おすすめ特集・コラムキャリア形成とは?重要性やメリット、進め方から、企業に求められる支援まで徹底解説

更新日:2025.10.07
- キャリア自律支援
キャリア形成とは、自分が目標とするキャリアの実現に向けて、計画的にスキルや経験を積み重ねていくプロセスのことです。終身雇用制度の崩壊や就業形態の多様化など、ビジネス環境が急速に変化するなか、キャリア形成の主体は「企業」から「個人」に変わりつつあります。企業としても従業員のキャリア形成を支援し、一人ひとりが自律的に自らのキャリアを築けるよう導く役割が求められています。
この記事では、キャリア形成の重要性や企業側・従業員側のメリット、企業が実践できる具体的な支援について詳しく解説します。
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パソナのセルフ・キャリアドックサポートサービス
~人的資本経営時代におけるキャリア支援~
パソナのセルフ・キャリアドック導入支援サービスは、社内キャリアコンサルタントの育成支援をしながら、コストパフォーマンスを最適化した人的資本経営時代のキャリアのアップデートを実現します。
- 人的資本経営(HCM)時代の人材とキャリア
- パソナのセルフ・キャリアドックの支援サービスと流れ
- フルカスタマイズの研修事例①~④
- セルフ・キャリアドック導入成功事例①②
各社の課題に沿ってフルカスタマイズで行う研修の具体的な事例や効果、セルフ・キャリアドック導入の成功事例も交えてご紹介します。
キャリア形成とは
キャリア形成とは、仕事を通じてスキルや経験を身につけ、目指すキャリアの実現を図るプロセスのことです。しかしながら、それは単にビジネス上での成功を目指すだけでなく、一人の人間としてどのような人生を歩みたいのか、人生における自己実現を追及するプロセスでもあります。
キャリア形成を進めるには、まず自分自身の強みや価値観を深く理解することが重要です。企業としても、従業員が主体的に自らのキャリアを設計し、その実現に向けて成長していけるよう支援することが求められています。
「キャリアデザイン」「キャリアパス」との違い
キャリアデザインとは、仕事を通して「自分はどのような人生を歩みたいか」を考え、人生そのものを設計することを指します。一方、キャリアパスとは企業内での昇進や役職を目指す具体的な道筋のことで、そこに至るまでに習得すべきスキルや経験などを明示することをいいます。つまり、キャリアデザインは「方向性」、キャリアパスは「道筋」を示すものであり、どちらも個人のキャリア形成を支える重要な要素となります。
関連記事:キャリアデザインとは?意味や重要性、企業の支援方法を解説
キャリア形成の変化
キャリア形成に対する意識は、時代の流れとともに変化しています。以前は企業主導のもとで従業員のキャリアを管理していましたが、現在は従業員自身が主体的に自らのキャリアを考える「キャリア自律」が求められています。
関連記事:キャリア自律とは?キャリア開発との違いや企業による支援の現状を解説
企業主導から個人主体へ
終身雇用を前提としていた時代、従業員のキャリアは企業が主導するものであり、キャリアとは自社内での昇進や昇格を示すものでした。定年までの安定雇用と引き換えに、従業員は企業が示すキャリアを受け入れていたのです。
しかし、時代の変化とともに終身雇用制度は形骸化し、キャリア形成の主体は企業から個人に変わっています。ジョブ型雇用や成果主義を導入する企業も増え、安定雇用が約束されなくなった今、より良い環境やより良い条件を求め、転職をする人は増加しています。
また、定年の延長などによって長期化する職業人生のなかで、自分の人生を主体的に考える必要性が高まっていることも、キャリア形成が注目を集める理由の1つだといえるでしょう。
関連記事:70歳で定年?企業がミドル・シニア世代へキャリア形成支援をおこなう意味とは
キャリア形成が重視される背景とは?
