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女性活躍推進法とは?わかりやすく解説 2022年改正のポイントは?

2015(平成27)年8月28日に成立した女性活躍推進法とはどのような法律なのでしょうか? 2022年4月からは、対象となる企業規模も101人以上と拡大しました。そこで今回は法改正について押さえておくべきポイントを含め、女性活躍推進法をわかりやすく解説していきます。

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– 目次 –

働く女性が活躍しやすい環境づくり 何からはじめる?

女性活躍推進法の改正により、企業にはますます働く女性が活躍しやすい環境づくりが求められています。 一方で、では何をすればよいのかがわからないという声も。 パソナでは女性特有の健康問題に取り組むことにより、女性活躍を実現することを提案しています。

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働く女性が活躍しやすい環境づくり 何からはじめる?

女性活躍推進法とは

女性活躍推進法とは

女性活躍促進法とは、正式名称を「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」といい、2015(平成27)年8月28日に成立しました。
従業員数が301人以上在籍する企業は、 “仕事を続けていきたいと思っている女性の個性と能力が発揮され、活躍できる職場環境を整える義務がある”という趣旨の法令であり、“自社の状況を認識し、改善点については、目標としてクリアすべき具体的な数値を設定し、公表する義務”が課せられます。

3つの基本原則

女性活躍促進法の3つの基本原則は以下のとおりです。

【3つの基本原則】

  • 女性に対する採用、昇進等の機会の積極的な提供及びその活用と、性別による固定的役割分担等を反映した職場慣行が及ぼす影響への配慮が行われること
  • 職業生活と家庭生活との両立を図るために必要な環境の整備により、職業生活と家庭生活との円滑かつ継続的な両立を可能にすること
  • 女性の職業生活と家庭生活との両立に関し、本人の意思が尊重されるべきこと

引用:女性活躍推進法 参考資料 平成28年1月 内閣官房すべての女性が輝く社会づくり推進室 内閣府男女共同参画局

女性推進法が成立した背景

欧米諸国と比べ、日本女性の年齢別労働力率のグラフはM字型を表しており、30代の労働力が減少傾向にあります。30代女性は結婚、出産、子育てとライフイベントの続く人が多く、仕事と家庭の両立が難しくなる時期でもあるためです。結果として、仕事をやめて家庭に入るという決断をする女性もいます。

その一方で、30歳代後半に求職率が上がるのは、一度育児のために職場を離れた女性が、子どもの就学によって、少し手が離れるタイミングで職場復帰する傾向があるためです。

働きたい女性が、家庭の事情で仕事をやめなければいけない現実をなんとか改善しなければならない。そのような背景から女性活躍推進法は策定されました。

女性活躍推進法の対象となる企業は、どのように職場を改善するか目標を立て、具体的な数値を盛り込んだ「行動計画」を作成し、それを社員や公に周知するところまでが義務となっています。
ただし、たとえ実施義務を怠っても、現時点では罰則などは設けられていません。

女性推進法が成立した背景 出典: 内閣府男女共同参画局 「女性活躍推進法 参考資料 平成28年1月」 「男女共同参画白書 令和3年版」

次世代育成支援対策推進法との違い

女性活躍促進法とよく似た法律として、次世代育成支援対策推進法(次世代法)があります。
女性活躍促進法は働く女性が活躍できる職場環境を整えることを推進していくための法律であるのに対し、次世代法は子育てしやすい環境の整備を促進するための法律です。
それぞれ主たる対象は異なりますが、子育てにおいて女性の負担が依然として大きい日本では、これら2つの法律には共通する項目も多くあります。

施行開始は2016年。2026年までの10年間の時限立法

2016年に施行された「女性活躍促進法」ですが、この法律は恒久的なものではありません。2026年3月31日までの10年間の時限立法です。ただし、附則第四条で、「この法律の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、この法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする」とあるので、継続する可能性もあります。

参照:総務省「e-Gov法令検索 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律 附則

2022年の改正のポイントは?

2022年の改正のポイントは?

女性活躍推進法は2015年8月に国会で成立し、は、これまで2019年5月、2020年4月の二度の改正が行われました。それぞれの改正ポイントについて見ていきます。

2020年改正の行動計画策定義務と情報公表の強化

一般事業主行動計画には

  1. 女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供
  2. 労働者に対する職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備

の2つの区分があり、2020年の4月と6月の改正では、常時雇用する労働者数301人以上の事業主には以下の2つの点が変更となりました。

  • 行動計画策定義務
    2020年4月1日以降に開始する一般事業主行動計画を作成する際は、上記の2区分からそれぞれ1項目以上を選択して、それに該当する目標を2つ以上設定が必須
  • 情報公表
    2020年6月1日以降はその強化された2項目で設定した目標も公表しなければならない

