【セミナーレポート】Tomorrow's Marketer Campus 第5回「ユーザーの本音を引きだす!マクロミルが教える最新のマーケティングリサーチとは?」6/26開催!

パソナの「Tomorrow's Marketer Campus」では、様々な分野の最前線で活躍されているマーケターから最新トレンドを学ぶセミナーを開催し、次世代マーケターの育成やコミュニティづくりを応援しています。

今回は6月26日に開催した、第5回目のセミナー「ユーザーの本音を引きだす!マクロミルが教える最新のマーケティングリサーチとは?」の様子をレポートします。
講師は、マーケティングリサーチ(市場調査)のリーディングカンパニーである株式会社マクロミルで、デジタルマーケティング事業を手掛ける秀村 雨さん。年間35,000件、取引社数3,800社を超える豊富なリサーチ実績とノウハウをもとに、消費者の声を拾う方法やデータの活かし方、「デジタル×マーケティングリサーチ」の可能性等について、最新事例を交えながらお話いただきました。

▲約70名のパソナのスタッフや企業担当者の方々が会場のTRAVEL HUB MIXに集まりました

デジタル化の潮流とマーケティングの変革とは?

冒頭に「DIGITAL or DIE(デジタル化するか、死ぬか)」という象徴的なメッセージを提示した秀村さん。これは、マーケティング界の第一人者であるフィリップ・コトラー教授が、2015年に開催された「ワールド・マーケティング・サミット」の際にも強調した言葉だといいます。
「いまやデジタル化の波は、WEBに親和性のある事業を行っている企業だけではなく、すべての企業にとって欠かすことができない課題になっています」と切り出しました。

その背景にあるのは、消費者のライフスタイルの変化です。消費者のデジタルデバイス(パソコン、携帯電話・スマートフォン、タブレット等)に接する時間が増加し、それに伴って、インターネット広告も増加を続けています。特に携帯電話・スマートフォンの増加率が著しいことや、今やネット広告の過半数以上をスマートフォン向けが占めているという現状を解説しました。消費者のライフスタイルと同様に、マーケティングにおいてもデジタル中心へと変化していることが現在の潮流だといいます。

続いて、デジタルマーケティングの概念について、「コンピュータ、インターネット、新しいデバイスなどITを活用すること」「既存のマーケティングに、ITによる「変化」を加えること」と定義づけをしました。

マーケティングのデジタル化によって、「これまで取得できなかったデータをリアルタイムに取得でき、そのデータを活かしてスピーディーに次のアクションを取ることができるようになった」と効果を語る秀村さん。

▲デジタルテクノロジーの活用例を「精度・深度の向上」と「メディア・手法の拡張」という2つの軸でマッピング

「デジタル化が既存のマーケティングに“広さ・深さ・速さ”をもたらした一方、マーケティングのプロセス自体は大きく変化していません。変わったものは、PDCA(Plan・Do・Check・Action)のサイクルのスピードや広告等の出稿先の幅、データを取得できる深さなどが挙げられます。マーケティングリサーチの分野でも、データ取得領域の広さ、深さ、リアルタイムに結果をフィードバックできる速さが大きな変化と言えます」

マクロミルが6月に、ウェブ広告出稿直後から広告のリーチ状況が分かる「millBoard(ミルボード)」という新サービスを開始したところ、リリース直後から企業の問い合わせが殺到しているそうです。このことからも企業がいかに「リアルタイム」という言葉を意識しているかを窺い知ることができるといいます。

知っておきたいデジタル広告の基礎知識

続いて、マーケティングリサーチと密接に関わっているプロモーション領域へと話が進みます。秀村さんは、デジタル広告の代表例として「インターネット広告」「モバイル広告」「デジタルサイネージ(電子看板)」「DM(ダイレクトメッセージ)」のそれぞれの特徴と活用例や、広告キャンペーン施策における「ターゲティング(対象設定)」の重要性を説明しました。

▲図解を交えながら、複数のテクノロジーが絡み合う「インターネット広告配信の仕組み」を解説。

「様々なテクノロジーの活用によって、広告領域も更にデジタル化しています。例えば、AI(人工知能)を活用して商品のレコメンドを行うようなチャットボットや、店舗などでお勧めの商品がある場所を教えるためにAR(拡張現実)を活用した広告配信の仕組みが実用化されるなど、技術の発展はますます加速しています」

デジタル広告の効果測定の基本は「比較」

続いて、広告キャンペーン施策を考える上で欠かせない「消費者の購買行動」を知るために、「AISCEAS(アイシーズ)」の概念について説明する秀村さん。「AISCEAS」の考え方では、消費者の購買行動プロセスには、以下の7つがあるといいます。

1.Attention(注意)2.Interest(関心)3.Search(検索)4.Comparison(比較)5.Examination(検討)6.Action(購買)7.Share(情報共有)

消費者が商品に興味を持ったら検索、比較、検討し、購買後は使った感想をシェアする。そうした購買行動に沿った広告キャンペーン施策の立案、適切なKPI(重要業績評価指標)の設定、そして効果検証を行って、PDCAのサイクルを回すことが大切なポイントになるそうです。
特に広告の効果測定において必要なことは、「比較対象を設けること」を挙げました。

▲様々な対立軸を設けて広告の効果を検証することを推奨

また、正確な広告の効果測定を行うための手法のひとつとして、自社の「インターネットリサーチパネル」の仕組みを紹介しました。マクロミルでは、自社のサーバに保有する月間60億件の「アクセスログ(サーバへの通信記録)」を活用することで、90万人のモニタの中からより最適な調査対象者のスクリーニング(選別)を実現しているそうです。

デジタルデータの蓄積と活用が大きな鍵

非常に多岐に渡る膨大な量のデジタルデータの中から、いかに必要なデータを蓄積し、適切に活用していくか。秀村さんは、特に注目されている「SNS」や「GPS等の位置情報」、「スマートフォンの利用ログ」等のデジタルデータの活用例を解説しました。
「リアルな消費者の行動データが求められていることから、無料アプリの裏側では実は知らないうちにリサーチデータが活用されていることも」という話では会場からどよめきも。

「デジタルデータには利点と限界があります。ユーザーの行動に変化をもたらした要因やきっかけ(態度変容)を理解するためには、アンケートなどの意識聴取を組み合わせることで、より深く正確な分析を行うことができます。デジタルデータ×マーケティングリサーチを掛け合わせることが、現在私たちが考える最善策。そのためのデータの蓄積、活用が非常に大事なテーマだと考えています」と締めくくりました。


セミナー後には、秀村さんを囲んで和気あいあいとした雰囲気の中で懇親会が行われ、気軽なお悩み相談から真剣に意見交換をする姿も。講師の方はもちろん、会社の垣根を越えて、デジタルマーケティングに携わる様々な方の意見を聞けるのも「Tomorrow's Marketer Campus」の特徴です。
 
 

★「Tomorrow's Marketer Campus」ではこれからもマーケターの皆さんに役立つセミナーを開催します!今後の開催予定はこちら。ご興味を持った方は、ぜひお申し込みください!

講師プロフィール

秀村 雨(ヒデムラ アメ)氏

株式会社マクロミル デジタルマーケティング事業部
新卒で株式会社パソナに入社。その後、株式会社リブセンスにて新規事業(転職会議)の立ち上げ及び営業マネジメントを経験。現在はマクロミルのデジタルマーケティング事業に携わりながら、2018年ミス・ワールド・ジャパンの営業プランナーを担当。

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