キャリア形成が重視される背景には、企業を取り巻く社会の変化が関係していると考えられます。ここでは、キャリア形成が求められるようになった5つの要因について解説します。
終身雇用制度の崩壊
かつては、新卒で入社した企業で定年を迎えるという働き方が一般的であり、個人のキャリアといえば自社内での昇進を指すものでした。しかし、終身雇用制度が崩壊しつつあり、成果主義を導入する企業が増えている今、勤続年数とともに昇進し、賃金がアップする保証はなくなりました。
そのため、より良いキャリアを得るためには、個人が主体的にキャリア形成に取り組み、スキルや経験を身につけることで自身の市場価値を高めなければならない状況になったのです。
また、転職が珍しいものではなくなったことにより、企業側にも従業員のキャリア形成を支援し、離職を抑える必要性が生じているといえます。
就業形態の多様化
働き方改革の推進などにより、ライフスタイルに合わせた自由な働き方が尊重されるようになっています。リモートワークや副業など、多様な働き方を選択できるようになった今、自分に合ったキャリアを築くためには、従業員が主体的にキャリア形成に取り組み、自らのスキルや能力を向上させる必要があります。
企業が従業員の多様な働き方を尊重することは、従業員の定着率を高める効果があります。したがって、従業員のキャリア形成の支援は、企業の成長のためにも重要な取り組みになっているのです。
関連記事:多様な働き方とは?実践企業の取り組み例とメリットを解説
ジョブ型雇用の浸透
ジョブ型雇用とは、職務内容を限定し、その職務を遂行するうえで必要となるスキルや経験を持つ人材を採用する雇用方法です。日本企業では、人材採用後に適性や社内事情を鑑み、配属を決定するメンバーシップ型雇用が一般的でした。
しかし、日本においても高い専門性を持つ人材を雇用するジョブ型雇用が浸透し始めており、ジョブ型雇用に対応するためにも自らのスキルを向上させるキャリア形成の重要性が増しているのです。
関連記事:ジョブ型雇用とは?メリット・デメリット、メンバーシップ型雇用との違い
AIなどのテクノロジーの発展
近年、AIをはじめとしたデジタルテクノロジーが目覚ましい発展を見せており、日常のあらゆるシーンにおいて先端技術が活用されています。デジタルテクノロジーの導入は、生産性の向上やコスト削減などといったメリットをもたらす一方で、人が担っていた役割を代替することで雇用を奪う恐れもあります。人でなければできない役割を担うためには、将来を見据え、AIには代替することができない、自分だけの強みを磨く必要があるでしょう。
就業期間の長期化
人生100年時代といわれるほど平均寿命は延びています。少子高齢化が進む今、年金の支給開始年齢も原則として65歳に引き上げられ、企業には定年の延長や高年齢者継続雇用(再雇用)制度の導入などが義務付けられています。
年齢を重ねても長く働き続けるためには継続的に学ぶことでスキルをアップデートする必要があり、長期的な視野に基づいたキャリア形成が重要になります。また、従業員が継続的に学び、成長するための支援を行うことは、企業にとっても労働力を確保するうえで大きな意味を持ちます。
関連記事:2054年問題とは?2025年問題、2030年問題、2040年問題との違いをわかりやすく解説
キャリア形成支援を行う企業側の3つのメリット
個人のキャリア形成が重要となった今、企業にも従業員のキャリアを支援する役割が求められています。ここでは、企業がキャリア形成支援を行うことで得られるメリットについてご紹介します。
生産性の向上
従業員のキャリア形成を支援することによって従業員のスキルや経験値が向上すると、業務効率が向上します。個々の従業員のスキルや能力が向上すれば、組織全体の生産性の向上にもつながるでしょう。また、従業員が能動的に業務に取り組むようになる点も、組織全体の士気を高め、生産性を向上させます。
従業員エンゲージメントの向上と離職防止
従業員のキャリア形成をサポートし、個人としての成長を後押しする姿勢は、従業員と企業の関係性を強化し、従業員エンゲージメントを向上させます。従業員エンゲージメントが高まると、会社のサポートによって得たスキルを活用し、より会社に貢献していきたいという意欲も高まります。特に優秀な人材ほど、自身を成長させることができる環境を求めるものです。そのため、キャリア形成支援は、優秀な人材の離職防止にもつながります。
