おすすめ特集・コラム採用活動に必須の「母集団形成」とは?具体的な手順とコツ、母集団形成の手法を解説!
公開日:2025.02.28 更新日:2025.02.28
- 人材紹介(中途採用支援)
採用の現場では、企業側の求人数が多く、就職希望者が少ない「売り手市場」が続いています。「応募者が集まらない」「なかなか採用に至らない」といった課題を抱える企業も多いことでしょう。
採用につながる応募者を多く集めるためには、「母集団形成」に取り組むことが重要です。本記事では、母集団形成の概要と手順を解説し、効果的な母集団形成を行うためのポイントを紹介します。採用担当者の方はぜひご参考にしてください。
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母集団形成とは
採用活動における母集団とは、自社の求人に興味を持って応募する人々のことです。新卒採用においては、応募者ではなくプレエントリー者を母集団とすることもあります。
「母集団形成」とは、採用したい人材像を明確にし、質と量を両立させながら応募者を集める活動のことです。
近年、業界やポジションを問わず、母集団形成の重要性は高まっており、量だけでなく質も求められるケースが増えています。効果的な母集団の形成は、企業の採用成功に大きな影響を与えると考えられています。
母集団形成が重視される理由
母集団形成は、近年の採用課題である人材の獲得競争の激化や、ミスマッチによる退職の増加への対策法として注目されています。それぞれの理由について詳しくみていきましょう。
人材の獲得競争が激しくなったため
少子高齢化が進んで労働人口が減少する中、企業間の人材獲得競争は激化の一途を辿っています。この10年間、有効求人倍率(求職者数に対する求人数の割合を示す指標)が1を上回り続けていることからも、売り手市場の傾向が強く、人材確保の難しさが伺えます。
企業は従来の「応募待ち」の姿勢から脱却し、必要な人材に積極的にアプローチする、攻めの姿勢への転換が求められています。そんな中で注目されているのが、能動的な活動としての「母集団形成」です。
採用活動の質を高めてミスマッチを減らすため
売り手市場の場合、応募者が優位になります。そのため、選考辞退や短期離職といった問題が増えてしまう傾向にあります。また、若手世代の価値観の変化なども考えられるでしょう。
このような状況下において、企業は精度の高い採用活動を行い、ミスマッチを減らすことが求められます。
そこで注目されているのが母集団形成です。多くの応募者を集め、自社の魅力を多くの人に効果的に伝えてミスマッチを防ぐことや、欲しい人材に対してより強く訴求する必要があるでしょう。
関連記事:「ミスマッチ」の意味とは?企業がとるべき対策を解説
母集団形成のメリット
母集団形成には、採用コストの適正化、計画的な採用活動、生産性向上など、さまざまなメリットがあります。それぞれのメリットについて詳しくみていきましょう。
関連記事:採用ブランディングとは?会社側のメリットや具体的な進め方を解説
採用コストを適正化できる
質の高い母集団形成を行うと、目標とする採用人数を速やかに達成しやすくなるため、採用コストを適正化できます。自社に合った応募者を多く集めることができれば、選考途中の辞退や不合格者を減らし、採用活動の長期化による追加コストの発生を予防することもできるでしょう。
計画的に採用活動を進められる
母集団形成において、歩留まり(ぶどまり)を分析することが非常に重要です。歩留まりとは、ある選考段階から次の選考段階に進んだ応募者の割合のことです。たとえば書類選考を通過した100人のうち、面接に進んだのが50人だった場合は、歩留まりは50%となります。悪い状況の場合は、「例年と比べて歩留まりが悪かった(低かった)」などと言います。
それぞれの採用過程における歩留まりを把握することで、目標の採用人数を達成するにはどのくらいの規模の母集団が必要なのか、またどの過程にボトルネックが存在するのか、などを突き止めることができます。選考の途中段階で母集団が不足していることがわかった場合は、早期に追加募集などの対策が講じられるようになるでしょう。
生産性が高まり事業の成長につなげられる
効果的な母集団形成により、自社が要望するスキルや経験、企業文化などにマッチする人材を採用できれば、早期の活躍と長期就業が期待できます。
