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人材派遣の職場見学とは?企業担当者が行う事前準備と当日の流れ、注意点について解説!

派遣社員を受け入れる際、派遣スタッフ自身の希望で職場見学を求められることがあります。通常の雇用契約を行う社員の職場見学とは、主旨や目的が異なるため、派遣社員の見学に対応する場合は注意が必要です。

この記事では、派遣社員の職場見学の目的や、NG項目などの注意点、当日までの準備方法について解説します。人事担当者だけでなく、派遣社員を受け入れる部署の責任者の方も一緒にご確認ください。

人材派遣の活用ガイドブック

人材派遣をご活用される担当者の方や派遣先責任者の方に向けて、労働者派遣法で抑えておくべきポイントを抜粋・図解を踏まえて解説しています。

  • 派遣先・派遣労働者・派遣元の関係性
  • 派遣禁止業務とは
  • 派遣法の派遣期間制限とは(個人単位/事業所単位)
  • 派遣期間制限の抵触日とクーリング期間とは

適切な人材配置につなげるための参考資料としてご活用ください。

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人材派遣の職場見学とは

派遣先企業での職場見学は、派遣社員の希望により、自身の担当業務の把握や就業環境などを確認し、紹介業務を受けるかどうかを判断するために実施するものです。直接雇用時におこなう採用面接や選考とは異なり、見学の主体は派遣スタッフ側にあります。

職場見学は派遣先企業にとっても重要な機会です。職場環境や業務内容を具体的に説明することで、ミスマッチを防ぎ、部署での受け入れ体制を作りやすくなるからです。また、派遣スタッフの懸念点を解消することで、自社での就業のモチベーションを上げることもできます。

関連記事人材派遣の仕組みとは?企業にとってのメリットと注意点、導入の流れを解説!

直接雇用における採用面接と派遣社員の職場見学の違い

一般的に企業が直接雇用する求職者の採用面接と職場見学の違いから、派遣社員の職場見学の特徴をみていきましょう。両者の最大の違いは、その目的です。採用面接は企業側が選考することを目的としていますが、職場見学は派遣社員が業務内容や就業環境を確認し、疑問や不安を解消することを目的としています。

採用面接では、スキルの確認だけでなく、人柄や志望動機、退職理由などを聞き、総合的に合否を判断します。一方の職場見学では、企業側が業務内容や職場環境の説明を中心に行い、自社で就業することの魅力づけが中心となります。

企業側は職場見学を経て、派遣会社に所感を伝えることができますが、合否の判断はできません。なお、職場見学をもって派遣スタッフ側が辞退する可能性があることには注意が必要です。

派遣社員の特定行為は禁止

労働者派遣法では、派遣先企業による派遣社員の特定行為を禁止しています。

特定行為とは、採用時の選考や、個人情報の収集、派遣スタッフの選別をすることです。派遣先企業と派遣スタッフの間には雇用契約がなく、スタッフの面接や選考を行う権利がそもそも存在しません。

派遣スタッフに履歴書や職務経歴書の提出、適性検査・筆記試験などの実施、派遣会社を介さない面接を要請することは、個人情報の収集や選考に該当します。

通常、派遣会社が派遣スタッフを派遣先に紹介する際には、スキルや経験年数、資格などが記載されたスキルシートが用いられます。企業は派遣会社への派遣依頼時に、スタッフの年齢や性別を限定することはできません。職業安定法によって、これらの差別に該当するような行為は原則禁じられています。

職場見学の流れ

職場見学は、主に派遣スタッフが業務内容や就業環境を確認するために実施されるもので、多くの場合、派遣会社の担当者も同席します。所要時間は30分から60分程度が一般的です。

適切な職場見学は、派遣スタッフの就業意欲の向上や、就業開始後のミスマッチの防止につながります。当日の流れを確認し、事前準備をしっかりしておくことが望まれます。

業務内容の説明

職場見学当日に派遣会社の担当者とスタッフが来訪したら、会議室や執務スペースなどに通して派遣スタッフに業務内容を説明し、その後、職場内を案内するのが一般的です。業務内容や、業務に必要とされる役割やスキルだけでなく、組織体制、使用PCやアプリケーションなどの就業環境も伝え、派遣スタッフが就業時のイメージを具体的に描けるようにします。

業務内容は、役割やタスク、必要なスキルなどに加え、会社概要やプロジェクト概要、1日・1週間の業務の流れなどを説明すると、就業時をよりイメージしやすくなるでしょう。さらに、部署のメンバー構成や、残業時間の目安、教育研修体制なども伝えます。

職場見学で十分な情報が得られないと、派遣スタッフは就業への不安を感じ、仕事の魅力を見出せずに辞退する可能性が高まります。そのため、派遣スタッフへの期待値を含めて丁寧に説明し、働きたいと思ってもらえる職場見学になるように心がけることが大切です。

途中で質問時間を設けるなどして、不足している情報を補うこともおすすめです。

派遣スタッフの自己紹介

職場見学時点での派遣スタッフの自己紹介は、面接や選考とは異なるため必須ではありません。ただし、スキル確認の機会として活用できるため、お願いしてみてもいいでしょう。

