おすすめ特集・コラムタレントプールとは?注目される背景や活用メリット・運用手順について解説

更新日:2025.12.08
- 人材紹介(中途採用支援)
人材採用が難しくなるなか、「求人を出して応募を待つだけでは人が集まらない」という悩みを抱える企業が増えています。また、自社が必要とする人材に、募集開始のタイミングだけで出会えるとは限りません。
そこで注目されているのが、候補者とのつながりを日頃から育てておくタレントプールという考え方です。タレントプールを整えることで、今すぐ応募しない人とも継続的に関係を保ち、必要なときにスムーズにアプローチできるようになります。
本記事では、タレントプールの基本から運用方法、メリットまでわかりやすく解説します。
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アルムナイ活用のポイント整理
本資料では、アルムナイについて3つの切り口でポイントを整理し、導入に向けて3STEPとしてまとめています。
- アルムナイとは
- アルムナイの位置付け
- 3つのポイント
- 仕組みづくり3STEP
- 事例紹介
具体例を交えてご紹介しておりますので、各社様の導入の参考になりましたら幸いです。
タレントプールとは?
タレントプールとは、自社と接点を持った候補者の情報をあらかじめ蓄積・管理し、必要なときにすぐアプローチできるようにしておく仕組みです。
単なる候補者リストではなく、候補者一人ひとりのスキルや関心度を見える化しながら、自社への興味を維持できるように育てていくストック型の採用アプローチを指します。
従来のように「求人を出して応募を待つ」という受動的な採用では出会えない優秀な人材とも、長期的に接点を維持できることが特徴です。
タレントプールの手法
タレントプールの手法は、候補者とのつながりを維持しやすい仕組みを活用し、将来の採用につながる母集団を育てていくアプローチです。
具体的には、過去応募者やイベント参加者、SNSで接点を持った人材などの情報をATS(採用管理システム)や採用CRMに集約し、一元管理します。
そのうえで、SNSやメルマガ、企業ブログを通じて、自社のカルチャーや技術情報を継続的に発信し、候補者との関係性をキープします。
応募が発生する前から接点を持ち続けることで、必要なタイミングでスムーズにアプローチできる点がタレントプールの特徴です。
タレントプールの対象者
タレントプールの対象は、今すぐ応募してくれる人だけではありません。
具体的には、以下のような将来的に採用につながる可能性があるすべての人材が対象です。
- 過去に応募した人
- イベント参加者
- 内定辞退者
- リファラル候補者
- アルムナイ(出戻り候補)
- SNSで接点を持った人
上記のような候補者情報を一元化し、スキルや興味関心に応じて整理することで、必要な情報をすぐに確認できる管理体制を整えられます。
その結果、募集のたびに新しい母集団を集め直す必要がなくなり、過去の接点を活かして効率的に採用につなげられるようになります。
タレントプールが注目される背景
タレントプールが注目される主な背景は以下のとおりです。
- 労働人口減少による人材獲得競争の激化
- 働き方の多様化
背景について詳しく解説します。
労働人口減少による人材獲得競争の激化
少子高齢化により労働人口が減少し、企業間での人材獲得競争はこれまで以上に激しくなっています。特に専門スキルを持つ人材は選択肢が多いため、求人を出して応募を待つだけでは、必要なタイミングで十分な候補者を確保しにくくなっています。
さらに、優秀な人材ほど日常的に転職活動をしていないため、求人情報だけで接点をつくるのは難しいのが実情です。募集開始後に母集団形成を始める従来の方法では、時間もコストもかかり、採用の安定性を高められません。
こうした背景から、企業が「選ばれる理由」を明確に示す採用ブランディングの重要性が高まっています。自社の魅力や働く価値が伝わっているほど、採用前から候補者との関係性を築きやすくなります。
そのうえで、タレントプールを整えて継続的に情報発信やフォローを行うことで、接点のある候補者に対して適切なタイミングでアプローチでき、安定した採用基盤づくりに役立ちます。
採用ブランディングについては、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:採用ブランディングとは?会社側のメリットや具体的な進め方を解説
働き方の多様化