関連記事:従業員エンゲージメントとは?向上させる施策と事例を解説
組織の成長を促進
一人ひとりの従業員が高いモチベーションを維持して業務に取り組むようになれば、組織全体が活性化します。それぞれが体得したスキルや知識を活かし、アイデアを出し合うことで新たなビジネスチャンスを創出できる可能性もあるでしょう。従業員のキャリア形成支援は、企業の成長にも良い影響を与えるのです。
厚労省グッドキャリア企業アワード2024大賞受賞|キヤノンマーケティングジャパンの事例に学ぶ セルフ・キャリアドック構築3つのカギとは
セルフ・キャリアドック導入を検討されている皆様にとって、実践的なヒントと気づきが得られる内容となります。
キャリア形成の従業員側の3つのメリット
キャリア形成に取り組むことで、従業員自身も以下のようなメリットを享受できます。
目標とライフイベントとの両立
キャリア形成において、自分の進むべき道や具体的なステップが可視化されることで、結婚・育児・介護など人生の節目にも柔軟に働き方やキャリアプランを調整でき、継続的なキャリアアップが目指せます。また、プライベートの充実が心身の健康維持やリフレッシュにもつながることで生産性を向上することができます。目標設定によって「仕事と生活」のバランスが整い、長期的な視点で充実した人生設計を描くことができるのです。
仕事へのモチベーション向上
目指すキャリアが明確になり、目標が定まると、日々の業務に取り組む意義を理解しやすくなります。今の業務経験が未来のキャリア実現に向けて必要なものであることを認識できれば、業務に対するモチベーションも高まり、生産性も向上するでしょう。また、意欲的に業務に取り組むことで評価も高まるため、さらにモチベーションもアップするという好循環を生むことができます。
市場価値の向上
目指すキャリアの実現に向け、努力を重ねるうちにスキルや能力が高まるため、自身の市場価値も向上します。市場価値が高まれば、社内で良い評価を得られるだけでなく、自分のスキルや能力を最大限に発揮できる環境への転職やフリーランスとしての独立など、キャリアの選択肢を広げることができます。
ワークライフバランス施策とキャリア形成の両立支援
組織力向上のためには、「育児・介護休業法」への対応と併せて、ワークライフバランスを取るとともに、キャリアへのモチベーションを持続させるような施策を同時に進めていくことが必要です。パソナの支援サービスをご紹介します。
キャリア形成の5ステップ
従業員のキャリア形成を成功に導くには、以下の5つのステップで段階的に進めることが大切です。
- 自己理解
- 目標設定
- 計画
- 実行
- 定期的な見直し
各ステップについて以下で詳しく解説します。
①自己理解
キャリア形成を進めるにはまず、自分自身を深く理解することが重要です。そのための有効な方法として、「Will(やりたいこと)」「Can(できること)」「Must(やるべきこと)」の3つの要素を明確にするフレームワークがあります。このフレームワークを活用することで、自分の強みや価値観、今後の目標が明確になり、より充実したキャリアと人生を築くための指針を得ることができます。
特に「Will(やりたいこと)」は、自分が目指すべき方向性を決める重要な要素です。言語化が難しい場合は「Won’t(やりたくないこと)」をリストアップすると、自分が大切にしたい価値観が明確になり、「Will(やりたいこと)」を導き出すことができます。
関連記事:Will-Can-Mustとは?フレームワークの具体例や活用メリットをご紹介
②目標設定
ステップ①の自己理解を踏まえたうえで、理想のキャリアを実現するための具体的な目標を設定します。「いつまでに」「どこで」「どのようなスキルを身につけるのか」など、期限や内容を明確にし、達成可能な目標を立てることが重要です。
③計画
設定した目標を実現するためには、具体的な行動計画を立てる必要があります。目標達成に向けて何が足りないのか、現実と理想のギャップを明確にし、その差を埋めるための学習や経験を組み込みます。最初から大きなゴールを目指すのではなく、小さな目標から段階的に取り組むことで、モチベーションを維持しながら着実にスキルや経験を身につけることができます。