自己紹介では、これまでの業務経験や取得資格など、スキルに関する内容を中心に展開してもらいます。派遣先企業の人事担当者や受け入れ先部署の担当者は、派遣スタッフに依頼したい業務内容とスキルの適合性を確認し、OJTやオンボーディングなど、初期の教育指導を含めた受け入れ体制を検討しながら話を聞くことで、就業開始日をスムーズに迎えられます。

また、派遣先企業から派遣スタッフへの質問も可能です。ただし質問内容は依頼予定の業務に関連する経験やスキルに限定し、後述するNG質問や、選考をしていると誤解される質問は避けましょう。

職場環境の見学

スキルや業務内容の確認が終わったら、実際の職場を案内します。執務室や休憩室、リフレッシュ用の設備、お手洗いなどを見学してもらい、派遣スタッフが働くイメージをより具体的につかめるようにします。

>職場見学を実施する際は、受け入れ先部署のメンバーへ事前に日程を共有し、自然な雰囲気で迎えられるように準備しておくのもおすすめです。昼食の様子や、福利厚生についても案内すると、より魅力的な職場だと感じてもらいやすくなるでしょう。

条件の確認、質疑応答

最後に就業に関する条件の確認と質疑応答を行います。職場環境に関する質問や、疑問点などがないかを派遣スタッフに確認し、丁寧に回答します。また、見学を経ての感想や所感を聞くのもいいかもしれません。

派遣会社との間では、就業開始時期や、就業日数、対応可能な残業時間など、諸条件の確認などを行います。

見学終了後は派遣会社の担当者と派遣スタッフをエントランスやエレベーター前まで見送るなど、丁寧な対応を心掛けると、より良い印象を与えられ、就業を前向きに検討してもらえるかもしれません。

職場見学後の流れ

職場見学後は、派遣会社が派遣スタッフの意向を踏まえて派遣の可否を決定します。

就業条件が決まり、派遣社員の就業が決定したら、派遣先企業と派遣会社との間で労働者派遣に関する基本契約および個別契約を締結し、派遣先管理台帳を作成または派遣会社から受領します。

就業開始に際しては、システムの整備や、業務に必要な備品、メールアドレスなどを手配し、受け入れ準備を行っていきます。就業開始日には、会社概要や組織構成、労務関連の説明、設備の案内、業務マニュアルの共有、レクチャーなどのオンボーディングを実施します。

契約締結や就業開始時のステップについて、詳細を確認したい場合は下記を参考にしてください。

参考記事初めての派遣活用ガイド

職場見学を行う際の注意点

派遣スタッフの職場見学は選考とは関係がなく、あくまで派遣スタッフ自身が就業前に派遣先を確認するための機会です。そのため、企業側は派遣スタッフから「選考する行為」だと捉えられないように、見学中の言動に注意する必要があります。違法行為をしないためにも、人事担当者や受け入れ先部署の担当者は、次の項目に留意しましょう。

個人情報に関する質問をしない

派遣スタッフのことを深く知りたいと考えて、つい雑多な質問をしてしまいたくなるかもしれません。しかし、就業前に派遣先企業が個人情報を収集することは特定行為につながり、労働者派遣法で禁止されています。

個人情報の具体例としては、氏名、年齢、住所、学歴、出身地、過去に在籍した学校、企業名などが挙げられます。また、家族構成や家族の職業、宗教・信仰の有無、持病や健康状態など、プライベートに関わる質問も避けてください。

職務の遂行能力に関係のない質問は避ける

職場見学中は、依頼したい業務に関連のない質問も禁止されています。採用面接では定番の志望動機や、過去に在籍した企業の退職理由などを聞くのも、職場見学の場ではNGです。

また、人間関係や価値観などの人柄に関する質問や、結婚・出産の予定といったライフプラン、正社員を目指すかどうかといった将来のキャリアビジョンなどに関わる質問も、業務内容とは関連が薄いため避けましょう。

決定権があると誤解される発言

派遣先企業に合否の決定権があると誤解されるような発言も禁止されています。誤解されやすい発言の例を以下に列挙しますので、参考にしてください。

● 「あなたに来てほしい(あなたに決めました)」
● 「他の候補者と比較して決めます」
● 「結果(今後について)は派遣会社を通して伝えます」

職場見学の締めに「うっかり発言」をしないよう、最後まで気を抜かずに対応してください。

関連記事【人事担当者必見】派遣法の3年ルールとは?概要や例外、期間延長の方法を解説!

まとめ:NG事項に留意し、派遣予定のスタッフに自社の魅力を十分に伝えよう!

派遣スタッフの職場見学は、スタッフ自身が安心して仕事を引き受けられるよう、双方のすり合わせや、就業に魅力を感じてもらえるようにする大事な機会です。企業側は「職場見学は選考に含まれない」ということを念頭におき、業務に関する話題に集中しましょう。

もし派遣スタッフへ事前に確認したいことがあるけれど、質問して良いことかどうかがわからない、という場合は、派遣会社に相談してみましょう。

パソナではさまざまなタイプの派遣サービスを展開しており、豊富な事例が蓄積されています。派遣の導入を検討されていて、お困りごとやお悩みがある場合は、ぜひパソナにご相談ください。

関連記事【派遣サービス基礎ガイド】法人向け派遣会社の選び方!チェックするポイントや派遣形態の種類を解説

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