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産業医面談とは?従業員が「意味がない」と感じる理由や実施する目的・メリットを紹介 

​​産業医面談は、従業員の心身の健康を守ることを目的として行われます。これは労働安全衛生法に基づき、事業者は従業員の健康に配慮することが義務付けられているためです。しかし、産業医面談は意味がないのではと感じている従業員も少なくありません。

​​本記事では、産業医面談を実施する目的やメリットなどについてご紹介します。従業員が拒否する理由や注意点についても解説しているので、適切に実施するためのポイントを理解して、従業員が快適に業務を遂行できる環境を整えましょう。

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産業医面談とは?実施される基準について解説

​​産業医面談とは、従業員の健康や労働環境などの状況を把握するために産業医が行う面談のことです。実施する明確な基準はありませんが、主に健康診断・ストレスチェックの実施後のフォローアップや、休職から復職する際などに行われます。

​​主に、長時間労働による過重労働が懸念される従業員や、ストレスチェックで高ストレス者と判定された従業員のメンタルヘルスをサポートしたり、従業員の身体的健康状態の確認や改善指導が重要な目的の一つです。事業者には、労働者の健康管理を行う義務があると、労働安全衛生法に定められています。

​​産業医面談の実施に具体的な決まりはなく、定期的に実施したり、労働者の申し出によって実施したりとさまざまです。従業員が心身ともに健康で、業務に専念できる環境が整えば、事業者としての責任を果たすことができるでしょう。

産業医面談では何を話すのか?

​​これまで産業医面談は対面で行われていましたが、2020年の厚生労働省からの通達により、現在はオンラインでも可能となっています。

​​従業員からは、産業医面談で何を話せば良いのかわからないという声も聞かれますが、心身の健康を害する恐れのある状況について産業医の質問に答えるなかで、不明点があれば確認したり、状況を改善するための話し合いをおこなうケースが多いです。

​​具体的には、従業員が残業や休日出勤による疲労やストレスを感じていないか、上司からパワハラやセクハラなどのハラスメントを受けていないかについて確認することが多いでしょう。さらに掘り下げて、生活習慣や嗜好などから健康状態が悪い原因を探るケースもあります。

​​産業医面談の内容については、法律で守られた守秘義務により、従業員のプライバシーが厳格に保護されています。企業はこの守秘義務の重要性と範囲を明確に伝え、面談内容が適切に管理されていることを周知し、従業員が安心して産業医面談を受けられるような環境を整えることが重要です。

産業医面談の目的・メリット

​​産業医面談は従業員の健康を守ることを目的として行われるものですが、企業側にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

高ストレス状態の対象者のケアができる

​​産業医面談を行う企業側のメリットの一つは、従業員のメンタルヘルスケアの充実です。特に、ストレスチェックにより高ストレス状態と判定された対象者に対して、産業医面談を通じて適切なケアを提供することができます。

​​ストレスチェックとは、従業員のメンタルヘルス不調を未然に防ぐことを目的として行われる検査のことで、常時使用する労働者数が50人以上の事業場に義務づけられています。

​​厚生労働省のアンケート調査では、ストレスチェックの実施割合は令和2年度には全事業者の8割以上となり、受検対象となる労働者のうち、実際に受検した労働者の割合が約8割を超える事業場は77.5%となっています(参考:厚生労働省)。

​​参照:厚生労働省|​ストレスチェック制度の効果的な実施と活用に向けて|Ⅰ解説編|1.ストレスチェック制度の実施状況 内 ストレスチェックの受検率のグラフをもとに作成

​​高ストレス者を把握することは、過重労働による健康被害やハラスメントによるメンタル不調をケアし、職場環境を改善できるメリットがあります。従業員が快適に働ける職場環境を整えることは、従業員の生産性の向上や事業の発展につながるため、結果的に企業側に大きなメリットをもたらします。

退職・休職を未然に防ぐ

​​産業医面談は、従業員の健康状態を早期に把握し、必要な対策を講じることで不調が悪化する前に対応が可能となります。また、休職を希望する従業員に対して産業医面談を実施することで、業務状況や健康状態を把握し、休職する前に労働環境を改善することができます。

​​その他、従業員が退職を希望するに至った理由を把握することで、職場環境を改善し、結果として人材の流出を防げる可能性があります。

​​これらの取り組みによって、従業員の退職や休職を未然に防げれば、安定した事業活動を継続できることがメリットといえます。

職場環境を改善できる

​​産業医面談は、職場環境が不調の原因になっていないかをチェックすることも目的の1つです。面談を通じて明らかになった問題点について、業務フローの見直しや労働時間の調整など、具体的な対応が可能になります。

​​上司に伝えづらい内容でも、産業医になら話せる従業員もいるため、産業医面談は従業員・企業側の両方にメリットがあるといえるでしょう。

従業員が「産業医面談は意味ない」と拒否する理由

​​従業員の健康対策として産業医面談を実施しても、「意味ない」という理由から拒否されてしまっては十分な対策を行えません。従業員が拒否する理由を把握し、適切に対応していくことが大切です。

