おすすめ特集・コラムBPOサービス|対象業務と事業者の見極めポイントを解説
公開日:2023.09.03 更新日:2024.09.25
- BPO・アウトソーシング
コア業務に集中するためアウトソーシングを検討していても、どのようなサービスや事業者に依頼すべきかわからないと悩んでいる企業は少なくないでしょう。そこで役立つのが、外部リソースを活用する「BPO(Business Process Outsourcing)サービス」です。
本記事では、BPOサービスの概要や導入のメリット、注意点を解説します。また、自社にとって最適なBPOサービスを見極めるポイントもご紹介しますので、ぜひお役立てください。
BPOサービスとは
BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とは、企業の業務プロセスを外部に委託する経営戦略を指します。単なる外注とは大きく異なり、外部委託先の裁量が大きいという特徴があります。つまり、企画から実施まで業務プロセスを広い範囲で専門業者に外部委託することができるのです。
それぞれの分野で専門性に特化したBPOサービスを活用し、自社の経営資源であるコア業務へ注力することで業務効率化や生産性向上などのメリットが得られます。
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BPOの対象となる業務例
BPOは幅広い業務に対応しているため、運用ノウハウのない業務を専門業者に委託することができます。対応できる業務例は、以下の通りです。
・人事
・総務
・経理
・受付
・営業事務
・コールセンター
・ヘルプデスク
・人材採用
BPOとアウトソーシングの関係性
一般的にアウトソーシングとは、業務遂行に必要なリソースを外部から調達することを意味します。「業務委託」とも呼ばれており、業務の一部のみを委託するケースが多いです。
一方BPOでは、アウトソーシングと大きく異なり、業務の企画や設計、実施まで一貫して外部委託することができます。BPOは対象となる業務範囲が非常に広いため、部門単位におけるすべての業務を委託するケースもあります。また、一般的にアウトソーシングの方がBPOよりも広義の意味で使用されます。
このようにBPOは部分的な業務の委託ではなく、業務のプロセスを外部委託するため、経営レベルで改革を行う「経営戦略」の一つといえるでしょう。
BPOとBPRの違い
BPR(Business Process Re-engineering)とは、既存の非効率な業務プロセス全体を抜本的に見直し、再構築する経営戦略です。BPOが既存の一部の業務プロセスを見直して業務の効率化や適正化を図る「業務改善」を目的とするのに対して、BPRはビジネスや組織におけるあらゆる問題や課題を根本的に解決し、既存業務を必要性から見直す「業務改革」を目的としています。
BPOの「業務改善」 | 既存の業務の必要性は肯定しつつ、業務の一部を見直して業務の効率化や適正化を図ること |
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BPRの「業務改革」 | 経営戦略と照らし合わせて既存業務の必要性から見直すこと |
このようにBPRでは全社共通となる目標をあらためて設定し、現在の企業活動や組織構造を根本から見直したうえで、企業全体として効率的に目標を達成することができる組織として業務改革を行うのです。
BPOサービス導入のメリット
BPOサービスを活用するメリットには、以下の3つが挙げられます。
- 業務品質の向上
- 経営資源の集中
- 時間や教育コストの削減
それぞれの内容について詳しく解説しましょう。
業務品質の向上
BPOサービスは委託先企業の専門的な知見やノウハウを存分に活用することで、業務品質が向上します。それぞれの分野における専門家が多数在籍しているので、特定業務に関する高いスキルや自社にはないリソースの獲得が期待できるでしょう。
特に税務や会計など専門性の高い分野では、関連する制度が年々複雑化しており、新制度の導入や制度改正への対応に多くの時間が必要となってしまいます。
BPOサービスを利用して特定業務に精通した専門家に依頼することで、複雑化する新しい制度や規制にもしっかりと対応できるでしょう。