④実行
計画に沿って行動し、学びや経験を積み重ねるフェーズです。実際に行動に移してみると、目標が高すぎることに気がついたり、予期せぬ課題に直面したりすることもあります。その際には立ち止まって状況を見直し、周囲への相談や情報収集を行いながら、必要に応じて計画を軌道修正することが大切です。
⑤定期的な見直し
キャリア形成の目標や計画は定期的に見直しを行い、常に現状に即した内容にする必要があります。計画通りに進まなかったときだけでなく、自分自身の理想や価値観、環境が変化したときも、目標や計画を柔軟に調整していくことが重要です。定期的に振り返ることで、行動の成果や課題を適宜分析し、最適なキャリア形成へとつなげることができます。
キャリア形成に求められる力
キャリア形成を進めるにあたって、個人が身につけるべき能力をご紹介します。
課題解決能力
キャリア形成では、自分の課題を発見し、それを改善するプロセスを繰り返す必要があります。問題に直面した際には「なぜこうなったのか」「何がうまくいかなかったのか」と原因を分析し、最適な解決策を考えて実行する力が求められます。
計画実行力
目標を達成するためには、ゴールに到達するまでの具体的な計画を立て、一つひとつ着実に実行していく力が欠かせません。計画するだけで終わらせず、日々の行動に落とし込み、継続して取り組むことが重要です。途中で課題や障壁に直面したときも、適宜改善策を考えながら前に進むことで、状況に応じた対応力も身につけられます。
自己研鑽する力
キャリア形成は自らを成長させるプロセスであり、自分の知識やスキルを磨き続ける姿勢が求められます。現状に満足せず、 常に「自分には何が不足しているのか」「どのようなスキルを身につけるべきか」を考え、学習や経験を積み重ねる努力が必要です。継続的な自己研磨は自らの価値を高め、より充実したキャリアを築くための基盤となります。
客観視する力
自分自身を客観的に見ることで、現在進んでいる方向が正しいかどうかを判断でき、より良い意思決定が可能になります。自分の現状を客観視する力が身につくと、計画途中での軌道修正や新しい挑戦にも柔軟に対応するため、目標達成に向けて最適な判断を重ねることができます。
人間関係を構築する力
個人がキャリアを形成していくうえでは、周囲との良好な人間関係を築くことも欠かせません。円滑なコミュニケーションがとれるようになると、仕事をスムーズに進められるだけでなく、新たな学びやチャンス、自分の成長につながるヒントを得やすくなり、キャリアの幅を広げることにもつながります。
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キャリア形成のポイント
理想のキャリアを実現するためには、自分の目標や価値観に沿った取り組みを行うことが重要です。ここでは、キャリア形成を進める際のポイントをご紹介します。
他人と比較しない
キャリア形成はあくまで自分自身のものであり、他人や周囲と比較する必要はありません。「今の自分」や「過去の自分」、そして「将来の自分」と向き合い、どのように成長しているか、またどのように成長していきたいかを考えることが大切です。他者と比較して落ち込むのではなく、自分の成長に焦点を当て、得た学びや経験を次のステップに活かすことが求められます。
ロールモデルを見つける
理想とするキャリアを描く際は、ロールモデルとなる具体的な人物を見つけることをおすすめします。ロールモデルの経験や考え方を分析することで、自分が取り組むべき学びや目指すべき方向性が明確になり、今後のキャリアパスをイメージしやすくなります。そこから得た知見を行動に取り入れ、自分のキャリア形成に活かすことが大切です。
関連記事:ロールモデルの意味とは?働く女性の例や見つけ方を紹介
キャリア形成を支援するさまざまな取り組み
国もキャリア形成の重要性を提唱しており、教育現場におけるキャリア教育を推進するとともに、各段階におけるキャリア形成をサポートする支援制度を設けています。
キャリア形成・リスキリング支援センター(旧キャリア形成・学び直し支援センター)