働き方や価値観が多様化していることも、タレントプールが注目される理由です。リモートワークや副業の広がり、アルムナイ採用への関心の高まりなどにより、候補者が企業を選ぶ基準は給与だけでなく、働きやすさや企業の考え方へと広がっています。
そのため、優秀な人材の多くは積極的に転職活動をしていなくても、キャリアに役立つ情報や企業の取り組みには関心を持ち続ける傾向があります。
こうした人材と関係を続けるには、求人情報だけでは不十分で、興味に合った情報を届ける工夫が必要です。タレントプールは、その継続的な情報発信を無理なく行える仕組みとして活用されています。
人材採用に成功した企業から教わる!優秀な人材獲得のためのポイント
本資料では、データを用いて、具体的にどのように採用プロセスを改善したら良いのか、採用成功している企業が実践しているポイントをまとめています。
タレントプールを活用するメリット
タレントプールを活用する主なメリットは、以下のとおりです。
- 採用コストを削減できる
- 採用スピードが向上する
- ミスマッチを減らし選考精度が上がる
- 自社に興味を持つ母集団を維持できる
- アルムナイ・リファラル採用の促進につながる
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
採用コストを削減できる
タレントプールを活用すると、採用活動にかかる外部コストを抑えやすくなる点がメリットです。
通常の採用では、ポジションが空くたびに求人広告費や人材紹介会社の手数料が発生し、募集のたびに新たな費用がかかります。
一方で、タレントプールは、すでに自社と接点のある候補者にアプローチできるため、広告や紹介サービスに依存しなくても採用を進められます。その結果、ツール費用や運用工数を中心とした内製化に近い形で採用活動が行え、外部コストの増加を抑えられるでしょう。
採用スピードが向上する
タレントプールを整えておくことで、ポジションがオープンした際にすぐ候補者へアプローチでき、採用までのプロセスを短縮できます。求人を出して応募を待つ必要がなく、すでにスキルや関心度を把握している候補者に直接声をかけられるようになるでしょう。
また、日頃から情報提供やコミュニケーションを続けていれば、転職のタイミングが合った候補者を早めに選考へ進められ、結果として全体のスピードが上がります。
その結果、急な退職や増員ニーズが発生した場合でも柔軟に動けるようになり、採用活動の再現性や安定性の向上につながります。
ミスマッチを減らし選考精度が上がる
タレントプールでは、企業と候補者が継続的に情報をやり取りできるため、選考の判断材料が増え、入社後の行き違いを減らせます。通常の面接だけでは、限られた時間のなかで、候補者の仕事観や得意分野を深く理解することが難しい場合があります。
一方でタレントプールを通じて、候補者は技術記事や社員インタビュー、イベントなどから企業の雰囲気や働き方を自然に知ることが可能です。そして、企業側も候補者がどのような情報に関心を示したかを把握できます。
相互理解が進んだ状態で応募に至る人は、「どのような理由で自社に興味を持ったのか」が明確で、仕事内容や働き方との相性も判断しやすくなるでしょう。その結果、選考の進み方がスムーズになり、入社後のギャップも生まれにくくなります。
採用におけるミスマッチついては以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:「ミスマッチ」の意味とは?企業がとるべき対策を解説
自社に興味を持つ母集団を維持できる
タレントプールの大きな特徴は、今すぐ転職を考えていない人とも、継続的に接点を保てることです。通常は、一度つながっても、その後に連絡する仕組みがなく、候補者の関心が薄れてしまうケースがよくあります。
タレントプールを活用すれば、候補者が興味を持ちそうな情報(技術記事、イベントの案内、社員インタビューなど)を定期的に届けられ、自社への理解や興味を保ちやすくなるでしょう。また、あらかじめ送付内容やタイミングを設定しておけば、自動で配信できるため、担当者の負担を増やさずに関係を維持できます。
蓄積した候補者情報をリスト化するだけで終わらせず、「継続的にコンタクトできる候補者グループ」として管理できる点が、タレントプールの重要な価値です。
母集団形成については以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:採用活動に必須の「母集団形成」とは?具体的な手順とコツ、母集団形成の手法を解説!