また、業務品質の改善は顧客満足度の向上にもつながります。BPOサービスで専門性が高い外部企業に業務を任せれば、当該業務をスピーディーに処理できるようになります。
例えば、カスタマーセンター業務でBPOサービスを導入して的確で丁寧なサービスを提供できるようになれば、「サポート体制が充実している」という印象をお客様に与えられるでしょう。また、サポート体制を強化してお客様の待ち時間を短縮できれば、顧客満足度の向上につなげられます。
経営資源の集中
BPOサービスを利用してノンコア業務を委託すれば、限られた自社人材をコア業務に集中させられるため、経営資源の活用の点においてもBPOサービスは非常に役立ちます。
また、BPOサービスを導入すれば委託先企業が現状の業務フローの把握・分析や整理を行うため、属人化やブラックボックス化している業務が可視化され、業務の無駄や非効率な部分を発見できます。非効率な業務を見直してフローを最適化すれば、業務効率化や教育コスト削減などによって業務負荷の軽減につながるのです。
従業員が定型業務に長時間拘束されてしまうと、本来やるべき業務が進まず、コア業務に集中できないといった問題が生じがちです。そこでバックオフィスなどのノンコア業務を外部委託すれば、自社ならではの価値である「コアコンピタンス」が強化されて、従業員は重要な仕事に注力できるため、自社の強みをより高めていけるでしょう。
BPOサービスを導入すれば、自社のコア業務に集中しやすい環境をつくり出すことができ、その結果、自社サービスの品質が向上して収益拡大が期待できるのです。
時間や教育コストの削減
自社の従業員のみで業務を行う場合、従業員が異動・退職するたびに新しい従業員に教育を行う必要があるため時間や教育コストがかかってしまいます。このコストは固定費となり、場合によっては赤字などの要因になりかねません。そのため、業務状況に応じたBPOサービスへの置き換えを検討することをおすすめします。
BPOサービス導入によって、固定費としていた部分を「変動費」として考えられるようになります。BPOサービスをうまく利用すれば、業務に求められるマンパワーを必要なタイミングにあわせて活用できます。
スタッフのマネジメントや教育も委託先企業が担当してくれるため、自社で業務を遂行するよりも業務の処理速度や正確性が高められる点も大きなメリットといえます。
BPOサービスを依頼する企業の選定ポイント
BPOサービスには、さまざまな事業者が存在します。それぞれのBPOサービス事業者によって、専門領域や対応業務の範囲、サービス内容などが異なります。自社に最適なBPOサービスを選択することが、ビジネスを成功させる重要な鍵を握っているといっても過言ではありません。
そこでBPOサービス事業者を選定する際は、以下のポイントに注意しましょう。
- BPOサービスの価格は適正か
- BPOサービス事業者に専門性はあるか
- パートナーとしてコミュニケーションは万全か
- 業務プロセスの改善を行える体制があるか
それぞれの内容について詳しく解説します。
BPOサービスの価格は適正か
BPOサービスを導入するメリットの一つに教育コスト削減がありますが、導入コストは単に安ければいいというものではありません。事業者の業務品質や業務量、対応可能な範囲などを総合的に比較したうえで、依頼する事業者を選定することが重要です。
また、ランニングコストが安い場合でもコスト削減に役立ちますが、コストを抑えすぎると望んでいた水準の業務を遂行できないリスクが考えられます。さらに、イレギュラーで発生する業務や領域が曖昧な業務を依頼した場合の追加費用についても併せて確認しておきましょう。
同じ業務内容であっても事業者によって費用が異なるため、複数の事業者に見積もりを依頼して比較検討することが重要です。
複数の事業者に見積もり依頼すれば、費用の相場を確認できるでしょう。費用対効果を正しく得るためには、業務にかかるコストの水準を把握してから依頼先を決定しましょう。
BPOサービス事業者に専門性はあるか
事業者によって得意とする対応業務の範囲や専門性がわかれます。そのため、検討している事業者が委託予定の業務に精通しているか、専門的なノウハウを保有しているかについて確認することが重要です。
どの事業者を選ぶかによって、任せる業務プロセスの結果に大きな影響が生じるため、事業者の選定は慎重に行わなければなりません。そのためには、事業者の実績やノウハウを確認して最適な依頼先を見つけましょう。
