紹介手数料とは、人材紹介会社が人材を紹介するにあたって発生する手数料のことをいいます。紹介手数料には成功報酬と着手金の2種類があります。
おすすめ特集・コラム人材紹介サービスの紹介手数料の相場は?算出方法や人材紹介会社/エージェントの活用ポイントを紹介
公開日:2024.04.08 更新日:2024.12.11
- 人材紹介(中途採用支援)
自社で優秀な人材を確保したい場合、人材紹介会社の利用がおすすめです。しかし、人材紹介会社を使う際は紹介手数料への理解を深めることが欠かせません。紹介手数料は人材紹介会社を利用する際に必要となる費用で、金額は各会社で異なります。今回は紹介手数料の相場や有効活用のポイントを紹介します。
採用を成功させる求人票の作成ポイントとは?
企業と求職者の最初の接点となる「求人票」には、入社前後のギャップをなくすリアルを記載しつつ、自社の魅力もしっかりと訴求することが大切です。
- なぜ求人票が大切なのか
- 「誰に」求人票を届けるのか
- 「何を」求人票で伝えるのか
これらを明確にし、候補者にささる求人票づくりにつなげましょう。基本ルールからテクニックまでまとめました。事例を挙げて、良い求人票のポイントも解説しています。
紹介手数料は2種類ある
成功報酬
成功報酬は多くの人材紹介会社が採用する方法です。「採用ごとに◯万円」と一律のケース、もしくは「採用した人材の理論年収のうち◯%」というケースもあります。成功報酬を支払うタイミングは候補者の入社時点であることが一般的です。
ただし、人材紹介会社によって支払いの時期が異なる可能性もあるため、契約前に確認しておきましょう。
着手金
着手金は、いわゆるヘッドハンティングにおいて発生する費用です。ヘッドハンティングは、経営層やエグゼクティブ人材が対象になることが多く、人材紹介会社に登録されている人以外からも適した人材を探してきます。そのため、登録済みの人材からピックアップするよりも、相当なコストを要し、紹介手数料とは別に費用が発生します。
なお、着手金は、その名の通り人材探しに着手した段階で支払います。採用に至らなかった場合でも返金されないため注意が必要です。
【紹介手数料】成功報酬型の料金は算出方法が2つある
多くの人材紹介会社が採用している成功報酬型ですが、その料金の算出方法は2種類あります。初年度の理論年収をもとに算出する「届出制手数料」と、一定の雇用期間の賃金をもとに算出する「上限手数料」です。いずれも、採用される人物の収入によって、金額は異なります。それぞれの特徴について解説します。
届出制手数料
届出制手数料は、ほとんどの人材紹介会社が採用している算出方法です。届出制手数料は初年度の理論年収に特定の料率を掛け合わせて算出します。料率は人材紹介会社が自由に設定できますが、相場は職種にもよりますが、30~35%程度といわれています。
届出制手数料は理論年収から計算できるため、雇用が決まったタイミングで金額が確定されます。したがって、支払いタイミングは入社時である場合が多いです。料率、支払いタイミングについては人材紹介会社によって異なる場合もあるため、詳しくは各人材紹介会社に問い合わせましょう。
上限制手数料
上限制手数料は一定の雇用期間を経た後、その間に支払われた賃金に対して特定の料率を掛け合わせて算出されます。したがって、支払いタイミングは入社後一定期間が経過してからになります。料率は、人材紹介会社が設定しますが、国によって上限が定められています。計算方法は以下のようになります。
- 雇用期間が6か月以下の場合:それまでに支払われた賃金×11.0%以下(免税事業者は10.3%以下)
- 雇用期間が6か月を超える場合:6か月間に支払われた賃金×11.0%以下(免税事業者は10.3%以下)
この他、無期雇用の場合は別の計算式がありますが、かなりマイナーなケースとなるため、ここでは割愛します。
この上限料率は、消費税率の引き上げに伴って上がる傾向にあります。直近では令和元年10月1日に消費税率8%から10%に引き上げられた際に、上限料率もアップしました。
なお、上限制手数料を採用している人材紹介会社は少なく、多くが先述の届出制手数料といえます。
理論年収とは?