また、業務内容やカルチャーがマッチする人材は、モチベーションが高く、成果を出しやすいため、早期離職のリスクも低くなるでしょう。結果として、組織全体の生産性が向上し、事業の成長が促進できます。
母集団形成の具体的な手順
採用活動における母集団形成は、それぞれのプロセスを丁寧に進めることで効果を発揮します。ここでは、効果的な母集団形成を行うための5つのステップを紹介します。
Step1 ターゲットを明確にする
質の高い母集団形成を実現するためには、まず自社が求める人材=ターゲットを定めることが重要です。募集ポジションにおいて活躍できる人材は、どのようなスキル、経験、価値観を持つのかを多面的に考え、理想の人材像を具体的に描きましょう。ターゲットに合った採用活動を行えば、効率的に自社に合う応募者を効率的に集めることができます。
Step2 採用計画を立てる
次に、採用予定数や、必要な母集団数、採用スケジュール、選考フローを決定します。過去の選考実績をもとに歩留まりを算出して、各選考段階での目標人数を設定し、採用計画を進めていきます。
Step3 ターゲットに合わせた採用手法を選ぶ
Step1で設定したターゲットを踏まえ、最適な採用手法を選びます。のちほど詳しく述べますが、採用手法は多様化しており、業界や世代などに特化した人材サービスも増えています。
必要に応じて複数の手法を組み合わせ、ターゲットへの確実なアプローチを実現しましょう。
Step4 採用活動を行う
採用手法を決めたら、ターゲットの興味を引く情報を盛り込んだ求人票を作成し、実際に採用活動を行なっていきます。
求人票はターゲットと最初の接点です。他社との差別化を図りながら、自社で働くメリットなどを訴え、ポジティブなイメージを喚起させる工夫が必要です。社風や職場の雰囲気、活気などを積極的に伝えましょう。また、求人票だけでなく、面接などの選考過程でも、常に応募者に自社の魅力を訴求し続けることが重要です。
Step5 振り返りと改善を行う
選考や内定業務が終わったら、次回の採用活動をより良いものにするためにも、振り返りを行います。選考の途中であっても、一定期間ごとに振り返りを行い、PDCAを回せば、より効果的な採用活動へとつなげることができるでしょう。
振り返りのポイントとして、下記を参考にしてください。
- ターゲットと実際の応募者のマッチ度
- 母集団形成における目標達成度
- 採用手法ごとの応募者の質と人数
- 歩留まりの状況
優秀な人材獲得のためのポイント
実際に優秀な人材の獲得に成功している企業がどのようなことを実践しているのか、データを用いて、ハイクラス採用を成功させているパソナからノウハウと知見をまとめて解説します。
母集団形成の主な手法
採用における母集団形成にはさまざまな手法があります。ターゲットや募集背景に合わせて最適な手法を選ぶことが成功の鍵となります。ここでは代表的な6つの方法と特徴を解説しますので、選定の参考にしてください。
関連記事:採用手法のメリットとデメリットを比較!最適な手法を選ぶポイントとは
人材紹介
人材紹介は人材紹介会社にターゲット像を伝え、それにマッチする人材を紹介してもらう方法です。主に中途採用で、専門性の高い職種や、経験豊富な人材を採用する場合に適しています。
人材紹介には、効率的に質の高い候補者を集められる、成功報酬型や着手金制であってもある程度無駄なコストを省ける、といったメリットがあります。その一方で、採用が決定した場合には、理論年収に応じた手数料を人材紹介会社に支払う必要があります。
関連記事:人材紹介サービスの紹介手数料の相場は?算出方法や人材紹介会社/エージェントの活用ポイントを紹介
求人広告
求人広告は人材紹介と並ぶメジャーな手法で、求人情報サイトや自社ホームページ、自社採用サイトなどに求人情報を掲載し、幅広い層にアプローチできるのが特徴です。大量採用や、知名度を高めたいときなどに有効でしょう。新卒・中途を含め、多くの求職者が求人情報を目にするため、大量の母集団形成に向いています。
しかし、掲載する期間、メディア、規模によっては高額な費用が発生するため、注意が必要な手法です。また、応募者数が多くなるほど選考作業が大変になるため、効率的な選考プロセスを計画する必要があります。
ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングは、候補者個人に直接スカウトメッセージを送る手法です。ターゲット像がはっきりしており、ピンポイントにアプローチした場合に向いています。ダイレクトリクルーティングサービスや、求人サイトのオプション、ビジネス特化型のSNSなどを通じて行うことが一般的です。