アルムナイ・リファラル採用の促進につながる
タレントプールは、アルムナイ(過去に自社を退職した人材)やリファラル候補者を一元管理できる点もメリットです。これらの人材は自社への理解が深く、選考の合格率や定着率も高い傾向がありますが、担当者の記憶や分散したデータに頼ってしまい、十分に活用されていないケースがあります。
タレントプールでは、アルムナイやリファラルといったタグ付けで候補者を整理し、勉強会案内やカジュアル面談の招待など、適切な情報をタイミングよく届けやすくなるでしょう。
属人的になりやすい運用を仕組み化することで、安定した候補者母集団を形成でき、結果として再現性の高い採用につながります。
アルムナイ・リファラル採用については以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:リファラル採用とは?メリット・デメリット、報酬が違法になるケースを解説
関連記事:アルムナイ採用を成功させるには?メリットや注意点を解説
アルムナイ活用のポイント整理については、以下の資料でご確認いただけます。
タレントプールの運用手順
タレントプールの運用手順は、以下のとおりです。
- 採用要件を明確化させる
- 人材をデータベース化する
- 候補者と定期的にコミュニケーションを取る
- 適切なタイミングでアプローチする
それぞれの手順について解説します。
1.採用要件を明確化させる
タレントプールをうまく運用するためには、まず「どのような人を」「どのような基準で」プールに入れるのかを決めることが欠かせません。採用要件が曖昧なまま進めると、必要な情報が不足したり、後の運用で候補者をうまく整理できなくなったりする可能性があります。
また、最初は全社で一気に始めるのではなく、採用が難しい1つの職種から取り組むのがおすすめです。該当の職種について、必要なスキルや経験年数、仕事への興味度、イベント参加歴など、集めておく項目を明確にしておきます。
採用要件を明確にすることで、管理がスムーズになり、ただのリストではなく活用しやすいタレントプールとして機能しやすくなります。
採用ポイントについては以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:人手不足解消のため優先的に採用すべきポジションを判断するための5つのポイント
2.人材をデータベース化する
次に行うのは、社内でバラバラになっている候補者情報を一つにまとめる作業です。応募者情報はATS、イベント参加者はExcel、紹介候補者は担当者のメモという状態では、重複や情報不足が起き、適切なアプローチができません。
そこで、まず「同じ人物かどうか」を判断するルール(メールアドレスや名前の組み合わせなど)を決め、データを整理します。また、連絡してよいか(同意の有無)や、どれくらい情報を保管できるかといった管理項目も一緒に登録しましょう。
情報を集めるだけではなく、正しく管理できる状態に整えることがタレントプールの土台になります。
3.候補者と定期的にコミュニケーションを取る
データを整理したら、候補者とのつながりを保つために定期的に情報を届けていきます。ただし、都度手作業でメールを作るのは担当者の負担になるため、あらかじめ送る内容や順番を決めておき、自動で配信できる仕組みを作ると続けやすくなります。
たとえば、登録直後のお礼メールや会社紹介の記事、社員インタビュー、イベントの案内などを段階的に届けるとよいでしょう。
求人情報を送るだけでなく、役に立つ情報を中心にすることで、自然に候補者との関係を続けられるようになります。
4.適切なタイミングでアプローチする
最後は、「誰に、いつアプローチするか」を判断するステップです。全員に同じタイミングで連絡すると、興味がない人にしつこく感じられたり、本当にタイミングが合う人を見逃してしまう可能性があります。
そこで、候補者の行動(メールを開いた・イベントに参加した・会社ページを見たなど)や持っているスキルをもとに、関心度を数値化しておきます。
点数が一定以上の候補者を優先して連絡することで、「今ちょうど話を聞きたい」という相手に効率よくアプローチすることが可能です。タレントプールを活用することにより、個人の勘に頼らず、無理のない判断ができる点がメリットです。
タレントプールの活用事例
ある企業では、専門職の採用が年々難しくなり、求人を出しても応募が集まらず、最終的には人材紹介会社に頼らざるを得ない状況が続いていました。紹介費用は高騰し、紹介経由の候補者にも限りがあるため、採用活動が不安定になっていたことが大きな課題でした。