2022年に対象企業規模が拡大 中小企業も対象に

2022年4月の改正では、これまで常時雇用する労働者が301人以上の事業主が対象だった女性活躍推進法の適用が、常時雇用する労働者が101人以上の中小企業も対象になりました。
さらに男女賃金差異(男性労働者平均賃金に対する女性労働者平均賃金の割合)の算出及び公表が必須となりました。

参照:厚生労働省「女性活躍推進法特集ページ(えるぼし認定・プラチナえるぼし認定)

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企業側の取るべき4つの対応

企業側の取るべき4つの対応

2022年から女性雇用推進法で対象になる企業が広がりました。それにより多くの事業主が何から始めたらいいのかと戸惑っているのではないでしょうか。
ここでは、対応を進めるにあたり必要となるステップを簡単にご紹介します。

女性活躍推進法に基づく企業が取るべき具体的な行動は、以下のような手順で進めます。

  1. 自社の女性の活躍に関する状況把握と課題分析
  2. 一般事業主行動計画の策定
  3. 社内周知と外部公表。労働局への一般事業主行動計画の提出
  4. 実施後の効果の点検・評価

これらの行動は一度実施したら終わりではなく、実施後の効果点検・評価を実施後、新たな課題分析を行い、行動計画を練り直す、PDCAサイクルで進めていく必要があります。
それぞれを見ていきましょう。

1.自社の女性の活躍に関する状況把握と課題分析

自社が抱えている課題について、社員にヒアリング、アンケートなどをして現状を把握しましょう。
以下の基礎項目については必ず把握すべき項目となります。

1) 採用した労働者に占める女性労働者の割合
2) 男女の平均継続勤務年数の際
3) 労働者の各月ごとの平均残業移管数等の労働時間の状況
4) 管理職に占める女性労働者の割合

※1)と2)については、雇用管理区分(業務内容、人事異動、の幅や頻度での分類。例:正社員/契約社員/パートタイムなど)ごとに把握

さらにその問題を分析し、優先順位をつけます。

2.一般事業主行動計画の策定

上記で明確化した課題改善を目標に、行動計画を立てます。目標の数には上限はありません。
一般事業主行動計画は任意様式ですが、「計画期間」「数値目標」「取組内容」「取組の実施時期」を盛り込むことが必要です。
各自治体の労働局のホームページなどにテンプレートやモデル例の記載があるので、それらを参考に作成すると良いでしょう。
計画期間は企業の状況を踏まえ、2年~5年程度で無理のない期間を設定しましょう。

参考:厚生労働省東京労働局「【労働者数101人以上~300人以下の事業主の皆様へ】令和4年4月1日改正女性活躍推進法の義務化について ≪NEW≫

数値目標は、行動計画策定指針(平成 26 年 11 月告示、令和3年2月改正)の「六 一般事業主行動計画の内容に関する事項」に掲載されている項目などを参考にして設定をします。

取り組み内容を具体化し、それぞれいつから実施を開始するかについて記載します。

参照:厚生労働省「一般事業主行動計画を策定しましょう

3.社内周知と外部公表。労働局へ届出

一般事業主行動計画策定の日からおおむね3か月以内に、その計画を社内ならびに一般に公表します。
一般への公表方法は以下のようなものがあります。

  • 厚生労働省が運営するウェブサイト「両立支援のひろば
  • 自社のホームページ
  • 県の広報誌・日刊紙など

一般に公表すると同時に、都道府県労働局雇用環境均等部(室)へ届出を行うことも必要です。公表と届出はどちらが先でも構いません。
「一般事業主行動計画策定・変更届」(様式第一号)を都道府県労働局雇用環境均等部(室)に提出します。

4.実施後の効果の点検・評価

一般事業主行動計画は、公表、届出で終わりではなく、設定した目標達成に向けて、施策を実行することが必要です。
そして、計画期間終了後、実施効果について検証し、新たに見つかった課題があれば、新たに目標設定し、一般事業主行動計画を更新、変更届とともに労働局に提出します。

一般事業主行動計画表の記入例

厚生労働省による「一般事業主行動計画の策定・届出等について」で紹介されている記入例を、一部見てみましょう。

モデル計画:育児をしている社員が多く、様々なニーズのある会社

目標:育児休業を取得予定の社員及び育児休業から復職した社員に対するメンター制度を導入する。

<対策>


   年  月~  社員へのアンケート調査、検討開始
   年  月~  運用ルールの検討、メンター選定
   年  月~  運用ルールの決定、メンター研修の実施
制度導入、社内報などによる社員への周知

