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【最新2024年】知っておくべき労働者派遣法の改正ポイントや違反行為を解説

労働者派遣法は派遣労働者の権利を保護する法律ですが、時代の変化に合わせてたびたび改正を繰り返しています。企業が派遣社員を雇用する際は、意図せず法に触れないよう派遣法の理解が欠かせません。

今回は改正が繰り返されている労働者派遣法の目的や仕組み、2020年と2021年の改正ポイントを紹介するとともに違反行為についても解説します。人材派遣を正しく活用し、人材不足の解消や人材確保に役立てましょう。

労働者派遣法で抑えておくべきポイントを解説!

人材派遣を活用される担当者の方や派遣先責任者の方に向けて、労働者派遣法のポイントを解説します。

  • 3年ルール(派遣期間制限)
  • クーリング期間
  • 意見聴取

上記のような企業が遵守しなければならない大切なルールがいくつもあります。人材派遣に関する知識を正しく理解し、適切な人材配置につなげるための参考資料としてご利用ください。

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派遣労働者の労働環境を守る「労働者派遣法」

派遣労働者の労働環境を守る「労働者派遣法」

労働者派遣法の正式名称は「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」です。労働者派遣法が施行される1986年までは、職業安定法によって労働者の派遣が禁止されていました。

労働者派遣法はもともと労働派遣の需要に応え、ビジネスとして派遣労働を可能にするために制定された法律でした。しかし、繰り返し法改正が行われ現在では、派遣労働者が安全に働ける労働環境を守るための法律として確立されています。

ここではまず、労働者派遣法の目的や背景、労働派遣の仕組みなどの概要を紹介します。

労働派遣法の目的:派遣労働者の権利を守る

1986年に施行された労働者派遣法は、もともと派遣労働を合法的にビジネスに利用する目的で制定されました。しかし、現在までに何度も改正を重ね、派遣労働者の権利を守るための法律に変化していった経緯があります。

2007年ごろまでの法改正は派遣業の「規制緩和」を目的としたものでしたが、2012年の改正で大きく方向性を変え「派遣労働者の保護」を目的とした法律であると明記されました。

労働派遣法制定の背景:一時的な労働力の確保

終戦後の1947年に交付された職業安定法には、原則人材派遣を禁止する決まりが記載されていました。法律で禁止されて以降、似た仕組みの業務請負と呼ばれる雇用形態が普及していきます。時代の変化とともにデジタル技術の進化やグローバル化が急激に進んでいき、現在の社会では多種多様な働き方とともに多彩な人材活用のニーズが生まれました。

そのニーズに応え、一時的に労働力を調整して事業の推進を図るための仕組みとして、労働者派遣法が誕生しました。労働者派遣法の制定により、法律で認められていなかった人材派遣ビジネスが始まったのです。

労働派遣の仕組み1:有期雇用派遣

有期雇用派遣とは、最大3年の雇用期間が定められた派遣形態のことです。労働者(派遣スタッフ)は事前に派遣会社(派遣元)に登録し、就業する派遣先企業が決まったら派遣会社と有期雇用契約を結ぶことになります。有期雇用契約は派遣先が変わるたびに結びなおすことが一般的で、派遣期間が満了を迎えると同時にこの雇用契約も終了となります。

雇用期間が定められているため、休業中の社員の代わりや短期間の臨時業務にあたる社員の補充など、短期的な人材の補充に向いている派遣形態です。一般的に時給制での契約となるため、実際の稼働に合わせた支払いとなり固定費の削減も期待できます。

労働派遣の仕組み1.:有期雇用派遣

労働派遣の仕組み2:無期雇用派遣

無期雇用派遣とは、労働者(派遣スタッフ)が派遣会社(派遣元)の正社員もしくは契約社員として入社し、派遣会社の契約先会社(派遣先)に派遣される形態です。無期雇用派遣の場合、有期雇用派遣のような3年の期間制限はありません。そのため、一定期間の教育を必要とする業務や安定した勤務を重視する業務で活用されます。