パートナーとしてコミュニケーションは万全か
事業者が自社にとって良いパートナーとなりえるかどうかを事前に判断することも重要です。事業者が正確に業務を遂行するかどうか判断するには、コミュニケーションを重視して自社と並走できる存在なのかを確認しましょう。
具体的には、電話やメール、チャットなどさまざまな連絡ツールに対応しているかをチェックしましょう。また、グローバルに事業展開している企業にとっては多言語に対応しているかどうかも重要なポイントですので、併せて確認しておきましょう。
業務プロセスの改善を行える体制があるか
BPOサービスでは、業務改善も含めた業務プロセスの一部を委託します。そのため、委託されたBPOサービス事業者はただ与えられた業務をこなすのではなく、信頼できるパートナーとして改善や提案を行いながら、業務を代行できるかどうかが重要なポイントとなるでしょう。
BPOサービス導入後の運用改善のPDCAサイクルをまわしやすくするためには、業務を任せる前に業務調査や分析、業務プロセスの設計を実施する事業者であるかを確認しましょう。
パソナのBPO・アウトソーシングサービスでは、専門コンサルタントがBPOの導入から立ち上げまでを全面サポートいたします。また専任のプロジェクトマネージャーによる事業運営に必要なスキルアップ研修の実施をはじめ、情報交換できる環境を整備していますので、事業運営を属人化させず、サービスの品質を落とさない運営を実現しますので、ぜひご相談ください。
BPOサービス導入時の注意点
BPOサービスの導入時には、以下の5つの注意点に気をつけましょう。
- 任せる業務を決めるため、課題を明確化する
- 実績があるか確認する
- セキュリティレベルは高いか確認する
- 業務拡大に対応できるか確認する
- 組織の体制に適しているか確認する
それぞれの内容について詳しく見ていきましょう。
任せる業務を決めるため、課題を明確化する
BPOサービスの導入を検討する際、委託したい業務範囲だけでなく将来的に依頼する業務範囲が拡大する可能性を含めて、依頼する要件を事前に整理しましょう。ただ業務を委託するだけでは、「業務を行う場所や人が変わっただけで、コストが下がらず業務品質も上がらない」という最悪のケースを招きかねません。
そこで「自社でしかできない業務は何か」「どの業務に問題を抱えているか」「その問題はどうして生じていると考えられるか」、そして「直近の課題ではないものの、問題のある業務がほかにあるか」といった様々な課題を明確化すれば、委託すべき業務が自ずと明確になるはずです。
また、「BPOサービスの導入によってチームや部署、さらには会社全体をどのように変えたいのか」という踏み込んだ部分までイメージしておくこともおすすめです。「業務の効率化」や「品質の向上」、「コア業務への集中」などBPOサービスの導入によって実現したい姿を具体的に思い描いておきましょう。
実績があるか確認する
事業者の「業務実績」では、事業者の信頼性や専門性の高さを確認できます。自社が委託したい業務と同じような業務内容で実績があるかチェックしておきましょう。また、自社で対応すべき業務や委託しなくても良い業務を明確にしたうえで、委託予定の業務は本当に委託すべき業務なのかを事前に考えておくことも重要です。
さらに、以下の点も確認しておきましょう。
- 委託したい業務に対するスキルは十分か
- ナレッジの蓄積・更新の仕組み化を行っているか
- 人材育成に向けた研修など教育体制が整っているか
- 担当者とのコミュニケーションは円滑にとれるか
- 自社の業界を理解し、適切かつ誠実な対応をしてくれるか
パソナのBPOサービスは、幅広い業界で800件以上の導入実績があります。以下の資料では、「業務効率化」や「コスト削減」に成功されたお客様の事例をもとに、課題とそれに対する施策や運用体制、成果について具体的に解説していますので、ぜひ参考にしてください。
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セキュリティレベルは高いか確認
事業者を選ぶ際は、委託先のセキュリティ体制やコンプライアンスも併せて確認しましょう。コンプライアンスの遵守が重要視される現代では、情報漏洩が発生した場合における企業の信頼性へのダメージは甚大であり、損害賠償リスクも伴います。