キャリア形成・リスキリング支援センターとは、個人や企業・団体、学校関係者を対象にさまざまなキャリア形成支援や学び直し支援を行う施設です。
従業員を対象としたキャリアコンサルティングやキャリア研修を無料で実施しているほか、企業が従業員のキャリア開発を支援する、セルフ・キャリアドックの導入支援なども行っています。
参照:キャリア形成・リスキング推進事業【厚生労働省委託事業】
人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金)
人材開発支援助成金とは、従業員に対して職務に関連した知識や技能を習得させるための職業訓練などを実施した企業に、訓練にかかった費用や訓練期間中の賃金の一部を助成する制度です。
助成金には「人材育成支援コース」のほか、高度デジタル人材の育成などを対象とした「人への投資促進コース」、事業展開やDX化の推進に必要な知識を習得させる「事業展開等リスキング支援コース」など6つのコースが用意されています。
参照:人材開発支援助成金 | 厚生労働省
企業が実践できる具体的なキャリア形成支援
従業員のキャリア形成をサポートすることで、企業もさまざまなメリットを得られます。では、従業員のキャリア形成支援としては、どのような取り組みが有効なのでしょうか。
キャリア形成プログラムの提供
キャリア形成は従業員が主体的に取り組むべきものです。しかし、これまでキャリア形成に取り組んだ経験がない場合、キャリアプランニングのやり方が分からず、実現可能性の高いキャリアプランを策定できない恐れもあります。したがって、企業としてキャリア研修を実施するなど、キャリアプランニングのサポートを行うキャリア形成プログラムの提供を検討するとよいでしょう。
学習機会の提供
キャリア実現に必要な知識やスキルを身につけることができる学習機会の提供も企業がすべきキャリア形成支援策の1つです。スキルアップにつながる社内研修を開催するだけでなく、eラーニングプラットフォームの導入など、従業員が継続して学びを得やすい環境を整備することもキャリア形成支援につながります。
キャリア実現に活用できる人事制度の整備
理想のキャリアを実現するためには、スキルや知識を得られる機会を提供するだけでなく、キャリア実現に必要となる経験を積める機会を提供することも大切です。ジョブローテーションや社内FA制度、公募異動制度などを採り入れ、従業員が意欲的にキャリア形成に取り組むことができる人事制度の整備もキャリア形成支援に効果的な取り組みだといえます。
外部交流の機会の提供
異業種交流会や外部研修など、外部での学びの機会を提供することもキャリア形成支援につながります。業種や企業の壁を超えて交流する機会を得ることで、従業員は多様な価値観に触れ、自分にはない新たな考え方に出会うでしょう。外部交流で得られる刺激がイノベーションの創出につながる可能性もあります。積極的に外部交流による学びの機会を提供することも検討すべきではないでしょうか。
相談窓口の設置
上司と良い関係性を築いていた場合であっても、キャリアに関する悩みを上司には気軽に相談できないケースもあります。そのため、従業員がキャリア形成にあたっての悩みや不安をキャリアコンサルタントなどの専門家に相談できる窓口の設置もキャリア形成支援に役立ちます。
関連記事:企業内のキャリアコンサルタントとは?役割と期待できる効果を紹介
専門家によるキャリア面談サービス
一人ひとりのキャリア志向・価値観・課題点に寄り添って行う面談サービスで、従業員の自律的なキャリア構築やライフキャリアをサポートいたします。
メンター制度の導入
メンター制度とは、経験の浅い従業員に対して先輩従業員が指導や助言を行う制度です。経験豊富なメンターを配置することで、キャリアに関する悩みを気軽に相談できる環境が整い、自分の成長や課題に気づく機会となります。また、メンターの経験に基づく実践的なサポートを受けることで、現場での判断力や対応力を養いながら、自分のキャリアを具体的に形成していくことができます。
関連記事:メンター制度とは?目的とメリット・デメリット、その他のサポート制度も解説
現場の上司への浸透
