おすすめ特集・コラム紹介予定派遣とは?一般派遣との違いや注意点、導入方法を解説!
公開日:2025.02.19 更新日:2025.02.19
- 人材派遣
人材獲得の難しさが増し、応募者が集まらない、採用後のミスマッチや短期離職が発生するといった課題を抱える人事担当者は多いのではないでしょうか。
その1つの解決策として、直接雇用を前提とした「紹介予定派遣」という採用手法があります。本コラムでは、紹介予定派遣の制度概要から一般派遣との違い、注意点、導入方法を解説します。この手法を効果的に活用すれば、採用活動の質と効率を向上させることができるでしょう。
人材獲得に新たな打開策を求めている人事担当者の方はぜひご覧ください。
紹介予定派遣サービス
正社員・契約社員といった直接雇用を前提として一定期間派遣スタッフを受け入れ、企業とスタッフ双方の希望が一致すれば直接雇用に切り替える「紹介予定派遣サービス」をご案内します。
- 紹介予定派遣サービスの仕組み
- サービス活用のメリット
- サービス利用の流れ
- 紹介予定派遣サービスと他のサービスの違い
- サービスに関するQ&A
紹介予定派遣とは
紹介予定派遣は2000年の派遣法改正で導入された派遣形態です。一般派遣とは異なり、企業が直接雇用を前提として受け入れる点が大きな特徴です。
企業と労働者は、派遣期間中にお互いの相性や業務適性を確認した上で、双方の合意に基づき直接雇用契約を結ぶことが可能です。なお、派遣期間終了後の雇用形態は、直接雇用であれば正社員でも契約社員でも構いません。
人材紹介との違い
紹介予定派遣と人材紹介の最大の違いは、就業開始時の雇用形態にあります。人材紹介では、入社時から企業と労働者が直接雇用契約を結び、そのなかで試用期間を設定します。
一方、紹介予定派遣の場合は、派遣会社が雇用主となり派遣社員として就業し、派遣期間終了後に双方が合意した場合に直接雇用に切替ます。
関連記事:人材派遣と人材紹介の違いとは?会社選びのポイントも解説
一般派遣との違い
一時的な人員の確保を目的とする一般派遣と、直接雇用を目的とする紹介予定派遣では、派遣できる期間や就業決定までの流れが異なります。ここでは3つの違いを解説します。
6ヶ月を超える派遣社員としての受け入れは不可
紹介予定派遣における派遣期間は、一般派遣(同一事業所の場合、最長3年間)よりも短く、最長6ヶ月です。これは、直接雇用における一般的な試用期間を目安に法律で定められており、6ヶ月を超えて派遣社員の就業を希望する際は、派遣社員から直接雇用に切り替える必要があります。
関連記事:【人事担当者必見】派遣法の3年ルールとは?概要や例外、期間延長の方法を解説!
派遣就業前の事前面接が可能
一般派遣は雇用主が派遣会社であるため、就業前に派遣先企業が選考することは禁止されています。しかし、紹介予定派遣は派遣社員の直接雇用を前提としているため、派遣就業前であっても、将来の雇用主である派遣先企業が書類選考や面接選考を実施できます。
契約期間中の直接雇用への切り替えが可能
一般派遣では、派遣期間中に直接雇用に切り替えることは法律上問題ありませんが、派遣元企業との派遣内容によっては違約金や手数料が発生することがあります。
一方、紹介予定派遣は直接雇用を前提としているため、派遣先企業と派遣社員の合意があれば、派遣期間中でも直接雇用に切り替えることが可能です。
紹介予定派遣の注意点
ここでは、紹介予定派遣を利用する際の4つの注意点について解説します。紹介予定派遣には、一般派遣とも、中途採用とも異なるルールがあることを覚えておきましょう。
派遣開始前に雇用条件を提示する必要がある
派遣会社は派遣社員に対し、就業開始前に直接雇用を前提にした紹介予定派遣であることや、直接雇用に切り替える際の就業条件を伝えます。直接雇用における就業条件の内、雇用契約期間、年次有給休暇、退職金の取り扱いの3点は、派遣就業前の伝達が義務付けられています。
直接雇用の辞退理由を派遣会社に伝える必要がある
派遣期間終了後に直接雇用を行わない場合、派遣先企業は派遣会社の求めに応じ、その理由を書面、FAXまたは電子メールで明示します。派遣会社は、派遣社員からの要望があれば、直接雇用に至らなかった理由を書面で伝える必要があるためです。派遣会社に理由を伝える際は、派遣社員本人に伝わることを想定し、表現に配慮しましょう。
直接雇用後の試用期間はNG
紹介予定派遣では派遣期間を試用期間とみなすため、直接雇用後に試用期間を設けることはできません。派遣期間中に派遣社員が業務や自社に対する理解を深め、企業が業務適性などを判断し、ミスマッチのない採用ができる体制を作りましょう。
派遣禁止業務には活用できない
紹介予定派遣は、労働者派遣法で定められた「派遣禁止業務」には活用できません。以下のような業務を担当する場合は、最初から直接雇用契約を結ぶ自社採用を行う必要があります。
● 港湾運送業務
● 建設業務
● 警備業務
● 医療関連業務
● 弁護士・社会保険労務士など士業のあたる職種
なお、医療関連業務や一部の士業については、法律で定められた特定条件下で派遣が認められる場合もあります。
関連記事:派遣社員から直接雇用にする際の注意点!メリットやルールについて解説
紹介予定派遣のメリット
