おすすめ特集・コラム「女性版骨太の方針2024」決定!企業視点からわかりやすく解説
公開日:2024.07.17 更新日:2024.09.26
- 女性活躍
2024年6月11日に「女性版骨太の方針2024」が決定されました。今回の女性版骨太の方針では、企業や地域で活躍する女性人材の育成や女性活躍・男女共同参画を推進するリーダーの育成など「人材の育成」を軸とした取り組みがまとめられています。企業としても重点方針に基づく政府の取り組みを把握し、自社の女性活躍で対応すべき事項を確認しておきましょう。
この記事では「女性版骨太の方針2024」を取り上げ、女性活躍・男女共同参画の推進に向けて重点的に取り組む事項を紹介します。
女性活躍に必要な取り組みをデータから読み解く
- ビジネスチャンスの拡大
- 人材確保
- 社会的信用の向上
- 生産性の向上
女性版骨太の方針とは
女性版骨太の方針とは、女性の活躍と男女共同参画の推進における重要事項を取りまとめたものです。正式名称は「女性活躍・男女共同参画の重点方針」といいます。女性を取り巻く問題を解消し、性別を問わずに誰もが自身の個性や能力を発揮できる社会を実現するために、中長期的な観点で女性活躍・男女共同参画の取り組みが推進されています。
いつから?
毎年6月頃にその年度と翌年度に取り組む内容を決定し「女性版骨太の方針(女性活躍・男女共同参画の重点方針)」として公表されます。2020年までは「女性活躍加速のための重点方針」という名称が使われていましたが、2021年から「男女共同参画」が追加され、現在の名称となりました。
参考ページ:過去の重点方針|内閣府 男女共同参画局
女性版骨太の方針2024
2024年6月11日、すべての女性が輝く社会づくり本部・男女共同参画推進本部の合同会議により「女性版骨太の方針2024(女性活躍・男女共同参画の重点方針2024)」が正式決定されました。
女性版骨太の方針2024では次の4つを重点事項としています。
- 企業等における女性活躍の一層の推進
- 女性の所得向上・経済的自立に向けた取組の一層の推進
- 個人の尊厳と安心・安全が守られる社会の実現
- 女性活躍・男女共同参画の取組の一層の加速化
この記事では「企業等における女性活躍の一層の推進」と「女性の所得向上・経済的自立に向けた取組の一層の推進」の2つを取り上げ、それぞれの取り組みについて以下で詳しく解説します。
企業等における女性活躍の一層の推進
1つ目の柱は「企業等における女性活躍の一層の推進」です。ここでは「活躍する女性人材と企業等で取組を推進する人材の育成」を掲げ、企業における女性役員の登用や女性活躍に取り組む企業への支援や理工系分野を目指す女子生徒の育成などについてまとめられています。
企業における女性の採用・育成・登用の強化
日本ではプライム市場上場企業における女性役員登用目標として「2030年までに30%以上/2025年までに19%」「2025年までに女性役員ゼロ企業を0%」にすることを掲げています。まずは「2025年までに19%」の目標達成に向けて、女性活躍に関する行動計画策定の推進や役員候補となる女性人材のハイプランの構築、すべてのプイム市場上場企業を対象とした啓発活動への取り組みが盛り込まれました。あわせて、女性活躍や子育て支援に積極的に取り組む企業を後押しするために、経済的インセンティブの促進・拡大がおこなわれます。
科学技術・学術分野における女性活躍の推進
理学部・工学部といった理工系分野は、大学(学部)の学生に占める女性の割合が少ない学部です。この分野における女性活躍推進の取り組みとして、各地域の大学・高専において理工系の魅力を伝える情報発信の機会を増やし、理工系分野を目指す女子生徒の育成に向けた取り組みを促進することが掲げられました。
また、女子中高生・大学生のプログラミング教育を充実させるために、中学校・高校では指導体制の強化や担当教員を対象とした研修会の実施、大学・高専ではプログラミング教育を含む数理・データサイエンス・AI教育を推進するということです。
女性起業家の支援
経済産業省が推進するスタートアップ育成支援プログラム「J-Startup」において、女性起業家の割合を「2033年までに20%以上」にするという数値目標を掲げています。ロールモデルとなる女性起業家を創出・育成するとともに、女性起業家ネットワークの充実や資金調達支援に取り組み、地域中核企業や金融機関も巻き込みながら女性の起業を後押ししていきます。
パソナが提案する女性管理職採用ノウハウBook
女性活躍を推進されている企業様に向けて、「女性管理職の採用」を実現するための採用マニュアルを作成しました。 前半では、パソナを利用した女性転職者へのアンケート調査を元に「女性の志向性や、キャリアを築いていくために必要としている環境」について解説し、後半では「女性管理職の応募を増やすには? 」「面接で女性管理職の意向を上げるには? 」といった採用過程ごとのポイントをご紹介します。
女性の所得向上・経済的自立に向けた取組の一層の推進
2つ目の柱は「女性の所得向上・経済的自立に向けた取組の一層の推進」です。ここでは「全国各地の女性が経済的に自立するための力の育成とこれを支える人材の育成」を掲げ、個々の希望に応じて柔軟に働ける環境づくりや各地域における取り組みの担い手の育成などについてまとめられています。
所得向上・リスキリングの推進
女性の所得向上とリスキリングを推進するための主な取り組みを紹介します。
●「L字カーブ」の解消