紹介手数料の金額を知るために、理論年収への理解は欠かせません。理論年収は企業に1年間在籍した際に得られる年収を指し、紹介手数料の算出に使用されます。ここからは、理論年収の内訳について解説します。
理論年収に含まれるもの
理論年収に含まれる主な項目は下記の通りです。
- 基本給
- 賞与(ボーナス)
- 住宅手当などの諸手当
- 固定残業手当
会社によっては試用期間中と本採用になってからで給与が異なることもありますが、一般的には試用期間が終了した後の給与をベースに算出します。
理論年収に含まれないもの
一方で、毎月支払う給与の中でも理論年収に含まれない項目も挙げられます。下記は理論年収に一般的に含まれない項目です。
- 通勤手当
- 残業手当
通勤手当は所得税の計算上非課税、かつ経費で計算される特徴を持つことから、理論年収には含まれません。また、月によって変動する残業手当も含まれません。 また、業界や職種によっては、インセンティブという手当が発生することがあります。インセンティブの扱いは会社や業種ごとに大きく異なり、理論年収に含む場合とそうでない場合があります。理論年収においては明確な決まりがないため、会社ごとに異なる点に注意が必要です。
紹介手数料の具体的な金額をシミュレーション
ここからは人材紹介を利用する場合において、届出制手数料における紹介手数料をシミュレーションします。紹介手数料は高額になることが多いため、社内で予算を確保するためにも具体的な金額を確認しましょう。今回は年収が450万円、500万円、800万円の場合で計算します。
なお、金額算出に使用する計算式は「理論年収×料率」です。
①理論年収が450万円で料率が25%の場合
理論年収が450万円かつ料率が25%の場合は下記の計算で求められます。 450万円×25%=112万5,000円
②理論年収が500万円で料率が30%の場合
次に理論年収が500万円かつ料率が30%の場合は下記の計算で求められます。 500万円×30%=150万円
③理論年収が800万円で料率が45%の場合
理論年収が800万円で、料率が45%の場合は下記の計算で求められます。 800万円×45%=360万円
上記の通り年収だけでなく、人材紹介会社が設定する料率によって紹介手数料は大きく異なります。サービス内容と費用とが見合うかをよく検討して、人材紹介会社を選定しましょう。
人材紹介会社活用のポイントは5つ
ここからは、人材紹介会社を活用する際に注意したいポイントを5つ紹介します。人材紹介会社は多数ありますが、自社の目的やニーズにマッチした会社選びが重要です。
紹介手数料の確認を第一に行う
人材紹介会社を選ぶ際は、紹介手数料の種類や料率をはじめに確認しましょう、人材紹介会社に直接問い合わせる、または公式サイトを確認します。
どれだけ実績がある会社や優秀な人材が揃っている会社であっても、紹介手数料が高く予算を超えてしまうこともあり得ます。紹介手数料の種類や料率を確認し、先に述べた算出方法で具体的な金額を出し、社内で検討しましょう。
理論年収は正確に算出する
紹介手数料は高額になるため、元となる理論年収は正確に算出しましょう。おおよその金額で理論年収を計算していた場合、採用が決まり実際の紹介手数料が算出された時に、思った以上に高くて困ってしまうこともあり得ます。
たとえば、届出制手数料で料率35%の場合、実際に人材を雇用した際の年収が600万円にもかかわらず「おそらく500万円程度だろう」と算出していると、そこには35万円もの差が生まれます。
なお、理論年収を算出する際は、現在所属している従業員の年収を基準にすることはもちろん、人材紹介会社のアドバイスを受けながら決定する方法もおすすめです。同業他社の相場を参考にしながら適正金額を決められます。
紹介手数料発生のタイミングを把握する
紹介手数料は費用が発生するタイミングも重要です。人材紹介会社ごとに紹介手数料が発生するタイミングや支払いのタイミングが異なるため、契約前に確認しましょう。
紹介手数料の確定や発生は「応募者の入社日」を起点に定めることが一般的ですが、「入社してから◯か月後」と設けている場合もあります。なお、支払いの期日も翌月末払いや翌々月末払い等、会社ごとにさまざまであるため事前に確認しておくと自社の請求管理もスムーズです。
早期退職時の返金を確認する
紹介手数料の返金についても確認します。適切な人材とマッチングをしたとしても早期退職の可能性もあるため、リスクに備えましょう。紹介された人材が入社して早いうちに離職するといった早期退職の場合、支払った紹介手数料を返還してもらえるか否かを契約前に確認します。
人材紹介会社によっては、「入職から〇か月以内に退職した場合は80%が返金される」「全額返金される」など、細かな条件を設けている場合もあります。
人材の質を確認する
人材紹介会社を選定する際は、費用だけでなく人材の質も確認しましょう。登録者が多かったとしても、紹介可能な人材との相性が良くなければ、自社にマッチし即戦力となる人材を見つけられません。
具体的な条件をこちらからリクエストする、担当者へ応募者や登録者のスキルや持っている資格などを確認すると人材の具体的なイメージがつかめるでしょう。
関連記事:人材紹介会社を選ぶポイントは?派遣会社との違いも解説
紹介手数料は高い?
人材採用にはさまざまな方法がありますが、採用市場において人材紹介はお金がかかるという印象が強くあります。ここでは紹介手数料に納得して依頼に進めるよう、内訳や適した企業について解説します。
紹介手数料に含まれる内容
紹介手数料に含まれる主な内容は下記の通りです。
- 企業と応募者のマッチング
- 求人文面の作成や応募者とのスケジューリングを代行
- 企業に代わって自社の説明を行う
いずれも自社で行う場合は採用担当者が対応する項目です。それを外部に委託することになるため、自社でやれば費用がかからないことなのに、「高い」と思われてしまいがちです。
自社の採用コストを抑えてマッチした人材を探す場合におすすめ
自社で採用する場合は採用担当者が通常業務と並行しながら採用活動を行います。そのため、採用担当者の業務における負担が増加し、残業代などの費用が高くつく可能性もあるでしょう。
さらに、自社にマッチした人材がなかなか見つからず採用活動が長引いた場合は、社内での採用コストがかさみ、紹介手数料と変わらない、もしくはそれ以上の金額に膨らむ可能性もあります。とくに、プロフェッショナル人材を見つけたい場合は、ハイキャリアや専門分野に特化した人材紹介会社の利用がおすすめです。コストを最小限に抑えて人材確保を目指せるでしょう。
優秀な人材を獲得するためのポイントとは?
企業成長に繋がる優秀な人材を獲得するためには、特徴を捉えた採用活動が必要です。優秀な人材の獲得に成功している企業はどのようなことを実践しているのでしょうか。 人材不足解消に向けて優秀な人材を獲得するため、ぜひご活用ください。
まとめ
紹介手数料は種類が2つあり、成功報酬と着手金に分類されます。ヘッドハンティングにおいては着手金が発生しますが、多くの場合は成功報酬型と理解しましょう。
さらに、成功報酬型の場合は算出方法が届出制手数料と上限制手数料の2種類あります。多くは届出制手数料ですが、契約前に確認がおすすめです。 届出制手数料は理論年収と料率をもとに算出するため、理論年収を自社で計算した上での予算確保が必要です。限られた予算で優秀な人材を確保できるよう、自社に適した人材紹介会社の利用を検討しましょう。
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