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コミュニケーションコストとは?高い組織の特徴と問題点、削減方法を解説

企業が高い業績を上げるためには、社内のスムーズなコミュニケーションが必要不可欠です。コミュニケーション能力はビジネスにおける必須スキルとして重要性が高く、社員間の円滑なコミュニケーションは組織全体の生産性向上に直結します。社内の情報伝達に多くの時間を要する、たびたび情報の行き違いが生じるという場合には、コミュニケーションにかかっている余分な時間や手間を減らす取り組みが必要です。

この記事では、コミュニケーションコストが高い組織の特徴や問題点を解説するとともに、コストを下げるための具体的な解決策をご紹介します。

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コミュニケーションコストの意味

コミュニケーションコストとは、情報伝達や意思疎通をおこなうために必要な時間や手間を意味する言葉です。たとえば、業務上の指示が正確に相手に伝わらなかったり、誰が担当者か不明確で相談すべき相手がわからなかったりと、情報伝達や意思疎通に必要以上のコストがかかっている状態は「コミュニケーションコストが高い」といえます。

コミュニケーションコストが高い職場では、社員間のやりとりに多くの労力が費やされています。すると、本来取り組むべき業務のリソースまで奪ってしまい、作業品質が不安定になったり業務効率が低下したりとさまざまなデメリットが生じます。生産性の高い組織をつくるためには、社員同士の円滑なコミュニケーションを重視しつつ、余分にかかっているコミュニケーションコストを削減することが重要です。

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ブルックスの法則

ブルックスの法則とは、チームのメンバーが増えれば増えるほど、コミュニケーションコストが増加し、業務の進捗が遅れてしまうことを意味します。もともとはソフトウェア開発におけるプロジェクトマネジメントに関する法則であり、進捗が遅れている開発プロジェクトに後から人員を追加したとしても、必ずしもスピードアップできるとは限らないという考え方です。

人数の増加によるコミュニケーションコストは、プロジェクトに参加している人数の2乗分、増加するといわれています。たとえば、あるプロジェクトのメンバー数を2倍にすると、コミュニケーションコストは4倍になるということです。追加された人員に対し、他のメンバーにすでに話した内容を説明したり、教育をおこなう必要があること、全体の人数が増えるために情報共有や意思疎通にこれまで以上に時間がかかることなどが影響しています。

コミュニケーションコストが高い組織の特徴

コミュニケーションコストが高い組織には次のような特徴があります。

特徴①:情報伝達に時間がかかる

コミュニケーションコストが高い組織では情報伝達に時間がかかるうえ、伝達する過程で正しく伝わらないことも発生しがちです。伝達ミスが起きるとその修正にさらに時間をとられることになり、業務の遅れの原因になります。社外とのやりとりにおいても、情報共有が遅い職場では顧客からの伝達事項が担当者までなかなか伝わらず、顧客に不満や不信感を抱かせてしまうおそれがあります。

特徴②:情報共有の仕組みが構築されていない

コミュニケーションコストが高い組織の特徴として、情報共有の仕組みが不十分であることも挙げられます。業務をおこなうなかで疑問が生じても、誰に質問すればよいのかわからず、その疑問に答えられる人を探すことから始めなければなりません。また、業務上必要とされる知識が集約されていないために、疑問点を解消するまでに多くの時間を費やしてしまいます。

特徴③:社員教育が不足している

業務を遂行するうえでベースとなる知識が不足していると、上司からの指示を理解できずに同じ質問を繰り返したり、ポイントがずれた質問をしたりすることになります。この背景には社員間のリテラシー格差が存在しており、社内研修やOJTの時間が十分にとられていないなど、社員教育の不足が高いコミュニケーションコストを招いていると考えられます。

コミュニケーションコストが高いために生じる問題点

コミュニケーションコストが高い組織では、情報が正しく伝わるまでに時間がかかり、業務の進行や組織の運営に悪影響が及びます。ここでは、コミュニケーションコストが高いことで発生する問題点をご紹介します。