L字カーブとは「女性の年齢階級別正規雇用比率」のことで、20代後半をピークに正規雇用で働く女性の割合が低下する現象をいいます。出産や育児などと両立して働けるよう正規雇用者の就業継続を支援するのはもちろん、非正規雇用者に対しても正社員転換するための取り組みをおこない、L字カーブの解消を目指します。
●デジタルスキルの習得支援
男女共同参画会議で決定された「女性デジタル人材育成プラン」に基づき、就労に直結するデジタルスキルの習得支援とデジタル分野への就労支援に取り組みます。これによりデジタル業界に就労する女性を増やすとともに、デジタル分野におけるジェンダーギャップ(男女の違いで生じる格差)の解消を目指します。
●男女間賃金差異の公表・分析
現在、常時雇用する労働者数が301人以上の企業に義務づけている「男女間賃金差異の公表」について、101人以上300人以下まで対象範囲を広げることを検討しています。また、賃金差異分析ツールを開発して各企業における賃金差異の分析を促進し、特に格差の大きい業界にはアクションプランを作成して賃金格差の解消につなげます。
●年収の壁・支援強化パッケージの実行
年収が増えると税金や社会保険料の負担によって手取りが減ってしまう、いわゆる「年収の壁」が女性活躍を妨げる一つの要因となっています。パートやアルバイトで働く女性が「年収の壁」を意識せずに働けるように「年収の壁・支援強化パッケージ」を着実に実行していきます。
仕事と育児・介護の両立の支援
長時間労働の是正や多様な働き方の推進により、男女関係なく誰もが育児・介護とキャリア形成を両立できる環境をつくります。また、制度面・給与面から男性の育児休業取得率の向上に取り組み「共働き・共育て」の意義を広く周知するとともに、女性への育児負担の偏りを解消します
仕事と健康課題の両立の支援
月経や妊娠・出産、更年期など、女性はライフステージごとにさまざまな健康課題を抱えています。女性の健康課題に起因する離職を防ぐために、月経随伴症状や更年期障害の早期発見につながる項目を定期健康診断の問診に加えたり、企業におけるフェムテック製品・サービスの活用を促進したりと、女性が自身の健康課題と両立しながら健やかに働ける環境を整備します。
地域における女性活躍・男女共同参画の推進
地域における女性活躍・男女共同参画を推進するための主な取り組みを紹介します。
●地域における女性活躍推進
地域の企業における女性活躍を推進するために、日本商工会議所や全国商工会連合会などと連携して女性活躍に取り組む企業事例の周知・啓発をおこないます。あわせて、男女共同参画センターの職員を対象に専門性を高めるための研修を実施するなど、女性活躍を推進する担い手の育成に取り組みます。
●地域リーダーの育成
地域女性活躍推進交付金を活用し、地域の女性活躍・男女共同参画を推進する女性リーダーの育成への取り組みを支援します。また、男性首長については「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」への参加を促進し、女性活躍に対する男性の意識と行動の変革に取り組みます。
●アンコンシャスバイアスの解消
アンコンシャスバイアスとは「無意識の思い込み」を意味する言葉です。女性活躍に対するアンコンシャスバイアスの解消を図るとともに「オールド・ボーイズ・ネットワーク」(男性中心の組織構造)の存在について情報発信したり、地方公共団体や経済団体に向けたワークショップを開催したりと、啓発活動を通じて固定的な性別役割分担にとらわれない働き方を推進します。
キャリアコンサルタントと ワークライフファシリテーターの養成支援
キャリアコンサルタントとは、職業選択や職業生活設計、職業能力の開発や向上などに関する労働者からの相談に応じ、適切な助言や指導をおこなう「キャリアコンサルティング」の専門家です。 一方ワークライフファシリテーターはキャリア支援のみならず、マネー、健康、育児、介護等、ライフイベントに関わる幅広い相談に対応し、働く人の自律的なキャリア構築やライフプランの設計をサポートするプロフェッショナル人材です。パソナではワークライフファシリテーター養成講座を開講し、キャリアに限らず育児や介護などライフイベントに関わる幅広い相談に対応できるプロフェッショナル人材を育成しています。
Kira+sup(女性の健康サポートプログラム)
パソナでは女性の健康サポートプログラム「Kira+sup」を提供し、女性の健康づくりに関する研修や産婦人科医・小児科医によるオンライン相談などをおこなっています。健康面から働く女性を支援するプログラムで、男女ともに参加することで企業全体のリテラシー向上につなげることができます。
まとめ
女性版骨太の方針とは、女性活躍と男女共同参画の推進に向けて重点的に取り組む事項をまとめたものです。この記事では「女性版骨太の方針2024」で掲げられた4つの柱から「企業等における女性活躍の一層の推進」と「女性の所得向上・経済的自立に向けた取組の一層の推進」について解説しました。企業としても女性活躍に対する理解を深め、男女ともに活躍できる職場づくりを目指しましょう。
パソナの女性活躍推進のためのサポートサービス
採用、定着率向上、育成と女性社員を取り巻く課題は各社さまざま。パソナではそれぞれのシーンに合わせたソリューションをご用意しています。
組織と個人にアプローチ!健康面から女性活躍推進をサポート
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