おすすめ特集・コラムストレスマネジメントとは?重要性や効果、職場での実践方法を紹介
公開日:2025.01.28 更新日:2025.01.28
- 健康経営
現代社会では、仕事やプライベートを過ごすなかで人々はさまざまなストレスにさらされています。ストレスがまったくないという人はむしろ稀でしょう。
しかし、過度なストレスは心身の健康に害を与え、仕事のパフォーマンス低下や職場・家庭の雰囲気に悪影響を及ぼします。そのため、昨今は個人が自分のストレスに対処できるようになる重要性が高まっており「ストレスマネジメント」が注目されています。
この記事では、ストレスマネジメントの具体的な内容と効果、企業が従業員のストレスマネジメントを支援する実践方法を紹介します。
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ストレスマネジメントとは?
厚生労働省(旧労働省)は、2000年から「事業者が行う労働者のメンタルヘルス対策」を推進しています。この背景には、同省の「労働者健康状況調査」「労働安全衛生調査」などにおいて、仕事に関して強い不安やストレスを感じる労働者の割合が50%を超えているという深刻な状況があります。
今やストレスマネジメントは、個人に委ねるだけでなく企業としての取り組みも求められています。
参考:「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針について」- 労働省
「労働者の心の健康の保持増進のための指針」- 厚生労働省
関連記事:ストレスチェックの義務化。従業員50人未満の事業所が対応すべきポイント
ストレスマネジメントの意味
ストレスマネジメントとは、心身に影響を与えるストレスに自分で対処していく手法です。社会生活を送るうえで大半の人がストレスを感じています。多少のストレスはプラスになるのですが、過剰なストレスは健康上のトラブルにつながるため、自分のストレスに気づき対処することが大切です。
ストレスマネジメントで特に重要なのは、心身に悪影響を及ぼすストレスと症状との因果関係をつかみ対処方法を考えることです。
関連記事:ヘルスリテラシーとは?女性活躍・健康経営との関連性や企業事例を紹介
ストレスとストレッサー
職場の人間関係や業務内容、家族関係など何らかの原因で緊張状態が生じることによる心理的な負荷が「ストレス」です。そして、ストレスを引き起こす原因は「ストレッサー」と呼ばれます。
ストレッサーには以下の類型が存在します。ストレスの原因は複数が組み合わさっていることが多いのですが、もっとも大きな要因をつかむとストレスマネジメントの効果が出やすくなります。
・物理的ストレッサー:温度、湿度、騒音、眩しさ、振動、他
・化学的ストレッサー:有害物質、薬物、匂い、他
・心理/社会的ストレッサー:人間関係、仕事の負荷、プレッシャー、家庭の問題、他
・環境的ストレッサー:天候、気圧、花粉、他
ストレス反応
過度なストレスに長期間さらされた結果、生じる心身の不調が「ストレス反応」です。集中力が下がったり、イライラしたりすることなどが代表的です。ひどい状態になると、うつ状態や暴言・暴力につながることもあります。
・身体的反応:倦怠感、不眠、頭痛、肩こり、過食、食欲減退
・心理的反応:抑うつ、イライラ、集中力の低下、ネガティブ思考
・行動的反応:遅刻、欠勤、仕事のパフォーマンス低下、言動の荒さ
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ストレスマネジメントを実践することで得られる効果
従業員がストレスマネジメントを実践できるようになると、以下の効果が期待できます。
従業員のメンタルヘルスの改善
ストレスマネジメントを実践することで、従業員のメンタルヘルス改善につながることが期待できます。例えば、うつ病は過度なストレスが原因となって「脳内の神経伝達物質が適切に機能しなくなってしまう状態」です。これを防ぐためにはストレスを溜めないことが重要です。
早期に自分のストレスを察知できるようになれば、症状の軽い段階で睡眠や休息に気を配ったり、相談窓口を利用したりできるようになります。従業員各自がストレスマネジメントを実践できるようになれば、社内のメンタルヘルスは格段に改善するでしょう。
生産性の向上
適切にストレスと向き合うことができれば、過度な不安や心配を抱えることがなくなります。メンタル面が安定すれば業務に集中することができるためパフォーマンスも改善します。メンタルの不調による欠勤も減少するでしょう。その結果、組織の生産性の維持・向上につながります。
職場環境の改善
従業員がストレスをうまくコントロールできるようになれば、ストレスにさらされても職場でイライラすることが減ります。コミュニケーションが円滑になるため、ハラスメント防止につながります。メンタルが健全なメンバーは周囲によい影響を与えるので、職場の雰囲気もよくなるでしょう。