紹介予定派遣を活用すると、ミスマッチの防止や採用コストの削減、応募者の対象が広がるといったメリットがあります。それぞれ詳しく解説します。
ミスマッチの防止
紹介予定派遣なら、入社後のミスマッチを防止できます。直接雇用する前の派遣期間中に、企業は社員の勤務態度や実務スキルを確認でき、社員は業務内容や社風との相性を確認できるためです。企業と社員双方に辞退する権利があるため、ミスマッチを抱えたまま入社することも防げます。
関連記事:「ミスマッチ」の意味とは?企業がとるべき対策を解説
採用コストや工数を軽減
企業の採用活動には、求人広告の出稿やダイレクトスカウトの送信、面接の調整など多くの時間と費用がかかります。しかし、紹介予定派遣では派遣会社が人選を行うため、企業側の工数を大幅に軽減できます。また、派遣期間中は派遣費用が発生しますが、採用活動にかかる直接的な費用は不要であり、最終的に直接雇用が決定した場合に紹介手数料が発生します。
そのため、採用活動における時間的、金銭的負担を抑えつつ、効率的な人材確保が可能です。
応募者の幅が広がる
中途採用では即戦力を求めるため、実務スキルなど応募者に求めるレベルが高くなりがちです。紹介予定派遣であれば派遣期間中に派遣社員の勤務態度や成長性を確認できるため、ポテンシャルの高い未経験人材や、就業経験の浅い人材なども検討することができます。その結果、応募要件が下がって幅広く応募者を集めることができ、自社に合った人材に出会える可能性が高まります。
紹介予定派遣の流れ
ここからは、実際に紹介予定派遣を導入する際の流れを解説します。一般派遣とは流れが異なるため、よく確認しておきましょう。
募集要件と選考方法を決定する
まずは必要な人材像を明確にし、募集要件や派遣就業前の選考方法を決めます。また、派遣就業後に直接雇用を決めるための方法も、この時点で決めておきます。具体的には、派遣就業期間中の評価軸の設定や、筆記試験・面接選考の実施の有無を検討します。
派遣会社に依頼し紹介を受ける
募集要件と選考方法が決まったら、派遣会社に紹介を依頼します。派遣会社には、必要な経験やスキル、就業環境とともに紹介予定派遣であること、派遣時と直接雇用時の就業条件を伝えます。
企業で選考する
一般派遣とは異なり、派遣会社から人材を紹介されたら選考を実施します。選考方法は中途採用のように、履歴書・職務経歴書に基づく書類選考や、面接、筆記試験などがあります。
派遣社員の受け入れを開始する
採用が決定したら、最長6ヶ月の派遣期間が始まります。企業は派遣期間中に、事前に決めた評価方法に従って社員を評価し、採用の可否を判断します。一方派遣社員は、実務を通じて就業環境や業務内容を確認し、入社後のキャリアイメージを固めます。
意思確認と労働条件の提示をする
派遣期間満了の2週間から2ヶ月前を目安に、派遣会社が企業・派遣社員双方の意向を確認します。この時、最終的な直接雇用後の労働条件を提示します。双方の合意があれば入社が決定し、企業は採用通知書を発行します。ミスマッチを感じた場合は、企業または派遣社員から辞退を申し出ることが可能です。
入社
企業と派遣社員の双方で合意がとれたら、直接雇用に切り替え自社の社員として迎え入れます。派遣社員には改めて就業規則を伝え、入社手続きを行います。また、派遣会社への紹介手数料の支払いや、雇用元の変更による各種保険の切り替えといった事務手続きが発生します。
紹介予定派遣の活用ポイント
ここからは、紹介予定派遣を効果的に使うためのポイントとして、派遣会社の選び方や社内の体制作りについて解説します。
派遣会社の選定は慎重に行う
まずは依頼したい派遣会社が、紹介予定派遣を行うために必要な「労働者派遣事業許可」と「有料職業紹介事業許可」の両方を取得しているか確認しましょう。
その上で、候補となる派遣会社の登録者数と得意領域に注目します。登録者数が多いと、自社にあった人材に出会いやすくなります。専門性の高い人材を求める場合は、その領域を得意とする派遣会社を探しましょう。
関連記事:【派遣サービス基礎ガイド】法人向け派遣会社の選び方!チェックするポイントや派遣形態の種類を解説
決められた期間で見極め採用に繋げる仕組みを作っておく
紹介予定派遣では、6ヶ月という限られた時間で業務適性や相性を見極める必要があります。そのため、派遣期間中から直接雇用後の業務内容や立ち位置をイメージして教育・指導をしたり、関係者から業務適性や勤務態度をこまめにヒアリングしたりすることが重要です。
候補者から辞退される可能性もある
どんなに強く企業が直接雇用を希望しても、派遣社員から辞退を申し出る可能性があります。あらかじめ辞退された時の対応を決め、部署の業務に影響が出ないようにしておきましょう。合わせて、派遣社員に辞退されないよう、働きやすい組織風土やフォロー体制を作ることも重要です。
まとめ
紹介予定派遣は、一時的な人員補充を目的とする一般派遣とは異なり、幅広い層にアプローチしながら時間をかけて相互理解を深め、ミスマッチを減らせる採用手法だといえます。
パソナでは、一般派遣だけでなく紹介予定派遣にも対応しており、様々なケースに合わせた派遣形態の提案が可能です。紹介予定派遣についてより詳しく知りたい方は、ぜひお問合せください。
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