モデル計画:育児をしている社員が多いが、長時間労働が発生している会社

目標:社員のワーク・ライフ・バランスを確保するため、勤務間インターバル制度を導入する。

<対策>


   年  月~  社員へのアンケート調査 検討開始
   年  月~  制度の導入、管理職研修及び社内報などによる社員への周知

ほかにも項目ごとの目標設定などの見本が用意されています。一般事業主行動計画表を記入するときにはぜひ参考にしてみてください。

参照:厚生労働省「一般事業主行動計画の策定・届出等について

次世代法との一体型も

一般事業主行動計画表は、「女性活躍推進法」だけでなく、「次世代法」とも合わせて申請する「一体型」というのもあります。一体型にすると、女性の活躍や子育て支援についての課題分析や、労働局への届出、周知・公表の手続きも一度で済むので効率的です。

参照:厚生労働省 一体型の行動計画モデル例

えるぼし認定とは?

えるぼし認定とは?

「えるぼし認定」とは、行動計画の策定・届出を行った企業の中で、実施状況が優良な企業を認定する制度です。

評価基準となる項目は次の5つです。

  • 採用
  • 継続就業
  • 労働時間等の働き方
  • 管理職比率
  • 多様なキャリアコース

評価項目がいくつ基準を満たしているかにより、「えるぼし認定」がもらえます。認定は3段階です。

  • えるぼし 三段階目
    5つの基準をすべて満たしている。
  • えるぼし 二段階目
    5つの基準のうち、3~4の基準を満たしている。
  • えるぼし 一段階目
    5つの基準のうち、1~2の基準を満たしている。

それぞれ実績を女性の活躍推進企業データベース」に毎年公表していることが必要になります。
また、満たさない基準についても、事業主行動計画策定指針に定められた取り組みの中から当該基準に関連するものを実施、同様に実績を「女性の活躍推進企業データベース」に毎年公表していることと2年以上連続して実績改善が見られることが認定条件になります。

5つの項目をすべて満たし、さらに継続就業、管理職比率で一定水準を超えた実績をあげた企業は、プラチナえるぼしに認定されます。

参照:厚生労働省「えるぼし認定、プラチナえるぼし認定の概要

女性が活躍できる企業にするメリットとは?

女性が活躍できる企業にするメリットとは?

女性活躍推進法遵守のために企業義務として実施するというだけでなく、行動計画を実施し、えるぼし認定を得ることによるメリットはどこにあるでしょうか?

  • 企業イメージの向上
    えるぼし認定マークは、商品や広告に付けることができ、女性活躍推進企業であることをアピールでき、企業イメージが向上します。
  • 公共調達の加点や低金利融資の優遇や助成金を得られる
    事業推進のための資金調達の際に、低金利の融資や、助成金が受けやすくなります。
  • 人材獲得機会の向上
    えるぼしを獲得した企業は、女性求職者に「働きやすい職場である」という安心感を与えるため、応募が増え、優秀な人材を採用しやすくなります。

特に人手不足が懸念される近年では、優秀な人材を確保できることは、企業経営にとって大きなメリットになり得ます。

全ての社員が働きやすい職場を目指し、女性の働き方改革を進める

全ての社員が働きやすい職場を目指す

国や企業が女性の活躍できる場所を整えようとしても、働く女性たちの考えが尊重されなければ、仕事を続けられません。

女性活躍推進を社内で推進しようとするとき、いくつかの問題点も見えてきます。

  • 依然として出産や子育て、介護などを機に退職する、せざるを得ない女性が多くいる。
  • キャリア形成に長時間勤務が必要なケースが多く、家庭生活との両立が難しい
  • 管理職を望まない女性もいる。

法令順守、えるぼし獲得が目的になって、それが本来の目的である女性が活躍できる職場環境の改善に繋がっていなければ本末転倒です。

働きやすい職場とは、「男女問わず、自分が希望するような形でキャリア形成ができる環境」であるとするなら、企業は女性活躍推進法の先にある、「自社で働く従業員が望む働き方は何かを理解し、それを実現できる職場環境」を整えることが大切だといえます。

そのような企業づくりをするにはどうしたらいいのだろう? と迷われているのであれば、ぜひパソナにご相談ください。パソナは創業以来、事業活動を通じて女性の雇用創造とキャリア構築に取り組んできました。「女性管理職の採用支援、管理職育成研修」や、「女性の健康サポートプログラム」など、女性活躍支援を通して、すべての社員が働きやすい働き方改革・ダイバーシティ推進支援を行っております。

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働く女性が活躍しやすい環境づくり 何からはじめる?

女性活躍推進法の改正により、企業にはますます働く女性が活躍しやすい環境づくりが求められています。 一方で、では何をすればよいのかがわからないという声も。 パソナでは女性特有の健康問題に取り組むことにより、女性活躍を実現することを提案しています。

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