母集団の質は高まりますが、効果的なリクルーティングを行うためには、魅力的なメッセージを作成し、適切なタイミングで送信する必要があるため、採用担当者のスキルや経験がある程度求められます。
関連記事:ダイレクトリクルーティングとは?メリット・デメリットを解説
合同説明会・学内ガイダンス
複数の企業が参加する「合同説明会」や、大学で開催される「学内ガイダンス」は、企業が候補者に直接アプローチできる貴重な場です。新卒採用はもちろん、中途採用でも転職フェアという形で開催されます。多くの候補者に対して自社の魅力を直接伝えられ、企業理解を深め、入社意欲を高める効果が期待できます。
しかし、出展企業が多すぎると自社のアピールが埋もれやすくなるため、出典企業の動向には注意が必要です。期待したほどターゲットと接触できずに終わってしまわないよう、ほかの企業との差別化を図り、自社の魅力を効果的にアピールするコンテンツを用意する必要があります。
リファラル・アルムナイ採用
リファラル採用とアルムナイ採用は、企業や社員のつながりを活用した手法です。リファラルは自社社員の紹介による採用で、アルムナイは自社の退職者を再雇用する仕組みです。
リファラルの場合、企業理念や社風などに好印象を持っている人材である可能性が比較的高く、ミスマッチのリスクを減らすことができます。アルムナイの場合、一度会社を離れた人材の経験や知識を活かすことができるというメリットがあります。ただし、以前の退職動機に配慮するなど、慎重に進める点も存在します。
いずれも低コストで質の高い母集団を形成できますが、数が限られているため、大量採用には向いていません。
関連記事:リファラル採用とは?メリット・デメリット、報酬が違法になるケースを解説
関連記事:アルムナイ採用を成功させるには?メリットや注意点を解説
インターンシップ
インターンシップは、学生に一定期間の就業体験の機会を提供する方法です。新卒採用において、自社の魅力を効果的に伝えたい場合に有効です。
実際の業務を体験してもらうことで、学生は自社の社風や仕事内容を深く理解することができ、企業側も学生の能力や適正を見定めることができます。ただし、インターンシップの企画や運営には多くの時間と費用がかかるため、採用担当者にとっての負担が大きくなりがちです。
以上のように、それぞれの母集団形成の手法には、メリットとデメリットが存在します。自社の採用目標やターゲット、予算、採用部門のリソースなどと合わせて、最適な手法を組み合わせましょう。
母集団形成のポイント
効率的な母集団形成を行うためには、ターゲットの明確化と、振り返り・改善のプロセスが重要です。この2つのポイントについて、詳しく解説します。
ターゲットを明確にする
ターゲット像の設定が曖昧だと、候補者への訴求力が弱まり、結果として自社のニーズに合わない母集団が形成されてしまう恐れがあります。
ターゲットを設定する際は、経営、人事、現場の視点を総合して、経歴や人柄まで具体的にイメージできるペルソナ(架空の採用人材像)を作り込み、関係者全員で共有することをおすすめします。特に、マネジメント層に近いポジションや、高度な専門性を持つハイクラス人材を採用する場合は、事業規模や業界、得意領域なども詳細に設定しておくといいでしょう。
振り返りと改善をしっかり行う
採用活動中は定期的に振り返りを行い、改善を図ることが重要です。採用手法ごとに応募者数や歩留まりなどのデータを比較・分析し、課題を明確化します。もし採用人数が目標に達さなかった場合は、求人票の内容や、母集団形成の手法、選考フローなどを速やかに見直して改善を図ります。
採用活動が終了したあとも、全体を振り返り、成功と失敗を分析することで、次の採用活動に活かすことができるでしょう。
まとめ
人材獲得の競争が激化する現代において、優秀な人材を採用するには、新卒・中途・ハイクラスなどの採用形態を問わず、質の良い母集団を形成することがこれまで以上に重要です。
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採用に関するノウハウは、個別のコンサルティングや資料として提供していますので、母集団形成にお困りの方は、ぜひパソナにご相談ください。
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