BPOサービスでは委託する業務内容によって、従業員情報や顧客情報・会計情報といった機密性の高い内部情報を委託先と共有しなければならないケースがあります。そのような場合に備えて、信頼できる事業者であるかを判断するために、BPOサービス事業者の認証資格やセキュリティ品質基準などを確認することが重要です。
BPOサービスを契約する前には、必ず事業者のセキュリティルールを確認するだけでなく個人情報の取り扱いが適切であることを示す「プライバシーマーク」をチェックしましょう。また、国際的に設定されたセキュリティ基準であるISMS認証の「ISO/IEC27001(JIS Q 27001)」に適合している事業者を選べばより安心です。
業務拡大に対応できるか確認する
BPOサービスを導入する場合には、まずは部分的な業務を委託してから、徐々に委託する業務範囲を拡大する方法が一般的です。しかし、委託先の企業規模などの事情から、委託範囲の拡大に対応できないケースも見られます。そのため、BPOサービス活用のビジョンと照らし合わせて、委託範囲を拡大しても対応できるかどうか確認しておきましょう。
企業規模の大きな事業者では、対応できる業務範囲が広いため様々な種類の業務をまとめて委託できます。そのため、複数の業務の委託を検討している企業にはおすすめの委託先といえます。
また、今後の事業展開によっては現在依頼を予定している業務以外にも任せる業務範囲が広がる可能性もあるでしょう。このような場合でも、幅広い業務を委託できる大規模な事業者を選んでおけば、その後の対応もスムーズに進みます。
パソナのBPOサービスでは、小規模のチーム派遣からお試し運用が可能です。BPOやアウトソーシングの経験がない企業でも、スムーズに業務移行できるため、安心してご依頼いただけます。まずは、お気軽に資料請求や無料相談にお申し込みください。
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組織の体制に適しているかを確認する
BPOサービスを導入する際には、委託する内容を十分に検討して委託先が自社の組織体制に適しているかを確認しましょう。社内にあるどの業務を委託すれば、業務効率化やコスト削減に役立つのか十分に検討する必要があります。社内にノウハウがあって効率良く運用できている業務や、自社でノウハウを蓄積させていくことで今後大きな財産になるような業務を委託することは避けるべきです。
また、一度BPO化した業務の委託契約期間中は、業務内容やフローを大きく変更する裁量はBPOサービスの委託先にあります。そのため、事業内容や組織体制が頻繁に変わる企業フェーズにおいては、より慎重にBPOサービスを導入するかどうか検討する必要があります。
さらに、BPO化すると業務の進行状況を正確に把握しづらい点が大きな課題といえます。
そのため、自社にBPOやアウトソーシングなど業務委託の知識を持つ人材を確保しておく必要があり、BPOサービス事業者との情報共有や進捗管理なども欠かせません。
そして、外部企業である委託先スタッフとの引き継ぎが必要である点にも注意して、どの程度で導入コストを回収できるのかという点もシミュレーションしてから委託先を決めましょう。
まとめ
本記事では、BPOサービスの概要や基礎知識、BPOサービスを選定する際のポイントや注意点について詳しく解説しました。
BPOサービスの導入を成功させるためには、特定の分野に関して豊富な知見やノウハウを持ち、業務フローの見直しや業務課題の分析を積極的に行ってくれるBPOサービス事業者を選定することが大切です。これまでの実績や導入事例を確認しながら、BPOサービスとどのように向き合っていくかを考えて、最適な委託先を見つけましょう。
パソナのBPO・アウトソーシングサービスでは、業務の見える化から既存フローの見直しまで一貫して行い、幅広い業界に精通したBPOコンサルタントが責任を持ってサポートします。
また、オンサイトBPOやオフサイトBPO、チーム派遣やクラウドソーシングなど多様なサービス形態を採用していますので、最適な解決策をご提案できます。これからBPO化を検討されている方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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