有期雇用派遣と比べて長期間安定した勤務を前提とするため、人材を探す手間や引継ぎの負担を削減することが期待されます。ただし、期間の制限がないとはいえ、労働者の都合により有期雇用派遣の制限である3年より短期間で退職する可能性があることも視野に入れておく必要はあります。

労働派遣の仕組み2.:無期雇用派遣

労働派遣の仕組み3:紹介予定派遣

紹介予定派遣とは、派遣期間が終了した後に労働者(派遣スタッフ)を派遣先企業の社員とする仕組みの派遣形態です。人材派遣と人材紹介がセットになっているイメージを持つとよいでしょう。派遣期間は最大6か月間で、最終的に派遣先企業の社員となるかどうかは労働者本人との合意が必要となります。

紹介予定派遣では、派遣期間中に自社に向いている人材かを見極められるというメリットがあります。実際の働きを見てから雇用を決定できるため、ミスマッチが生じにくいことも特徴です。また、紹介予定派遣は派遣会社(派遣元)が人材を選定してくれるため求人広告費がかからず、通常の採用で発生する工数や費用を削減できます。

労働派遣の仕組み3.:紹介予定派遣

ミスマッチや離職を予防して人材活用! パソナの紹介予定派遣サービス

紹介予定派遣サービスはトライアル期間があることで様々なメリットが生まれます。
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【2020年】労働者派遣法の主な改正ポイント

【2020年】労働者派遣法の主な改正ポイント

ここでは2020年に改正された労働者派遣法の具体的な内容について解説します。

同一労働同一賃金

同一労働同一賃金とは、派遣労働者が同種の業務に従事する正規雇用労働者と同等の待遇(賃金や福利厚生など)を受けられるよう定められた方針で、2020年の改正のポイントでした。

この法改正により、派遣会社(派遣元)は、「派遣先均等・均衡方式」もしくは「労使協定方式」のいずれかの待遇決定方式を採用することになりました。ここではそれぞれの待遇決定方式の特徴を紹介します。

派遣先均等・均衡方式

派遣先均等・均衡方式とは、正規雇用労働者と比べて不利で不合理な差の出ないように待遇を決定する方式です。この方式では均等待遇と均衡待遇が図られます。

均等待遇とは、「職務内容」「職務内容・配置の変更範囲」が通常労働者と同一の場合、派遣労働者を理由に差別的な扱いを禁止すること。均衡待遇とは、「職務内容」「職務内容・配置の変更範囲」「その他の事情の内容」を考慮して不合理な待遇差をつくることを禁止することです。

労使協定方式

労使協定方式とは、労働者の過半数で組織する労働組合または労働者の過半数代表者と派遣会社(派遣元)が、一定の要件を満たす労使協定を締結し、協定内容に基づいて派遣労働者の待遇を決定する方式です。労使協定に定める5項目は以下のとおりです。

  • 派遣労働者の範囲
  • 賃金の決定方法
  • 公正な評価によるあてはめ
  • 賃金以外の待遇内容
  • 教育訓練

 

 

派遣先企業に課される比較対象労働者の待遇に関する情報提供

「派遣先均等・均衡方式」もしくは「労使協定方式」のどちらの方式を採用するとしても、派遣先企業から派遣会社(派遣元)への比較対象労働者の待遇に関する情報提供が必要です。派遣会社はこの情報が提供されない場合に労働者派遣契約の締結はできません。

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【2021年】労働者派遣法の主な改正ポイント

【2021年】労働者派遣法の主な改正ポイント

ここでは2021年に改正された労働者派遣法の内容を解説します。現代社会におけるデジタル技術の進化に対応した改正が行われています。

派遣先企業による派遣労働者からの苦情処理

派遣労働者からの苦情は、これまで雇用主である派遣会社(派遣元)が窓口でした。しかし、2021年の改正により労働関係法に関する苦情については派遣先企業で対応することが義務付けられました。