問題点①:業務効率の低下

組織内のコミュニケーションコストが高いと、業務上の指示を出すだけでも必要以上に時間を要し、場合によっては複数回の確認作業が必要となることもあります。これにより業務の遂行に費やすべきリソースが削られてしまい、円滑なコミュニケーションがとれている場合と比べ大幅に作業効率が低下してしまいます。

また、上司からの指示が正確に部下に伝達されない、部下の情報に対する理解力が低いなど、業務上のミスが発生するリスクが高まります。実際にミスが起きると修正のための時間がさらにかかるため、どんどん作業効率が悪くなってしまいます。

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問題点②:意思決定スピードの遅れ

円滑なコミュニケーションがとれない組織では、情報の把握に時間がかかるうえに部門間の調整もなかなか進まず、結果的に意思決定のスピードが遅くなってしまいます。最悪の場合、意思決定ができないこともあるでしょう。また、指示内容や伝達事項の確認のために複数回のやりとりが必要になると、プロジェクト全体の進捗に大きな影響を及ぼすおそれがあります。

問題点③:社員のストレスの高まり

コミュニケーションコストが高い組織では、円滑なやりとりができないことで社員のストレスが高まりやすくなります。たとえば、伝達ミスが生じると上司から部下に対して詰問したり、取引先とのトラブルが生じて精神的に追い込まれたりすることがあります。さらに、社員一人ひとりのストレスの高まりはモチベーションの低下につながり、仕事のパフォーマンスが落ちてしまうことも懸念されます。

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コミュニケーションコストの削減方法

前述のとおり、コミュニケーションがとりにくい職場にはさまざまな問題点があります。円滑なコミュニケーションがとれる職場をつくるにはどうすればよいのか、コミュニケーションコストを減らすための具体的な対策を以下にまとめました。

方法①:企業理念の共有

企業理念を全社員が共有することで、自社の方針を社員一人ひとりが理解しやすくなります。また、考え方の土台が組織内に浸透すると、社員間で齟齬(そご)がなくなり、日常業務におけるコミュニケーションへの理解度も高まるでしょう。

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方法②:コミュニケーションをとりやすい職場環境づくり

必要以上の緊張感があり、聞きたいことがあっても気軽に話しかけにくいような職場の雰囲気は、社員同士のコミュニケーションを阻害します。業績向上のためには良好なチームワークが必須であり、誰もが周囲に気兼ねすることなく発言や行動ができる環境が理想的です。一致団結してチームワークを向上させるためにも、お互いに話しやすく、コミュニケーションをとりやすい雰囲気づくりを心がける必要があります。

方法③:ナレッジマネジメントの活用

ナレッジマネジメントとは、ベテラン社員の知識を社内で共有することで業務効率を高める管理手法です。具体的には、社内申請のレギュレーションやツールの使い方、アクセス情報などを集約し、必要なタイミングで誰もが利用できる状態にすることを指します。ナレッジマネジメントを活用することで、他の社員に確認する手間が省け、コミュニケーションコストを下げることができます。

方法④:社員教育の仕組み化

社員教育の仕組み化は、コミュニケーションコストを下げるための有効な施策となります。入社時に学ぶ内容はカリキュラムとして定めるべきであり、特に社員間のコミュニケーションのとり方について十分な時間を割くことが望ましいでしょう。社員にどこまでの知識や技能を求めるのか、カリキュラムの策定時にあらかじめ設定しておくことが重要です。

方法⑤:コミュニケーションツールの活用

チャットやプロジェクト管理ツールなどのコミュニケーションツールを活用することで、社員間のやりとりのハードルが下がり、社内コミュニケーションの円滑化につながります。電話やメールを使ったコミュニケーションは時間と手間がかかりますが、ビジネスチャットであれば会話形式の手軽なやりとりが可能で、これまでメール作成に要していた時間も削減できます。

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まとめ

組織内のコミュニケーションコストが高いとさまざまな弊害をもたらし、場合によっては業務上のトラブルを引き起こすおそれもあります。社員一人ひとりが自らのパフォーマンスを十分に発揮できる生産性の高い組織をつくるためにも、余分なコミュニケーションコストの削減は喫緊に取り組むべき課題といえるでしょう。

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