そこで、自社と過去に接点のあった人材を一元管理できるタレントプールの仕組みを導入しました。これまで散在していた将来採用につながる可能性のある人材をまとめて見える化できる点が決め手となりました。
導入後は、自社に興味を持った人材を継続的にフォローできるようになり、競合他社がアプローチしていない層への接点が増加しています。その結果、専門職の採用成功率が向上し、エージェントへの依存度も下がりました。タレントプールの構築が、安定した採用基盤につながった事例です。
「つながりが採用を変える」~タレントプール構築で実現する新しい人材戦略~
本ウェビナーでは、アルムナイ(自社退職者)、接点のあった求職者、リファラル(紹介)による候補者といった多様な人材との接点を“資産”として活用する方法を、最新事例とデータを交えて具体的にご紹介いたしました。
タレントプールを活用する際の注意点
タレントプールを活用する際の注意点は以下のとおりです。
- 候補者との関係構築に時間がかかる
- アプローチの適切なタイミング判断が難しい
- データベースの更新・管理に負担がかかる
それぞれの注意点について詳しく解説します。
候補者との関係構築に時間がかかる
タレントプールは、短期間で応募数を増やす方法ではなく、将来つながりたい人材と少しずつ関係を育てていく取り組みです。そのため、効果を感じられるまで一定の時間がかかる点を理解しておく必要があります。
多くの企業が困るのは、担当者の業務が忙しく、候補者への定期的な連絡が続かず、関係が途中で途切れてしまうことです。また、候補者の興味と合わない求人情報ばかり送ってしまうと、配信停止が増え、プールが機能しにくくなります。
これを防ぐには、手作業ではなく、あらかじめ連絡内容や順番を決めておき、自動で接触できる仕組みを整えることが大切です。担当者の負担を増やさずに継続的なコミュニケーションが取れる環境を作ることで、タレントプールが安定して育っていきます。
アプローチの適切なタイミング判断が難しい
タレントプールの人数が増えるほど、「誰に今アプローチすべきか」の判断が難しくなります。候補者の関心度が見えないまま進めると、担当者の感覚に頼るしかなく、効果的な声かけができなくなる場面が増えてしまうでしょう。
その結果、本来連絡すべきタイミングだった優秀な候補者を逃したり、逆に興味が低い候補者へ連絡を送り続けてしまい、候補者体験の低下につながります。
適切なタイミングを見極めるためには「どのような情報を見たか」「どのイベントに参加したか」などの行動をもとに関心度を数値化し、一定以上の候補者を優先してアプローチする方法が有効です。
データベースの更新・管理に負担がかかる
タレントプールは個人情報を扱うため、情報が古くなっていないか、連絡してよい状態かなどを常に確認する必要があります。
データを集めただけで更新しないまま放置すると、すでに転職済みだったり、連絡できない状態になっていたりする可能性があり、アプローチしても効果が出ません。また、候補者の同意をいつ取ったのか、どのくらい情報を保管できるのかといった管理が曖昧なままでは、法令違反のリスクもあります。
Excelや手作業で管理するのは難しいため、専用ツールを使って「同意の記録」「保管期限のアラート」「候補者自身が情報を更新できる仕組み」などを整備しておくことが大切です。
タレントプールを活用して採用機会を増やそう
タレントプールは、将来採用したい人材とのつながりを途切れさせず、関係を少しずつ育てていくための仕組みです。候補者情報を整理し、必要な項目をそろえたうえでデータをまとめて管理することで、募集のタイミングに左右されない採用が可能になります。
また、定期的に情報を届けて関心を維持することで、応募前から企業理解を深めてもらえ、選考の精度向上にもつながるでしょう。
タレントプールを整えておくことは、急な採用ニーズに備えられるだけでなく、長期的に安定した採用活動を実現するための力になります。
タレントプール管理ソリューション「aloop」では、アルムナイや採用イベントなどで接点を持った人材を一元管理できます。BPOサービスや人材管理システムと組み合わせることで採用をより効率化することが可能です。
「aloop」について詳しく知りたい方は、以下より資料をダウンロードできます。
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