SAP HANA(S/4HANA)は非常に複雑なので、初心者には使い方が難しいと言われています。そこですぐに始められて作業を円滑に進めるための操作テクニックを解説します。よく使われる操作方法をまとめていますので、SAPを初めて使う方の勉強や参考になれば幸いです。会社でSAPを利用する方の基本操作と、ビジネスで実践可能なSAPの使い方をぜひご覧ください。
SAP HANA(S/4HANA)画面上で便利な小技集
- SAP GUIのシステムごとに異なる色
- 画面上部のアイコンが並ぶメニューバーの最も右に、赤緑青のアイコンがクリックし、「オプション」からSAP GUIオプションの画面を表示させます。(下図の一番右のアイコン)
- SAP GUIオプション画面の左側のメニューツリーから、「ビジュアルデザイン」>「色設定」>「システム内の色」をクリックして出た画面で、好きな色を選ぶことができます。
SAP GUI画面ごとに異なる色を使用すると、作業をすばやく行うときに問題が軽減され、異なるSAPシステムが混在しないようにすることができます。
例えば、本番機は赤、検証機は緑、開発機は青(デフォルト)としておくことが多いです。
- SAP画面のフォントとフォントサイズの変更
- SAP Easy Access画面のメニューバーの赤緑青のアイコンをクリックし、「オプション」からSAP GUIオプションの画面を表示します。
- SAP GUIオプション画面の左側のメニューツリーから、「ビジュアルデザイン」>「フォント設定」をクリックして、「等幅フォントの設定」にある選択ボタンを押す。フォント及びフォントサイズを選ぶ。次に表示する画面から変更が適用されます。
- SAP画面の入力履歴の表示や保存期間の変更
- SAP Easy Access画面のメニューバーの赤緑青のアイコンをクリックし、「オプション」からSAP GUIオプションの画面を表示します。
- SAP GUIオプション画面の左側のメニューツリーから、「ローカルデータ」>「履歴」をクリックします。
下記に表示される各項目を解説する
・履歴ステータス
オフ:項目入力時に履歴が表示されなくなります。
オン:最初の一文字やバックスペースを入力すると履歴を表示します。
即時:項目にフォーカスするだけで履歴を表示します。
・履歴の設定
履歴を保存しておく期限や、履歴ファイルのファイルサイズ、履歴のエントリ数を調整できます。長めに多く保持したい場合は、数値を大きめに設定しておけば良いです。
- SAP画面マウス操作でコピペ
SAP Easy Access画面のメニューバーの赤緑青のアイコンをクリックし、表示されるコンテクストメニューから「クイックカット&ペースト」を一度クリックしておく(有効化)。
これをすると、SAP画面上で文字列を選択すると、「Ctrl +C」を押さなくても勝手にクリップボードにコピーされます。
- SAP画面範囲選択でコピペ(Ctrl + Y)
各種ALVレポートや画面の格子状の個所について、Ctrl + Yで一括選択することができます。
例えば、ME2L(仕入先別購買発注伝票リスト)をALVで表示し、Ctrl + Yを押した後で
カーソルが「+」の形になる、Ctrl + Cでクリップボードにコピーできます。
Excelに貼り付けてちょっと計算するなど、かなり作業効率が違います。
- SAPメニューでトランザクションコードを照会する方法(各種ID表示)
メニューバーから、「補足」>「設定」を選択し、[技術名称表示]チェックボックスをオンにすると、SAP Easy Accessでの取引の横にトランザクションコードが表示されます
- SAP画面上書きモード/挿入モード
SAP画面右下に「OVR」という文字が見える場合、上書きモードになっています。
「INS」になっている場合は、文字挿入モードであり、おそらく多くの人が慣れ親しんでいる文字入力方式です。
切り替えは、OVRをクリックするとINSに、INSをクリックすればOVRに切り替わります。
- 現在使用中の SAP画面のトランザクションを知りたい
SAP画面右下に黒三角(▼)をクリックし、システム、クライアント、ユーザID、プログラムID、トランザクションなどのメンバーが表示されますが、その中でトランザクションを選んでおくと常時現在のトランザクションが表示されます。