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ストレスマネジメントの職場での実践方法
職場でのストレスマネジメント実践に有効な施策を紹介します。
実践方法①:セルフモニタリング
セルフモニタリングとは、自分のメンタルの状態を記録し、ストレスの原因や反応を明らかにする手法です。具体的には、ノートやアプリなどに日々の出来事とそのときの気持ちや感情を記録してメンタルの状態を可視化します。
手軽な方法ですが多くの気づきがあります。セルフモニタリングを通して自己に対する理解が深まり、ストレスに対処する手がかりを見つけることができるでしょう。
実践方法②:ストレスコーピング
ストレスコーピングとはストレス反応を軽減する対処法です。下記の類型があることを理解して、現状に即したストレスコーピングを選択することがポイントです。
〇情動焦点型コーピング・・・ストレッサーに対する感情を発散する
〇認知的再評価型コーピング・・・ストレッサーに対する考え方を変えることに重点を置く
〇問題焦点型コーピング・・・ストレッサーの存在自体に集中して解決を目指す
〇社会的支援探索型コーピング・・・ストレッサーを除去するために他者に支援を求める
〇ストレス解消型コーピング・・・趣味に没頭して、心身を休める
実践方法③:メンター制度
メンター制度は、新人や若手従業員に対して上司や先輩が相談にのったり、アドバイスしたりする制度です。おもに育成や離職防止のために導入されている制度ですが、組織内での人間関係のストレス低減も目的の一つです。
新人たちの理解者や支援者を増やす仕組みなので、若手のストレス軽減に役立ちます。また、心理的安全性の確保やコミュニケーションの活性化にもつながります。
実践方法④:社内研修
従業員向けのストレスマネジメント研修の実施は有益です。多くの人はストレスという言葉を知っていても、ストレス要因の種類を詳しくは知りません。また、ストレス反応にも詳しくないため、ストレスからくる不調を単なる体調不良と思ってしまい対策が遅れることがあります。
研修でのポイントは、自分が抱えているストレスに気づく方法やストレッサーの種類と対処方法を知ることです。組織全体のストレス耐性を上げることを目指しましょう。
●実践方法⑤:メンタルヘルスケア
企業でメンタルヘルスケアを実践する際、以下の4種類のケアが重要になります。
・セルフケア
従業員が自分のストレスに気づいて対処するケアのことです。ストレスマネジメントに関する研修などを通して、セルフケアの知識を深めてもらうようにサポートします。また、定期的なストレスチェックの機会を提供して、現在のストレス状態を知ってもらうことも重要です。
・ラインによるケア
上司やマネージャーが従業員のストレスをチェックするケアのことです。遅刻が増えてきた、顔色がよくない、言動が荒くなったなど部下の変化に注意を払い、場合によっては個別に相談にのるなどサポートします。
また、職場全体の雰囲気、温度や湿度などの物理的環境に目を配り、ストレス要因を減らすことも役割の一つです。ケアを通じてチーム全体の活性化を目指します。
関連記事:部下のうつ病サインを見逃さない!上司が知っておくべきポイントと対応策
・事業場内産業保健スタッフ等によるケア
社内の産業医や保健師、衛生責任者によるケアです。職場でのセルフケアとラインによるケアが効果的におこなわれるように支援してもらいます。メンタルヘルスプログラムの開発や従業員の健康情報の管理、外部リソースとの連携なども含まれます。
・事業場外資源によるケア
外部の専門家や専門機関によるケアです。一般に社内のリソースで対応が難しいケースに適用されます。地域産業保健センターや労災病院と連携することもあります。
重篤なメンタル不調の症状がある場合、プロである外部リソースによる手厚いサポートを受けたほうが安全でありメンタルの回復につながります。また、従業員にとっては事業外機関のほうが悩みを打ち明けやすいという長所もあります。
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まとめ
今回はストレスマネジメントの意味や効果、職場での実践方法を紹介しました。ストレスマネジメントの効果は多岐にわたります。実践することで従業員個人の健康やパフォーマンスの向上、社内コミュニケーションの活性化につながり、組織の生産性向上にも寄与するでしょう。
しかし、ストレスマネジメントをおこなう際、社内に専門家がいないことは珍しくありません。その場合、外部サービスとの連携がポイントとなります。パソナでは「オンライン健康推進室」というサービスを提供しています。従業員の健康管理と増進をオンラインで実現できるサービスに関心を持たれた担当者の方は、以下リンク先でぜひ詳しい内容をご参照ください。
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