キャリア形成支援は、人事部門だけの取り組みに留めず、現場の上司に浸透させることが重要です。身近な上司の理解と協力があれば、現場での具体的な指導やフィードバックが可能となり、一人ひとりのキャリア形成を着実に前進させることができます。そのためには、マネジメント層に対してキャリア形成支援への理解を深める研修機会を提供するなど、現場の上司にも支援の重要性を認識してもらうことが大切です。
セルフ・キャリアドックの導入
セルフ・キャリアドックとは、企業が自社の人材育成方針に基づき、キャリアコンサルティングと多様なキャリア研修を組み合わせ、従業員の自律的なキャリア形成を支援する取り組みです。従業員が自らキャリアを描けるようサポートすることで、仕事に対する主体性やモチベーションが向上し、人材の定着や組織の活性化につながることが期待できます。公的制度として厚生労働省も推奨しており、セルフ・キャリアドックを実施している企業は「人材開発支援助成金」の対象となる可能性があります。
関連記事:セルフキャリアドックとは?注目される背景や導入手順、メリットを解説
パソナのセルフ・キャリアドックサポートサービス ~人的資本経営時代におけるキャリア支援~
各社の課題に沿ってフルカスタマイズで行う研修の具体的な事例や効果、セルフ・キャリアドック導入の成功事例も交えてご紹介します。
企業が行ったキャリア形成支援の成功事例
企業のなかには従業員のキャリア形成支援を行い、成功している事例もあります。ここでは厚生労働省が主催するグッドキャリア企業アワード2024で大賞を受賞した企業のなかから2社の事例をご紹介します。
事例1:住友生命保険相互会社
住友生命保険相互会社では、従業員の希望や自己研鑽の状況を尊重した配属や職務付与を行う「マイキャリア運営」を実施し、入社から定年まで切れ目なく従業員のキャリア支援・開発を推進しています。
また、能力やスキル、知識を活用し、どのような行動をしたのかを評価するコンピテンシー評価も取り入れた目標管理制度も導入するなどし、積極的に従業員や非正規雇用者のキャリア形成支援に取り組んでいます。
事例2:キヤノンマーケティングジャパン株式会社
キヤノンマーケティングジャパン株式会社では、若手従業員の早期離職増加をきっかけに従業員のキャリア形成サポートを開始しました。退職理由を分析し、自社の課題を抽出したうえで社内キャリアコンサルタントによるキャリア面談や年代別のセミナーなどを実施し、従業員のキャリア形成を支援するさまざまな施策を行っています。
社員のキャリア自律支援に取り組むキャリアデザイン支援室のご担当者へのインタビュー内容や、若手社員の定着に関するさまざまな取り組みを紹介したアーカイブ動画は、以下の記事よりご覧いただけます。
事例インタビュー:「グッドキャリア企業アワード2024大賞受賞!~はじまりは『不幸な退職をなくせ』~社員のキャリア形成支援に向けた取り組み」/キヤノンマーケティングジャパン株式会社様
若手社員の定着を支える! ~キヤノンマーケティングジャパンに学ぶキャリアデザイン支援~
若手社員定着に関する豊富な取り組みをご紹介しながら、キャリア自律を意識した人材育成に試行錯誤を続けるご担当者に課題解決のヒントをご提供します。
まとめ
終身雇用制度の崩壊やデジタルテクノロジーの発達、働き方の多様化など、さまざまな理由からキャリア形成の主体は企業から個人へと変わってきています。しかしながら、従業員のキャリア形成支援は、従業員の成長を促すだけでなく、企業の発展にもつながるものです。
従業員の自律的なキャリア形成を後押しするには、自社内にキャリア形成を支援するためのノウハウが必要になります。パソナの「セルフ・キャリアドックサポート」は、社内キャリアコンサルタントの育成から制度の構築、運営までを一貫してサポートするサービスです。従業員のキャリア形成支援を検討されている場合には、ぜひパソナのセルフ・キャリアドックサポートサービスの活用もご検討ください。
パソナのセルフ・キャリアドックサポートサービス ~人的資本経営時代におけるキャリア支援~
各社の課題に沿ってフルカスタマイズで行う研修の具体的な事例や効果、セルフ・キャリアドック導入の成功事例も交えてご紹介します。
従業員のキャリア自律支援サービス
社員が自律的・主体的にキャリアを形成できるよう設計されたプログラムです。自身のキャリアを考え、選択するための「気付き」や「学び」の機会を提供しています。

