ストレス・メンタル不調の自覚がない

​​従業員が産業医面談を拒否する理由として、メンタル不調の自覚がないことが挙げられます。たとえば、長時間労働によって高ストレス状態にあっても、問題なく日常生活を送れている場合は、本人が疲労やストレスに気づいていない可能性があります。

​​周囲の人から見ると、ケアレスミスが増えたり、思考力や判断力が低下したりといった症状が現れていても、自覚がなければ産業医面談を受けてもらえません。また、長時間労働がきついと感じていない場合や、現状では体調が回復している場合も、面談の必要性を感じにくいでしょう。

​​事業者は、このような従業員をケアする義務があり、産業医面談を適切に実施するように促す必要があります。

相談するとどうなるか・クビになるのが怖い

​​産業医面談が意味ないと感じる理由として、相談内容が会社に伝わったり、それより自身にとって不都合なことが起きるのではと考えている場合もあります。健康面やメンタル面などの個人的な状況を同僚や上司に知られたくないと考えている人もいるでしょう。

​​その懸念がある限り、たとえ産業医面談を実施したとしても、本音を引き出せず、職場環境を適切に改善することができません。

​​また、相談しても職場環境が改善されない場合は、産業医面談の意味がないと感じてしまいます。事業者は、産業医からの意見書を受けて、職場環境の改善に努めることが求められています。これは従業員の健康と安全を守るための重要な取り組みです。

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産業医面談を実施する際の注意点

​​産業医面談は、以下の3点に注意して実施しましょう。

会社指示で強制はできない

​​産業医面談は、会社指示で従業員に強制することはできません。ストレスチェックや健康診断で懸念事項があっても、本人の希望がない限り面談を義務化できないのが現状です。従業員の健康を守るための産業医面談だということを説明し、従業員側の理解を求めましょう。

​​一方、会社側には従業員に一般的な産業医面談を強制する権限はありませんが、労働安全衛生法に基づき、一定時間を超える長時間労働者に対しては特別な対応が求められます。従業員が本格的な不調を抱える前に、適切な措置をとりましょう。

産業医を信用できないと感じている従業員に配慮する

​​産業医面談を適切に実施するためには、従業員と事業者の双方の理解と協力が必要です。産業医を信用できないと感じている従業員に配慮し、産業医には守秘義務があることをしっかりと周知しましょう。

​​産業医には職場環境を改善するために会社に報告する役割がありますが、従業員のプライバシーに配慮しなければなりません。そのため、従業員の同意なしに個人情報を会社へ提供することはありません。あくまでも守秘義務が優先され、面談指導をした労働者の健康を守ることが産業医面談の第一の目的です。

産業医面談を受けたくなる従業員のメリットを伝える

​​産業医面談にネガティブな印象を持っている従業員に対し、「面談を受けたい」と感じるようなメリットを伝えることが重要です。産業医は、面談の結果を踏まえて会社側に必要な措置を助言します。会社側は産業医の意見を尊重し、職場環境の改善や労働者の健康管理に関して適切な対応を講じる義務があります。

​​つまり、産業医面談で相談したことによって職場環境が改善されたり、長時間労働などの労働状況が改善されたりするケースもあることを伝えましょう。会社側が面談後のサポート体制や労働環境改善の具体的なメリットを提示すれば、従業員が産業医面談を受ける可能性が高まります。

​​補足として、この時点ではあくまで企業側には努力義務が課されていますが、この努力義務を怠り、従業員に健康被害が生じた場合、労働契約法に基づく「安全配慮義務違反」として問われる可能性があります。労働契約法には罰則はありませんが、労働安全衛生法では状況により罰金が科せられる場合があるため、注意が必要です。

​​以上、産業医面談を実施する際の注意点を3点挙げましたが、すぐに効果がでない場合は、保健師の活用も有効な選択肢になるでしょう。産業医に求められる役割や業務の拡大に伴い、産業医と保健師が連携して従業員のサポートをおこない、職場環境の改善に努める方法も効果的です。

保健師は、従業員と産業医、人事、上長の間のハブ的役割を果たし、きめ細かいサポートを提供する専門職です。 ​

保健師が介在することで、従業員がより気軽に相談できるようになり、産業医面談に対しても前向きな姿勢をもてるようになるかの末井が高まります。保健師の活用により、従業員の健康管理や企業の健康経営を推進しやすくなるでしょう。

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保健師を活用すると、健康診断やストレスチェックの対応、長時間労働者や休職・復職者に対する産業医面談のフォローなど、さまざまな業務を効率よく進めることができます。

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まとめ

​​産業医面談は、従業員の心身の健康を守ることを目的として実施される面談です。労働安全衛生法により、事業者には従業員の健康に配慮する義務がありますが、産業医面談に対して理解を示す従業員は多くありません。

​​事業者は、産業医面談を受けても意味がないと感じる従業員に対して、受けるメリットやプライバシーの保護などを丁寧に周知する必要があります。

​​それでも不安に思う従業員には、社外相談窓口の利用も検討してみてください。複数の相談窓口を設けることで、従業員が相談しやすい体制を整えることができれば、不調を未然に防げるでしょう。

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