとめした資料です。 地方におけるご採用活動の一手として、UIJターンの検討をしてご利用ください。
すべての人が希望に応じて働くことができる環境づくり
女性版骨太の方針2025では、誰もが自分の希望に応じて働くことができる社会の実現を目指しています。そのためには、柔軟な働き方やスキルの習得を支援し、多様な人材が能力を発揮できる環境を整えることが重要です。
以下では、主に内閣府、総務省、厚生労働省が推進、支援している取り組みについてご紹介します。
多様で柔軟な働き方推進
テレワークの導入が進まない地方や業種・職種に対しては、助成金の活用や専門家による相談対応などを行い、男女問わず全員が多様かつ柔軟な働き方ができるよう支援します。また、男女が協力して育児を担う重要性や「共働き・共育て」の意義を広く浸透させ、男性の育児休業取得と家庭内役割分担の見直しを推進していきます。
関連記事:多様な働き方とは?実践企業の取り組み例とメリットを解説
デジタルスキル習得やリスキリング支援
女性に対するキャリアアップ支援として「新・女性デジタル人材育成プラン」を実行し、デジタルスキルの習得やデジタル分野への就労を後押しします。財政支援として「地域女性活躍推進交付金」を活用するほか、官民で実施している優良な支援事例を集約し、各地域への横展開を図っていきます。
また、非正規雇用労働者が働きながら学べるリスキリング環境を整え、より待遇の高い仕事への就労や正社員への転換を支援します。
L字カーブ解消とライフイベントとの両立支援
女性の継続就業を後押しし、長期にわたって個々の能力を発揮してもらうためには、いかなるライフステージでも安心して働き続けられる支援体制の整備が不可欠です。
L字カーブとは?キャリア中断の要因と対策
L字カーブとは、女性の就業率が出産・育児期に大きく低下し、アルファベットの「L」のようなカーブを描く現象のことです。L字カーブ解消に向けては、正規雇用で働く女性のみならず、非正規雇用の女性に対する就職支援への取り組みも必要です。特に、初職から非正規雇用で働く女性や、妊娠・出産を機に非正規雇用となった女性はキャリアが中断されやすく、正社員転換や処遇改善の促進、ライフイベントとの両立支援が求められます。
両立支援策の具体例
女性が長く活躍できる社会を実現するには、育児・介護との両立支援や、女性特有の健康課題へのサポートが欠かせません。具体的には「育児時短就業給付」や「出生後休業支援給付」など各種給付金の周知に取り組むとともに、働く男女の家事負担を軽減する外部サービスの活用を普及していきます。また、女性の健康課題に起因する離職を防ぐために、健康診断やセルフチェック、相談窓口などを活用し、働く女性の健康確保にも積極的に取り組みます。
しかし、育児・介護との両立支援に取り組んでいても、女性の健康づくりに対しては何から始めるべきかわからないという企業様も多いのではないでしょうか。パソナでは、女性特有の健康課題に対する男女相互理解を育み、健康面から女性活躍推進をサポートするプログラム「Kira+sup(キラサポ)」を提供しています。プログラムの詳細や導入効果については以下の資料をご参照ください。
働く女性を応援!「Kira+sup(キラサポ)」
「Kira+sup(キラサポ)」は健康面から女性活躍推進をサポートするプログラムとなっております。 この資料では、職場の共通理解を育み、実践を促すトータルプログラムについて紹介します。
企業における女性活躍の推進
2025年度末に期限を迎える女性活躍推進法が10 年延長して2036年3月を期限とすることが決定し、女性の職業生活に関する情報公表の強化などを盛り込んで改正されました。女性版骨太の方針2025では、改正女性活躍推進法を着実に施行し、企業における女性活躍のさらなる推進に取り組んでいくことを明記しています。
女性管理職比率の引き上げ
2026年4月1日より、常用労働者が101人以上の企業には女性管理職比率の公表が義務付けられます。また、プライム市場上場企業に対して「2025年までに女性役員ゼロ企業を0%」「2030年までに女性役員比率30%以上」といった明確な数値目標を設定していることから、企業は女性の登用状況を可視化し、積極的な育成・登用に取り組むことが求められます。
関連記事:【2025年】女性役員比率19%を目指す|政府方針の概要と現状
女性人材の採用・育成とキャリア形成支援
企業においては、女性人材の採用・育成に積極的に取り組むことがますます重要視されます。女性がライフイベントを経ても長期的に活躍できる環境づくりを推進し、管理職・意思決定層への登用につながるキャリアパスの構築が求められています。
パソナが提供する女性活躍推進サポートは「キャリア支援」「健康支援」「両立支援」といった多方面からのアプローチで女性活躍を後押しするサービスです。働きたい女性がいきいきと働き続けられるよう、企業の女性活躍推進を総合的にサポートしています。
企業が果たすべき役割とは
女性が活躍できる社会の実現に向けて、企業が果たすべき役割をご紹介します。
企業が取り組むべき具体策
企業が女性活躍推進に取り組むうえでは、まず女性活躍推進法を遵守し、法律に基づく行動計画の策定・公表を確実に実行する必要があります。あわせて、女性管理職や役員の登用について数値目標を設定し、その達成に向けた取り組みを進めることが求められます。
さらに、ダイバーシティ&インクルージョンの推進に向けて、無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)の解消に向けた研修を取り入れるなど、職場全体の意識改革を図ることも重要な取り組みです。
パソナが提供する女性活躍推進研修は、各企業の課題に合わせたカスタマイズ設計が可能です。研修を通じて管理職と社員が共通の認識を持ち、ライフイベントを「個人と組織の成長機会」と捉える組織文化を醸成していきます。
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企業と行政の連携による持続可能な支援体制
女性活躍を継続的に支援するには、企業と行政の連携・協働が欠かせません。女性活躍推進法に基づく行動計画の策定・公表は、企業の取り組み状況を可視化し、優秀な人材の確保や社会全体の意識向上につなげる重要な仕組みです。特に優れた取り組みを行っている企業には「えるぼし認定」や「プラチナえるぼし認定」が与えられる制度もあり、公共調達での加点や低金利での融資制度利用といったメリットがあります。
関連記事:【女性活躍推進法】プラチナえるぼしの認定基準と行動計画の立て方
まとめ
女性版骨太の方針2025では、女性に選ばれる魅力的な地域づくりや、正社員転換による「L字カーブ」解消に向けた取り組みなどを重点事項とし、地域・社会全体の活力向上や女性の経済的自立を後押ししています。企業においては、女性活躍推進法に基づく行動計画の策定・公表のほか、多様な働き方の整備やライフイベントとの両立支援、女性特有の健康課題への対応、女性管理職登用に向けたキャリアパスの構築などが求められます。働きたい女性が長くキャリアを継続できるよう、女性活躍推進の取り組みを加速させましょう。
ワークライフバランス施策とキャリア形成の両立を支援
女性活躍を目指すためには、ワークライフバランスを取るとともに、キャリアへのモチベーションを持続させるような施策を同時に進めていくことが必要です。企業の持続的成長に必要な施策とパソナの支援内容をご紹介します。
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