- ユーザ定義一覧の登録
- SAP画面のユーザ定義を右クリックし、「トランザクション挿入」を選択すると、「トランザクションのマニュアル入力」ダイアログボックスが表示されます。
- トランザクションコードを入力して続行を選択すると、ユーザ定義一覧に新規アイテムが表示され、トランザクション名のラベルが自動的に付けられます
- ユーザ定義メニューの保存
自分の業務に最適化したユーザ定義を保存したい場合、SAP GUIからユーザ定義をダウンロードします。
SAP画面上部メニューバーの「ユーザ定義」>「PCへダウンロード」を実行します。これで、ユーザ定義のファイルがローカルPCに保存ができます。
- ユーザ定義メニューの取込み
SAP画面上部メニューバーの「ユーザ定義」>「PCへアップロード」を実行します。これで、他人のユーザ定義を自分のユーザ定義に反映させることができます。
- 画面項目の解説を表示(F1ヘルプ)
画面項目の意味を知りたい時、該当の項目をクリックしてキーボードの「F1」を押すと、項目の説明文が書かれた新規ウインドウがポップします。
- トランザクションを文字列で検索(Ctrl + F)
たとえば「VA01 販売伝票登録をしたいのだけど、トランザクションコードを忘れてしまった」という場合。トップメニュー画面にて、「Ctrl + F」を押すことで、検索ウインドウが開くので、「販売伝票」と入力すると、該当するメニューの枝まで自動的に開いてくれます。
また、「Ctrl + G」を押すことで、「前回検索した結果」が表示されます。
SAP S/4HANAへの道
知っておくべきこと、今からやれること、とは?
SAP HANAの使い方知っておきたいトランザクションコード
- SAP Easy Access画面(初期画面)をすぐに戻り
SAPのトランザクションコード欄に「/n」を入力すると、SAP Easy Access画面に戻ります。
- SAPトランザクション画面をすぐに切り替え
SAPのトランザクションコード欄に「/n + TCODE」を入力すると、現在の画面が「TCODE」画面に切り替わります。
例えば、現在の画面はTr:VA01(販売伝票登録)ですが、この画面はもう消してTr: VA03(販売伝票照会)の画面を表示したい場合、現在の画面上でトランザクションコード欄に「/nVA03」と入力します。すると、現在の画面がTr: VA03(販売伝票照会)画面に切り替わります。
- SAP新規トランザクション画面をすぐに開き
SAPのトランザクションコード欄に「/o + TCODE」を入力すると、「TCODE」新規画面に開きます。
例えば、現在の画面はTr:VA01(販売伝票登録)ですが。この画面はそのままに、Tr: VA03(販売伝票照会)の画面を表示したい場合、現在の画面上でトランザクションコード欄に「/oVA03」と入力します。すると、新規画面が開く、Tr:VA03画面が表示されます。
- SAPトランザクション画面を全て閉じてログオフ(確認なし)
SAPのトランザクションコード欄に「/nex」を入力すると、確認ポップアップ無しで全てSAP画面を強制終了してログオフします。
- SAPトランザクション画面を全て閉じてログオフ(確認あり)
SAPのトランザクションコード欄に「/nend」を入力すると、確認ポップアップを確認する上で全てSAP画面を強制終了してログオフします。
- SAPデバッグモード(DEBUG)
SAPのトランザクションコード欄に「/h」を入力しEnterボタンを押すと、デバッグモードになる。次に何かデバッグしたい機能を実行すると、コード画面に遷移し、処理内容を見ることが出来ます。
まとめ
今回は、SAP入門者向けに使い方を説明いたしました。「SAPは使いにくい製品」と言われることもありますが、必要な基本操作を画面を中心に操作マニュアルのように整理してみました。画面上や管理面で便利な小技、知っておきたいトランザクションコードをまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
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