派遣会社(派遣元)による待遇についての説明義務

派遣会社(派遣元)から派遣労働者に対して派遣時や雇い入れ時の説明、待遇差に関する内容の説明が義務付けられました。雇い入れ時に義務付けられた説明の具体的な内容は、教育訓練やキャリアコンサルティングに関する説明などです。また、教育訓練計画の変更があった場合も派遣労働者に対して説明が義務付けられています。

契約書の電磁記録の許可

これまでは労働者派遣契約は書面のみ認められていましたが、電磁記録での作成が認められました。具体的には、電子計算機に備えられたファイルに記録する方法もしくは磁気ディスクなどへ調製する方法により作成が可能となりました。

派遣会社(派遣元)から社員に対して希望聴取の義務

継続就業を希望する有期雇用派遣社員に対しての希望聴取が派遣会社(派遣元)に義務付けられました。これまで派遣会社は、一定の場合で派遣労働者の派遣終了後に雇用を継続させる措置をとる必要がありましたが、雇用安定措置を実施するにあたって事前に派遣労働者から希望を聴取する行動が新たに義務付けられています。また聴取した内容については、派遣会社の管理台帳への記載が必要です。

派遣会社(派遣元)によるインターネットによる情報開示の義務

これまで開示が義務化されていたすべての情報を、インターネットでも常時開示することが義務付けられました。具体的な項目は以下のとおりです。

  • 事業所毎の派遣労働者数
  • 派遣先数
  • マージン率
  • 教育訓練
  • 労使協定の締結の有無

 

 

 

派遣会社(派遣元)による日雇派遣の適切な雇用管理の明確化

日雇派遣社員の過失による理由以外で途中解除した場合、新たな就業機会の確保が義務付けられています。もし新たな就業機会が確保できない場合は、休業扱いとして日雇い派遣労働者の雇用を維持し、休業手当の支払いが義務付けられました。

労働者派遣法の違反行為とは

労働者派遣法の違反行為とは

ここでは労働者派遣法に違反する行為について解説します。労働者派遣法は改正が繰り返されているため、最新の情報をチェックすることが大切です。基本的に、派遣会社(派遣元)が気を付けるべきことですが、トラブルに巻き込まれないためにも派遣先企業の方でも理解しましょう。

派遣が禁止されている場所への派遣

労働者派遣法には業務の特殊性・専門性という観点から適用除外業務があります。適用除外業務に該当する業務は以下の通りです。

  • 港湾運送業務
  • 建設業務
  • 警備業務
  • 病院
  • 診療所などにおける医療関連業務

上記業務は特殊性や専門性の観点から派遣が禁止されています。ただし、医療関連業務については派遣法施行令第2条において、業務内容や場所ごとに派遣の可否が定められている点に注意が必要です。

二重派遣を行う

二重派遣とは派遣労働者が派遣先企業からさらに別の事業者のもとに派遣される行為を指します。二重派遣は労働者派遣法第24条の2で禁止されています。二重派遣が発覚すると罰則があり、労働基準法第6条および第118条により、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられるため注意しましょう。

同一派遣先に3年を超えて派遣する

労働者派遣法により、同じ派遣先へ3年以上続けて派遣するのは禁止されています。派遣労働者にとって不利益な法律にも見えますが、派遣から直接雇用への切り替えを促す措置でもあります。しかし、派遣会社(派遣元)にとっては期間の定めがあるため、契約した派遣労働者を長期間同じ派遣先企業に就業させにくいことがデメリットの一つです。

派遣労働者に対して就業条件を説明しない

労働者派遣法第34条により、派遣会社は派遣労働者に対して就業条件などを説明する義務があります。必要事項を伝えなかった場合、規定により30万円以下の罰金が科されます。
必要事項は下記のとおりです。

  • 雇用契約の期間
  • 勤務場所や業務内容
  • 勤務・休憩時間・休日関係
  • 賃金関係
  • 退職関係

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まとめ

まとめ

労働者派遣法は派遣労働者が適切な働き方ができるよう定められた法律です。派遣会社を利用する際は、トラブルを避けるためにも労働者派遣法による派遣労働者の権利を知っておく必要があります。

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